コミュ障ヘタレと9人のアイドル   作: まきパリ

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お待たせしました。今回の番外編ですが、前編後編に分けています。
番外編ということで内容がメチャクチャです。許してね。
一応時系列は『コミュ障ヘタレは未熟な彼女たちの成長を夢見る』の後の話となっています。
あくまで番外編なので本編に影響しない程度に繋げています。



番外編
コミュ障ヘタレの休めない休日 前編


皆さんは女性が家に来てくれたら嬉しいですか?それも女子高生が。

 

普通はうれしいですよね!

 

でも、九人の面倒くさい女子高生が来たらどうでしょうか?

 

例えば・・・部屋を荒らしたり、勝手に冷蔵庫の物を漁ったり・・・

 

うぅ・・・考えただけで思いやられます。

 

でも・・・

 

みんな可愛いから良いんですけどね!

 

事の発端はある会話から始まる。

 

「すまない。もう一回言ってくれ。」

 

「だから、瑠惟君の家に行きたいの!」

 

時は夏休み、Aqoursは日々練習に励み、明後日からしばらく休みにしようということになった。休みというのは本来休むためにあるのだがそんな常識が通じないのが千歌たちである。

 

「それは分かってるが、Aquors全員でか?」

 

「そうだよ!ねぇーいーでしょー。」

 

「無理。九人も入んねーよ。」

 

「そこを何とか・・・。」

 

「ていうか何で家に来る必要がある?」

 

「だって東京行けるし、ホテルとかに泊まったらお金かかるからいっぱい遊べなくなるし。」

 

「・・・・・・」

 

「船長!私も行ってみたいであります!」

 

千歌と曜、お前ら前々から企んでたな?

 

「私も気になる。」

 

「梨子はいいぞ。」

 

「え?何で梨子ちゃんだけなの!!」

 

「だって静かだし。千歌たちみたいに荒らさないし。」

 

梨子ちゃんならいつでも来てくれてもいいんだよ。

 

むしろ来てください。

 

「まるたちも先輩の家に行きたいずら。そしておいしい物をいっぱい食べさせてもらうずら!」

 

「ル、ルビィも・・・」

 

「このヨハネが我がリトルデーモンの居城に降臨してあげるわ。」

 

「善子は来なくていいぞ。」

 

「善子じゃなくてヨハネ!」

 

あ〜もうめちゃくちゃだよ。

 

「マリーも行きたいなー。」

 

「あなたは昔に何回も来てるでしょ。」

 

「私はみなさんが行くのなら心配なのでついて行きますわ。」

 

「ダイヤさんも行きたいんでしょ?」

 

「そ、そんなことはありませんわ!/////」

 

すると後ろから柔らかい衝撃が来た。

 

「な、なんですか果南さん。離してください。」

 

「瑠惟が行っていいよって言うまでハグする。」

 

これはもう仕方ないな・・・

 

「分かりましたよ。いいですよみなさん来ても。」

 

「「「「「「「「「やったーー!」」」」」」」」」

 

とりあえず家の掃除とベッドの下に隠している男子なら誰でも一つはあるであろう秘蔵コレクションをどこかに移さなければ。千歌と曜の奴は絶対に部屋を漁る(確信)。もし見つかれば・・・静岡に帰れないだろう。

 

ということなので家に帰った後、すぐに志満さんたちに事情を説明して、その日の内に実家に帰った。

 

 

 

ー 東京 ー

 

久しぶりに帰ったな・・・

 

もちろん家には誰もいない。はずだった・・・

 

家に明かりがついていたので珍しく母さんか父さんが帰っているのだろうと思った。しかも何か作っている匂いがするので誰か料理でもしているのかと思った。でも両親には帰ることは言ってないんだよな。

 

「ただいま〜」一応言ってみる

 

「あら、おかえりなさい。」

 

ん?この懐かしい声は・・・

 

「ことりさんのお母さんですか?」

 

「久しぶりね瑠惟。」

 

この人は元μ'sのメンバー南ことりの母である。年齢不詳。

 

「なんで、人の家にいるんですか・・・」

 

「あら折角、疲れているだろうと思って晩御飯を作りに来てあげたのにその言い草はないんじゃない?」

 

「あなたに帰るとは言った覚えがないんですが・・・」

 

「それなら鞠莉ちゃんのお父さんから連絡をいただいたわ。『娘の大切な瑠惟君が今日実家に帰るので何か作ってやって欲しい』って。」

 

「そう言えば、浦の星女学院と音ノ木坂女学院って姉妹校でしたね。どうりで。」

 

「あなたがいるってことはもしかして・・・」

 

「えぇ、ことりもいるわよ。」

 

「デスヨネー。」

 

「ことりならリビングにいるわよ。」

 

「ご飯はもう少しでできるから待っててね。」

 

リビングに入るとそこには言った通り彼女がいた。

 

「あ!瑠惟君、おかえり〜。久しぶりね。」

 

あぁ脳がとろける〜。

 

いかんいかん、冷静になるんだ。

 

「お久しぶりです。ことりさん。」

 

「大きくなったね。今、高校二年生だっけ?」

 

「はい。おかげさまで。」

 

「今日は瑠惟君が東京に帰ってくるって聞いて急いで帰ってきちゃった。ホントは穂乃果ちゃんたちも一緒に来るつもりだったけどみんな急な事で予定が合わなくて・・・でも、ことりがいれば十分だよね?」

 

「いや、あの人たちは連れて来なくていいですよ。酔っ払ったら本当に面倒くさいので。」

 

そう、ことりさんは少々のヤンデレ要素を含んでいる。変に刺激してしまうとほんとに怖い事になる。それでも優しくて素敵な人なので一緒にいても嫌にならない。

 

「あなたたちご飯が出来たわよ。」

 

「「は〜い。」」

 

 

 

「「「いただきます。」」」

 

この人の料理を食べるのは何年ぶりだろう?

 

「うまい!」

 

「そう言ってもらえると嬉しいわ。」

 

「浦の星女学院での生活はどう?うまくいってる?」

 

「えぇ。なんだかんだ毎日楽しく暮らしてますよ。」

 

「瑠惟君、女子校に共学試験生として入ったんだよね?彼女とかはいるの?」

 

「いやいや、いませんよ。見ての通りモテる男ではありませんから。」

 

「え?そうなの?鞠莉ちゃんのお父さんからはスクールアイドル部のマネージャーになってハーレムを築いているって聞いたけど・・・」

 

この人は余計な事を・・・。敢えてその話題は避けてたのに。

 

「瑠惟君」

やべぇ。ことりさんヤンデレモード入っちゃった。

 

「それ本当なの?」

 

「す、スクールアイドル部のマネージャーは事実ですけど、ハーレムは築いていませんよ。」

 

「そう。なら良かった。瑠惟君はことりだけの人なんだから♡」

 

本当にそう思ってるなら振り上げているフォークを下ろしてください(切実)。

 

「と、とにかくちゃんとやってますよ。だから安心してください。」

 

それから三人で楽しく過ごした。

 

途中、ことりママが失言したりして命の危機は感じたが・・・

 

「今日はありがとうございました。良かったらまた来てください。今度はμ'sのみなさんも一緒に。」

 

「うん!ことりも楽しかったよ!じゃあねおやすみ!」

 

「瑠惟、頑張りなさいよ。いろんな意味で。」

 

「はいはい。分かりましたよ。」

 

「では、おやすみなさい。」

 

たまにはこういう過ごし方も悪くないな。

 

今日はもう寝て、明日部屋の片づけをしよう。

 

 

 

ー 翌朝 ー

 

やっぱり自分のベッドで寝るのは気持ちいいな。

 

まだ時間も早いがお片付けといきますか。

 

というか、ことりさんたちはどこで家の鍵を手に入れたんだ?

 

この分だと家族に関わった人間はみんな持ってそうだな。何それ怖い・・・

 

家の中も妙に片付いてるし。

 

まぁ考えても仕方ないか。

 

とりあえず片付けを続けよう。

 

片付けをしている内に昼になった。

 

今頃みんなは練習中かな。

 

自分は部屋を片付けるという名目で休んでいる。

 

こんなに落ち着いた日はいつぶりだろうか。

 

お腹もすいてきたしそろそろ昼ご飯にしよう。

 

そうだな・・・ラーメンでも食べに行こうかな。

 

 

 

ということでやって来ました『ラーメン〇朗』

 

ここに来るのも久しぶりだな。

 

「いらっしゃい!1名様で?」

 

「はい。あ、カウンターで大丈夫です。」

 

席に座り、買った食券を渡す。

 

「小の麺固めで。」

 

「少々お待ちください!」

 

懐かしいな。ここには頻繁に連れていってもらったな・・・

 

あの人たちは元気にしてるかな?

 

そんなことを思っていると・・・

 

「あ~!瑠惟君だにゃ!」

 

「え!ほんと!?」

 

「見間違いでしょ凛。」

 

この口調に、この返しは・・・

 

もしかして本当に来ちゃった!?

 

「凛さん!花陽さん!それに真姫さん!?」

 

「久しぶりだにゃ~!」

 

「お久しぶりですね。それよりまだ猫キャラだったんですか?」

 

「猫キャラ言うな!」

 

この人はμ’sのメンバーの一人、星空凛さん。

 

「瑠惟君久しぶりだね・・・」

 

「そうですね。花陽さん。また会えて嬉しいです。」

 

「ありがとう・・・」

 

こちらもμ’sのメンバー小泉花陽さん。

 

「瑠惟、ひ、久しぶりね。」

 

「真姫さん、今日も綺麗ですね。」

 

「もう、イミワカンナイ////」

 

こちらもμ’sのメンバー西木野真姫さん。

 

こうも続けて知り合いに会う事ってあるんだな。

 

いや~世間は狭い。

 

「やっぱり三人はいつでも一緒なんですね。」

 

そう、この人たちに会うときは大体三人一緒である。

 

「そ、そんなわけ無いでしょ。今日はたまたま凛に誘われただけよ。」

 

あ〜このツンデレも久しぶりだな〜。

 

「真姫ちゃん、赤くなってるにゃー。」

 

「もう!凛!」

 

「瑠惟君、東京に帰ってきてたんだね。」

 

「はい。昨日に帰ってきました。友人がどうしても家に来たいって言うもんですから。」

 

「そういえば瑠惟君は今、静岡に住んでるんだよね?一人暮らし?」

 

「いえいえ、親戚の旅館に手伝いをしながら住まわせてもらってます。」

 

「ことりちゃんが瑠惟君は女子校に入ったって言ってたにゃ~。」

 

待ってください、その言い方じゃとんでもない変態じゃないですか。

 

「瑠惟ってそんな男だったのね・・・」

 

ほら、真姫さんが変な勘違いをしてしまったよ。

 

「凛さん、言葉が足りてないですよ。自分は共学化の試験生として転入したんですよ。」

 

「確かにそうだったにゃ~。」

 

「確か入ったのは浦の星女学院だったよね?瑠惟君はその学校のスクールアイドルって知ってるかな?確か・・・Aqoursだったかな?」

 

さすが花陽さん。スクールアイドルには詳しいな。

 

「えぇ一応、そこでマネージャーをやってますから。」

 

「ほんと!?じゃああの花火大会で会場中を感動させたコメントをした有名なマネージャーって・・」

 

マジであれ放送されてたのかよ。どうりで花火大会の後からやたら声をかけられたりなぜかサインまで求められたのか。

 

「多分、自分の事です・・・」

 

「瑠惟君!すごいです!私最近Aqoursに注目してるんです!ほら!」

 

そう言って花陽さんが鞄から取り出して見せてきたのはスクールアイドルの雑誌だった。

 

そこに載っていたのは・・・

 

「あ、Aqoursじゃないですか!」

 

あいつらそういえばなんか取材がどうこう言ってたな・・・

 

え?自分?一応受けたけど・・・

 

「この雑誌のAqoursのマネージャーの紹介は・・・」

 

『期待の新星Aqoursを束ねる謎多きマネージャー』

 

はい。これだけです。ていうか誰だよこれ編集した奴。

 

「と、とにかく向こうでも頑張ってますよ。」

 

「そう・・・じゃあ瑠惟頑張ってね。」

 

「ありがとうございます。」

 

「私たちはもう行くね。あ、そうだ、穗乃果や絵里たちにも顔見せなさいよ。特に絵里は心配してたんだから。」

 

「分かりました。ではまたどこかで・・・」

 

そうだな、ラーメン食べたら、絵里さんの家にでも行ってくるか。

 

「ごちそうさまでした。」

 

 

 

ところで勘の良い皆さんなら気になっているでしょう。

 

なぜこんなにもμ’sに知り合いがいるんだと。

 

まぁ番外編だからね。多少はね。

 

実を言うと、東京に住んでいたときに母さんがことりママと仲が良かったのでμ’sの人たちと接する機会が多かったんです。

 

それ以上にあの人たちは自分の家をカフェのような場所と勘違いしておられたのか何かある度に集まっていたんです。

 

だったらみんなが鍵を持っていてもおかしくないな。ははは・・・

 

あの人たち、自分がいない間に勝手に家にで入りしていたのか・・・

 

 

 

確かここだったかな?絵里さんのマンションは。

 

部屋番号忘れたな・・・どうしよう帰ろうかな。

 

「あれ?瑠惟君ですか?」

 

もしかして・・・

 

「あ、亜里沙さん!?」

 

「はい。久しぶりだね。」

 

なんという幸運。ここで絵里さんの妹の亜里沙さんに会えるとは。

 

「あの実は・・・絵里さんが心配してると聞いて来たんですけど。部屋番号忘れちゃって・・・。」

 

「そうそう!お姉ちゃんずっと瑠惟君に会いたいって言ってて。今は出掛けてるけどもうすぐ帰って来るから一緒に部屋で待ってよう。」

 

「ありがとうございます。では、お邪魔します。」

 

「そんなに固くならなくてもいいよ。」

 

「コーヒーと紅茶どっちがいい?」

 

「紅茶でお願いします。」

 

やっぱり亜里沙さんは優しいな・・・

 

「瑠惟君、いつ帰ってきたの?」

 

「昨日の夜に帰ってきました。」

 

「へぇ〜そうなんだ。ねぇねぇ彼女さんとかいるの?」

 

「それが案の定いないんですよ。」

 

「意外、てっきりモテモテだと思ってたのに。」

 

「じゃあ私が彼女さんになるのはどう?」ニヤニヤ

 

亜里沙さんはいつもこうしてからかってくるのだ。

 

「それは・・・」

 

「ダメよ亜里沙!」

 

この声は・・・帰ってきたのか。

 

「あ!お姉ちゃん。おかえり。」

 

「お久しぶりです絵里さん。それに・・・希さん、にこさん。」

 

「久しぶりー!瑠惟!会いたかったわ!だって東京を出てから一回も連絡くれないから心配で・・・」

 

この人はμ'sの絢瀬絵里さん。なぜかいつも心配してくれる。酔っ払った時の悪絡みはμ'sの中ではトップクラス。

 

「えりちは心配しすぎなんよ。久しぶりやね瑠惟君。」

 

こちらもμ'sの東條希さん。この人の考えている事だけはいつも読めない。

 

「瑠惟、スーパーアイドルにこちゃんだよー!」

 

この人は・・・まぁいっか。

 

「ちょっと!私も紹介しなさいよ!」

 

はいはい。この人はμ'sの矢澤にこさん。現在現役のアイドルらしい。

 

「みなさん今日はお揃いで。」

 

「うん。えりちに家に来ないかって誘われて、そしたら瑠惟君がいたからビックリ。」

 

「私は分かってわ。何となく瑠惟が家に来ている気がしてたわ。」

 

絶対に嘘でしょ。

 

「にこは別にあんたに会いたかったわけじゃないんだからね。」

 

「はいはい。そうですか。」

 

「なんか私の扱いひどくない!?」

 

だってこの人だけは年上って感じがしないし。

 

「それにしても亜里沙。さっきの話は聞き捨てならないわね。私が瑠惟の彼女に相応しいのよ。」

 

「・・・・・・」

 

全員言葉を失っている。

 

なんでこの人がこんなに好意を寄せているかというと、多分自分のことを弟のような存在だと思ってくれてるからだと思う。

 

「はいはい。えりちのコントは置いといて、瑠惟君今、スクールアイドルのマネージャーやってるんやろ?」

 

「なんでそれを?」

 

「カードがうちにそう告げたんや!」

 

「本当は?」

 

「前にテレビで見たんよ。どこかの祭りの花火大会でコメントしてたの。」

 

「いやーそれにしても瑠惟君があんなに可愛い女の子たちに囲まれてたなんてびっくりしたで。」

 

「「希!それはホントなの!?」」

 

なんでにこさんまで食いついてるんですか?

 

「希さんの言ってることは真実ですよ。確かに自分は今、スクールアイドルのマネージャーをやってます。」

 

「そうなのね・・・」

 

「あんた頑張りなさいよ。マネージャーをやるんだったらしっかりと見ていてあげなさいよ。」

 

「そして、いつかにこ達を、μ'sを超えてみなさい!」

 

「はい!頑張ります!」

 

「では、そろそろ帰りますね。まだやることがあるので。」

 

「え〜。もう少しいてもいいのに。」

 

「すいません。明日、友人が来るのでそれの準備を。」

 

「また会いに来てね。瑠惟。私はいつでも待ってるわ。」

 

「はいはい。ではさようなら。」

 

次は・・・ほむらかな。

 

 

 

やって来ました。ほむら。

 

最後に来たのはAqoursのイベントで来た時だったな。

 

ガララッ

 

「こんにちわ。」

 

「いらっしゃいませ!って瑠惟君!?」

 

「どうも、お久しぶりです。」

 

「久しぶり・・・って前にもこんなやりとりしたね。」

 

「そうですね。あの時はありがとうございました。おかげさまで助かりました。」

 

「うん。なら良かった。・・・そうだ!穗乃果の部屋で待ってて。海未ちゃんも雪穂もいるよ。」

 

よかった。これで全員に挨拶できる。

 

「はい。ありがとうございます。では、お邪魔します・・・」

 

店の奥の階段を上り二階へと行く。

 

どの部屋だったかな?

 

扉の隙間から明かりが漏れている部屋が目に入る。

 

お!ここか。ではでは。

 

「失礼し・・・」

 

「ラブアローシュート!バンッ!」

 

「・・・・・」

 

どうやら部屋を間違えたようです。

 

すると隣の部屋の明かりが漏れていることに気づいた。

 

「失礼し・・・」

 

「もうちょっと・・・。もうちょっと大きければ、お姉ちゃんみたいに・・・。」

 

また部屋を間違えたようです。

 

そして一番奥の部屋に入ろうとすると。

 

ドンッ!!

 

「「見(まし)た!?」」

 

「いえいえ、誰もラブアローシュート(笑)撃ってた人や、胸を寄せようとしてた人なんて見てませんよ。」

 

「「覚悟はできてる?」」

 

「我が生涯に一片の悔い無し。」

 

千歌たちすまない。コミュ障ヘタレの物語は今日で終わりだ・・・

 

番外編が最終回なんて・・・

 

次の瞬間、腹部に強い衝撃を感じてそのまま意識を手放した。

 

瑠惟君!まだ終わるには早いよ!

 

ん?

 

目が覚めると木目の天井が目に入る。

 

あれ?生きてる?

 

「ここは・・・?」

 

「あ、気づいた?ここは穗乃果の部屋だよ。なんかすごい音がして見に行ったら顔を赤くした海未ちゃんと雪穂がいて、そばで瑠惟君が倒れてたんだよ。びっくりしたんだから。」

 

「申し訳ありません瑠惟。恥ずかしいところを見られてしまって、つい・・・」

 

「大丈夫ですよ海未さん。こう見えて結構鍛えてますから。」

 

この人はμ’sの園田海未さん。一見するとTHE大和撫子っていう感じだが、お酒を飲むとあら不思議、仕事の愚痴を言うし、急に脱ぎ出すのでかなり厄介。その時の記憶が無いのもタチが悪い。

 

「私もごめんね。あんなとこ見られたから・・・」

 

この人は高坂雪穂さん。穗乃果さんの妹で元スクールアイドル。穗乃果さんと同じく穂むらを継いでいる。昔は勉強を見てもらったり、面倒見てくれたりで、かなりお世話になった。

 

「それにしても帰ってきてたんだね。」

 

「夏休みですし、友達も来たいと言うので、それでμ’sのみなさんに挨拶をして回ってるんです。」

 

「穗乃果、心配してたんだよ~。全然電話もしてくれないし、何かあったのかなってずっと不安だったの。」

 

「すいません。毎日忙しくて。」

 

「わ、私は瑠惟なら大丈夫だと言ったんですよ。それなのに穗乃果は・・・」

 

「海未ちゃんだって穗乃果に『瑠惟に会いたいです~。』って泣きついてきたじゃん!」

 

「ほ、穗乃果!それは言わない約束ですよ!////」

 

「やっぱり海未さんは優しいですね。」

 

「当然ですよ!でも、今度からは定期的に連絡するように!」

 

「はい。分かりました。」

 

「瑠惟君、スクールアイドルのみんなとはどうなの?」

 

「スクールアイドル?何のことですか?」

 

あっそうだ、この人はAqoursのマネージャーやってる事知らないんだった。

 

「え?知らないの海未ちゃん!?瑠惟君はスクールアイドルのマネージャーやってるんだよ!それにテレビにも出てたんだよ!」

 

「へぇー・・・そうですか。」

 

「私たちには連絡もせずに女子校で破廉恥なことをしていたと?」

 

「い、いや確かにマネージャーですが、破廉恥な事は一切・・・」

 

これまでの事が頭に浮かんだ。

 

あ、傍から見れば十分破廉恥に見えるかも。

 

「していたのですね?」

 

「多分・・・」

 

「あなたという人は・・・」

 

「すいません。」

 

「分かってますよ。あなたはメンバーの事を第一に考えているですよね。」

 

海未さん・・・

 

「でも、あんまり無理をしないようにしてくださいね。」

 

「はい!ありがとうございます!」

 

それから昔の事を話したり、今の生活の事を話したりした。

 

とても暖かい時間を過ごした。

 

おっともうこんな時間だ。

 

「あの、そろそろ帰ろうかと・・・」

 

「あっ!待って瑠惟君。」

 

そう言うと穂乃果さんは下に降りて行った。

 

どうしたんだろう?

 

「はいこれ。穂乃果特製のほむまんだよ!これお友達とみんなで食べてね!」

 

「ありがとうございます。ではまた。」

 

それから家に帰り、昨日残ったご飯を食べて、部屋の最終チェックをして寝た。

 

明日は千歌たちが来るな。

 

騒がしくなりそうだな。




とりあえずμ'sを出したかったのでこうなりました。
後編はAqoursがメインです。
期末テストで遅くなるかもしれませんができるだけ早く投稿します。

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