コミュ障ヘタレと9人のアイドル   作: まきパリ

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この話ではAqours全員がバスケ経験者という設定です。

本編のパラレルワールドみたいな感じで捉えてもらえると助かります。

バスケ要素が強い話となります、できるだけ補足説明はしますがルールをあまり知らない人には少々難しい話かもしれないです。

そして相変わらず主人公が暴れます。


スクールアイドルでも・・・バスケがしたいです!ACT1

ラブライブに向けて今日も練習に励むAqoursの10人。

 

そんな俺たちに今日もどこからか非日常の始まりを告げるメールが届く。

 

ピロン

 

Aqours専用のパソコンにメールが来たことを確認し、俺はすぐにメールを開く。

 

えっと・・・なになに・・・

 

瑠惟「!?」

 

な、なんだこれは?

 

千歌「瑠惟君、どうしたの?」

 

俺の様子が気になった千歌が声を掛ける。

 

瑠惟「まぁなんだ・・・仕事の依頼がまた来ました。」

 

千歌「やったぁ!それで今度はどこから?」

 

瑠惟「スクールアイドル運営委員会と日本バスケットボール協会からです。」

 

絶対に関わることのなかろうこの二つの団体。なぜこんなことに・・・。

 

果南「それでメールにはなんて?」

 

瑠惟「えっと・・・要約すると、日本のバスケの競技人口の増加のためにスクールアイドルにバスケの良さをアピールしてほしく、

 

それに伴い・・・Aqoursに現役高校生とエキシビジョンマッチをしてほしいとのことです。」

 

果南「ふーん・・・いいじゃん。」

 

え?

 

千歌「よっし頑張るぞ!」

 

ええ?

 

瑠惟「待ってくれ、なんでそんなにすぐ納得できるんだ。ほら、色々とツッコミたくなるだろ?なぁ梨子?」

 

梨子「別にいいんじゃないかしら。私達全員経験者だし。」

 

ツッコミ役が仕事をしてくれない。

 

曜「それに瑠惟君だっているし!」

 

まぁ文面にはAqoursと書かれているわけで俺が出ても反則にはならないわけだが・・・

 

瑠惟「じゃあ・・・とりあえずOKと返事しておくぞ。」

 

彼女達の順応性の高さを思い知らされた俺なのであった。

 

 

 

 

 

翌日スクールアイドル運営委員会達から折り返しのメールが来た。

 

内容としては詳しい日程や当日の流れ、その他細かい点などが書かれていた。

 

それで肝心な俺達の対戦相手は・・・

 

 

 

 

 

東京都男女混合高校生選抜チーム

 

 

 

 

つまり・・・

 

 

 

瑠惟「東京の最高戦力じゃねぇーか!」

 

運営俺らに勝たせる気なくて草

 

もうちょっとさぁ・・・最近流行りの忖度とかしてくれないのかね?

 

善子「相手に不足なしね・・・。」

 

不足なしって・・・お前らより余裕で強いからな。

 

千歌「今回の相手そんなに強いの?」

 

瑠惟「分かりやすく言うとμ'sとA‐RISEが1つになったくらい豪華なメンバーってことだな。」

 

ダイヤ「確かにこれは下馬評では私達の敗北が濃厚ですわね。」

 

花丸「でも先輩は何か考えがあるずら。」

 

瑠惟「いや、全く何も考えていません。」

 

それでも確かなのは・・・

 

瑠惟「負けるつもりもこれっぽっちもないんだよなぁ。」

 

不敵な笑みを浮かべる俺なのであった。

 

瑠惟「みんな明日から俺特製の特別メニューやるぞ。まぁみんなが選抜チームに勝ちたいならだけど・・・」

 

千歌「やるからには絶対に勝ちたいよね!」

 

瑠惟「よし来た。じゃあ明日から頑張るぞー!」

 

ー おぉー!!! ー

 

 

 

 

 

 

 

 

ということで翌日、俺達はいつもの練習を返上して試合に向けていつもの屋上とは違い体育館での特別メニューを開始した。

 

瑠惟「練習は基本的にポジション別でやってもらって最後に5対5の試合形式の練習をやるつもりだ。それでみんなのポジションだが・・・」

 

 

まずはPG(ポイントガード)は・・・

 

 

俺と梨子。

 

 

*PG・・・コート上の監督とも呼ばれ、ゲーム全体の試合運びを担う重要なポジション。

 

 

 

 

次にSG(シューティングガード)は・・・

 

 

花丸とダイヤさん。

 

 

*SG・・・主に外からのシュートで得点を狙い、ドリブルで中に切り込んだりもする。PGの補助もこなす。

 

 

 

 

それからSF(スモールフォワード)は・・・

 

 

千歌とルビィちゃん。

 

 

*SF・・・中からも外からも攻めることができるオールラウンダー。いわゆるスコアラーと呼ばれる選手はこのポジションであることが多い。

 

 

 

そしてPF(パワーフォワード)は・・・

 

 

善子と鞠莉さん。

 

 

*PF・・・フィジカルが強く、パワーのあるプレーができ、リバウンド争いにも参加できる。中距離のシュートが打てて、パスもさばけると完璧。

 

 

 

 

最後にC(センター)だが・・・

 

 

曜と果南さん。

 

 

*C・・・PGと同じくらい重要なポジション。ゴール下での体を張ったプレーを得意とし、オフェンスではフィニッシャー。ディフェンスではゴールの最後の砦となる。

 

 

 

 

 

 

瑠惟「じゃあ今から練習メニューを説明する。

 

まず花丸とダイヤさんは昔の感覚を思い出してほしいので、ひたすらシュート練習。その後はまた説明します。」

 

花丸「了解ずら!」

 

ダイヤ「承知しましたわ。」

 

 

 

瑠惟「次に千歌とルビィはボールを2つ使ってのドリブル練習。それが終わったら、スリーポイントエリア内でのシュート練習、そしてスリーポイントエリア外からのシュート練習、そして2人で1on1。詳しいことは紙に書いてあるからそれを読んでくれ。」

 

 

千歌「OK!」

 

ルビィ「が、がんばります・・・。」

 

 

 

 

瑠惟「善子と鞠莉さんは曜と果南さんと一緒に2on2をやってほしい。ただしエリアはスリーポイントラインより内側でお願いします。それが終わったら2人はパス→ミドルシュートをひたすら練習してください。」

 

 

善子「この程度造作もないことよ。」

 

鞠莉「レッツゴー!」

 

 

 

瑠惟「曜と果南さんは先程のメニューが終わったら花丸ちゃんとダイヤさんに合流してリバウンドの練習をしてください。シュートはその2人が打ってくれます。」

 

 

曜「了解であります!」

 

果南「うん。分かった。」

 

 

 

梨子「私は・・・何をすれば・・・。」

 

瑠惟「梨子にはひたすら俺と1on1をしてもらう。その中で教えられることは全て教えるつもりだ。正直かなりしんどいと思うが大丈夫か?」

 

梨子「大丈夫!私がんばるから!」

 

瑠惟「それでは各自練習開始!」

 

 

それから俺達は試合の当日まで必死に練習した。まるで中学時代のように走り、声を出し、ボールを追いかけた。それにしても久しぶりのフットワークは本当にしんどかったぞ。あれが嫌で何度も部活を休もうとしたし・・・・・・やっぱりバスケって楽しいよな。それもAqoursのみんなとできて。今度の試合絶対に勝ってやるぞ!

 

 

 

 

そしてやってきた試合当日。

 

俺達は新幹線で東京に向かい(交通費は向こう持ち)会場となる体育館へとやってきた。

 

この体育館は全国大会でも使用されるほど大きな体育館で、コートから見る観客席の眺めは圧巻の一言だ。

 

 

ちなみに本日試合をするのは俺達だけでなく他のスクールアイドルも現役チームと試合をしているらしい。二次創作の番外編だから許されるが、現実でやればバッシングは確実だぞ本当に。

 

 

スクールアイドルがバスケの試合をするとあって観客席にはただのオタクはもちろん普通のバスケファンもたくさんいる。

 

 

そういえばさっきツイッターで多くの人が試合の結果予想をしていたのだがダイヤさんの言う通り、ほとんどの人は現役高校生の圧勝だと予想していた。・・・・・・ほとんどはね。

 

 

試合開始数分前・・・

 

俺達はベンチで着々と準備を進め、試合の作戦会議をしていた。

 

瑠惟「・・・・・・ということで作戦は以上。じゃあスターティングメンバーを言うぞ。梨子、千歌、花丸、鞠莉さん、果南さんで。・・・メンバーはどんどん変えてくから体力温存は考えなくていいぞ。」

 

 

10人で円陣を組む。

 

 

瑠惟「今日の試合だけど、普通に考えたら現役でやってる方が勝つよな。

 

それはみんなも分かってると思う。

 

でも残念ながら今日の相手が悪かった。

 

なんせ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここにいるメンバーは全員中学時代、全国大会出場経験者だからな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さぁ行こうか。どっちが本当に強いのかを証明しに!」

 

 

 

 

 

瑠惟・千歌「Aqours!」

 

全員「サンシャイン!」

 

 

 

 

 

 

*ここから三人称視点となります。ーーーー

 

 

試合は10分×4クォーター制

 

タイムアウトは前半2回、後半2回の計4回

 

延長戦は無し

 

 

両チームスターティングメンバー

 

【⠀チームAqours 】

 

4番 高海千歌 157cm SF

 

6番 桜内梨子 160cm PG

 

7番 国木田花丸 152cm SG

 

11番 松浦果南 162cm C

 

12番 小原鞠莉 163cm PF

 

(ベンチ)

 

5番 渡辺曜 157cm C

 

8番 黒澤ルビィ 154cm SF

 

9番 津島善子 156cm PF

 

10番 黒澤ダイヤ 162cm SG

 

13番 西王瑠惟 179cm PG

 

 

【 チーム 東京選抜⠀】

 

4番 田所浩二 (男)170cm PG

 

5番 高木美穂 (女)158cm SF

 

6番 鈴谷晋作 (男) 185cm C

 

7番 原田麗奈 (女) 155cm SG

 

8番 古坂杏 (女) 160cmSG

 

 

 

両チームがコートの真ん中で向かい合う。

 

 

 

その前にAqoursの5人は全員で審判のところに挨拶に行った。

 

そして5人ともしっかりと審判の手を両手で握り、目を見て『よろしくお願いします。』と言った。

 

再び全員が整列すると審判は試合開始の宣言をした。

 

 

審判「それではこれより、Aqours 対 東京選抜との試合を始めます!両チーム礼!」

 

 

 

「「よろしくお願いします!!」」

 

 

 

ジャンプボールは果南と向こうの6番の選手が争うことに。

 

 

「身長差すごいな〜。」

 

「あぁだいたい20cmぐらいあるぜありゃ。」

 

観客はそう声を漏らす。

 

それもそのはず果南は162cm対する相手は185cm。

 

その差なんと23cmである。

 

 

鈴谷「先に言っておく、この勝負君たちに勝ち目はない。スクールアイドルかなんだか知らないが、現役の俺達には絶対に勝てない。」

 

 

6番の鈴谷が向かい合う果南に向かってそう言った。

 

 

果南「・・・勝負は何でもやってみなくちゃ分からないと思うけどなぁ。」

 

 

鈴谷「その余裕すぐにへし折ってやる。」

 

 

会場にいる誰もがジャンプボールを制するのは東京選抜チームだと思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

だが・・・この男は違った。

 

 

 

 

 

 

 

 

瑠惟「絶対に勝てない?・・・馬鹿野郎。この世には絶対なんてどこにもないぞ。そんな考えじゃあ・・・痛い目見るぞ。」

 

 

 

 

審判がボールを真上に放り投げる。

 

 

 

瑠惟「さぁティップオフ(試合開始)だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボールが最高到達点に達する瞬間に両者跳躍した。

 

 

最初にボールに触れるのは誰もが6番の男だと確信した。

 

 

だが・・・

 

 

 

バシッ!

 

 

 

 

鈴谷「!?」

 

 

 

 

果南「ごめんね。私って結構バスケが得意なんだ。」

 

 

 

なんとジャンプボールを制したのは果南の方だった。

 

 

 

予想だにしない結果で相手チームと観客がざわつく。

 

 

 

「なんで果南ちゃんが取れるんだ!?」

 

会場のファンの1人が驚きを隠せずに口に出る。

 

「いやぁまぐれだろ?」

 

隣にいたファンがそう返す。

 

誰もが何が起こっているのかが分かっていなかった。

 

しかし対峙した鈴谷には分かった。彼女が一体何をしたのかが。

 

鈴谷(なんて女子だ・・・俺と同時に飛んだのに先にボールに触れる高さまで到達しやがった。本当にあいつがただのスクールアイドルなのかよ。)

 

 

果南が弾いたボールを梨子がキープしそのまま前に放り投げた。

 

梨子「花丸ちゃん!」

 

梨子のパスを花丸が受け取りドリブルでスリーポイントエリア近くまで進む。

 

ここで相手選手が追いつき、速攻に備えディフェンスを整えようとする。

 

 

 

 

 

 

しかし・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瑠惟「甘い。千歌の父さんが作る和菓子並みに甘い。

 

・・・花丸をフリーにするのはね。」

 

 

 

 

 

花丸「先制点もらうずら。」

 

 

なんと花丸はその場でシュートモーションに入る。

 

 

相手は花丸が何をやっているのかが分からず呆然と見ていた。

 

 

彼女はそのままシュートを打ち・・・

 

 

 

 

シュバッ

 

 

 

 

 

綺麗なスリーポイントシュートを決めたのだった。

 

 

 

 

3 - 0

 

 

 

 

先制点を奪取したのは観客の予想とは反しAqoursの方だった。

 

梨子「花丸ちゃん!ナイスシュート!」

 

花丸「梨子ちゃんもいいパスずら!」

 

2人はハイタッチを交わす。

 

 

 

 

今のプレーを見ていた東京選抜の監督は驚愕の表情を浮かべていた。

 

 

「なんて少女だ。試合の最初の大事な速攻の場面で迷わずにスリーを打つとは・・・しかもそれを決めてくる技術。それにジャンプボールを制したあの少女も・・・これは相手チームに対する評価を少し改めねばならんな。」

 

 

瑠惟「監督さんが驚くのも無理はない。

 

なんせあの場面だったら誰だって味方を待って数的有利を取ってから攻めるのが当たり前だからな。

 

しかもシュートを外せば確実にリバウンドは取られていた。

 

だが花丸にはそんなこと関係ない・・・」

 

 

 

 

バシッ!

 

 

 

田所「ファ!?」

 

今のプレーで動揺した4番の田所がパスミスをしてターンオーバーを許してしまった。

 

*ターンオーバー・・・オフェンスのミスで攻守が入れ替わること。

 

こぼれ球を保持した千歌がドリブルでゴール近くまで侵入する。

 

が、ここで5番の高木が自陣まで戻り千歌の前に立ちふさがる。

 

高木「ここで5点目を取られるわけにはいかないわ!」

 

相手が来ると千歌はボールを外に流した。

 

千歌「1つ間違ってるよ・・・」

 

高木(なんで・・・そこにあなたがいるのよ!?)

 

サイドに展開していた花丸にボールが渡る。

 

そしてそのままモーションに入り・・・

 

 

 

 

 

 

 

スパッ

 

 

 

 

 

 

 

 

花丸「正しくは6点目ずら。」

 

 

 

ゴールネットをくぐる綺麗な音が会場に響いた。

 

 

 

6 - 0

 

 

 

コートで花丸のプレーを見ていた同じSGの原田は目を見開いた。

 

 

原田「思い出したわ!」

 

古坂「どうしたの?」

 

原田「聞いたことがあるの静岡にスリーポイントの達人がいるって。

 

 

その凶悪な成功率の高さと裏腹にまるで文学少女のような清楚さを持つその様子から彼女はこう呼ばれていたわ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷蝶(らいちょう)・・・・・・国木田花丸」

 

 

 

 

 

試合が開始してから1分も経たないうちに6点も失点した東京選抜はとりあえず一本を返そうと田所はボールを鈴谷に回した。

 

鈴谷は持ち前のパワーで果南をゴール下まで押し込みターンをしてシュートを放った。

 

果南はブロックに飛ぶが僅かに届かずゴールを許してしまった。

 

 

 

 

6 ‐ 2

 

 

 

鈴谷「もう油断はしない!全力で倒させてもらう!」

 

 

果南「おもしろいね。そうこなくっちゃ!」

 

 

 

続いてのAqoursのオフェンス、相手チームは花丸を最警戒し彼女に原田と小坂のダブルチームでディフェンスをしてきた。

 

瑠惟(あんなシュート見せられたらそうせざるを得ないよな。でも・・・)

 

ダブルチームによってマークがついていない鞠莉に梨子からパスが送られた。

 

フリースローライン辺りでボールを持った鞠莉はシュートを放つ

 

鞠莉「追加点GET!」

 

 

 

 

鈴谷「甘い!」

 

 

 

バチィ!!

 

 

 

鞠莉「What!?」

 

 

鞠莉のシュートは鈴谷によりブロックされてしまった。

 

そしてボールを田所が拾い速攻を仕掛けてきた。

 

 

梨子「みんな戻って!」

 

彼女は田所をマークするが彼も全国レベルの選手。あっさりと彼女を抜きそのままゴールに迫る。

 

田所はレイアップの体勢に入り跳躍する。

 

 

 

 

 

果南「させないよ!」

 

 

追いついた果南が田所の後ろからブロックを試みた。だが・・・

 

 

田所「いきますよ~」

 

田所はそのままボールを宙に放った。

 

果南「これは・・・シュートじゃない!」

 

そう、田所は空中にでシュートからパスに切り替えたのだ。

 

そしてそのパスを受け取ったのは・・・

 

 

 

鈴谷「田所、いいパスだ。フンッ!」

 

 

バキィィ!

 

鈴谷はボースハンドダンクでボールをリングに叩き込んだ。

 

 

 

ウォォォォォ!!!!

 

 

「ダンクきたぁ!!」

 

 

彼のダンクで会場が盛り上がる。

 

 

 

6 - 4

 

 

 

 

さっきまで涼しい顔していた瑠惟がベンチで少し焦っていた。

 

 

瑠惟(あいつ強くね!?なにあのダンク!?ゴールまだ揺れてるんだけど!しかも向こうの4番も相当できる!これは何か手を打つべきか・・・)

 

 

彼がタイムアウトを取ろうか迷っていると

 

 

 

千歌「瑠惟君!」

 

 

千歌が瑠惟の名前を叫び、首を横に振った。

 

 

瑠惟(なるほど・・・自分たちで何とかするってことかよ。)

 

 

瑠惟(分かった。とりあえずここはお前に任せる・・・キャプテン!)

 

 

 

2点差まで詰められたAqoursだったがコート上のメンバーは誰も焦っておらず、むしろその表情は冷静そのものだった。

 

 

ここでAqoursが仕掛ける。

 

 

梨子がボールを千歌にパスすると千歌以外の全員が彼女と逆サイドに移動した。

 

 

「これは・・・アイソレーション。なるほどあのオレンジ色の髪の子がエースというわけか・・・。」

 

 

*アイソレーション・・・特定の選手がスペースを使いやすくなるように他の選手が逆サイドに移動すること。

 

 

千歌のマークに付くのは5番の高木。彼女は千歌の出方をしっかりと見ようとしている。

 

 

 

まず動いたのは千歌だった。彼女はシュートモーションに入る。

 

 

だが・・・

 

 

高木(明らかに動きがぎこちない・・・これはフェイクね。)

 

 

予想通り千歌のそれはフェイクで次に千歌は高木の右からドライブを仕掛ける。

 

 

高木(こっちが本命ね!バレバレなのよ!そんな下手くそなフェイクじゃあ全国レベルは抜けない!もらった!)

 

 

高木の手が千歌のボールを捉えようとする。

 

 

しかし・・・

 

 

その手は空を切る。

 

千歌はボールを取りに行って体が右に寄った高木の左側からドライブで抜き去った。

 

 

高木(これは・・・2段フェイク!あんなにシュートがぎこちなかったのは2回目のフェイクに引っかかりやすくするための布石!)

 

 

千歌はそのままゴール下まで行き鈴谷と対峙する。

 

 

鈴谷「誰が来ようと同じこと!止めるのみ!」

 

 

千歌「ここは絶対に落とせないの・・・だから決めさせてもらうよ!」

 

 

ボールを持った千歌はレイアップの体勢に入る。

 

対する鈴谷もそれを見てから両手を上げ跳躍する。

 

その体格差約30cm!

 

鈴谷もこれは止めたと確信した

 

 

 

・・・が現実は違った。

 

 

 

千歌の放ったシュートはフワッと高いループで鈴谷の手の上を軽々通り越しそのままゴールに収まった。

 

鈴谷(何!?俺の上を通り越しただと!)

 

 

「あの4番、鈴谷のブロックを簡単にかわしたぞ!」

 

「なんだ今のシュート!」

 

 

 

 

瑠惟「全く・・・本当にあいつはすげーな。久しぶりに見せてもらったぜ。お前のスクープシュート!」

 

*スクープシュート・・・一般に背の低い選手が背の高い選手のブロックをかわすためのシュート。レイアップのフォームと同じだが通常よりも高いループで放たれる。別名『ハイループレイアップ』

 

 

千歌「高いだけじゃ止められないよ。」

 

鈴谷「なるほど。おまえは確か中学時代・・・『静岡の星』と呼ばれていたな。高海千歌。おもしろい。そうでなきゃ倒しがいがない!」

 

 

 

 

その後も両チーム一進一退の攻防を繰り広げ、第1クォーター残り2分。

 

 

 

20 ー 18

 

 

 

Aqoursが2点をリードする展開となっていた。

 

瑠惟(・・・確かに点は取れている。だが思った以上に点差が離れていない。)

 

彼は当初前半から全力で点を取りにいっての逃げ切りを理想としていたが、試合を見ているうちにその考えが甘かったと実感し始めていた。

 

 

Aqoursの攻撃、ダブルチームが付いている花丸に鞠莉がスクリーンを掛けて彼女のフリーのチャンスを生み出す。

 

*スクリーン・・・味方が動きやすくするためにある選手が壁をつくり相手選手の進行を妨げるプレー。

 

一瞬のチャンスを見逃さなかった梨子は花丸がフリーになった瞬間にパスを出し、見事ボールが花丸の手に渡る。

 

花丸がシュートモーションに入るとマークの選手が追いついてブロックのために跳躍する。

 

 

 

しかし花丸はシュートせずにボールを下におろしパスを出した。

 

 

パスの相手は・・・

 

 

 

 

 

 

 

鞠莉「ナイスパス!」

 

 

先程スクリーンで花丸をサポートした鞠莉がノーマークになっていたのだ。

 

鞠莉はドリブルでゴール下へ突っ込んだ。

 

しかし先程と同じく鈴谷のヘルプが鞠莉に迫る。

 

 

鞠莉「・・・こんな感じよね。」

 

 

彼女は巧みなドリブルでギリギリまで鈴谷を引き付けた後、ノールックビハインドパスで逆サイドの果南にパスを出した。

 

*ノールックビハインドパス・・・背面からボールを通してパスをするが、それをパスの相手を見ずに行うこと。

 

 

鈴谷(この12番なんてハンドリングしてやがる。ボールの動きが全く分からない!)

 

 

鞠莉「ちゃんと決めてよね果南。」

 

 

果南「はいはい。」

 

 

果南はノーマークで悠々とシュートを打ち追加点を決めた。

 

 

22 - 18

 

 

瑠惟(鞠莉さん絶好調じゃん。いや〜いつ見てもあのボールさばきは真似できないと思わされるよ。)

 

 

ディフェンスでも鞠莉は相手チームの脅威となっていた。

 

鞠莉にマークされている古坂は彼女の振り切れそうで振り切れないいやらしいディフェンスにイライラし、体力を着々と消耗させられていた。

 

古坂(この子私が振り切ろうとしたらマークを強めてくるし、かといって仕掛けようとしなければ隙を作って行けるかもって思わせてくる。事実この8分間私はほとんどのボールを持ててない。もぅ!イライラする!)

 

 

何とかボールを貰おうと古坂は強引に鞠莉のマークを振り切りパスを要求する。

 

 

古坂「ちょうだい!」

 

 

ボールを持っていた高木はそれに反応してパスを出した。

 

 

古坂(よし!もらった!)

 

 

そう彼女が確信したのも束の間・・・

 

 

 

バチィィ!

 

 

古坂「しまった!」

 

 

鞠莉が一瞬で間合いを詰めボールをスティールしたのだ。

 

 

ボールを拾った鞠莉はそのままドリブルでぐんぐん進んでいく。

 

 

しかし彼女のスピードは全国レベルと比べれば速い方ではなく高木と原田が追いつき、彼女の前に出た。

 

 

 

高木・原田「「行かせない!」」

 

 

 

鞠莉「行っちゃうよ!」

 

 

ダムダムダムダム

 

 

鞠莉はボールを前後左右に行き来させ相手を翻弄する。

 

 

その不規則で予測不能なドリブルに次第に相手が付いてこれなくなる。

 

 

鞠莉「ここね!」

 

 

2人が完全にボールに反応できなくなった瞬間に鞠莉は2人を抜き去りゴールへと迫る。

 

 

田所「止めますよ〜。」

 

 

田所が何とか追い付くが・・・

 

 

田所「!?」

 

 

ヒュッ

 

 

鞠莉はゴールに背を向けて、そのままままボールを後ろに放り・・・

 

 

ガガッ!

 

 

ボールはリングに数度当たりそのままネットに吸い込まれた。

 

 

ワァァァ!!

 

 

「今あの子ゴールを見てなかったぞ!」

 

「なんであれが入る!?」

 

 

瑠惟「さすが鞠莉さん!

 

 

相手を子供のように手玉にとり予測不能のプレーで誰も止められない。今の彼女の姿は正しく・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

変幻自在の奇術師(トリックスター)

 

 

 

 

 

 

第1クォーター残り20秒。

 

Aqoursが最後の攻撃を仕掛ける。

 

しかし相手チームもこれ以上点を取らせないために各々マークを強めてきた。

 

梨子はパスをさばきたかったが誰もフリーになっておらず少し焦っていた。

 

梨子(パスが出せない。どうすれば・・・)

 

ここで彼女に一瞬の隙が生まれる。

 

全国レベルの田所がそれを見逃すはずも無かった。

 

 

バチィ!

 

 

梨子「あっ!」

 

 

瑠惟「まずい!戻れ!ここを取られたら流れが切れる!」

 

 

Aqoursはターンオーバーを許してしまい、全員が急いで自陣に戻ろうとするが先頭を走る田所に追いつけたのは梨子だけだった。

 

 

梨子(絶対に止めなきゃ!)

 

 

彼女は全神経を目の前の相手に集中させる。

 

 

田所は右にクロスオーバーを仕掛けた。

 

 

梨子もそれに反応し右に出ようとする。

 

 

 

 

 

が、ここでAqoursは東京選抜のキャプテンの男の実力の一端を見ることになる。

 

 

田所「・・・」

 

 

 

 

田所は梨子が自分のドリブルに反応し、右に来たその瞬間に今度は左に切り返した。

 

梨子「!」

 

重心が右に乗っている梨子は左に行こうとするが体がついてこれずにその場で尻もちをついてしまう。

 

その光景を見たAqoursは全員驚愕の表情を浮かべた。

 

なぜなら・・・

 

 

 

 

 

瑠惟「!?」

 

 

千歌「今のはアンクルブレイク!」

 

*アンクルブレイク・・・高いドリブル技術を持ったプレイヤーが相手の足に重心が乗った瞬間に逆に切り返すことで相手を転ばせるプレー。狙ってできる選手はほとんどいない。

 

田所はそのままシュートを決め、それと同時に第1クォーター終了のブザーが鳴った。

 

 

24 - 20

 

 

両チームがベンチに戻るがその表情はどちらも明るいとは言えない。

 

瑠惟「とりあえずみんなお疲れ。何とかリードして終われたから少しは安心。だが・・・」

 

梨子「向こうの4番の最後のプレー・・・あれってもしかして・・・」

 

彼は頷く。

 

瑠惟「間違いない。最後の梨子へのスティール。そしてあの場面でアンクルブレイク・・・恐らくあいつも俺と同じタイプの選手だ。」

 

果南「じゃあ彼も眼を持ってるってこと?」

 

瑠惟「そう考えていいだろう。・・・なんてこった。東京にあんなプレイヤーがいたなんて。」

 

瑠惟(中学時代でも眼を持ってたのは俺だけだった・・・じゃあ高校に入って才能に目覚めたというのか!?)

 

瑠惟「とにかく今はできることをやろう。まず最優先なのは向こうの6番を止めること。これ以上調子に乗らせるとまずい。そして4番は・・・なんとかやってみる。メンバーは全員交代で。ゆっくり休んでくれ。」

 

果南「でもどうやって止めるの?あの男の子結構強いよ。」

 

マッチアップしていた果南がタオルで汗を拭きながらそう言った。

 

瑠惟「大丈夫だ。手はある。6番には少し大人しくなってもらおうか。」

 

 

一方東京選抜も同じくAqoursの予想外の実力に驚きを隠せなかった。

 

「彼女達がここまでやるとはね・・・まさかリードされて終わるとは思ってもみなかった。全く衰えというものを感じさせないプレイヤー達だ。」

 

監督の言葉に鈴谷は疑問の声をあげた。

 

鈴谷「衰えてないってどういうことですか?あいつらはスクールアイドルじゃ・・・」

 

「知らない者のために言っておくが、向こうのベンチにいるメンバーは全員バスケ経験者でそれも全国大会に出場するほどの猛者だ。特に13番の彼・・・もしかしたら今の東京のどの選手よりも実力があるかもしれん。もし彼女達を格下などと思っていれば足元をすくわれるぞ。気を引き締めてかかれ。」

 

田所「第2クォーターはどうしますか?」

 

「そうだな・・・恐らくだが向こうのメンバーは一度全員引っ込めてくるだろう。いくらバスケの実力が衰えてないとは言っても、体力は現役よりは無い。だからこちらは最初は様子見で行こう。だが・・・あの男には注意するように。」

 

東京選抜のメンバーは試合前Aqoursのことを侮っていたのでベンチメンバーは連れて来ず5人だけで試合に臨んでいた。なので下手に作戦を出して体力を使わせることは極力避けたかった。だが・・・

 

(それにしても向こうの7番と12番にはしてやられた。

 

こちらがリードされているのは7番のスリーポイントによるものが大きい。

 

そして7番へのダブルチームと12番のディフェンスにより女性陣の体力の消耗が予想よりもひどい。

 

こんな子達がバスケットから離れているとは・・・見れば見るほどウチに欲しくなる選手ばかりだ。)

 

 

 

ブザーが鳴り第2クォーターの始まりを告げ、両チームがコートに入る。

 

ここでも第1クォーターと同じくAqoursメンバー五人が審判に挨拶をしに行った。

 

観客及び、東京選抜は彼らの行動を礼儀を重んじる行動だと思っているだけだったが、後にそれが東京選抜を苦しめることになる。

 

東京選抜の予想通りAqoursは5人とも交代しておりその中には最も警戒すべきあの男もいた。

 

田所と鈴谷は中学時代の瑠惟を知っている。かつて自分達を負かし、全国を制したそのプレーを。怪我をしてバスケから離れていたことも。だからこそ完治したのにも関わらずその才能を無駄にしていることに怒りを覚えている。

 

鈴谷は瑠惟に話し掛ける。

 

鈴谷「俺達のことを覚えているか?西王瑠惟。」

 

瑠惟は少し考えた後首を横に振った。

 

瑠惟「正直に言うと覚えていない。悪いな。」

 

鈴谷「そうか・・・まぁそれはどうでもいい。・・・どうしてお前はこんなところでくすぶっている。

 

お前はちゃんとしたチームでその才能を生かすべきじゃないのか?

 

スクールアイドルなんてアイドルの真似事をするその女子達のために自分を犠牲にするなんてバカバカしいと思わないのか?」

 

それまでニコニコしていた瑠惟は最後の彼の言葉に反応した。

 

瑠惟「『真似事』、『犠牲』、『バカバカしい』?」

 

鈴谷「!」

 

鈴谷は彼から恐ろしい何かが出るのを感じた。

 

瑠惟「別に俺やAqoursの事をどう思おうが人の勝手だから気にしない。だが・・・努力してる人間を否定するようなことを言うのは許さない。」

 

バチバチしてる二人の間に田所が入り仲裁する。

 

田所「そこまでにしてやってください。こいつは思ったことを正直に言っちゃうんですよ。」

 

瑠惟は両者を一瞥すると何も言わずにポジションについた。

 

瑠惟(あくまで内容は否定しないんだな。)

 

 

このクォーター最初の攻撃は東京選抜。

 

しかしマークについたAqoursにボールを持った田所及び4人が驚いた。

 

田所(鈴谷に8番(ルビィ)がマークだと!?)

 

先程も鈴谷には同じポジションの果南がマークしていてその身長差は20cmもあったが、今回はSFのルビィが彼をマークしており、その身長差は31cm。これには百戦錬磨の東京選抜の監督も目の前の光景を疑った。

 

鈴谷自身も目の前にいる小さな少女が本当に自分をマークすることを半ば夢のように思っており、それと同時にAqoursが自分を舐めているのだと怒りも感じていた。

 

鈴谷「悪いことは言わない。怪我をする前にマークを変えろ。」

 

ルビィに向かって彼は言う。

 

しかし目の前の少女は怯えた様子もなく彼に言い返す。

 

ルビィ「ルビィ達は本気です!全力であなたを止めます!」

 

鈴谷「どうなっても知らんぞ。」

 

そう言って彼は楽々とポジション取りをする。

 

鈴谷(これはいないも同然の力だな。)

 

田所は妙な違和感を覚えつつガラ空きの鈴谷にパスを通す。

 

 

 

 

 

 

 

 

瑠惟「どれだけ小さくて弱そうでも、そこに立ってるだけで脅威になることだってあるんだぜ。」

 

 

 

 

 

 

 

ボールを受け取った鈴谷はゴールを狙うためにターンをする。

 

 

その時・・・

 

 

ダンッ!

 

 

鈴谷が何かにぶつかる衝撃を感じるがそのままシュート体勢に入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピピッー!

 

 

 

 

 

 

 

審判「オフェンスチャージング!白6番!」

 

 

会場が静まり返る。

 

 

鈴谷は目の前を見下ろすとそこには・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

ルビィ「いたた・・・もう少し優しくしてください。」

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴谷「小癪なことを・・・。」

 

 

なんとコートに尻もちを着いたルビィがいたのだ。

 

ここでようやく東京選抜は彼女達の狙いに気付いた。

 

「なるほど・・・8番を利用して鈴谷からファールを狙う作戦か。」

 

田所「案外強かな真似しますねぇ。」

 

田所は瑠惟に皮肉っぽく言う。

 

瑠惟「言っただろ?立ってるだけで脅威だって。」

 

田所「確かにこれは止められない。だけど鈴谷にパスを出さなければいいことだろ。」

 

彼の対策に瑠惟は呆れたように返す。

 

瑠惟「・・・分かってないな。この作戦の本当の意味が。そうだな・・・ひとつ言っておこう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瑠惟「何もしなければ6番はこのクォーターもう点を取れない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京選抜の攻撃が失敗し、今度はAqoursの反撃。

 

ボールを持った瑠惟はハーフコートを超えるとマークの田所と対峙する。

 

中学時代の彼を知っている田所は彼の眼を最も警戒していた。

 

 

 

 

 

しかし・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

ダムッ!

 

田所「!?」

 

彼のドリブルに反応した田所は気が付いたらその場で尻もちを着いていた。

 

ペイントエリアに侵入した瑠惟に鈴谷がヘルプに来る。

 

*ペイントエリア・・・制限区域とも呼ばれる。ゴール下のエリアからフリースローライン周辺の場所を指す。

 

スピードにのった瑠惟は跳躍し、それに合わせて鈴谷も高く飛んだ。

 

ダンクに来たと思った鈴谷はボールに手を伸ばすが、こうなることを予想していたかのように瑠惟はボールを逆の手に持ち替えた。

 

鈴谷(しまった!)

 

そう後悔した鈴谷だが時すでに遅し。

 

飛んでしまったため勢いを止められない鈴谷はそのまま瑠惟に接触してしまった。

 

 

 

 

ピピッー!

 

 

 

審判の笛の音を聞いた瑠惟は持ち替えたボールをゴールに向かって放った。

 

 

シュッ!

 

 

ボールは危なげなくリングをくぐり審判から鈴谷のファールが告げられた。

 

 

審判「プッシング!白6番!バスケットカウント!」

 

 

ワァァァァァ!

 

 

「すげぇ!バスケットカウントだ!」

 

「ということは・・・2点に加え、1本フリースローだ。」

 

 

 

 

瑠惟「ねぇどんな気持ち?自分より小さい奴にいいようにされるってどんな気持ち?」

 

鈴谷「貴様ァ!」

 

 

 

 

瑠惟は与えられたフリースローをしっかりと決めた。

 

 

 

 

27 - 20

 

 

 

 

ベンチで彼のプレーを見ていた千歌達は驚いた。

 

千歌「今の瑠惟君、眼を使ったけど前見た時より・・・なんというか・・・よりキレが増していたような。」

 

梨子「相手の動きがもっと正確に分かるようになったってこと?」

 

千歌「そうなのかなぁ。上手く説明できない。でも・・・」

 

果南「確実に彼は強くなってるね。」

 

千歌「さすがエンペラー・・・

じゃなかった・・・王の眼光(キングサイト)だね。」

 

梨子「あれ?名前変わったの?」

 

千歌「いやぁ前の名前だと某赤髪の男の子に怒られるからってやめたんだって。」

 

梨子「彼も大変ね・・・」

 

 

 

 

 

 

点差を7点に空けられた東京選抜。一刻も早く点差を縮めようと素早く攻めるが・・・

 

田所(パスコースが1つしかない・・・)

 

Aqoursの作戦は鈴谷にボールを持たせることなのでそれ以外の選手には厳しくマークが付いており田所はパスを出せなかった。

 

この作戦の攻略としては田所が瑠惟を抜いて2対1で攻めるか鈴谷にアリウープをさせることだが、それを分かっている瑠惟は田所を抜かせないようにディフェンスをし、高いパスは身長差があるので何もせずとも封じているのだ。

 

そして敢えて下からのパスコースを空けて鈴谷へのバウンドパスを誘っている。

 

田所は仕方なく鈴谷にパスを出す。

 

 

再び始まる鈴谷VSルビィ、鈴谷は先程のように失敗を避けるようにターンせずドリブルをしながらかつルビィを押し倒さない程度の力でゴール下に押し込む。

 

 

 

 

 

バチィ!

 

 

 

 

何者かが彼の手からボールを叩き落とす。

 

その正体は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

ルビィ「善子ちゃん!」

 

瑠惟「ナイス!善子!」

 

善子「だからヨハネよ!」

 

なんと善子が飛び出し鈴谷からボールを奪ったのだ。

 

鈴谷はルビィに注意を向けすぎたことで善子が来ていたことに気付かなかった。

 

ボールを持った善子は前方にロングパスをした。

 

前に走り込んでいた瑠惟はボールを受け取ると無人のゴールに迫る。

 

しかし田所も瑠惟が走ると同時に走ったので何とか彼に追いつくことができた。

 

田所(絶対に入れさせない!)

 

田所は眼を使い瑠惟の動きを読み取る。

 

田所「ここだ!」

 

 

 

 

 

バチィ!

 

 

 

 

瑠惟(クソっ!やられた!)

 

彼の手にあったボールはカットされ飛んでいく。

 

 

 

 

パシッ

 

 

 

瑠惟「!」

 

しかし後ろから走ってきたルビィがこぼれ球を拾いシュートを放った。

 

彼女のシュートは見事に決まり点差は9点へと広がった。

 

 

 

ルビィ「この試合・・・絶対に勝ちます!」

 

 

 

 

彼女は遅れて自陣に到着した鈴谷に力強く言い放った。

 

 

 

 

 

続く・・・




キャラ設定

・花丸
異名・・・雷蝶
得意プレー・・・スリーポイントシュート
・鞠莉
異名・・・変幻自在の奇術師
得意プレー・・・ノールックパス、ドリブル
・千歌
異名・・・静岡の星
得意プレー・・・スクープシュート
・瑠惟
異名・・・堕ちた王
得意プレー・・・アンクルブレイク
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