やはり俺が戦略級魔法師なのは間違っている~星を呼ぶ少女~ 作:かのんベール
1600文字
「美月ー!そこよー!」
浜辺でスイカ割りをしている千葉の声が聞こえてくる。
「えいっ!あ、あれ?」
「なんでお前は嘘を教えるんだ」
あー、あいつが正しい指示なんかするわけがないよな。
「なに言ってんのよ!それがスイカ割りの醍醐味じゃない!」
「そういえば、なんでスイカをバットで割るんだろうね?」
「さぁ?そういう伝統なんだから仕方ないじゃない」
え?あれって、間違ったふりして嫌いな奴を殴る為にある行事じゃないの?まぁそもそもそんな奴とスイカ割りなんかしないか。
「私に貸してみなさい!」
そういうと千葉はバットに起動式を展開し勢いよくバットを振り下ろした。なんかスイカにバットが触れてないのに、包丁で切ったみたいに綺麗に8等分されていた。あれ?おかしくね。なんか俺の分だけ足りないじゃん。いや、足りないの俺の分って確定なのかよ。
「私はちょっと達也さんと深雪のところに行ってくる」
「あっ!私も行く!」
司波兄に会いたいんですね。分かります。
「んじゃ、俺も行くわ」
決して俺は司波兄に会いたいから着いていく訳ではない。用事があるのは司波妹の水着であって、決して兄の方ではない。いや、止めておこう。そういう目で見ると兄に殺されそうだ。まぁ、俺も小町の水着を見た男を生かしておくつもりはないからその気持ちはよく分かるがな。
「あの、お兄様...。その、いかがでしょうか?お兄様に選んでいただいた水着なのですが...」
「あぁとても似合っているよ、深雪。俺のイメージした通りだ」
なんだ、アレ。あの空間にこれから割り込むわけ?ちょっと兄妹愛が重すぎませんかね?さすがの俺もあれは真似できないな。
「よぅ」
まぁ、割り込むしかないんだけどね。なにも見てないし、なにも思っていないという風を装って二人の前の席に着く。つっても用があるのは俺じゃなくて北山なんだがな。
「他の四人はどうしたのですか?」
「スイカ割りしてる」
「エリカちゃんがスイカをキレイに8等分してたんですよっ!」
顔を見合わせる司波兄妹。そうだよなっ!おかしいよなっ!?
「ふふっ。想像が付きますねっ」
「あぁ、そうだな」
え?おかしくね?なに、バットで切ってたって所しか気にならなかったの?いや、確かにそれも十分におかしいけど、もっと他に突っ込むところあるよね!?え、無いの...?
「達也さん深雪ありがとう」
なんか唐突に北山が感謝の言葉を述べ始めた。こいつはなにに対して感謝してるんだ?
「ん?雫はどうして感謝をしているんだ?」
「そうよ雫?私たちはなにもしていないわよ?」
「急な誘いだったのにみんな来てくれたから」
あぁ、そういうことか。ん?ちょっと待て、なんで司波兄妹にだけに向けて言ったんだ?光井には既に伝えていたのであろうが、俺は言われてないぞ?あれ?おかしくね?
「お陰でみんなでバカンスに来れているんだ、こちらこそ感謝しているよ」
いや、確かにね。感謝しなくちゃいけないのはむしろ俺の方なんだけどね?でもなんか釈然としない...。
「八幡はどうせ予定なんかなかったでしょ?むしろ八幡は寂しい春休みを送らずに済んだことに感謝するべき」
「ぐうの音もでねぇ...。つーかナチュラルに人の心を読むな」
べ、別に?俺は一人で過ごす方が好きだし?全然別荘とか羨ましくなんかないし?
そんな負け惜しみの反論を心でしていると、なにやら大きな騒音が近付いてきた。随分低空飛行だな。もしかしてここに着水するつもりか?つーかアレって...
「あれは日本国軍のM-24型か...珍しいな...」
司波兄の目が鋭くなる。あぁ、やっぱりそうか。ということはアレは確実にこいつに用事があって来たのだろう。ただ事ではなさそうだな。少し探ってみる必要がありそうか...
頼むから面倒ごとだけは勘弁してくれよ?もうこの一年で嫌と言う程面倒ごとに巻き込まれてるんだからな。しかし、まぁ俺のそういう類いの願いは大体却下せれてきた訳で...
「八幡」
「なんだ?」
「言うことあるはず」
「あー、まぁその...なんだ...似合ってるぞ」
「ありがとう」
雫の水着よかったですよねっ!?あの椅子から覗く水着のカットにはこだわりを感じました。雫の水着が以外に細くて最高でした!