俺【我愛羅】ってんの、宜しくね☆   作:八又ノ大蛇

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 さっ!我愛羅くんに友達は出来るのか!?あと、シリアス入りますー。
 そして、感想で三話は視点を変えて書くと言ったがあれは嘘だ!フッハハハ!

 ……すいません、あんまり内容考えていなかったので二人称はまた別の機会に書きます(・・;)



三塵~お月様は砂煙に隠れる~

 

 

 はい、俺達の班に順番が回って参りました。

 相手の班は前に三人後ろに一人の配置で、こちらは前二人後ろ二人だ。まぁ、こっちは配置とかでなくただ単純に班活動だと言うのにチーム内で競いあう馬鹿な二人が前に出ただけだけどね。

 

「キルルクくん……これで大丈夫かなぁ……?」

「大丈夫なわけないでしょう。……でも貴女あの二人に反論出来るとおもいますか?」

「うっぅ……ごめんなさい」

 

 ゴメン!本当ゴメン!そうだよね!

 馬鹿な二人ことゴウゲン少年と私我愛羅でございます。本当俺の馬鹿!たかがガキの挑発に乗っちゃうなんって!二人に迷惑かけまくりじゃん。

 

 けど、男には譲れないものが時にはあるのだ。学校生活において"友達"は最重要項目の一覧に名を列ねる。この機会を逃せば俺の友達作りはより困難を極めるだろう。舞い降りた千載一遇のチャンスを逃さばおくべきか、である。

 

「では、模擬戦開始!」

 

 よし、ゴウゲン君が前に出るより先に攻撃しないと。巻き込むおそれがあるから、速攻で砂を対戦相手の地面一面に流動させる。

 

「……捕獲」

 

 砂に驚き逃げようとする生徒達の足に砂を纏わせる。一度捕らえられれば蟻地獄のようにズルズルと砂に引き込む。まぁ、引き込むといっても埋めるわけじゃなくて砂を対戦相手の顔を残して体の全ての身動きをとれないように捕縛する。

 けど砂が生徒をジワジワと侵食していく様子は砂に飲み込まれてくい様だ。

 

「うっああぁあーー!!?」

「キャアアアーー!!?」

「いやぁだぁーー!!?」

「ママァーーー!!?」

 

 ……あれ?これヤバくない?なんか絵面が完璧アウト感があるんだけど。ってか悲鳴がマジもんなのだが。涙と鼻水を恥ずかしげもなく垂らし叫び声を上げる生徒達。

 それを静かに一切の感情の読み取れない鉄仮面で見る我愛羅くん……。

 

 アウトォォォオーー!!

 

 やべぇ、やり方間違えた。横のゴウゲンくんは俺をありえないものを見るような表情で見てるし、後ろの二人はアオサさんがキルルクくんにガタガタ震えながら抱きついている。そして先生までもがその光景に顔を青ざめている。

 

「そ、そこまで!試合終了!」

 

 狼狽えなが先生が止めにはいる。

 

 試合の勝敗は一応、俺達の勝ちと言うことになった。う、うん。やったぁ~……勝ったよ~……わぁぁい~……。……何故だろう全然嬉しくないどころか、虚しい。試合前より生徒と先生達と距離が空いたように思える。対戦相手達からはまるで人殺しの様な目で見られるし。

 

 解せぬ。俺、頑張ったんだよ?誰か褒めてくれてもいいんじゃないかなぁ?

 

「……ゴウゲン」

「ひっ、なっなんだよ……!」

「……約束」

「えっ!?……あぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 腰を抜かして震えるゴウゲン君。なにそれ、演技凄い。えっ、演技じゃない?

 

「何でも言うこと聞くから、殺さないで……!!」

「…………友達」

「……はっぁ!?」

「……俺と……友達になれ」

「あ、あぁ……?」

 

 ヨシャァーー!!友達ゲットだぜ!何より、友達と言えた俺偉い!言うのメチャクチャ恥ずかしかった。いやぁ~、嬉しいなぁ。

 

「ヒッィ!!?」

 

 おっと、思わず頬が緩んでしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時刻は移り、爛々と輝くお月様が頭上に浮かび、砂漠の中に存在するため昼と夜の温度差の激しい外気が冷え込む。昼間の活気は失せ、歩く人の姿も疎らになった穏やかな宵の刻。

 良い子は温か布団に包まれてスヤスヤお寝んねするのが、子供らしいだろう。出来れば俺もそうしたいと刹那に思うよ。

 

「クソッ!」

「このッ、化け物が!」

「退け、体制を整えろ!」

 

 だがそう出来ないのが世の不条理だろうか。

 

 こわーい、あんぶのひとに××されそうなの。ぼくがあらくんです。あるいていたら、クナイをなげられてぼくはとってもこまってます。ひとにめいわくこういはだめだよ。

 

 はい、クナイに起爆札が付いていた事はこの際些細なこと、若しくはよくある事だ。月が綺麗だなぁと屋根を歩いていたら、やあ、殺しに来たよと覆面集団。

 まぁ、何か嫌な気配を感じて人通りの少ない所に行くと案の定、襲われたと言う訳だよ奥さん。

 

 もうー、我愛羅くんモテモテだね!アカデミーでは虫も寄り付かない程、引きに引いているのに。来るわ来るわ、暗部さん達。

 

「……砂針」

 

 君達、そんなに暇なのかね?と問いたいね。

 

「ぐっあ!」

「足が……!」

 

 地面に暗部の人達が降りたところを狙い、瞬時に地面の砂を針状にする。何人かは逃れたが、回避が遅れた者は足をぐっさりと砂針が刺さる。

 そして足を刺されバランスを崩し前や後に倒れようものなら、自身の体重と倒れた勢いで針が体を貫く。

 

 仮に何とか健気に持ち堪えても、俺はその隙をみすみす見逃してあげるほど、お優しくはないのでね。地面から生える砂針を更に伸ばし、約人一人分に長くし足元から串刺しにする。

 

 すれば、あらまぁともじゃないが、お見せできないモザイク処置必須である。

 

「……何故、俺を殺そうとする?」

「っ、そんなの決まっている!貴様が里を脅かす化け物だからだ!!」

「化け物……か……」

「あぁ、そうだ!分かったなら、大人しく里の為に死ね!!」

 

 捕縛した暗部の方を、可愛く上目使いで質問してみたら予想通りの答えが返ってきた。罵倒するのはどうでも良いけどさ、捻りが無いよね。

 

 毎回毎回、化け物化け物、死ね死ね、殺す殺す。

 

 呪文か何かなのか?それを言えば目的が達成できる的な?何それ、願掛け?それとも、そう言えと命令されている……とも、考えたがこれとても演技には見えない。

 寧ろ、これが演技なら忍の道から足を洗って、是非とも役者を目指して頂きたい。

 

「──ッ、風影様申し訳ありません!」

 

 焦げ臭い臭いがすると思えば、砂を吹き飛ばし爆発が起きた。油断なく用心していたので砂で防げたが、爆発の後には砂煙が舞い、地面には焦げた痕跡ができ。そして人間だったモノの肉片が辺りに飛び散っている。

 

「…………」

 

 なんだこの死に方は、当て付けか何かか?夜叉丸も最後に起爆札を使い俺を巻き込もうとして死んだ。

 皆、起爆札大好きか!まぁ、防げる攻撃をしてくれるから俺的はありがたいがね。

 

 しかし、これを見ても特に感情が動かないのが我ながら結構ヤバイんじゃないだろうかと、考える。記憶が無い無いだから、前世の俺がどんなヤツだったの分からないし、知りようもない。

 けど、もっとこう……込み上げる吐き気とか、罪悪感に苛まれる精神とか、暗部に対する憎しみとか、その他纏めた激情とか。そりゃあ、殺されかけたら寂しいし、止めて欲し、父様鬼畜ぃとは思うし、里の皆の態度も痛いし…………けど、わりと"それだけ"なんだよね。

 

 恨み憎しみに囚われて、里の全員に復讐してやるとは思わない。何もかもに絶望して、命を絶ちたいとも思わない。

 

 自分の精神が異常なのは何となく察するけど、それが何?って感じだね。精神が凡凡の凡人だから、俺を取り巻く環境を端から見ているような気分なんだよね。殺したのは俺だし、その感触も確り手に染み込んでいる。見た風景も惨劇を作り出したのも俺だ。

 

 たが、頑張りたくない、出来れば可能な限り楽をしたい、怠惰に生きたい。

 

 それが俺だ。

 

 全くもって、無気力人間。俺が我愛羅くんで良いのだろうか?合って無さすぎて笑えてくる。けどね、死ぬ気は今の所これまた、無い無いなんだよ。

 

 だから────死んでくれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『とか、昨日カッコつけていたが、起きろよ』

「俺にあるのはただの闇それだけだ……」

『まだ二日目だぞ』

「くッ、昨日の戦闘での傷が!」

『嘘つけ、傷一つ無いだろ』

 

 守鶴が何か言ってくるが、俺には何も聞こえない。何故なら俺はいつも独りだからだ。孤独な俺に他者から与えられる癒しなどない。故に、耳の痛い言葉は聞こえないたら、聞こえない。

 だが、今の俺の心の叫びを言おう。

 

「アカデミー行きたくない!」

『駄々っ子か!』

 

 あぁ、行きたくない。砂分身で……駄目だ。即バレする未来しか見えない。

 

 

 

 




 若干いつもより短いです。一発勢い書きで書いたのでちょと可笑しい所あるかもです。

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