俺【我愛羅】ってんの、宜しくね☆   作:八又ノ大蛇

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 初の二人称視点 、守鶴さんから見た我愛羅くんです。
 四話で兵糧丸(ひょうろがん)を、兵炉丸と間違えていました。誤字するより、何か恥ずかしい……。誰か、気づいた人いるからな?|ω・`)。いない事を祈ります。

 そんな、作者のふざけとは別にシリアス入りますー。


五塵~守鶴心、我知らず~

 ──何で、そこまでする必要があんっだよ…………。

 

 

 

 

 俺様はアイツが産まれた時から知っている。凡そ、アイツの親や兄弟よりも、長く長く側にいる。まぁ、忌々しい封印術のせいで離れられねぇと言った方が適切だが、これでもアイツの事は分かっているつもりだった。

 いや、知ろうとして知った訳ではなく半強制的にアイツを俺様は知った。じゃなければ、大嫌いな人間なんぞの事を進んで知りたいと何って思うかよ。

 

 俺様は人間が大嫌いだ。

 

 そこに例外は無い、比較的口を聞いてやった奴もいるが、それまでだ。大嫌いな事に変わりはねぇ。大体、俺様を封印した人間を好きになれと、言う方が可笑しい。ここから出ることが出来たなら、暴れまわって、食い殺して、絶望と俺様を封印した事を人間どもに後悔させてさる。これは決定事項だ。変える気なんって微塵もねぇ。

 

 そんで、アイツは人柱力。影でこそこそ泣いては、俺様の力を扱えず人を傷つけてしまったと、また泣くクソ餓鬼。それが、世話役の男に裏切れて殺されかけて、今までの人柱力の様に人を憎むようになったと思った。思ったが、裏切れたショックで暴走したその次の日アイツは……

  

『やぁ、守鶴さん。こんにちは、今日はいい天気だね』

 

 いよいよ、頭がイカれたか?と俺様は思った。会えば怖がり泣きじゃくっていた、筈のヤツが次の日はヘラっした態度で挨拶してきやがった。どんな心変わりをしてもこうは成らねぇだろう。

 

 だが、まぁいい。どうせ、無視しとけば直ぐに失せる。そう、俺様は考えたので関わるなと狸寝入りをしたが、アイツは……

 

『守鶴さん、暇なのでしりとりをしよう!』

『…………』

 

『守鶴さん、今日雨が降ったんだよ!凄いね!お陰でビショビショになったちゃったよ』

『…………』

 

『守鶴たん、今日父様にメッチャ睨まれたよ』

『…………』

 

 答える気が無いことがアイツには分からねぇのか?何回も何回も話しかけてウゼェが、答えてやるのも癪で返答してやる気なってなかった。

 

 だが、ちょと待って……

 

『誰が「たん」だ!気色悪い事言ってんじゃねぇー!!殺すぞ、餓鬼!!』

 

 と、思わず反応してしまった。だが、この俺様をふざけた呼び方で呼ぶヤツをそのまま流してやる程俺様はお優しくない。だから、アイツが恐怖し泣き震えるように睨みつけてやった。

 これで、アイツも大人しく引き下がるだろうと…………だと言うのに、無表情の癖に『やっと話してくれた』と嬉しそうにしやがったんだ。

 

 何だコイツは……本当に頭のネジが飛んでやがる。

 

 それからも、アイツは性懲りもなく毎日毎日俺様の所に来る。意味がわかんねぇ、俺様を怖がるでもなく話しかけてくるアイツの考えが読めねぇ。俺様に取り入って利用しようとしてっんのか?

 

『利用?……ッ、クッハハハ!何それ!俺が君を利用!?無理無理、出来っこないって!クッフフ……守鶴たん、冗談上手いね!あー、お腹痛い痛い。フッフフ……』

 

 真底可笑しげにアイツは鉄仮面を崩し、地面を叩き踞って肩を震わせ笑った。何だその笑い方はと思うよりも、俺様の思考は水を浴びせられた様に固まった。

 とても嘘を言っている様には見えねぇ、ならコイツは何故俺様に関わろうとする。利用する気もなく、俺様に話しかけて何になる。

 

『クソ餓鬼……テメェ何で俺様に話しかけてくる』

『ん?何でって…………そんなの決まってるじゃないか』 

 

 【君】と【友達】に成りたいからだよ、守鶴。アイツはまるで当然とばかりに俺様にそう言った。

 本当、心底可笑しい、馬鹿げてる、何で人間のお前が俺様と言葉が喉の奥で溢れで出そうになったが出たか言葉は……

 

『お前、本当にそう思ってんのかよ……』

『無論さぁ、じゃなければ俺の貴重な睡眠時間を削ってまでここに来ないって』

 

 貴重と言う割には普段寝まくってるだろ、と言いたいが俺様は一言、「そうかよ」と言った。それ以上言葉が出てこなかったからだ。

 何だよ、俺様、ほだされってんじゃねぇか?馬鹿だろ、相手はあの憎い人間だぜ?餓鬼の戯れ言だ構うことはねぇだろ?あぁ、そうだその筈だろ?

 

 そう自身に問いかけては自問自答を繰り返す間も、アイツは性懲りもなく俺様に毎日飽きもせずくだらねぇ事を話しかけてくる。

 

「空が青いねぇ~、絶好の昼寝日和だと思わないかい?」

『知るか、昨日もそう言ってたじゃねぇか』

「昨日は昨日、今日は今日の眠気が訪れると、よく言うじゃないか」

『言わねぇーよ』

 

 ハッ、めんどくせぇ、何でこの俺様がこんな餓鬼の言葉に振り回されねぇといけねぇんだ。もう知るかよ、勝手にしろ。暇潰しだ、そうだコイツは暇潰しだ。

 胸糞わりぃ、封印が破れるまでの、暇潰しに話をしてやる。有り難く思いやがれ、クソ餓鬼。この俺様が話相手になってやる。

 

 と、俺様にこう思わせるクソ生意気な理解出来ねぇ餓鬼だが、もっと理解出来ねぇのがアイツの修業方だ。チャクラが切れてぶっ倒れるまで、何らかの修業をしている。俺様がいてもとから多い人柱力のチャクラが枯渇するまでだ。

 挙げ句には、自身の分身とはいえ俺様に体を乗っ取られる事を許しやがった。一周回ってコイツ、馬鹿なんじゃ無いかと最近思う様になった。

 

『お前、馬鹿だ、馬鹿』

「えっ?急に何?……まぁ、そんなに頭良いとは思ってないけど……」

『チッ』

「何で、舌打ち!?俺何か君の気に障ることしたかい?」

 

 あー、うるせぇ。何で、ソコまでして強く成ろうとすんだよ。俺様の砂があればお前が傷付く事なんかねぇーだろが。なのに、いつ暗殺者が来るか分からねぇ状況で、フラフラになってまで修業するか?

 馬鹿以外に言いようがねぇ。料理を作るのを条件に修業手伝ってやったのに、ぶっ倒れやかって。俺様、料理何か出来ねぇぞ。……クソ……仕方ねぇから、起きるまでは守ってやるが、勘違いすんじゃねぇぞ。あくまで飯の為だ、テメェの為何かじゃ微塵もねぇからな。

 

 

 

 だから──さっさと目を覚ませよ。我愛羅。

 

 

 

 




 
「えっ?なにこの起きにくい雰囲気……俺死んだの?」

 主人公はそんなに重体ではありません。ただ修行のし過ぎで倒れただけです☆
 そして、大変更新遅れてしまいました。すいません。

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