仮面ライダーアマゾンズ -ϘuinϘuennium-   作:エクシ

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アマゾン。それは頼るもののない絶望。仁は致命傷を負いつつ逃亡するもそれを必要に追いかけようとする商。イースヘブンの信者たちはその姿を見て徐々に心が離れていく。


Episode4「Mutiny and Disaffection」

真っ暗のトンネルの中からコッパは腹部を左手で押さえながらフラフラと現れる。尾をアルファから引き抜き、その傷口から流れる血を見ると興奮して雄たけびをあげた。

 

 

「ギャアアア!!」

 

 

アルファは冷気を出しながら仁の姿に戻る。

 

 

「う……ぐう……。」

 

 

仁は膝をつき何とかその場から離れようと必死で体を動かそうとするも急所を突かれたため、なかなか動くことが出来ない。

 

 

「ハァハァ…喰う…アマゾンだぁ!!!」

 

 

コッパが仁目掛けて走っていくと、コッパの後ろからジャンサーチャーの光と共にジャングレイダーに乗った悠が現れる。

 

 

「!?」

 

 

悠はジャングレイダーでコッパを突貫しようとするもわずかに体をずらした事で横に弾き飛ばされた。

 

 

「仁さん!」

 

 

意識がもうろうとしている仁を片手で抱えてライディングシートの後ろに跨らせると悠はすぐにその場から去っていった。

 

コッパは悔しさからか再び雄たけびをあげ、去っていく仁たちを必要に追いかけようとする。

 

三崎は腹部から血を噴き出しながら走っていくコッパを羽交い締めにして動けないようにする。

 

 

「もうやめろ!ハカちゃん!自分の体を見ろよ!」

 

「だぁ…ま…れぇ…!!」

 

 

暴れるコッパの腹部からはますます血が流れていく。信者たちもコッパに恐る恐る駆け寄り抑える。

 

 

「ウガアアア!!」

 

 

3人がかりで押さえられるコッパはエネルギー切れで商の姿に戻る。それに油断した三崎に向かって商は喰らいつこうとした。

 

 

「うわあ!」

 

「……!!……俺は…何を…。」

 

 

ようやく理性を取り戻したが周りの信者たちはいつも通りの目ではなく恐れを抱いた目つきで商を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

橘は自分の部屋となる局長室のデスクを置かせると満足した顔でその椅子に座った。

 

 

「うん、悪くないね。」

 

 

横に立っている加納の端末に連絡が入るとすぐにパソコンを開き橘にその画面を見せた。

 

 

「橘局長、再び尾宿商が動きました。前回より左腕に集中させたデータを取る事に成功したようです。」

 

「確か研究部門の話では左腕以外に異常なとこは見られなかったらしいからね。結果は?」

 

「やはり左腕の傷から染み込んだトラロックの影響を受けているようです。体内にトラロックを長時間吸収したアマゾンに心身共に、あるいはいずれかの影響を受けている例もみられていますし。」

 

「トラロック…。コッパタイプの事について調べるのであればやはりトラロックについて詳しく知る必要があるな。加納くん、福田を呼んでくれるかな。」

 

「福田…ですか。」

 

「元駆除班の経歴が使える時が来たようだ。」

 

橘の真意を聞くことなく加納は会釈をすると福田を呼びに下のフロアへ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

どれぐらい走ったのだろうか、海岸線が見えてきた。悠の目に懐かしい女性の姿が映る。

 

 

「…!」

 

 

その女性の前でジャングレイダーを止める。その反動で横に倒れそうになる仁を支える女性。

 

 

「久しぶりです、七羽さん。」

 

「久しぶり。仁を助けてくれてありがとう。」

 

「ただ僕は…壊れた仁さんを放っておけなくて…。」

 

「…そうだね、私も…仁が仁じゃなくなっても、見捨てることなんてできない。」

 

 

どんなに愛していてくれていてもアマゾンになってから仁は”それ”だけはしなかった。

 

先日、仁じゃない仁にされたことを思い出しつつも七羽は応急処置された仁の腹部をタオルで押さえた。

 

 

「もうここで大丈夫。」

 

「…仁さんが治ったら…また戦うことになると思います。その時は僕も手加減はしません。」

 

 

ヘルメットのバイザーを下げる悠。

 

 

「…じゃあ仁がいない時においで。また鶏肉料理ご馳走してあげるから。」

 

「ありがとうございます。でも仁さんがいない時はアマゾンを狩っている時だから僕も行かなきゃ。」

 

「そりゃそうか。じゃあ…また。」

 

「また…。」

 

 

ジャングレイダーのアクセルを回し去っていく悠を七羽は見えなくなるまで眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

商はマイクロバスの大きな椅子で眠っていた。信者たちはいつも以上に起こさないように小声で話をしている。

 

 

「さっきのアマゾンって別のアマゾンと戦ってたんだよな?」

 

「あぁ、赤いアマゾンはヤバイ奴だけど確かにアマゾンしか狩らないって聞いたことがあるぜ。」

 

「なんでそんなアマゾンも喰おうとしたんだ、商様は。」

 

「腹が減ってしゃーなかったんじゃ?」

 

「支援団体から貰ったたんぱく質入りのアマゾンズインジェクターは注入してたんだろ?」

 

「人間で言うと点滴みたいなやつだって言ってたぞ。点滴打ってても腹は減るし…。それより三崎に見せたあの顔見たかよ…。本当に三崎を喰っちまうかと思ったぜ。」

 

「おい、やめろ。」

 

 

三崎が噂をする2人の声を聞いて間に入った。

 

 

「なんでお前そんな冷静でいられるんだよ。怖くねえのか?」

 

「アマゾンに腕喰われたんだから俺たちよりアマゾン怖いだろ、普通。」

 

「…ハカちゃんは俺たちのために戦ってくれてるんだ。たまにはそういう時だってあんだろ。さぁ俺たちは作業に戻ろうぜ!」

 

 

信者2人の肩を叩き、再びアマゾンの目撃情報を集め始める。まもなくしてマイクロバスは河原のスペースに停まった。

 

 

「なんだ?」

 

「支援団体の人がここで話したいってよ。」

 

 

三崎が窓の外を見ると望が1人で立っている。

 

 

(ノンちゃん…?どうしてここに?)

 

 

先ほど噂していた2人が望の対応をするためマイクロバスから降りていく。三崎もそれに付いて行った。

 

望は駆除班時代と変わらず太ももにサバイバルナイフを刺し、少しずれたヘルメットを被り直していた。三崎の存在に気が付くとあえてそちらの方を向こうとしない。

 

 

「今回はどのような御用で?」

 

「4Cから渡されたアマゾンズドライバーを回収させてもらいたいってことだ。」

 

「4C…?なんですかそれは。渡してきた方は野座間製薬の方でしたが…。」

 

「福田さんだろ。あとその上司の橘の2人は今4Cにいる。余計なことをされる前に回収しておきたいんだとよ。」

 

 

信者の2人は顔を合わせた後、先ほどよりもさらに小さな声でヒソヒソ話をする。ある程度話が終わると片方の信者が望の方を向いた。

 

 

「実は我々もあのベルトによって商様の力が強くなったことに恐れを感じ始めています。」

 

「恐れ?どういうことだよ。」

 

 

信者を見ながらも焦点を奥に合わせ三崎を睨む望。三崎はその目線に「おーこわいこわい」と口パクで伝える。

 

 

「アマゾンを喰いたくて仕方ないみたいで…その気持ち…っていうんですか?とりあえず俺たちにその牙が向くんじゃないかと思うと…。」

 

「…なるほどな。アイツもアマゾンだしな。」

 

 

トラロックの日、マモルもそうだった。あれだけ優しかった彼もアマゾンの性には逆らえずに仲間の体を食した。

 

望と同じく三崎もそれを思ったのか自分の義手を握りしめる。望がマイクロバスの中にいる商の元へ行こうとした時、自身の携帯端末にメールが入った。

 

 

「…!」

 

「どうされました?」

 

「…ちょっと予定が入った。また今度ドライバーを回収しに来るからよ。」

 

 

望は迷彩柄のバイクに跨りすぐに去っていく。

 

 

(ちぇ、俺には何にも言わないでやんの。)

 

 

三崎も拗ねながらマイクロバスに乗ろうとした時、バスの出口にアマゾンズドライバーを握りしめた商が立っていた。

 

 

「あ。」

 

「おい、そこの2人。」

 

「え…あ…はい。」

 

「どういうことだ?こいつを回収?」

 

「いや…その…。」

 

 

どもる2人に代わって三崎が商をなだめようとする。

 

 

「いやさ、なんかそのベルト、調子悪いかもしれないんだ。だからいったん回収ってことで…。」

 

「ふざけるな。」

 

「…。」

 

 

商は早歩きで2人の所まで行き胸倉をつかんだ。

 

 

「この力を手離す気はねえぞ。」

 

「や…やめて…!」

 

「俺はこの力でさらに強いアマゾンを狩ってやる。それで文句ないんだろうが!」

 

「は…離して…。」

 

 

商が手を離すと2人の信者はしりもちをついた。片方はそのまま後ろに下がると気を強くする。

 

 

「い…言う事聞かないとインジェクター渡さねえぞ!」

 

 

片方の強気な態度に感化されたのかもう1人の信者も商を煽る。

 

 

「そ…そうだ!お前だってアマゾンなんだ。人間の元で生きたいならいうことを聞け!」

 

「おい、よせって!」

 

 

三崎の声は届くことなく商はアマゾンズドライバーを腰に巻き付け、起動させる。

 

 

-COPPA(コッパ)-

 

「ウォオオ!!アァマァゾォンッ!」

 

 

オレンジ色のエネルギーを放出させ2人を弾き飛ばすコッパ。傷はもう既にふさがっている。

 

 

「やめろ、ハカちゃん!ここで暴れたら他のアマゾンと一緒になっちまう!」

 

「俺の力だ!俺の勝手に!」

 

「もう俺は仲間を失いたくないんだよ!」

 

「…!」

 

 

いつもふざけている三崎。他の者は自分がアマゾンであるからかどこかよそよそしさを醸し出していたが三崎はそんなことを匂わせもしなかった。

 

 

「三崎…。」

 

「ベルトがなくてもお前は強いよ…ハカちゃん。」

 

 

ベルトを取ろうとアクセラーグリップとバトラーグリップ部を持った瞬間、何かしてくると誤解した信者がアマゾンコッパに弾丸を放つ。

 

コッパには大したダメージはない。だがコッパは雄たけびをあげ、オメガに匹敵するほどの跳躍でその場を去った。

 

 

 

 

 

 

 

望は運転していたバイクを黒い輸送用バンの近くに止める。運転席には福田が座っており、窓ガラスをあけた。

 

 

「福田さん、久しぶり。」

 

「…あぁ。」

 

「商にドライバー渡したのは…4Cに入るためですか?」

 

「…あぁ。」

 

「後悔…してないんですか?悠がやられそうだったけど。」

 

「…あぁ。」

 

 

福田は口数が少ない。しかしその言葉の重みがあるからこそ駆除班ではサブリーダーとして信頼してきたのだ。

 

 

「なんでいきなり呼び出しを?」

 

「…俺は命令をうけた。お前にコイツをつけろってな。」

 

 

福田は小型発信器を取り出し望の目の前で壊して見せた。

 

 

「?」

 

「橘局長は水澤令華を捜している。トラロックのことについて知りたいらしい。」

 

「トラロック…。なんで今更?」

 

「さぁな。」

 

「じゃあなんで福田さんはそれを渡しにつけないんです?」

 

「…。」

 

 

5円玉のペンダントが福田の胸にあるのを見た望はその答えがわかっていた。福田は親の介護の費用を稼ぐために4Cへ行った。

 

他の駆除班のメンバーは水澤令華について行ったことから裏切り者だと自分のことを思っているのだろう。

 

「これ以上裏切ることは出来ない。」今回の任務で何を吹き込まれたのかわからないがそれよりもチームとしての絆を福田は取ったのだ。

 

 

「…気を付けろ。橘局長は何かを企んでる。」

 

 

そういうと窓ガラスを閉め輸送用バンを走らせ去っていく。

 

 

「福田さん…。」

 

 

そう呟き、望もバイクに跨り天条の屋敷へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

イースヘブンの信者たちが襲われた教会はもはや建物としての原型を留めていないほどに崩壊している。その中を歩く商は手に持つアマゾンズドライバーを長椅子において腰を掛けた。

 

ここに来る前……トラロックの雨を受けた時、商は人間を喰おうと裏路地で影を潜めていた。そこに同じ臭いをした”同種”が自分を止めようとしてきたことを思い出した。

 

 

「人間を喰うなんて駄目だ!この世界は人間によって成り立ってる。僕たちが生きていくには人間の協力が必要なんだよ!人間と僕たち、絶対に共存できるよ!」

 

 

見ず知らずのアマゾンに何を話しているんだと商は思っていた。結局アマゾンを喰らうようになってからは人間とまがいなりにも共存してきた。

 

ところが今は結局このざまだ。

 

 

「そら見たことか。」

 

 

あの時のアマゾンに言ってやりたい。それにしても……腹が減った…。

 

 

「やっぱここだったか、ハカちゃん。」

 

 

教会の入口のところに三崎が立っている。商はすぐ立ち上がりアマゾンズドライバーを構えた。

 

 

「あー!チョイ待ちチョイ待ち!俺以外誰もいないから!ほんとに!臭い効くはずでしょ!?」

 

 

確かに三崎以外の臭いはしない。それにアマゾンを差別しない彼だけは信用できた。

 

 

「なんでここが?」

 

「ハカちゃんの行きそうなところなんてここかなーなんてさ。」

 

「あれから何日も俺を捜してたってことか?そんなに俺をイースヘブンに戻したいんだな。」

 

「んなことしないよ。さっき令華様に許可とってさ、一緒に野座間の方に行かない?」

 

 

三崎は身に纏っていた白いローブを捨てて商の横に座った。

 

 

「どういうことだ?」

 

「実はわたくし、イースヘブンの信者は仮の姿……その正体は!野座間製薬の人間なのでーす!」

 

「…。」

 

「ハハ、ま、安月給でパシられてるだけだけどさ…。」

 

 

イースヘブンか野座間製薬かなどはどうでもよかった。ただ…この腹を満たしてくれさえすれば。

 

 

「野座間の方に行けば悪いようにはしないってさ。そもそも令華様はイースヘブンにハカちゃんがいるから支援してたんだ。野座間がまたアマゾンを所有してると世間体がよくない~ってことでこんな回りくどい方法で。」

 

「俺が野座間に行ったらそうなるじゃないか。」

 

「そこは俺とハカちゃんの友情パワーですよ。ま、イースヘブンから逃げちゃったから野座間で保護しましたってことでいいじゃん。」

 

 

三崎とは半年ほどの付き合いだが本当に調子のいいやつだ。でもそれがいい、一緒にいて…アマゾンだとか人間だとかを忘れることが出来る。

 

 

「お前と一緒にいたら…俺も暴走しないですむのかな。」

 

「ハカちゃんがそうだって信じるなら大丈夫なんじゃない?」

 

「…そんなもんかな…。」

 

 

微笑を浮かべる商だったがアマゾンの臭いが近づいてきたことに気がつきアマゾンズドライバーを腰に巻き付ける。

 

 

「鼻が利くね。」

 

 

声のした方向を見るとそこにはマモルと2人の男が立っていた。

 

 

「マモ…ちゃん?」

 

「……三崎くん……。」

 

「マモちゃん!マモちゃん!!やった…やっと会えた!」

 

 

笑顔でマモルに近づこうとする三崎の前に男たちが立ち塞がる。

 

 

「マモちゃん!俺、本当に全然気にしてないんだ!また一緒にチームを…」

 

「三崎くんはちょっと黙ってて!ねぇ君…コッパタイプだよね。」

 

「…それがどうした?」

 

「天城くんって…知ってる?」

 

「…?」

 

「マモちゃん、何の話してるんだよ?俺、マモちゃんと…」

 

「…2人とも!!……ここ任せていいかな?」

 

 

三崎の話を一切聞こうとしないマモルに対しどんな人にも積極的に話しかける三崎ですら声をかける事を止めてしまう。

 

 

「あぁ行け、マモル。」

 

「コッパタイプは我々が仕留める。」

 

 

マモルは三崎から逃げるようにその場を離れていく。

 

 

「マモちゃん、待ってよ!話を…!」

 

「おい、俺から離れるな!この2人、アマゾンだ!」

 

 

そう言いながら三崎を引き留める商はアマゾンズドライバーのアクセラーグリップを捻った。

 

 

-COPPA(コッパ)-

 

「ウォオオ!アマゾンッ!!」

 

 

相手のアマゾンも商がコッパに変身するのと同時にカニアマゾンとコウモリアマゾンに変わっていく。

 

 

「うっわ…ランクA…!大丈夫?ハカちゃん!」

 

 

三崎の声に応えることなく跳躍でカニアマゾンにしがみ付くコッパ。噛みつき攻撃でカニアマゾンから体液を放出させる。

 

しかしコウモリアマゾンによってコッパは背中を攻撃され、カニアマゾンから引きはがされてしまった。

 

コウモリアマゾンとカニアマゾンに覆いかぶされるように喰らいつかれるコッパ。

 

 

「ハカちゃん!くっそ、なんで…!」

 

 

いつものコッパよりも明らかに動きが鈍い。アマゾンがその状態のときは決まって”腹が減っている時”。

 

アマゾンを狩るためには狩ったアマゾンを喰らわなくてはならないという本末転倒な状態。今可能性があるとすれば三崎のポケットの中に入っていたたんぱく質入りアマゾンズインジェクターで栄養を補給するしかない。

 

そもそもはシグマタイプと呼ばれる”第四のアマゾン”がまた生成された時のために簡単にたんぱく質を与えることが出来るようにと国際営業戦略部が作ったものだそうだ。

 

しかしアマゾンを作ることを禁止され、結局無意味の産物として野座間製薬内で放置されていたものを水澤令華がアマゾンへの点滴代わりとして使うことにしたらしい。

 

いずれにせよこのアマゾンズインジェクターをコッパに打たなくてはならない、経口摂取から得られる養分には及ばないだろうが…。

 

 

「くっそ…隙がねえ…!」

 

 

三崎は必死に抵抗するコッパの姿を見て焦っていた。一方のコッパも遠ざかる意識の中で三崎の方を見ていた。

 

 

 

(もし…三崎を喰えれば…俺は体が動かせるのか…?)

 

 

コッパのオレンジ色の瞳には遠くにいる三崎が少し旨そうに映った。

 

 

 

 

 

 

 

その頃、4Cにもアマゾン出現の連絡が入り出動しようとしていた。しかし商という戦力と令華からの出資を打ち切られたイースヘブンは4Cに自分たちの身の安全を守ってもらおうと入口を封鎖し抗議をしていた。

 

 

「私たちを守れー!」

 

「もう自分たちでは守れないんだ!税金払ってるだろうが!」

 

「このビルは安全なんだろう!入れろ!」

 

 

隊長になった青山の最初の仕事は毎朝起こるこの暴動を抑えることだった。青山隊には藤尾、中島、そして任務失敗により隊長の座を”新入り”に奪われた福田が所属し人々のビルへの侵入を押さえている。

 

 

「落ち着いて下さい!4Cは皆さんの安全を守りますから!」

 

「ふざけんな!話によれば神山もここにいるそうじゃないか!あのくそ教祖め!俺たちがアマゾンに襲われている間に逃げたんだぞ!」

 

「冒涜だ!神山をだせ!出さないならこの建物ごと…!」

 

 

信者の一人が手榴弾らしきものを取り出した。それを見た福田は思わず大声を上げる。

 

 

「伏せろ!!」

 

 

信者が手榴弾のピンを抜こうとしたその瞬間、どこからか銃声が鳴り響き信者は足を押さえながらその場に倒れた。

 

 

「ふいー、あぶねえ、あぶねえ。素人がんなもん持ってんじゃねえぞ。」

 

 

銃を撃った男は今風の髪型に全身黒で統一した服を着ている相貌。だがアサルトライフルを片手で扱うその姿はプロの戦闘を知っている、そんな雰囲気を匂わせる。

 

 

「おい、一般人を撃つことはまずい!」

 

「青山ァ、お前甘いんだよ。今こいつが手榴弾(オモチャ)ぶっぱなすことでどんだけの人間死ぬと思ってんだ。あ、爆発でじゃねえぞ。俺たちが余計な怪我をすりゃ”善良な”一般市民がアマゾンの餌になっちまう。」

 

「黒崎…お前…!」

 

 

橘の推薦によってアメリカの特殊部隊から派遣された”新入り” 黒崎は青山の肩を叩くとイースヘブンの信者たちにアサルトライフルを向けた。信者たちは悲鳴を上げてその場を立ち去ろうとする。

 

「聞け、イースヘブンの連中!局長からの伝言だ。」

 

黒崎はアサルトライフルを首にかけ、ポケットから伝言が書かれた紙を取り出す。

 

「『イースヘブンの皆さん、ご安心下さい。尾宿商のようにアマゾンを狩ってくれる者は時期に増えます。皆さんの生活を脅かすアマゾンはやがて自滅するでしょう。』だそうだ。聞いたらさっさとお家でネンネしてろ!」

 

そう言い再びライフルを構える黒崎を見て信者たちは蜘蛛の子を散らすように逃げていった。

 

その様子を見ている青山は黒崎のライフルの先を下に向けさせる。

 

 

「それはよせ。あとどういうことだ?」

 

「さぁな。局長が言ってたことをそのまま言っただけだ。それよりさっさとアマゾン狩り行くからここ掃除しとけ。イースヘブンの連中、ごみ落としていきやがった。」

 

 

黒崎は橘からのメモを丸めるとイースヘブンの信者たちが落としていったゴミの中に投げて輸送用バンが停めてある駐車場へと向かった。




今回はちょっと地味な回だったかもしれませんが、読んでいただいてありがとうございます。

それより…アマゾンズS212話……!イユ……はぁ…。
目ん玉くりぬきシーンはいつ見ても
うわあ
ってなっちゃいます。
でも見ちゃうんだよなあ。

さて今回整理するのは何にしようか…。
自分の中では整理がついてても人から見たら全くわからん…ってことありますよね。
感想で是非そういうところを教えて頂きたいです。
ということで何か整理しておきたいことが出るまで、あるいは感想でリクエストがあるまで整理するコーナーはやめようかな?w

また次回もお願いするんだゾン。
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