「さぁ~て、ここからが本番ねぇん!」
貂蝉は仕切りなおすように言った。
「そそ、華琳の身分証明なんだけどさ。どうすればいいかな。」
「まかせてちょうだいごしゅじんさまぁん!そうくると思ってたのよん!」
貂蝉の言葉に2人の顔は輝く。
まさに地獄に仏。困ったときの貂蝉様である。
「本当か!?助かるよ貂蝉!」
「戸籍とかについてはこっちで準備してあげるから安心してねん。でも1つだけ大きな問題があるのよん!」
2人はその問題とはなんだと覚悟を決める。
その問題とはいったい・・・・・。
「氏名よし・め・い。お名前よん!」
「「はい?」」
2人揃って拍子抜けである。
「まぁご主人様ったらん!可愛い曹操ちゃんのお名前よん?大切にきまってるじゃないのん!」
「あっそうか。」
「???」
貂蝉の言ったことに一刀は納得し華琳は頭上に?マークを羅列していく。
「曹猛徳。確かにとぉってもいい名前よん?でも日本で女の子として生きていくのにはあまりにも男らしすぎるんじゃないかしらん?」
「ふむ、確かに。」
「どういうことよ一刀。」
「いやね華琳。前にも話したことあるかもしれないんだけどさ、日本には真名って習慣は無いんだよ。」
真名 それは神聖なる名前であり許されたもの意外が呼ぶことは許されない。
それを破った場合首を刎ねられても文句は言えない。
この習慣のおかげで一刀も危うく頭と身体がさようならするところであったのだ。
しかしここは日本である。そのような習慣はない。
「貂蝉も華琳の名前を悪く言ってるわけじゃないんだ。たとえばだけどさ・・・。」
一刀は説明のため具体例を上げる。
「華琳は女性だよな?」
「当たり前じゃない。」
「じゃあもし自分の子供が女の子で真名をつけるって時に武人って真名にする?」
「・・・・・。」
「うん、わかってくれた?そういうことなんだよね。」
流石にこの日本で女の子に猛徳という名前をつける親は居ないだろう。
というわけで急遽氏名を考える事に。
「どうしようかしらねぇん?」
「名前は華琳をそのまま使うとして苗字の方だよなぁ・・・」
「北郷は避けておかないとねぇん・・・。」
「え?なんでさ?そんなにダメ?俺泣いちゃうよ?」
「いいえ、違うのよご主人様。今北郷にしちゃうと後の感動が無くなっちゃうのよん♪」
「???」
意味を理解できない一刀だが華琳の苗字決め議論は進む・・・。
そして時刻は12時 すっかりお昼である。
太陽が真上に昇るとき一刀は1つの氏名を出した。
「これでどうかな?」
そういって氏名を書いた紙を貂蝉と華琳が見えるように机にそっと置く。
『乃嶋 華琳』
「・・・・・。」
「あらぁん!素敵な名前じゃないのぉん!」
華琳はまじまじと、貂蝉は嬉しそうにその名前の書かれた紙を見つめる。
「どうかしら曹操ちゃん?気に入ったかしらん?」
貂蝉は華琳に問い掛けた。
華琳は嬉しそうに名前の書かれた紙を抱きしめる。
答えは聞くまでも無いようだ。
「・・・うふふん。決定ねん。」
貂蝉は嬉しそうに言うとそっと立ち上がる。
「もう行くのか貂蝉?」
「えぇ曹操ちゃん・・・いいえもう乃嶋華琳ちゃんね。嬉しそうな顔見たらやる気がでてきちゃったわん。」
そういうと貂蝉は玄関に向かってゆく。
「ありがとう貂蝉・・・なんてお礼を言えばいいか・・・。」
「うふふ・・・気にしないでちょうだい、ご主人様と私の仲じゃないのん。」
「私からも礼を言わせて頂戴。貂蝉、本当にありがとう。感謝するわ。」
「まぁ嬉しいわぁん。ますますやる気が出ちゃうじゃない・・・。」
貂蝉はそうしてドアノブに手をかけた。
「あぁそうだったわ!私としたことが肝心な事を言い忘れてたわぁん!」
「「??」」
二人して首をかしげる。
「そこの机においてあるカード。自由に使って頂戴。外史管理局からのお詫びと私からのお祝いよん。」
銀行のカードだろうか?なんだかわからないが贈り物のであることは確かである。
「それじゃあねぇん・・・。」
改めてドアノブに手をかける貂蝉。
「乃嶋華琳ちゃん・・・ようこそ日本へ。これからはもっと自分のことを考えてここでの生活を楽しんでねぇん。」
「そしてご主人様・・・乃嶋華琳ちゃんを末永く大切にしてあげてねぇん・・・またあいましょう!」
そういい残し貂蝉は去っていった。
そして部屋には一刀と華琳が残された・・・。
「さぁて。」
「なに?どうしたの一刀?」
「すみませんがそこの美しいお嬢様?お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
一刀はわざとらしく綺麗な言葉で華琳に問い掛ける。
馬鹿ね・・・と小さくつぶやいた後、太陽のような笑顔で華琳は一刀の問いに応える。
「私の名前は乃嶋華琳よ。よろしくね?北郷一刀さん。」
「あぁよろしくな。乃嶋華琳さん。そして・・・天の国にようこそ、華琳様。」
こうして華琳は天の国の住人となった。
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