「はぁ……」
「どうしたんですか?部長。」
ため息をつくリアス・グレモリーに、そう聞く。
「どうもこうもないわよ、最近ヴァーリがよくこちらに来るからそのことで色々あるのよ…。」
「あー、アイツですか…。」
ロキとの戦いの時にヴァーリと共闘してから何故か俺に会いに来るようになったのだ。そのせいで作らねば行けない書類が増えストレスが溜まってきた。なぜ俺のところに来るんだろうかと考えていると部室の扉が勢いよく開けられた。
「赤龍帝、俺の物になれ。」
またですか、またなんですか!とっさにテーブルの下に隠れ周りの様子を見る。目に手を当て現実逃避をするリアス。取り乱して紅茶の葉と小麦粉を間違えてお茶のような白い水を入れる朱乃。開けようとしたポテチを勢いよく開けてしまい中身をぶちまける小猫。虚ろな目でお祈りを捧げるアーシア。窓から空を見上げブツブツと何かを呟いている木場。……ゼノヴィア?あいつならストレスに耐えれなくなって今寝込んでるぜ。一番ストレスに強いと思ってたが増やされた仕事には勝てなかったみたいだ。
「…赤龍帝、大人しく出てこい。さもなくば……。」
全ての原因であるヴァーリ・ルシファー。綺麗な銀髪のロングヘアーでスタイルの良い体つき、服装はジーパンにパーカーと至って普通である。俺がいることに気づいているのかそう警告する。
絶対に出ねぇぞ!と机の下で震えていると木場がこちらに歩いてきた。
「ごめん…本当にごめん……。」
そう言うと俺を机の下から引っ張り出しヴァーリの所へ運んでいった。
「やっやめろ木場!こいつについて行ったらロクな事にならねぇ!」
ジタバタと暴れ逃げようとする、が小猫も連行に協力し逃げ出せなくなった。
「ごめんなさいイッセー先輩…。」
涙目になってそう謝ってくる。なんかごめん!俺の方こそ本当ゴメン!
「うむ、素直なヤツはいいじゃないか。」
いや、こうした原因お前だからな!?助け舟を求めるために部長に目で訴えかけると…
「ヴァーリ…1日だけよ、1日あなたにイッセーを貸すから、当分こちらに来ないで……。」
部長ぉぉ!?俺あなたの眷属ですよ!?そんな簡単に貸してもいいんですか!?
「そうだな、とりあえずこいつは借りていくぞ。」
納得するな全ての原因よ!!お前のせいでみんなストレスにやられたんだぞ!?
そんな俺の心を読んだのかこう言い返してくる。
「お前が俺の物になれば皆のストレスは無くなるぞ?」
お前が来なかったらそれだけでストレスは無くなるんだよ!俺が悪いみたいに言うな!!
木場達から俺を受け取ったヴァーリーは俺をお姫様抱っこした。
「何やってんの!?なんでお姫様抱っこ!?」
「お前が逃げないようにするためだ。前回逃げただろう?」
ヴァーリに強制連行されるのは一度や二度ではない。数回逃亡に成功するがその次は絶対何かしらして逃げられないようにしてくる。今回はお姫様抱っこかよ…。少し胸が当たってくるが役得とさえ思えなくなってきちまったよ……。
あまりの恥ずかしさに顔を真っ赤にし両手で顔を覆う俺。そんな俺を見て、笑いながらこういった。
「さあ行くか、俺達の新居へ。」
…今こいつなんて言った?新居?誰の?
「俺達のだ。」
さらっと心を読むな!しかも何!?俺達ってどういうこと!?
「夫婦というものは一緒に暮らすのが常だろう?」
「夫婦?一応聞いておくけど誰と誰?」
「黒歌と美候だ。」
「そこは俺達じゃねぇのかよぉぉ!!」
とっさの反応でツッコミを入れる。だがこれはヴァーリが仕掛けた罠だったのだ。
「なんだ?そんなに俺と夫婦関係になりたかったか、そうかそうか。」
満足そうな顔でうむうむと頷くヴァーリ。誘導されてた…だと?
「俺達の場合名前はどうなるんだろうな…イッセー・ルシファー?それとも俺が兵藤に……子供の名前は……。」
早い早い展開が早い!そこまで考えなくていいから!
「それもそうだな。まずは赤龍帝の御両親に挨拶だな。」
そうじゃないんだよ!そしてちゃっかり心を読むな!!
「さあ行くぞ、俺達の愛の巣へ。」
「やめて!お前がそれを言うと違和感しかない!」
最後の抵抗に暴れて脱出を試みるがヴァーリの方が力量は上、抜け出せることは無かった。そして何故か目的地へ向かう時は魔法を使わないで徒歩で行くことになった。お姫様抱っこされたまんまだがな!この状態で校門通るなよ!恥ずかしすぎるわ!!