仮面ライダー555とこのすばのクロスです
誤字脱字があれば教えて下さると嬉しいです
注記 受験のため連載は2019年からとなります

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連載は多分しません


この素晴らしい世界に呪いのベルトを

「ここは……何処だ?」

 

 

 

気がつくと草加は真っ白な空間にいた。

 

 

「草加雅人さんですね。私は女神エリス。あなたはつい先ほどお亡くなりになられました」

 

目の前には青いローブを纏い、長い銀髪の整った容姿の女性が座っていた。

 

「ふざけているのかなぁ、君は」

 

彼女曰く、俺は死んだらしい。だが、急に死を宣告され平常を保つ事は普通の人間なら難しいだろう。俺もその内の一人だ。

 

「落ち着いて記憶を思い出してください。そうすれば分かるはずですよ。」

 

直接教えてくれない女神に少し苛立ちを覚えたが、言われた通り一度落ち着いて記憶を辿ってみる。

 

 

(そう、俺は真理を助ける為に単身ラッキークローバーのオルフェノク3体と戦い、破れて、それから……………殺されたんだ、木場に…)

 

 

 

「…………………木場ァァァァァァァァァァァァ!」

 

「ちょ、ちょっと急にどうしたんですか!?落ち着いてください」

 

我を忘れるほどの怒りが身体中に込み上げてくる。死ぬ直前までオルフェノクに対する憎悪の念と真理の幸せを守る事だけの為に戦ってきた草加にとって、以前は人間とオルフェノクの共存を目指すなどとほざいていたにも関わらず最終的に人間を捨てオルフェノクとして生きた木場に命を絶たれた事は最も屈辱的な事であった。

横の自称女神が宥めようとしてくるが軽く一蹴し、この先の見えない果てしない空間の先から先にまで響くような強い悲哀の叫びを上げた。

 

 

 

 

 

 

 

「落ち着きましたか?」

 

「ああ…すまなかった、怖がらせるような事をして」

 

「いえ、私も自分の死に納得することは非常に辛い事だと分かっているつもりです」

 

少し時間が経ってからやっと落ち着きを取り戻すことができた。エリスの方はやっと落ち着いてくれたようだと安心している。

さっきまではあれほど死への恐怖に怯えただ怒りをもって暴れていた草加だったが、いざ時間が経ってみると何故だか生と死への執着が薄れてきているように感じる。それが当の自分であっても気持ち悪いと感じるくらいに。

 

「一つ質問していいかな?」

 

「勿論答えられる事なら何でもいいですよ」

 

「……………真理は生きているのか?」

 

質問を聞くや否やエリスは数十枚にも積み重なった資料を見始めた。なるほどあれに俺の情報が載っているのだろう。

目当ての資料を見つけるとエリスは真剣な眼差しで草加を見つめた、草加の方も緊張するほどに。

 

「はい、今も生きています」

 

「そうか、それなら十分だ」

 

生死の執着が薄れてきたと言ったが、草加にとって自分の死を認める事はまだ長い時間がかかりそうだ。それも仕方のない事だ。

でも、今は真理が生きるている事だけが幸いだった、俺の死は無駄ではなかったんだ。

 

 

「それで? 君は死んでしまった俺を天国に連れて行く気なのかな?」

 

「そんなに事を急がないでください。…本題ですが、あなたにはこれから三つの選択肢があります。一つは記憶を消して元の世界に戻る、二つは何もない天国に生き何もせず暮らす。もう一つは知識、記憶、身体能力はそのままにあなたのいた世界とは別の世界、いわゆる異世界に行く事です。ちなみに最後の一つを選べば特典も付いてきますよ」

 

「その言い振りだと最後の一つを選んで欲しいっていう解釈でいいのかな?」

 

草加がふと感じた疑問を聞くと、エリスの方はうまく話が進んだという表情をして懇願するような目で話を続けた。

 

「まぁ、色々と事情があってですね、説明が長くなりますが……………その世界は長く続いた平和が魔王軍によって脅かされています。その世界で魔王軍に殺された人々はその世界への転生を拒否し、それによってその世界に生まれてくる命は少なくなっています。このままだとその世界の人類は滅びてしまうのです。なので、できればあなたにも力を貸して欲しいんです、お願いします」

 

つまり女神は滅びに進む世界を救う為にこうやって死んだ人間を別の世界に連れていくらしい。

そう言ったエリスは精一杯の気持ちを込めて頭を下げてきた。

草加は少し困った様子だったが自分の過去を振り返ると素直に承諾する事も難しかった。

 

「悪いけど、俺に魔王軍を倒せる力なんてもうどこにもないんだ」

 

生前、草加にはカイザのベルトがあった。それのおかげで何体ものオルフェノクを倒す事が出来た。最後は自分の体すら滅ぼしたベルトではあるけれど、俺にとってそれは圧倒的な力となってくれた。

しかし今はもう木場のものになっている。戦う力さえも失ってしまったのだ。

だがエリスはと言うと問題ないといった感じで話を進める。

 

「そこで特典が与えられているんですよ。その特典というのは一つだけ強力な武器や能力の事です。

さらに無事魔王を倒す事が出来れば、一つだけ好きな願いを叶えてあげます。

死んだ人達は人生をやり直せて、異世界には即戦力になる人がやってくる。悪い話ではないと思いますよ」

 

「…………まったくそうやって人の話に乗せられるのは好きじゃないんだけどなぁ。でも俺は三つ目の選択肢を選ぼう、困っている人を見過ごせないからね」

 

「そうですか、分かりました。本当にありがとうございます」

 

エリスは答えを聞くなり、心から喜んだ表情をして感謝の言葉を何度も言ってくる。

 

(まぁ、この選択肢の方が俺に都合がいいんだけど)

 

一つ目は記憶を失う時点で論外だ。真理の記憶だけは失いたくない。二つ目も天国で何も出来ず、ただ過去のことを懐古するという点であまり良くない選択だ。

なら消去法で三つ目を選択した、という理由もあるが何よりももう一度生きたかった。

 

草加にとってこれまで己の信念だけに戦い、犠牲も裏切りも厭わずに走り続け、その結果真理の心すら得ることのできなかった人生。幼少期から何度も傷を負ってそれでも争い続けた人生。オルフェノクに復讐を誓い、自分の死を悟って尚カイザであり続けた人生。他の流星塾生や父さんの死を経験し心から生きて戦うと誓った人生。

それが無意味でなかったという事、きっと自分を幸せにしてくれるものだと知るための手がかりを見つけたい。そしてこれから何処を目指して歩いていけば良いのかを知りたかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは草加さん、異世界に行くという事であなたの特典を選んでください」

 

目の前に特典らしきものの書かれた紙が現れた。何処かの有名な剣だとか魔法だとかが色々載ってある。

だが草加は一通り見た後、それらのものには興味を示さなかった。

 

「えっと、特典ってのは何でもいいんだよなぁ?」

 

「はい、そうですけど、どうかなされましたか?」

 

「………カイザのベルト、それを俺の持っていく特典にしたい」

 

「!?」

 

別にこの中から選べとは誰も言っていない。だから草加は生前の象徴であり、自身の切っても切れない姿であるカイザを選ぶ。

 

「………出来ればこの紙の中から選んで欲しいんですけど、さすがに手間がかかります」

 

「そうか、でももしもベルトが無理なら異世界には行かないつもりなんだけど、それは君にとっても良くない話だよなぁ(草加スマイル)」

 

 

「…………分かりました。少し時間がかかりますが、よろしいですか?」

 

「構わない。おっと、それよりカイザのベルトは装着しても死なないようにだけにしてくれないかな。装着したら灰になるのだけは勘弁して欲しいからね」

 

エリス(この人、性格歪んでるなぁ)

 

 

 

 

 

 

 

 

そして数分後、エリスは色々と準備を終えついに転生が始まろうかしていた。

草加はエリスの指示通りに魔法陣の上に立つ。

 

「それでは草加雅人よ、願わくば、数多の勇者候補の中から、あなたが魔王を打ち滅ぼす事を祈っています。さすれば、神々の贈り物として、どんな願いも一つ叶えてあげましょう」

 

魔法陣が輝き出して、白い光とともに体が上へと昇っていく。異世界召喚というのが今身をもって感じられた。

「行ってくるよ、三原、真理、父さん、(乾お前は呼んでない)」

 

自分と再び向き合うためにも、これまでの人生の意味を知るためにも、

 

「俺は…生きる!」

 

この瞬間、草加の意識は途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エリス「約束は果たしたわよ、花形さん。」


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