最近投稿時間がおかしいのは昼夜逆転生活が楽しすぎるからです
太陽が上りきる頃に寝て夕暮れを見ながら起きる生活が止められない、もう社会に戻れない……
それはそうと、仏教系鯖と行く御成グランドオーダーとか誰か書きません?胤舜や三蔵と修行する御成とか。何故かキアラ様に襲われる御成の図が頭から離れないんだけど
「上手くいったわ、上手くいったわマスター!! 成功よ!!」
「ふっ、当然だな。私たちの神の才能の前に不可能は無い!!」
その頃、ゲンムコーポレーションでは真黎斗とナーサリーが作戦の成功を喜んでいた。既に東京都の機械は、情報は全て彼らの支配下に入ったのだ。
防衛省も衛生省も文部科学省も、そのセキュリティは陥落しあらゆる情報は掌握された。何時でも総理の名を騙った宣戦布告は可能であり、何時でも市民の情報の開示は可能なのだ。
ただ一ヶ所を除いて。
「……でもやっぱり、聖都大学附属病院だけは落ちないのよねぇ……」
「向こうにも私がいるのだからそうもなるさ、気負う必要はない」
「でも、あそこはどうにかして手に入れたいじゃない?」
聖都大学附属病院。CRを擁するそこには檀黎斗がいる。彼は文字通り
ナーサリーはどうしてもそこを押さえたかった。真黎斗も同じ気持ちだった。自分達の世界に一点の染みがあるのは、精神的に来るものがあった。
「大丈夫だ、手は今から打つ……内側が駄目なら外から攻める。発想の転換というやつだ」
真黎斗はそう言い、社長室の入り口の方を見た。既に彼が呼び出していた二人のサーヴァントが、すぐそこに控えていて。
「待たせたなジークフリート、ジル・ド・レェ。……指示はただ一つだ。聖都大学附属病院を襲撃しろ」
「……了解した」
「承りました、我が神よ!!」
ゲンムのセイバー……ジークフリートと、ゲンムのキャスターの片割れジル・ド・レェ。真黎斗は彼らにそう指示する。既にガシャットは渡してある、力不足はあり得ない。
「……なるほど、外からも圧迫して、内側を脆くするのね!! 素敵だわ素敵だわ素敵だわ!!」
「そういうことだ。……では、行け」
その言葉と共に、二人は空間から消え失せた。霊体化し、聖都大学附属病院へと向かったのだ。
その場に残った二人は再びパソコンの前に座った。どちらともなく顔を見て、成功は遠くないと確信して小さく笑う。
「……ふふっ」
「……続きを始めるぞ」
「……ええ!!」
カタカタカタカタカタカタカタカタ
そして、キーボードを叩く音が再び響き始めた。
───
カタカタカタカタカタカタカタカタ
「う"ぁ"ー……あ"ぁ"……」
CRの黎斗神もまた、キーボードをひたすらに叩いていた。現在の残りライフは94。
既にメディア・リリィは疲れの末に意識を失ってしまっていた。現在は代わりにマルタがヘルメットを被っている。
パソコンに文字が走る。黎斗の指はキーボードを撫で、呻きは病室の彼方まで届きそうだった。
そして、その永遠にも思われた作業に、ようやく一つの区切りがつけられる。
「あ"ぁ"……ぶぁ"ぁ"……」
「どうした……神……!!」
「出来た……出来たぞ……!! ハハ、ハ、ハーハハ……!!」
その肩は震えていた。彼はときめきクライシスをパソコンから分離し、苦しそうに笑う。
「……え? 出来たの? 出来たの!?」
「ときめきクライシスの対サーヴァントシステムの仮構築が完了した!! やはり私は神だ!!」
「おおおおおおおっ!!」
貴利矢は跳ね上がって喜んだ。やっと終わった、やっと解放される、と。ベッドの方でも、マルタが歓声と共に飛び起きていて。
しかし、安寧の時は訪れなかった。……その瞬間、黎斗の手元のブザーが成った。ようやく彼らがガシャットの改良から解放された瞬間に。
ビーッ ビーッ
「……おい、何だこれは!!」
ブザーを聞いて、二階の方から飛彩が飛び込んでくる。
ただならぬ雰囲気のそれはまだ成り止まない。そのスピーカーは、一つの液晶画面と繋がっていて。
「……不味いな。サーヴァントの侵入だ」
「なっ──!?」
その画面には、剣を持った白髪の男と、奇妙な衣装の男が映っている。彼らは聖都大学附属病院の敷地内に入り、地下駐車場に入ろうとしていた。
「迎撃しろ鏡飛彩、ジャンヌ・ダルク!! そしてキャスター、君もだ!! 通信機を貸してやる、館内の配管を傷付けさせるな!」
「当然だ、患者に危害は加えさせない。行くぞセイバー」
「はい!!」
それを見るなり、飛彩は未調整のガシャット数本と黎斗の差し出した通信機を引っ付かんでCRを飛び出していく。ジャンヌもその後を追い飛び出した。メディア・リリィもまだくらくらしている頭を押さえながらその後を追っていく。
「あれ? 俺達はどうするんだい?」
「……もう少し待機だ。レーザーターボのガシャットを寄越せ!! ……君らには別の仕事があるぅ……」
『ガッシャット!!』
黎斗神はそれを見送りながら、再びキーボードを叩いた。今度はさっきよりますます早い指使いだった。
貴利矢は一瞬首を傾げ、そして黎斗神の思惑を察する。
「おい神、まさか──」
「そのまさかさぁ……君達は今からゲンムコーポレーションを襲って貰う……!!」カタカタカタカタ
「……逆にこっちから攻めに行くのか?」
「今なら向こうも、手薄のはずだからな。私がこうして防衛しているとき、向こうもまたこちらを攻め落とさんと戦っている。
───
「……マスター」タッタッタッ
「何だセイバー?」タッタッタッ
「……絶対に彼らを押し止めて、患者の皆さんを守りましょうね」タッタッタッ
廊下を駆け抜け、非常階段を滑り降りながら、飛彩とジャンヌはそう言葉を交わす。何の意味もない、その場繋ぎの会話。しかし、それは確かにジャンヌが考えていることで。
「……ここか」タッタッタッ
そして二人は、ゲンムのセイバーとキャスターのやって来ている地下駐車場までやって来た。キャスターは置いてきてしまったが、速さには替えられない。
「……お前たちが、CRのサーヴァント、そしてマスターということか」
「おお、ジャンヌ!! ジャンヌではありませんか!!」
「っ……ジル!?」
既に地下駐車場にて待ち構えていたサーヴァント二体は、CRのセイバー陣営を前に思い思いの反応をした。
ゲンムのセイバーは、飛彩の出す歴戦のオーラのようなものに感心する素振りを見せた。隣のゲンムのキャスターは、ジャンヌを見るなり丸い目を更に丸くし、狂喜にも似た声を上げる。ジャンヌはそれに少しばかり動揺していた。
「あの触手で怪しく思っていましたが、やはりジルでしたか……」
「知り合いか……そうだとしても、戦って貰うぞ。患者を守るためだ!!」
『タドルクエスト!!』
『ドレミファ ビート!!』
飛彩は己のサーヴァントを本の少しだけ気遣いながら、ガシャットの電源を入れる。ゲームエリアが広がった。
それを無言で見つめるゲンムのサーヴァント達も、飛彩に反応して各々のバグヴァイザーを取り出す。
『『ガッチョーン』』
「何だと……まさか、変身するのか!?」
『Taddle fantasy!!』
『タドルクエスト!!』
『ドラゴナイトハンター!! Z!!』
「「……変身!!」」
そして、彼らの方が飛彩より先に変身する。その姿には何の恐れもなく、飛彩と戦う用意はとうに出来ていた。
『タドールファンタジー!!』
『タドルクエスト!!』
『ドラゴナイトハンター!! Z!!』
「……セイバー、片方を頼む」
「では、キャスターの方を。……ゲンムのセイバーはお願いします」
しかし、怖じ気付くには遅すぎる。飛彩はジャンヌをキャスターに向かわせ、ゲンムのセイバー……仮面ライダーセイバーと対峙した。そしてゲーマドライバーを装備し、ガシャットを装填する。
「……術式レベル3、変身」
『ガッシャット!! ガッチャーン!!』
『タドルクエスト!!』
『ドレミファビート!!』
セイバーとブレイブは一瞬睨み合い、そして同時に走り出した。
バルムンクとガシャコンソードがぶつかり、火花を撒き散らす。
「はあっ!!」
「ふんっ!!」
ガキン ガキンガキン
「っ……!!」
勢いではブレイブが押されていた。レベル差47、ある種当然のことだった。彼は数回セイバーと斬りつけあい、駐車場の壁まで吹き飛ばされる。
「……はあっ!!」
ザンッ
「ぐぁっ……!!」
堪らず膝をついた。しかしその壁の向こうは診察室、壊される訳にはいかない。
「っ──」
『聞こえるか、聞こえるか飛彩!!』
「監察医!?」
その時、飛彩がつけていた通信機越しに、貴利矢の声が届けられた。
───
「聞こえるか、聞こえるか飛彩!!」
『監察医!?』
その時貴利矢は、黎斗神のサポートを行いながら、彼の呻き声に合わせて洩れ出てくる情報を飛彩に飛ばす役割を担っていた。マルタは再びベッドに転がりヘルメットをつけていた。
「ええと、今お前が戦っている奴、ゲンムのセイバーの真名は……何だ?」
「う"ぁ"ぁ"……じーく……ふ……り"ー……」カタカタカタカタ
「じーくふりー? じーくふりー、ふりー……」
『早くしてくれ監察医!! これ以上は下がれないぞ!!』
『ドレミファ クリティカル フィニッシュ!!』
通信機の向こうから戦闘しているのが聞こえてくる。しかもかなり追い詰められているらしく、放ったキメワザが受け流されたのが爆音で分かった。
「じーく……ジークフリート!! ジークフリートだ!! 背中は開いているか!?」
『っ……ザザッ……開いている!!』
「そこを狙え!! そこが弱点だ!!」
───
『そこを狙え!! そこが弱点だ!!』
「っ!!」
『シャカリキ スポーツ!!』
『ドラゴナイト ハンター!! Z!!』
それを聞いた瞬間に、ブレイブは持ってきていたシャカリキスポーツとドラゴナイトハンターの電源を入れた。ガシャットからゲーマが飛び出し、セイバーに飛びかかる。
セイバーはそれを容易く吹き飛ばすが、しかしそれをする間にブレイブはセイバーの視界から消え失せていた。
「何処だ……?」
そしてその隙だけで、十分だった。
「……俺に斬れない物はない!!」
『タドル クリティカル フィニッシュ!!』
「はあああああっ!!」
ザンッ
「何故ゲンムコーポレーションに味方するのですかジル!!」
「決まっております、真檀黎斗こそが我が神なれば!! 相手がジャンヌであろうと加減はいたしませぬ!!」
ジャンヌもまた、キャスターと打ち合っていた。彼女の手持ち武器は旗、狭い地下駐車場では少しばかり振るいにくいが、大した問題ではない。
しかしキャスターは常に宝具を展開しているような状態らしく、常に鋭い触手がジャンヌに襲いかかる。
『タドル ドラゴナイト クリティカルストライク!!』
「ハーハハハハハハ!!」
無数の触手が彼女に食らいついた。ジャンヌは旗を展開して受け止めようと試みるも、簡単にすり抜けられてダメージを加えられる。ルーラーのクラスで与えられるはずの旗の宝具は、セイバーの彼女には存在していなかった。
ジャンヌは大きく後方に飛び退いた。彼女はとある事情によって剣は使うことが出来ないため、得物を替えることも叶わず旗を構え直す。
「お待たせしました!! 加勢致します!!」
「っ、ありがとうございます!!」
そこに、二人に置いていかれたメディア・リリィが追い付いた。彼女は予め用意していた術式を起動、キャスターの触手を消し飛ばす。そして、怯んだキャスターの懐にジャンヌが突撃していく。
ズドン
「~~!! この、この匹婦めが!!」
数歩後ずさるキャスター。その胴体を、ジャンヌが旗で凪ぎ払う。
キャスターの背中の向こう側では、セイバーの背中を攻撃することに成功したブレイブがやはり傷だらけになりながらも相手を押していた。二人は一瞬だけ視線を交わし、ゲンムのサーヴァント二体をぶつけて動きを止めさせる。
『タドル クリティカル フィニッシュ!!』
「行くぞセイバー、俺に合わせろ!!」
「分かりました!!」
「「はあああああっ!!」」
そして同時に得物を振りかぶり──
───
「はぁ、はぁ……はぁ……!!」カタカタカタカタ
「……そろそろ終わりそうか?」
「あぁ……今、っ……終わった!! 爆走バイクの調整が完了したぞ!! ハッハ、神の才能に、ひれ伏せぇーっ!!」
「はいはい、行くぞライダー!!」
「はい!!」
そして黎斗神は、とうとう爆走バイクの調整を終わらせた。調整開始からたった一時間だった。貴利矢はそれとときめきクライシスを手にとって、マルタと共にCRを飛び出していく。
誰にも反応してもらいないまま一人残された黎斗神は真顔になり、再びパソコンに向かい始めた。
画面にはブレイブとジャンヌが映っている。数の力であろうか、どうにか盛り返していた。
反撃は、まだ始まらない。
次回、仮面ライダーゲンム!!
──ゲンムコーポレーション攻略戦
「ノリノリで行っちゃうぜ?」
「私達も戦う!!」
「「超協力プレイで、クリアしてやるぜ!!」」
──サーヴァントの決意
「決してマスターの邪魔はさせぬ!!」
「仮に命を、奪ってでも……!!」
──戦いは混迷する
『クリティカル クルセイド!!』
「
「ここでは、負けられない!!」
第十話 Ideal white
『政府は、非常事態を宣言しました。今後、必要に応じて自衛隊を派遣していく予定で──』