ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか。 ♦︎ 龍の力を宿す少年の物語♦︎   作:Akutu0119

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龍と兎と女神

 

輝く夕陽が都市(オラリオ)を包みこみ一日の終わりを感じさせるそんな時、アークは目の前にある大量のジャガ丸くんを途轍もないペースで食べ進めていた。

「いやー助かった、助かった。あのままだったら危うく飢え死にするとこだった笑 」

 

アークは目の前にいる少年にお礼をのべていたーーー少年の買ってきたジャガ丸くんを食べる手を一切とめることなく。

 

「い、いえ。それにもとはといえば余所見をしながら歩いていた僕が悪いんですから」

 

「恥ずかしい話こっちも空腹でフラフラしてたしまぁお互い様って事だな。っとそういや自己紹介もまだだったな。俺はアーク・シファー、よろしくな。」

 

「そうでしたね。僕はベル・クラネルです。よろしくお願いします、アークさん。」

 

アークは目の前にいる少年(ベル)に自らの名を告げながら右手を前に出した。ベルもすぐに意図を察し自らの右手を差し出し固く握手を結んだ。

 

「まぁ色々と聞きたいことはあるんだが、その前に。そのアークさんってのやめねぇか?俺もベルって呼び捨てにしてるんだしよ。もっとフレンドリーにいこうぜ?」

 

アークは色々あったとはいえ自分を助けてくれたベルが自分のことをさん付けで呼ぶのが少し気にいらないのかそんな願いを告げて来た。

 

「けど、僕は十四でアークさんの方が年上ですし。」

 

「おいおい。俺ってそんなに老けて見えるのか⁉︎俺もベルと同じ十四だぞ。まぁ、気にしてんのが歳だけなら別にいいだろ⁉︎」

 

ベルに実際より年上に見られ、すこーしばかり(わりかし)ショックを受けつつアークは笑いながら再度提案をしてきた。

 

「そうです…そうだね。そういうことなら改めてよろしくね、アーク。」

 

思わずかしこまって言いかけたベルだが、きちんと言い直し改めてアークに挨拶をしたところでアークも満足気な笑顔を浮かべたのであった。

 

そんなやり取りをした後、アークとベルはオラリオの街を歩きながら会話を続けていた。

 

「空腹で困りはててた俺がいうのもなんだがベルはなんだってボーッとしながら歩いてたんだ?なにか悩みごとか?」

 

「悩みごとというか、なんというか。……実は僕は冒険者になりたくてオラリオに来たんだ。けど……」

 

聞けばベルもアークと同じく冒険者を志しギルドに行き、ギルドの職員から渡された資料を頼りにファミリアに入団するべく各所を転々としていたとのことだった。しかしながらベルの見た目は幼さがまだ残っておりどのファミリアからも相手にされず門前払いをくらい茫然としていたところでアークとぶつかってしまったようだった。

 

事情を最後まで話したベルがふとアークを見ると凄まじい形相を携えていた。今、アークは怒りでブチ切れる一歩手前なのだ。

それもそのはず、アークはベルに己の姿を重ねてみているからである。冒険者を志す理由はアークとベルでは違うのだろうがその想いに優劣の差などないはず。なのにその純粋な想いを聞きもせず外見だけで判断したことにアークは怒り心頭なのだ。

 

(まずはこの後ベルを門前払いにしたファミリアに乗り込んで……いやいや、その前に……)

 

怒り心頭のアークの中で不穏な考えが沸き起こり始めたその時

 

「おや?君はさっきジャガ丸くんを山のように買っていってくれた少年じゃないか!こんな所でどうしたんだい?」

 

後ろからベルに向けられたであろう言葉に振り返ればそこにいたのは一人の女の子であった。アークはその女の子を一瞥しベルに質問を投げかけた。

 

「なぁベル。あの服装が少し、いや大分、いやかなり?独創的(奇抜)な女の子は誰だ?ベルの彼女か?笑」

 

「か、彼女⁉︎ち、違うってば!あの女の子はさっきジャガ丸くんを買いに行ったお店で店番をやってた子だよ。」

 

アークに突拍子もないことを言われ、あたふたとしているベルを横目にアークは悪戯心満載な笑顔を浮かべていた。事態がこれ以上おもしろい(面倒な)方向にいかないようにベルはその女の子にこれまでのあらましを話していった。

 

「つまり君はファミリアに入りたいが門前払いばかりで困り果てていたってことなんだね?」

 

「は、はい…」

 

先程声をかけて来た女の子。見た目は普通の女の子であるがしかし彼女は神であった。このオラリオに降り立った次元の違う超越存在(デウスデア)の一柱である。そんな神ーーヘスティアは事情を聞いた後に一つの提案をしてきた。

 

「実はボクもちょうどボクのファミリアに入ってくれる子を探していたんだが、君さえ良ければだけどどうかな?」

 

「は、入ります。入らせて下さい‼︎」

 

なにやらとんとん拍子にに話しが進み、若干驚いているアークだがすぐに笑みを浮かべてベルのもとへ行き

 

「やったじゃんかよ、ベル。これでいよいよ冒険者になれるな。」

 

「うん。アークにはすごく感謝してるよ、ありがとう。」

 

「俺は何にもしてねぇよ。じゃあ、俺は行くな。頑張れよ‼︎」

 

とベルに声をかけ去ろうと背を向けたその時、アークの手をベルが不意に掴んだ。

 

「アークも一緒にファミリアに入るんじゃないの⁉︎それとももう入るファミリアが決まってたりするの?」

 

「いや、まだこれから探すとこだから決まってないが…いいのか?俺も入って?」

 

「勿論だよ。いいですよね神様⁉︎」

 

「大歓迎さ‼︎むしろこちらからも是非君にも入ってもらいたいところさ」

 

「そっか。それじゃあベル、神ヘスティア。こんな俺だがよろしく頼むな‼︎」

 

こうして(アーク)(ベル)とその物語を記す女神(へスティア)の三つの運命は交わり物語は紡がれていく。




遂にというかやっと物語が少しずつ動き始めました。
これからアークとベルがどのような冒険をしていくのか…少しでも興味を持っていただけると幸いです。

拙い文章ではありますが少しでも多くの人に楽しみを持ってもらえたら嬉しいです。感想などもありましたらよろしくお願い致します。
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