ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか。 ♦︎ 龍の力を宿す少年の物語♦︎ 作:Akutu0119
「アーク君、いやアーク・シファー。君は何者なんだ?」
ヘスティアにぶつけられた質問にアークは若干驚きを露わにした。しかし次の瞬間驚きなどなかったように表情を戻しヘスティアに答えていく。
「凄いな、ヘスティア。いつから気付いてたんだ?」
「違和感を感じたのは最初に君とベル君に会った時さ。その時は気のせいだと思っていたけど、
そういうとヘスティアは先程アークに渡したのと同じステイタスを写した紙をアークに渡した。それは先程となんら変わらない内容であった、
アーク・シファー
Lv. 1
力:I0
耐久:I0
器用:I0
俊敏:I0
魔力:I0
《魔法》
【 】
《スキル》
【
・宿主の渇望を具現化する
アークは今度こそ驚きを隠そうとせず身を固めていた。そしてヘスティアの問いに答えるべく口を開く。
「ヘスティア、俺は
「
ヘスティアの決して折れなそうな姿勢をみてアークは一つの覚悟を決める。
「わかったよ、ベルとヘスティアに隠していることを話すよ。ただし少し長くなるから歓迎会が終わった後でもいいか?話すなら二人に一緒に聞いて貰いたいんだ」
アークがそう言うとヘスティアは満足そうに頷くのだった。
それからしばらくしベルが両手に荷物を持ち買い出しから戻ってきた後ささやかだか和気あいあいとした歓迎会が行われていった。
そうして歓迎会も終わり夜の帳がおりた頃合い、アークはベルとヘスティアに話しがある旨を伝え二人に向かい合うような形で椅子に腰を落とした。
「今から話すのは二人にはまだ話してない俺の過去のこと、俺の中に宿っているモノについてだ。聞きたいことは話し終わった後に全部答えるから最後までただ聞いていてくれるか?」
ベルとヘスティアは返事の代わりに一つ頷きを返した。それを見てアークは一つ息を吸い話しを始めた。
話しは今から6年前に遡る。アークは当時8歳の少年で山間の小さな村で家族に愛され友人と日々を楽しく謳歌していた。普通の少年として生活している彼だったが彼には他とは違ったところがあった、それが彼の身体の内に眠る【龍】と呼ばれるものだった。
アークの家系は代々その【龍】を受け継いでいく役目があり彼がこの世に生を授かった時にその身体に【龍】を宿した。しかしながら宿したといっても人より健康であったり勉学に秀でるなど普通の人と大差ないものであった。
その為アークも周りと変わらず成長していき、将来は愛する者と新たな家族を築いていくことになった、そうなるはずであった。
彼の中に眠る【龍】の力に目をつけたある集団ーーー
そしてアークに訪れたのは残酷な結末。彼の中の【龍】を狙い
アークは目の前に広がる光景を見ている事しか出来なかった。絶望が彼を包んだその時彼の中の【龍】が目覚め、そして全てを無に帰した。
その後アークが目を覚ますとそこは村から一番近い街の病院であった。山間の村から立ち昇る煙から異変を感じた街の者が村を訪れた時には辺り一帯焼け野原になっており、傷を負ったアークだけが倒れているのを発見、保護したのであった。
彼の絶望が彼の中の【龍】を暴走させ村もろとも
自身に降りかかった災厄、愛する者達の死はアークの何かを既に壊していたのかもしれない、まだ幼く様々な未来があったであろう彼にある決断をさせるのだから。彼は二度大切な人達を失わないよう護られるのではなく護るために、幼い身を奮い立たせ剣の門を叩いた。護る為に力と強さを求めて……
「と、まぁこんな感じなんだ…が」
自身の過去を語り終え黙って聞いてくれていたベルとヘスティアを見ると二人とも今にも泣き出しそうな顔をしていた。
「そんな顔しないでくれよ。これからファミリアとして一緒にやっていく二人に隠しごとをしないで済んだんだからな。だからまぁ、改めてよろしくな」
二人はアークのその言葉を受け入れ改めて挨拶を交わしたのだった。
過去を語ったその日の真夜中、ふとアークは目を覚まし辺りを見回した。そこは暗闇であるはずにも関わらずしっかりと見渡すことが出来ていた。
「これは、夢なのか?それにしては意識がはっきりしてるよな」
「そう、ここは君の無意識の世界。まぁ夢と似てるが違うともいえるね」
後ろから声が聞こえ振りかえると目の前に
「確信はあるが聞きたい、お前は俺の中の龍か?」
「そうだよ。まぁこの人格は
「そうかい。それでお前は何の為に現れたんだ?世間話って訳じゃないだろ」
「ふふっ。せっかちだね、じゃあ本題に入るよ。アーク・シファー、君は力が、強さが欲しいか?全てを無に帰せる力が」
「っつ⁉︎……あぁ欲しい、俺は力が、強さが欲しい。けどそれは何かを壊すためじゃない、全てを護るためにだ‼︎」
「君のその考えは甘い綺麗事だよ。ふふっ、だけどそれが君なんだね。合格だよ、アーク・シファー。君にその甘い綺麗事を護る為の力と強さを与える」
すると不意に背後に扉が現れた。それは重厚でしかし何処か幻想的な雰囲気の扉だった。
「さぁその扉を開くといい。おっと、どうやら今回はここまでみたいだね。また君に会えるのを楽しみにしているよ」
そんな言葉を残し龍は目の前からいなくなった。この場に残されたのはアークと龍が用意した扉のみ。
「……色々と気になるところはあるが折角だ、有り難くもらうぞ。」
龍の言葉を色々と思案していたアークだが、考えても埒があかないと判断し眼前の扉に手をかける。
自身の願いを、力と強さを求めて扉を開く。その瞬間、辺りは光に包まれていきアークの意識も光に溶けていった。
なんだか思ったより長くなってしまいましたΣ(゚д゚lll)
明かされたアークの過去、そして現れた龍。これからどんな展開が訪れるのでしょうか?是非楽しみにお待ちいただけると幸いです。