Fate/EXTRA-Lilith-   作:キクイチ

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伏線を回収する―――最終章の予告(やるとは言ってない)


次回予告:亜種特異点 混沌疑神種卵”Lilith”

 現代日本―――2016年の残滓。

 

 誰かがうち捨てた願いが再び動き出す。

 

 

 あるはずのない聖杯戦争。あってはならない聖杯戦争。

 

 主催者は―――とある魔術師。

 

 

 前触れ無く、突如舞台は現れた。

 

 第二亜種特異点を乗り越えたカルデアのマスター―――藤丸立夏はその特異点を修復するため動くこととなる。

 

 

 これは―――Epic Of Remnant、魔術王の残り香。誰かが見落とした可能性。

 

 

  ―――例えばそれは、幻想からの救済。

 

 『影法師』 『猜疑心の盾』

  『狂乱した獣』

        『終りのない戦争』

『クラインの壺』

    『人類史の簒奪者(編纂者)

『懐疑こそが至上の答え』

 『第七天の使者』

        『トロイア殺す参謀』

  『誰にも届かぬ慟哭』

 

   『強くて、Newゲーム/カースト・リトライ』

 

 

 

 あるはずのない聖杯戦争、ここに開幕。

 

 ようこそ、例外者(エクストラ)

 

 君の参戦を歓迎する。

 

 

 

 

 

 善英の徒よ。

 

 苦難に涙し、陵辱に狂乱し。

 

 無想に焦がれ、理想に失意して。

 

 

 ―――無様に死に絶えるが良い。

 

 汝らの嘆きは、私の神こそが救い給うだろう。

 

 終りのない繁栄を。

 人類のための、理想郷を。

 

 間違いの無い救いを指し示す。

 

 

 ―――さあ、聖杯戦争を始めよう。

 

 

 

***

 

 

 とある男の元に、一文が届く。

 

『どんな願いでも叶えられる願望機に興味は無いかな?』

 

 という文章。

 

 男は魔術師だ。魔術師であるならば、根源を目指す以上その過程をごっそりとぬいて叶えうる願望機があるならば喜んで参加するだろう。

 

 文章には続きがある。

 

『日本国、A県、A市において聖杯戦争を執り行う。汝、興味があるならばA市協会までこられたし。』

 

 冬木とは、叉別の地だ。

 

 しかし、そこに一等霊地以上の土地があることを男は知っている。

 

 なぜなら男はその土地のオーナーだからだ。

 

 文章は続く。

 

 

『火々乃家当主―――()()()()()の名の下に第二聖杯戦争の幕開けを宣言する。』

 

 ここで、文章は終わっている。

 

 主催者は、火々乃晃平。

 二十代以上の歴史を積み重ねた炎浄家の分家――火々乃家の当主。

 

 分家として組まれる前は、真っ当な呪家にして、その土地の守護の任を朝廷から受けた家である。相当の神秘を積み重ねてきた血統持ち、大家である。

 

 江戸時代に流入してきた炎浄家の分家に取り込まれるが、その深い神秘は顕在。

 

 近年では、時計塔に入学し『黒』を授与され色位を得た魔術師である。

 

 

「何度読み返しても、ふざけた話だな。火々乃晃平が主催者だって? なんつー大胆な挑発だよ……まさかだけど、他のヤツ信じたり―――しそうだなぁ」

 

 

 そうぼやく男。

 

 めんどくさそうな顔をして、革の旅行鞄をがさごそといじっている。

 

「前の家を使えば、工房も生きてるといいなぁ――ま、チェックすれば判るか。さて、問題は―――」

 

 彼が向けた目線の先には――机があり、その上に三つの箱が置かれている。

 

 それは、聖杯戦争のための代物。英霊召喚をするための触媒である。

 

 

「全部本物ってのがびっくりなんだが―――どれ持ってこう?」

 

 

 大枚をはたいて購入した触媒である。これを使えば、名のある有名な英霊と契約を結べ勝利に近くなる。

 

 

 そもそも聖杯戦争とは何かと言えば。

 

 聖杯戦争は、今回はA市を舞台にした魔術師達の生存競争である。

 

 あらゆる奇跡を叶える願望機『聖杯』の所有権を巡って殺し合う。

 

 七組のチームで戦いを始めて『最後に勝ち残った一組が』聖杯を手に入れる、というのがおおざっぱな枠組みである。

 つまりは、バトルロワイヤル。

 

 魔術師は自分の戦闘代行者であるサーヴァントを呼び出し、他の参加者を打ち倒す。

 

 そして、生き残った最後の一組の前に聖杯は現れ『使用権』を与える仕組みである。

 

 サーヴァントの魂七騎分あれば、根源に至れるほどの魔力を得れる。

 

 七騎あれば、だが。

 

 自分のサーヴァントを最後に自害させることで、聖杯は完成する。

 

 もっとも、男はそんな願いは抱えていないが。

 

 サーヴァントは戦闘代行者。

 

 ならば、強力な英霊を召喚できればいいのである。

 

 

 故に、触媒はとても大切なものである。

 

 

 男の前にある三つの箱の中には、神秘の籠もった物体が入っている。

 

一つは、天穹の弓(タウロポロス)の破片。彼の女神アルテミスが与えた弓の破片である。天穹の弓を使った英雄の名は―――麗しのアタランテ。

 

 男は彼女の姿を思い浮かべて懐かしく笑う。

 月の聖杯戦争では世話になった。

 

「ライダーも気に入っていたからなぁ、彼女に頼るのもいいかもしれない」

 

 一度、肩を並べて戦った以上その距離感は掴んでいる。

 

 彼女の性格なら裏切られることも考えにくい。

 

 しかし、一点だけ気がかりが男にはあった。

 

「この聖杯戦争じゃ、火力がなぁ...」

 

 七組の聖杯戦争。

 彼女を召喚して勝ち目があるか、と言われれば簡単にはうなずけない。いざとなれば、彼は勝つ手段を見出すことが出来るだろうが―――強力な英霊と比べれば見劣りするのも確かだ。他の誰かがヘラクレスとか召喚したら勝ち目が極端に薄くなる。

 

「もう一つは、と」

 

 もう一つの箱に入っているのは彼の有名な円卓の欠片である。

 

 当然、円卓の騎士―――アーサー王物語に登場する円卓の騎士の由来元、円形の机の一部である。

 

 強力なサーヴァントは、恐らく誰か答えてくれるだろう。

 

 円卓の騎士は、その誰もが強力であろうことは想像出来る。

 

 理想は、モードレッドやらガウェインだが………男は正英霊とは相性が悪い。真っ当な手段で勝つ、という発想をあまりしない魔術師である男にとっては良い手段とは言えなかった。

 モードレッドが応えてくれるならまだいい。

 だが、清廉潔白そうなパーシヴァルとか堅物ランスロットとか召喚されたら――コンビを組める気がしない。

 

「……最後は」

 

 ”方向性の不一致で自滅とか嫌すぎる”若干意気消沈しながら男は最後の遺物を確認する。

 

 それは、かの光の御子、クー・フーリンが持っていたとされる有名な武器―――ゲイ・ボルクの破片だという代物。

 かなり小さな破片だが、かなりの神秘を内包している。

 これを手に入れるために私財の三割が消えた。

 

 そのかいあって、本物がこうして手に入ったと言う訳だ。持つべきモノは優秀なブローカーである。

 

「ま、応えてくれるだけで感謝しかないし。今回は―――これでいこう」

 

 大切にゆっくりとそれを鞄の中に入れる。

 

「さて、準備はこれでよし」

 

”それじゃあ、行きますか”と言って、男は立ち上がった。

 

 

「何処の何奴がこんなことを画策したのか―――問いたださなければな」

 

 

 黒いよれよれのコートを翻し、歩いて行く。

 

 向う先は―――かつての故郷。

 

「俺の名を騙って聖杯戦争とか、良い度胸じゃねぇか……! 野郎ぶっころしゃぁッ!!」

 

 そう吠え立てる男の名は、火々乃晃平。

 

 月の聖杯戦争を生き残り、なおかつ目的を完遂した男が動き出す。

 

 彼の地のいるという自分の名を騙る聖杯戦争の主催者も殺すために。

 

 

「―――さぁって行きますぞい!」

 

 

***

 

 

 招かれる七人の魔術師。

 

 生存闘争の幕開け。

 

 希望? 理想? 夢? 未来?

 

 それらが無残に破綻する様を我らは望む。

 

 

 ―――真夏の陽炎のようなつかみ所の無い街。

 

 さあ、汝の最強を証明せよ。

 

 

 汝らに叶えたい夢があるならば。

 

 

 

 

 ――――亜種特異点 混沌疑神種卵”Lilith”

 

 

 

 これは、幻想からの救済。

 

 それは、虚構からの企てでは達しえず。

 それは、空想からの征服でも達しえない。

 

 

 なしえなかった救済を、改めて示す、妄執と執着の果ての幻想。

 

 

 善徒たるものよ。

 

 今宵の狂乱に抗うがいい―――

 

 

 貴様らの死をもって、世界再臨を図ろう。

 

 この救いこそが―――君たちを幸福するのだ。

 

 

 

 絶対の繁栄をもって人類の価値を証明する―――!

 

 

 




伏線を中途半端にのこすから......!

まだ、終わりそうにないこの物語。
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