Fate/EXTRA-Lilith-   作:キクイチ

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ついに始まるCCC。駄文だが楽しんでくれ。



Chapter 1:隷属庭園
生徒会:Basic


 

 

  ―――女の話をしよう

 

 目覚めた時から、女は病理に繋がれていた。

 

 

   重い鎖は満遍なく。

 

 つま先から頭まで、ミイラの如き死に化粧。

 

  自由がない、と余人は憐む。

  自由はない、と彼女は喜ぶ。

 

   鉄のドレスは難攻不落。

 城門開いたその奥に、在るのは乙女か魔性の罠か。

 

  他人の秘密の蜜の味というが、さて。

 

 

***

 

 キャスターをマイルームに拘束している間にいろいろ探索するとしよう。ここがセラフ内だってことは分かっているが、それにしても異質だ。

 不安定な世界の質。

………まったく。キャスターが真っ当ならこんな手間が省けるってのに。

 

 とりあえず、先立つものがほしい。購買は―――。

 

 職員室前から見て右にあったような。

 

 ちらりと見れば――購買らしきショーウィンドウ。売り物も菓子類から―――ありゃ礼装か?なんで一緒の棚に入れてるのか。冷やしてんの?

 

 ――まったくどんなヤツが購買に勤めているんだか。

 

 そう思って、購買前に立って文句を言ってやろうと、顔、を―――?

 

「ふ、久しぶりだな。火々乃晃平―――お互いの無事を喜びたい所だが、見ての通り店員だ。ここに来たと言うことは―――どうした?何か恐ろしいものを見たとばかりの間抜け面だが?」

 

 お、お前かいィィィィ――!!

 

 まさかの購買の店員が外道神父になっていた。何を言っているか分からねぇと思うが、俺も分からん。つーか、誰が予想できるんだコレ。

 

「こ、言峰だよな?あの、監督役をしていた―――お前運営NPCじゃなかったっけ?」

「ふっ。納得いかない顔だな。その気持ちは私にも分かる。何しろ同じ心境だ。どうやら今回の事件にはマスターだけでなく、運営NPCの一部も巻き込まれたらしい。

 その際に、本来の役割(ロール)を書き換えられてしまったのだ」

 

 え~、ほんとでござるか~?

 

「違和感を持つのは当然だが、慣れたまえ。私はこう見えて潔癖症かつ凝り性でね。こうなった以上最強の店員を目指す」

 

 最強の店員とは一体?(困惑)

 

「しかし、ふむ。ここに来たと言うことは購買に用があると言うことだろう?さあ、売り上げに貢献するがいい」

「はぁ……、違和感がまったくぬぐい去れないが。考えている場合じゃないし。そこの―――ロールケーキほしい……なんだこれ」

 

 見えたのは値段。いや、値札と言うべきか。

 

「さ、サクラメント?」

「ああ、言い忘れたが、この校舎ではPPTは使え無い。PPTの両替も受け付けていない。もし、持っていないというのなら―――ザマァ」

 

 は、腹立つ……!

 口元が歪んでんじゃねぇか、嗤ってんじゃねぇか!

 くそぉ!

 

「ふふ。まあ、今後ひいきにしてくれる客(予定)をむざむざ返す私ではない。―――あそこを見たまえ」

「あん?」

 

 言峰が指す方向をみると―――大きな桜が。

 

「魔術師が言うには、あの桜の下にはアリーナがあるらしい。そこで、エネミーでも倒せば、サクラメントは手に入るだろう」

「そうかい。じゃ、金が貯まったら買いに来るわ」

 

 といって購買から離れた。

 

 お次は、図書室でも。学校をモチーフにしてるなら当然あるだろうとまっすぐ廊下を歩いて行けば―――見えてきた。

 

 そしてその奥には、二人が立っていた。一人はサーヴァント。もう一人はマスターだろう。

 

 マスターの方は、法衣を纏っているが――――妖艶さが隠れていない。うえっ。一目見れば分かる。アレとはわかり合えないと俺の根底が反応した。絶対に近づくなと身体が警鐘を鳴らしている。

 

 しかし、身体に響く警鐘は少し遅かった。

 

「あらあら、そこにいらっしゃるのはひょっとして―――火々乃さんでは?」

「ああ、そうだ。――俺はお前を知らん。誰だ?」

「そう警戒なさらないでくださいまし。予選でお会いしたことがあって憶えていると言うだけですよ。(わたくし)の名は殺生院キアラ。予選では教師の役割をしていました。その時あなたと知り合ったのです」

 

 女性―――キアラは淑やかに微笑んだ。

 この再会を心の底から感謝するような、暖かな眼差し。

 

 ――――まあ、俺の警笛はデットヒートである。

 この危機感は例えるなら、そう。エイリアン(異邦人)プレデター(捕食者)を目にしたような危機感。

 

「殺生院キアラね……。で、そこのサーヴァントはお前のサーヴァントか」

 

 そこにいたサーヴァント――青い髪の美少年について問う。瞳は清廉さ以上に絶望の影があり、ひねくれている。なるほど、性格が目に出るタイプか。

 

「ああ。そうとも、残念なことにな。お前にも分かるだろう?この女のおぞましさ、この世の腐臭全てを取り込んだような女のありようが」

 

 俺の問いに答えたのは、サーヴァントの方であった。思いっきり頷きそうになってしまう。

 

「アンデルセン!もう、この子ときたら。残念なのは、こっちのセリフです」

 

 真名を――!?

 たいしたことないように、さらりとこの女性は真名を暴いた。

 

「ヨハン・クリスチャン・アンデルセン…!名高い世界三大童話作家の一人じゃないか――!おおおお!なんかテンション上がるわ!残念なサーヴァントなんかじゃないだろ!フィクションとリアリティがあれほど重なる作品は他に見ない。偉大な作家じゃないか!」

「そう褒めるな、話が進まん。……ただいま紹介に与った、三流サーヴァント、アンデルセンだ。何のサーヴァントかは、語るまでもない。最低なマスターに相応しい、低俗な英霊だからな」

 

 というコトは、キャスターと言うことだろうか。キャスターは聖杯戦争において、最弱のクラスと言われていたし。

 しかし、感動だ。読書が趣味な俺にとって、彼のような文学系サーヴァントと会えたことは喜ばしい。

 

「この女について、助言してやろうと思ったが。お前には必要なさそうだ。その顔を見れば分かる。お前は誰も信じない―――この女についてはなおさらだろう」

 

 ――――――――――。

 

 鋭い眼差しは、少年相貌と反して老成した気配。

 見事に、俺の在り方に言及した。

 

「この毒婦とお前は相容れない。なぜなら、まったくの真反対の在り方だからだ。キアラとは違い、自己否定の化身め。お前のような男がその齢まで生きていることが不思議だ。さぞ、この世はお前には生きづらかろう」

「つまり、私のような不徳者ではなく、火々乃さんは清廉で、徳の高いお方だと?」

「ふん。ただのまじめな男だ。お前の見方に近く、あるいは最も理解出来る故にその異常さを誰よりも理解しているだけだ」

「―――なるほど。書籍を読んでいると、コレを書いたヤツはさぞ意地悪に違いない、と思っていたが。俺の予想能力も侮れない。むしろ、見事に当たりすぎて寒気がする」

「そのまま、風邪を引け。愚か者め」

 

 言いたいことは終わったのか、アンデルセンは霊体化した。

 

「ごめんなさい、私のサーヴァントが」

「いや、話せただけで光栄だった」

 

 では、とさっさと去ってしまうことにする。

 あの人物評価は恐らく本物だ。

 現実で磨かれた観察眼。恐怖すら感じる。

 

 

 図書室である程度、過ごしていると。

 

 がらりと扉が開く。

 

 NPCは基本、与えられたロール以外行動しない。ならば入ってきたのは―――。

 

「ちょっといいかな」

 

 そう俺に声を掛けてきたのは―――何処かで見た容姿。

 

「君も、マスターだよね。えっと、俺は――岸波白野(キシナミハクノ)よろしく」

 

 何処にでもいるような容姿。その男は岸波白野と名乗った。

 そげぶ、とか言って欲しい声をしているな。

 

「ああ、そうだ。マスターだよ……一応」

「い、一応?」

「その疑問は置いといてくれると助かる―――で、そのマスターである俺に何かようか?この校舎や世界についてはあんま詳しくないから、他を当たってくれ」

「えっと、実は―――」

 

 岸波は、説明を始めた。

 

 曰く、マスターを集めている。

 曰く、この校舎はいつかの聖杯戦争で使われた舞台だ。

 曰く、ここは月の裏側に属する。

 曰く、我々は月の表――即ち、聖杯戦争中に襲われてここに居る。

 曰く、ここからの脱出を試みる。

 

「なるほど。――だから、マスターを集めてるか。で、俺に加わってほしいと」

 

 合っているらしく。岸波は頷いている。

 

「どうかな。俺達と協力してほしい」

「――いいよ。力になれるか分からんが、真っ当な目的があるなら協力しよう」

「ほ、本当に!?ありがとう、助かる。じゃあ、生徒会室―――二階に上がって右にある。えっと俺はまだ、やることがあるから――」

 

 先に行ってくれ、と彼は行ってしまった。

 

 ふむ、生徒会か。

 

 マスターを集めるってことは、簡単に言えば―――戦力を集めるってことだ。

 なら――――敵がいるってことになる。こんな状況に追いやった黒幕が。

 彼は、()()()()()()()来たと言っていたし。

 

 一端、キャスターの様子を見てから生徒会に赴くとしよう。

 

 

 

「おお、おとなしくしていたんだな、キャスター。首を絞める性癖があったらどうしようかと」

「ふんっ。ぬかしますね。こう言う状況に追いやったのは貴方でしょうに」

「しかし、どうして抜けなかった。お前の能力なら抜け出せただろう?」

 

 この程度の魔術を砕けないようなサーヴァントとは思えない。何せ魔術師の名を冠するサーヴァントなのだから。

 

「これは私への罰、なのでしょう。なら、抜け出したらその令呪で自害させる。そのつもりだった。そうですね?」

「ああ、分かっているようで何よりだ。頭が冷えてくれて良かった。このままだと殺してしまうところだった」

「………そう言う人だって分かってたから快楽に溺れさせようと思ったのですが。まさか、私の魅了の魔眼を弾く(レジストする)とは思いませんでした」

「俺の家系はそう言う精神干渉系魔術が得意だったから、耐性も強い」

「……にしては、欲情していたようですが」

「股間見ながら言うな。それとコレとは別。お前が魅力的だったのは確かだ。裏の考えさえなければ抱いて居ただろうよ」

 

 まあ、流石にアレを聞いてから抱く気は起きないが。というか、疑わぬ人間がいるものか。

 

「で、反省したなら。ほどいて出てこい」

「……分かりました。――――」

 

 何の魔術を使ったのか聞き取れないが――おそらく神代の言語。

 かしゃ、と音を立てて紙の鎖は腐り落ちる。くさりがくさりおちる(激寒ギャグ)。

 しかし、警戒はしておこう。裏切るヤツに信頼を向けることはできない。(え?お前がいうな?―――なんでさ)

 

「ふふ」

「…何を笑っているのですか?」

「いや、何でも」

 

 キャスターは理解出来ない者を見るような目をしていた。

 

 

 

 向かいますは、ここ生徒会室。

 

 現在生徒会室前にいます。

 

 こんこん、とノックして。

 

「しつれいしまーす」

 

 と扉を開けて入る。

 

 そこには、困った顔の岸波と。

 うるさそうな男。

 健康AIの桜。

 白銀の鎧を着た青年。

 黒衣に身を包んだ男。

 黄金の髪をもった少年―――彼が、レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイか。

 

 三人くらい名前が分からないが。

 

 俺の入室に気づいた岸波は待ってた、と言って、レオはこう言った。―――俺を知っている。そう感じさせる声色だった。

 

「――貴方が、白野さんが言っていたマスターですね。初めまして、火々乃晃平さん。僕はレオナルド・ビスタリオ・ハーウェイ。歓迎しますよ、我が生徒会に。僕のことはレオ、とでも読んでください」

「では、レオと。俺も呼び捨てで構わない。好きに呼んでくれ」

「では、コーヘイさんと。あと、一つつかぬ事をお聞きしますが―――サーヴァントを連れられていらっしゃいますね」

「――出てきて良いぞ、キャスター」

 

 しゅいん、と霊体化を解いて突然現れるのは、サーヴァント・キャスターである。

 

「……これは、認識阻害――?」

「あん?」

(私の宝具で、能力値や見た目をぼかしています。真名にはたどり着けないでしょう)

 

 ――逆に言えば、姿を知られば――。

 そう、念話で語りかけてくるキャスターを後ろ目でみると、フェイスベールを着けていた。

 あれが認識阻害の宝具か。

 ちらりと、右手の令呪を確認する。

 ―――――この場で令呪でキャスターの宝具を解除させ、真名を吐かせるか…?むしろそうすることが当然だ。コイツは俺を操り人形としようとした。信用はできない。

 

 しかし――俺は。

 

気を遣ってくれる、と言うことにしておこう。

 

「俺は聖杯戦争を諦めて無いもんでな。真名までは明かせない。協力はするがね」

「そうですか。まあ、それが当然ですが。ところで貴方はウィザードスキルには自信がありますか」

「あー、ない。その手の技術は俺にはない。―――必要じゃなかったからな」

「そうですか……では、貴方の役職は雑用です。良かったですね、白野さん。同僚ができましたよ」

「よろしく、ヒビノ」

「ああ、こちらこそ」

 

 彼とは、強い握手をしておく。同僚というのはどの世界でも大切である。

 ――雑用だけど。こんなつまらない世界なんぞ願い下げ。生憎、ただ変わらない日々など御免被る。

 後ろの二人――白銀の鎧を纏った男はガウェインと名乗り、後ろの黒衣の男はユリウスと名乗った。

 岸波の近くに居た阿修羅漢はガトーと言うらしい。十字に数珠持ちとか、何という宗教ごった煮具合か。

 

「しかし、脱出を試みるっていっても、具体的にはどうするつもりなんだ?」

 

 レオに、問うてみる。

 岸波は確かにそう言えば、という顔をしている。―――お前聞かされてないんかい!まさか、聞かされなくとも協力するとか言ったのか。そうだとしたら―――。

 善人すぎやしないか?裏があってくれるなら――いや、なさそうだな。犬のように純朴な目をしてやがる。

 

「ああ、そうでした。それを説明しなくてはなりませんね。白野さん、コーヘイさん。貴方達にはこれからアリーナに向って貰います」

 

 アリーナ…?あったのか。

 アリーナとは、聖杯戦争のために用意された構造体。ダンジョンとも言い換えられるだろう。

 対戦相手が決まったマスターは七日間、階層ごとに造られたアリーナでトレーニングをする。対戦相手も、同じアリーナがあてがわれるため、必然的に戦闘などに発展し、その間に相手の情報を探り、最後の決戦場に赴くことになる。

 そのアリーナが此処になるらしい。

 ―――何処に?

 それなりに探索したが、それっぽいものは無かった。

 

「いえ、アリーナらしきもの……です。この校舎は月の裏側にぽつんと浮かんだ泡の様なものと思ってください」

 

 そう発言するのは桜だ。

 

「泡がなくなれば皆さんは虚数に飲まれて消滅、ないし“定まらない乱数”として永劫にさまようコトになります。

 この校舎から外に出ることは自殺行為です。ですが……一つだけ、比較的正常な状態で表側に向っている構造体を発見しました。

 それが――校庭にある桜の樹です。あの樹の下には、外に通じると思われる、未確認のアリーナがあるんです」

 

 ほー、あの樹の下か。入り口あるのかね。

 

「では、そのアリーナを抜ければ外……月の表側、聖杯戦争に戻れるのだな?」

「その可能性は高いです。未確認アリーナ、では格好がつかないので、桜迷宮と名付けました」

 

 そこを探索するのが俺達への注文(オーダー)ってわけだ。

 

「バックアップは生徒会で行います。迷宮は未知の領域で、悪性情報が飛び交っていますから」

「バックアップってのは、命綱か。――たぶん、俺には不要だ。バックアップは岸波に集中するといい」

「? どうしてです?何か策でも?」

「――そもそも、二人もバックアップに裂けるのは厳しいだろ?そのままなら命綱としての役割まで果たせない。で、俺には対悪性情報礼装を作れるんだ。まあ、俺にしか使え無い礼装だけど。作り方は企業秘密なんで教えれないが」

 

 原理さえ分かれば、制作は問題ない。材料は―――第一魔法『無の否定』があるから問題ない。第一魔法ってチートだよな。これだけで世界経済を破綻させられるし。

 自分という存在をバケツの中に入ったスープだとする。そこに、色々適当なものを混ぜ合わせた水を悪性情報としよう。それをスープに継ぎ足すことで、もとのスープの成分が分からなくなる。そのことが存在崩壊を示す。

 なら、そうならないためにはどうすれば良いか。――バケツに蓋をすればいいのだ。

 

「そうですか。ええ、コーヘイさんの言う通り、バックアップは厳しい。その申し出はありがたい」

 

 アリーナである以上、エネミーはいる。

 サーヴァントを持つ俺達でなくては、探索もままならない。

 

「じゃ、そういうことなら、俺は一端自分の部屋で礼装をぱぱっと作っておく。先に迷宮に行っといてくれ、後から向う」

 

 

 

 

 そうして、マイルームに帰ってきた。

 

 まあ、時間はそんなにはかけられないのだが。さっさと作ってしまうに限る。

 キャスターは、部屋に入るなりフェイスベールを消した。

 

「……何故、あの場で問わなかったのです」

「あん?」

「令呪を見ていたでしょう?あの場で令呪を切って宝具を停止させる気だった……いえ、使うのが当然でした。何故、お使いにならなかったのです」

「言ったろ?俺は聖杯戦争を諦めて無いって。それだけさ」

「………不可解です」

「聖杯戦争中の記憶をサーヴァントも失っているらしいからな。そう思うのも、おかしくない。たぶんだが……俺とお前はそれなりに良いコンビだったと思うぜ」

「……どうして、そう思うのです」

「裏表があった方が分かりやすくて良い(信用出来る)。知的で良いじゃないか。智を得たから、人は嘘をつくようになった。嘘は叡智の証明ってね」

「だから、人は愚かしいとも言うのですが……本当に分からない人」

 

 サーヴァントがいなくなると、俺も困る。聖杯戦争(本編)でもないのに。番外編で死ぬわけにはいかない。

 

 キャスターを見れば首を少し傾げていたが―――顔色は良く、うっすらとだが笑みを浮かべている。悪意の込められていない笑みだ。

 さっきまで、いつ殺されるのかみたいな心配でもあったのか、顔色が悪かったのだが。

 ―――いい顔できるじゃないか。美人は笑顔が似合う。

 

「さて、俺達も迷宮に向うとしようか。キャスター、頼りにしている」

「―――ええ、雑魚に遅れは取りません」

「はははっ、そいつは頼もしい」

 

 キャスターとともに、マイルームを出る。

 

 

 彼女に令呪を使わなかったのは、単にもったいないからではない。

 

 ――俺は少しだけ、興味がわいているのだ。

 

 俺の召喚に答えたサーヴァント・キャスター。俺は、こんな彼女とどうやって聖杯戦争に勝とうとしていたのだろうか。

 

 ―――キャスターはどうして俺のようなヤツに答えたのだろうか。

 

 




「温めますか?」
「いや、いいです―――いいって言っただろ!否定だ!だから礼装温めようとすんな、言峰!」

いずれ行われるだろうやり取り。



ラ「股間からつかみに入る―――やるわね...!」
火「いや、何処に戦慄しての?掴むなら普通胃袋じゃね?」
ラ「この子、たぶん料理下手だと思うわよ?」
火「まっさか~。魔術は台所から生まれたって言われるんだぞ?そんなわけ―――ない、よな」
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