――――――嗚呼、また。
――――旧い
――ユメを
見ている―――。
はぁ、はぁ、はぁ。
はぁ、はぁ、はぁ。
ふと、下を見ると血だまりの向こうの血走った目と目が合った。
一面に広がる赤の中にまるで、獣のような人を見た。
無意識ながら、頭をよぎる恐怖を払うように。
オレは、自らの顔に手を這わす。
血だまりの向こうの男も手を顔に這わした。
―――――なんて、ことだ。
この、獣にしか見えない男は………オレ、なのか。
狂ってる。狂ってるとしか思えない。額が割れ、赤黒いものを落とすその男は狂ってる。
もはや死に体のくせに、死を拒否するだけで生き延びている男は狂っている。
しかし。
―――理由は欠如。
―――理念の欠如。
―――因果が欠如している。
『どうして、オレは死を認めないのだ』
血だまりから覗く己の顔に問う。
『何が、そうさせる』
『死んでしまえばいい』
『もはや、お前の役目は果たされた』
『生きて言い訳ではない』
『お前は
『分かったら、その身体を手放せ―――死んでしまえ』
煩わしい。
まだ、終われない。
まだ、終わってはいけない。
まだ、■■に、■■■■に、―――――と伝えれていない。
故に、死ねぬ。
周りには、屍ばかり。死で溢れた地獄なれど。
オレは、まだ、諦められない。
せめて、■■に――――――。
どちゃり、と身体が、転がった。
空を覆う天蓋。
イツモハ白イクセニ。
サイゴにミタひかりは、ひどく、眩しい―――黄金色。
****
ヒビノのサーヴァント、キャスターのSG1を抜いた後、少しの間休憩した。
十分に休憩を取った後、ブリーフィングのために生徒会室に向った。
扉を開け、部屋に入ると凜とラニが慌ただしくキーボードを叩いていた。
桜も慌ただしくしていて、忙しそうだ。
「あら、おはよう会長。ちゃんと休めた?」
自分に気がついた凜がそう声をかけてきた。
軽く朝の歓談を躱したあと、話は迷宮―――その主、キャスターについてのものに変わった。
「……岸波会長が得ることに成功したキャスターのSG1“三位一体”についてですが、実態は三相女神という概念に近いことが判明しました」
三相女神―――確か、キリスト教にも取り込まれた概念だったか。
ラニは、肯定するように頷いた。
「はい。三相女神は土着の神に多い思想です。中原――中国史に登場する土着神、豊穣神から始まり、ケルト神話にもみられ、それこそ世界中の土着の神に見られます」
意外と広いところで信仰されているらしい。
しかし、どうしてか自分にはあの英霊がアジア圏の英霊とは思えない。
それどころか、ヨーロッパで生まれたと言うイメージがある。
「ええ、その認識で構いません。恐らく、あの英霊キャスターはヨーロッパ圏の英霊です」
ラニはそう言った。
「ミスター・ヒビノが言ったように、迷宮には
黒い森のことを言っているのだろうか。
樫の木やブナといったものが多く生えていたらしい。植生が関係してくるとは……盲点だった。
となると―――黒い森、というなら有名なものが一つ。
シュバルツバルト。
古代ローマ帝国から、いやさらに遡れば古代ギリシャの書物にも出て来る森である。そのころから語られている有名な森である。かつての古ケルトの入植地、あるいは古ゲルマンの神聖な土地としてあがめられていた。
「ううん、そうとは言い切れないわ。彼女が活躍した時期によっては、ね。そもそもヨーロッパなんて殆ど森ばっかだったんだから」
凜はそう言う。
確かに、それだけでは断定は出来ない。それにシュバルツバルトに関係する英霊なんて、全く思いつかないし。
「しかし、彼女はドルイドの呪術を使っていました。幻覚を見せるといった伝承はヨーロッパでは多く残されていますから」
「森=ドルイドって解釈が普通なのよ。有名過ぎてね。最有力としては、そう、ケルトの英雄って感じだけど。スカサハ……女英雄として有名といったらこの人だけど、そんなイメージじゃないのよねぇ」
「スカサハならば、三相女神としての概念を内包していてもおかしくありませんが……」
スカサハとは、ケルト・アルスター伝説の戦士にして女王。異境・魔境「影の国」の女王にして門番であり、槍術とルーン魔術に精通している。数多の亡霊に溢れる「影の国」の門を閉ざし、支配せしめるに足る絶大な力を有す、かのクー・フーリンの師としても有名である。
槍術に長け、ルーン魔術に精通。キャスターとしての資格は申し分ない。
「それも重要だけど、一番のキーワードは“魔女”、じゃない?」
凜が不意にそう言った。
「魔女なんて、それこそ世界中にありふれてるけど名として残されている者は少ない。それに、彼、ヒビノくんが言っていたでしょう? 神代の魔術、呪術だって」
そう言えば、借金の取り立てに来たとき、そんな声をもらしていたような。
となれば、年代は絞れる。
神代は紀元前2500年頃から、紀元後500年頃とされている。
かのギルガメッシュの時代から、アーサー王伝説までが範囲だということだ。
「ま、かなり絞り込めても―――候補が多すぎる。真名を特定するにはまだ、足りないわ」
この先、SGを取っていけば自ずとキャスターと戦闘することになる。
―――ヒビノが“彼女を救う”と言った意味も問いたださなければならないし。
真名は掴んでおくのは必要なことだ。
「BBの企みをためにもいち早く迷宮を突破しなくてはなりません。いつも一人で行かせてしまって申し訳ありませんが、岸波会長。お願いします」
一人でなんてとんでもない。
凜やラニ、桜がいなかったらと思うとぞっとする。
席を立つ。
今は、自分に出来ることをするだけだ。
いざ、迷宮へ。
***
その階に来た途端、感嘆が漏れた。
それは、幻想的な世界。
目を通路の下に向ければ―――黄金色の木の葉で覆われていた。
それは、暗闇の中でおうおうに輝いている。
空を見上げれば暗闇に覗く白い月。満月から妖しい光がさしている。
道は、透けた蒼。
無機質さを向きだしにしている道に、絡まるように生えている植物。
その植物の先には赤い実がなっている。大きさはまちまちだが、だいたい指の第一関節くらいだろうか。
「うむ! これはよいぞ、実によい!
確かに、妖精とかいそうな雰囲気だ。
木の方に目を凝らせば、緑色、黄色、青色、あるいは虹色に輝く蝶が飛び交っている。
しかし、目を奪われてばかりとはいかない。
自分達は観光に来たわけではないのだから。
奥に目を向けると白い―――。
「む? アレは―――もしや、
セイバーは驚いて言った。
白亜のかの有名な闘技場―――コロッセオに似たものがある。
しかし、ローマ建築特有のアーチがなく、ただ似せて作ったということが見て取れた。
なぜ、コロッセオがここにあるのだろうか。
「そうか……余に対しての当てつけ、というわけだな」
そういえば、コロッセオはセイバー――つまり、ネロ帝の後に黄金劇場の跡地(人工池)に作られた建築物である。
しかし、コロッセウム、と呼ばれるのは巨大なネロ帝の像が傍らに立っていたから……という説もある。
塩を送られたのか、皮肉なのか。
まさか、彼女はローマ関係の人物とか?
「ならば、ただの似たものを作ることはない。全く同じものを用意するであろう。―――誉れ高いローマの建築故な」
『―――ローマに嫌悪を覚えているとか?』
なら、コロッセオのパチモンすら作る気すらおきないと思う。よしんば作ったとしても、もっと悪意が見え透くはずである。
「何故、それを建てたかなど――本人に聞けばよい」
それもそうか。
なら、さっさと足を進めるとしよう。
***
「むぅ………どこも開いてないだとぉ! 一体どういうコトだ!」
セイバーは憤慨した。
道中に沸いていた無駄に強い敵性エネミーを屠り、やっとたどり着いたと思ったらまさかの対サーヴァント使用の壁でふさがれていた。
おそらく鍵は迷宮のどこかに在るとはいえ、時間がかかるのは明白だった。
迷宮の構造として、中心にコロッセオもどきがあり――そこから蜘蛛の巣を張ったように通路が広がっている。
鍵は端々に設置されてるとするならば、コロッセオをまで戻ってあちこちに行かねばならない。
オマケに、敵エネミーはかなりの高レベルが用意されている。
『会長を披露させるための一つの策、と言えるでしょう』
ラニは通信を通してそう言った。
前のSG1を抜いたとき、“全力で殺す”と宣言されてしまった。
それが在ってのこの迷宮。殺意が籠もっている。
命の泉も設置されているが、披露は免れない。
『そして、我々には時間がさほどありません。それを知った上での遅延策でしょう。彼は、BBと時間稼ぎをすることを条件に軍門に下ったようですから』
しかし、ここで止まる選択肢はない。
鍵を入手してこよう。
必要な鍵は全部で二つのようだ。
もしかしたら、表の聖杯戦争をなぞってるのかも知れない。
***
――――――一つ目の鍵があるだろうアイテムボックスの前にたどり着いた。
琥珀色のアイテムボックスを開くと、中から――――。
………鍵ではなく、紙片が出てきた。
「なんだ、これだけか?」
どうやら、そうらしい。
直前の道には、いくつものパズルのような扉があった。赤いランサー、エリザベートのところで見たものと似た構造のものだったが。
………これは、キャスターの秘密、なのだろうか。
「なにか書いてあるようだぞ?」
セイバーがすり寄って、手元を覗いてくる。
確かに、書かれてはいるのだが………自分では分からぬ言語だ。英語に似た雰囲気を感じる。アラビア語ではないのは見て取れるが……。
「む。奏者よ、これはラテン語だ。それも余が生きていた時代の後のものであるが―――余の時代特有の書き方も混じっておるな。ふむふむ……? これは、キャスターの手記だろうな」
なるほど、ラテン語か。しかも、セイバーと近い年代で書かれたものということか。
キャスターが書いたらしい。
『ふぅん。てことは、後期ラテン語ってことね』
後期ラテン?
『えっとね、ラテン語は時代によって少しずつ文体、単語とかが変わっていくの。なにせ始まりが紀元前700頃よ。1000年も立てばなまって当然よ』
「ま、余はギリシャ語も読めるししゃべれるし書けるがな!」
セイバーはかのローマ皇帝。古代ローマにおいて当時の地位の高い人はギリシャ語を学んでいるのが教養高い人という認識だった。
ギリシャ語を簡略的にしたのがラテン語である。それが時代を追うごとになまっていき、今のフランス語やら英語やらになっていたわけである。
しかし、後期ラテンとはどのくらいの年代をさすのだろうか。西暦100以降とは想像できるが……。
『後期ラテンは、200年から900年ほどの間で話されていたとされています。その手記がキャスターのものなら、その年代間の英雄、ということになるでしょう』
『お手柄ね、岸波会長。これで真名はほとんど曝けたみたいなものよ』
凜には、もう真名が分かったらしい。
『まあ、それがキャスターの手記だって事が前提になるんだけど……セイバー、それなんて書いてあるの?』
「それだが……、読むぞ。読んでいいのだな?」
『え、ええ………えっと、ひょっとしなくても恥ずかしいこととか書いてあるの?』
「そういうわけではないのだが……、背に腹は変えられぬ」
そう言って、キャスターの手記の内容をセイバーは読み上げた。
:以下、キャスターの文面より。
・性格 :鬼畜ドS。
・性的嗜好 :ドS。縛られるより縛りたい派。
・好みの女性:ロリ巨乳。某と全く同じ趣味。あくまで至高とするものがそれだけらしく体型の好みは二の次と思われる。
・捕捉 :残虐、残酷な事には強く反発する。まごう事なき善人。
:以上。
「…………………」
『…………………』
『…………………』
『えっと、誰かは分かるんですけど………反応に困るというか』
………………なんというか、うん。誰のことを書いたのかは、うん。分かる。
しかし、当の本人は、自分の性癖をバラされているとはユメにも思わないだろう。
『岸波君……、これ、まだ在る感じよ』
『はい……そのエリアには全部で5つ。中の一つが鍵でなかったからには、いくつかはキャスターの手記が隠されている、と考えられます』
………先に、進むとしよう。
そう思って足を進めた時。
振り返れば――――黒いカラス、がいた。死すら予兆させる黒い鳥。
幻想的な世界には似つかわしくない。
カァと鳴いて。
『――――――――やりやがりましたね。クソ
その声は疑うべくもなくキャスターの声だった。
『痛い痛い痛いっすキャスターさん……! ピンヒールぐりぐりはアカンっ! 穴あいてしまうで儂の足ィ……!』
同時に漏れてくるヒビノの声。このカラスは使い魔的なヤツで受信機としての機能を持っているらしい。
というか、何故に関西弁?
『ふざけてる場合ですか。 私の手記がどこにもないと思ったら―――貴方ですね? 迷宮に配置したのは……!』
『そうですぅオレですぅ! 言った、今言ったから、ぐりぐりはちょっと―――あっ、指先の感覚がぁっ』
『貴方にはちょうど良いお仕置きでしょう? ふふふ、ばーか』
なんだか愉しそうだ。
この手記がキャスターのものだと確定した。ヒビノがキャスターの真名にたどり着けるようにヒントを置いてくれたのだろう。
『元の中に入っていたものは?』
『カルピスにして飲んだ。なんか“ラスボス戦まで持っていても使わない味”がし―――ぶべらっ』
『私が、一から調合したものなんですが? かなり時間掛けたものをあっさり飲まれると腹が立つのは当然では?』
ラスボス特有の“どうせなら全力で掛かってくるがいい”的なヤツなのだろうか?
『なら、愛の秘薬とか入れてんじゃねぇよ。飲んだが最後、あいつらじゃあ抗えない。死ねと命じたら死んじまうでくの坊にする気か?』
ヒビノの言葉で背筋を冷たいもが這った。
―――殺す。
忘れていたわけじゃないが、明確な殺意を今更ながら認識していた。
『………それを飲んでなんともない貴方もどうかと思うのですが』
『オレ、呪い、効かない』
『…………』
『――――それに面白くないだろう? せっかくこれ見よがしに決戦場を作ったんだから。それに、お前だって戦って見たいだろうに。今度は全力、宝具だって開帳して――白黒つける。真名がバレているなら―――手加減はしなくていいんだからなぁ……! お前がオレの最強のサーヴァントって証明してくれよ』
『――――っ』
ヒビノの言葉――挑発ともとれる言葉にキャスターは舌打ちをする。
『ふんっ……そこまで言うのなら。貴方の思惑通りなのは癪ですが……本当に癪ですが、いいでしょう。―――聞こえていますね、岸波白野とセイバー! 聞いての通りです。この闘技場で決着をつけましょう』
そう宣言してカラスは何処かへと飛びだった。
***
:以下、キャスターの手記その2。
・呪いが効かない。
・色仕掛けを試みたものの真顔で断られた。反応事態はあったので、性欲そのものはあるものと思われる。私に対する不信感がそうさせるようだが……魅了の呪いも同時に掛かった筈なのに弾かれた。掛かったが最後、肉欲の虜になるはずなのだが……。
・祖先が交した契約によって繁栄を約束される代わりに、何かしらの欠陥を得るようになったらしい。彼の場合は感情―――それも喜悦を奪われていた。どうして、何故喜ぶのかがわからない………一生誰かとわかり合うことができない。
・辛くないののかと聞けば、考えたこともなかったと返された。
***
:以下、キャスターの手記その3。
・救済。それが彼にとっての動機らしい。誰かのためでなくては動けない、人間というには欠陥品である。
・他人の幸福でしか―――自分を幸福だと思えないのだ。
・この男は、破綻している。
・誰も彼もが羨ましく――そんな何処にでもいる誰かが幸せであってくれる事が……しかし、そこに喜びはなく。きっと普通に人なら喜んでいるであろうからやっているだけである。
・彼の在り方を名付けるならば、『救済願望』である。
***
:以下、キャスターの手記その4。
・もし、彼が人などにこだわらなかったら名も無き怪物になれただろうが……人の形でいる限り人の皮を被った化け物であり続けるだろう。
・彼と話す度に、頭の何処かでナニカが反応している。きっと過去に似た誰かでもいたのだろう。
・肉体が崩壊の色を濃くしている。原因は、生命力不足。あるいは拒絶反応。おそらく魂の密度関係の調和が崩れている。それ故の拒絶反応だろう。
・治療は不可能。精々、生命エネルギーを増幅させる食事で延命しかはかれないもよう。結論として彼は一週間生きれるかどうかである。
***
まさかの鍵と紙片が一緒に入っているケースがあった。……もし、ヒビノがここにいたらケースと
キャスターの手記は四つで、その二つと一緒に鍵が出てきた。
しかし、アイテムボックスは全部で五つ。
つまり、今自分の前にあるボックスで最後ということだ。
とりあえずボックスを開くと―――。
これは――ぬいぐるみ?
すごく手触りがよいもこもこのカラスのぬいぐるみである。愛らしい見た目だ。
てっきりまた手記が入っているだろうと思ったのだが、まさかの全く色合いが違うものが入っていた。
手記は、彼女のマスターであるヒビノのことが書いてあったが……しかし、これは。
「キャスターめは、確かヒビノのサーヴァントではなかったな。その故からして、調べて残しておいた、ということだろう。かなり豆な性格をしているのだろうな。わざわざ書いて残しておくなど」
ヒビノは、時々調子悪そうにしていたが……キャスターの手記を読む限り、彼は緩やかに死へ向っているようだった。
容態は悪いらしい。前、たびたびヒビノの元に訪れていたのは容態の確認だったのかもしれない。
「鍵はそろったが……キャスターの真名はどうだ? 何か分かったか、奏者」
実は………もう、予測がついている。
表で何度も、図書室に通ったからだろう。
余りにも有名な伝説の登場人物だ。
あの作品を語る上では欠かせない人物。それが、彼女の正体だ。
SGこそ見えなくとも、真名は予想がついた。
「ほう? それでは、答え合わせと行こう―――奏者」
セイバーがコロッセオを見やる。
「いざ―――キャスターを討つ!」
火「もはや、暴かれたも同然だな」
ラ「わからん」
火「え?」
ラ「有名な書物はいっぱい在るし」
火「...はぁ、しかたなし。最大のヒントをやろう」
ラ「わーい」
火「ラテン語が使われていた範囲がキャスターが活躍した時期だ。ここまではいいな」
ラ「ええ」
火「ヒントになるのは時期と場所だ」
ラ「200年から900年だったわね」
火「そう。じゃあ神代の終りは?」
ラ「...五世紀頃」
火「さらにヒント。ラテン語が主要になった地域は?」
ラ「古代ローマが支配した場所」
火「そうだな。ローマの支配域は西はイベリア半島から始まり、トルコ――地中海全域、そして来たにはロンデニゥム―――つまりはブリテン諸島を支配していた」
ラ「ネロ帝の後の英雄でもあったわね――てことはあの事件の後ってことね」
火「キャスターの手記は彼女の年代の後の言葉が混ざっていたらしいな。過去伝えられた言葉がなまったのが後期ラテン。ということはキャスターが住んでいたのはかなりなまりにくかった――支配の中心地から遠かったという証明に他ならない」
ラ「彼女が生まれたとき、そこは支配圏の一つで最も遠いってことは――――――そんな、まさか」
火「そのまさかだよ、ライダー」
ラ「なら、有名な伝説って」
火「アーサー王物語だ―――――俺には縁深い、ね」