Fate/EXTRA-Lilith-   作:キクイチ

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戦争、戦争、戦争。
FGO第二部始まってしまう...だと...!

異聞帯って、前提が違う世界線って解釈でええんかね?(



決戦前:真名『■■■■』

 

 

 コロッセオもどきの入り口だろう壁に鍵を近づける。

 

 がこん、と音がして壁にくぼみができる。

 

 ―――ちょうど、鍵が当てはまる形。

 

 くぼみにはめ込むと。

 

 ずず、と中心に縦の線が奔り―――横にずれる。

 

 壁が扉になって開いた。

 

 

 奥には厚い鉄格子があったが重い金属音を出して上がって行く。

 何枚の設置して在ったらしく。

 

 連続して鉄格子が上がって行くのが見えた。

 

 

 十数枚の鉄格子があがると、奥から目映い光が漏れている。同時に床に赤い絨毯がひかれ、柱には絢爛な装飾が成されている。豪華さと荘厳さが同時にある希有な建築物だった。

 内部だけ切り取れば、まるで城のホールだと言われても違和感が起こらない。

 

『……随分と凝ってますね。キャスターさんは凝り性なのでしょうか……?』

「ここまでのものが作れるのなら、何故ローマの象徴たるコロッセオそのものを作らなかったのか! 他のローマ皇帝が貶めようと、余が認めようと言うのに!」

 

 とうちの赤皇帝様は言っているが、彼女の出自、出典からして相容れ合うようになれるとは思わない。

 

「そういえば、奏者はキャスターの真名を曝けたのだったな……もしや、ナウテの建築家だったのか!?」

 

 いや全然違うと思う。

 

 たぶんこの凝った闘技場は、彼女の繊細な魔術とか、魔術師のセンスが発揮されているのではないのだろうか。

 セイバーの宝具『招き蕩う黄金劇場(アエストゥス・ドムス・アウレア)』と似たようなものではなかろうか。大魔術に分類されるらしいし。

 

『その中で戦うことが相手の目的かもしれないし、一応気をつけてね』

『ヒビノコウヘイは、今は敵ムーブをしていますが、勝機がある方に簡単に鞍替えして“え? 最初からこっちだったよ、俺は”みたいな顔して平然と裏切りを図る男です。慎重に』

 

 ラニのヒビノに対する好感度は超マイナスである。

 凜の忠告通り、中で戦うことが彼にとっての勝利条件を満たす可能性は高い。

 

 それこそ、セイバーではないが挑戦者の能力を下げる、なんてことは十分想像できる。

 

 進まぬことには話は出来ない。

 

 

 光の方へどんどん歩いていく。

 

 光の穴の中をくぐるように通ると。

 

 一際、強い光に包まれて―――――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――目を、開く。

 

 

「――――なっ、なんだここは――――――!!」

 

 セイバーは、驚きの声を大きくした。

 

 

 空にはなびく翡翠のカーテン(オーロラ)。真っ赤になった満月が見下ろしている。

 

 踏みしめた土は―――煌びやかな小石から出来ていて、うすく水が張ってあることがわかる。まるでガラス細工で出来たような世界だが、やっぱり幻想的だ。

 

 幾多の結晶柱が立ち並んでいて――それこそ視界をカラフルに彩っている。結晶柱はこの世界での木のように立ち並んでいる。

 

 幻想的ではあるのだが、幻想的すぎて現実感がほとんどない。絵本の中の世界に取り込まれたのではないかとすら思う。

 アリス――ナーサリー・ライムを思い出す光景だった。彼女達がここに来たならくるくる回って踊りながら遊ぶのかもしれない。

 

 

「………やあ、岸波」

 

 

 声につられ、奥に視線を向けると――その声の主、火々乃 晃平が立っていた。傍らには――なんだかスゴイ睨み付けてくるキャスターが立っている。

 

 ここは、何処だろうか。聞くまでもないかもしれないけど、一応家訓はしておこう。

 

「決戦場には、隔絶された場所が好ましい。ただのコロッセオとは思わなかったんだろう? お前達から、通信を奪った。彼女らの助言は期待、出来ない」

 

 まるで、表の決戦場のようだ。きっと目的もそれにそったものなのだろう。

 

「お前に気をつかったんだ。表に戻るんだろう? ならサーヴァントの真名は秘匿されてしかるべき……ってね」

「……気の利く男なのかただの阿呆なのかわからん男よな」

 

 まったくだ。

 

「この決戦場では、性能に差をつけるようには―――このアホバカクソ下僕が反対したのでつけておりま―――せん!」

 

 キャスターがセリフを言うのと同時にヒビノに裏拳を繰り出した。

 とっさにヒビノはしゃがんで避ける。

 

「……なんで怒ってんの、お前?」

「――――誇ってください下僕。ここまで、いらいらするのは貴方が初めてです」

「いやホント、なんで怒ってんの?」

「……………っ」

 

 キャスターが怒るのは、彼女が彼に感じているものが影響しているのだと思う。手記を読む限り、彼の体調は日々悪くなっているらしい。

 こうした、サーヴァント同士の戦闘は、マスターである彼により負担を掛けてしまうのは明白。彼女の性格を考えれば、まずい状況に陥る前に自分達を始末したかったに違いない。だから、愛の秘薬をつかって自分の自由意志を奪い殺そうとしたのだ。

 しかし、彼女は素直にそう言えない。彼女からすれば――ヒビノは下僕という立ち位置らしいし、それを心配を口にするなど品格を知る彼女には出来ない。

 

 故に―――。

 

「――――もう、知りません」

 

 と、いうわけである。

 

 ヒビノの顔には疑問符が浮かんでいたが、知らぬがなんとやらと言うかもしれないし。知ったら知ったで照れ隠しに殺されるだろう。なんとなくそんな気がする。

 凜のアレに通じるものを持っているようだ(三位一体の一面)。

 

「……ま、いいや」

 

 彼はそう言って、こっちを見据えてさらに声を紡ぐ。

 

「キャスター、お前はオレのサーヴァントだ。今でも……お前が察してるように、オレの時間は少ない。―――だから、見せて欲しいんだ。オレのサーヴァントたる最強の証明をな」

 

 その言葉は、なんてずるい。

 

 彼はその言葉に、その言葉以上の意味を込めていないだろうが―――彼女にとっては。

 

「ふんっ………私との思い出が、欲しいというのなら―――良いでしょう。今一度、貴方のサーヴァントとして―――セイバーを倒します。……耐えられますか?」

「―――無論。耐えられないのならそもそも提案すらしない」

 

 ふ、とヒビノは軽く笑った。

 

「おっと、そうだった忘れてた。―――岸波白野のキャスターの真名は曝けたか? 曝けたならここが言い答えあわせの場となるが……」

 

 勿論、と返す。

 

 あそこまでヒントを出されて分からない筈がない。

 

「ほほう……だとさ、キャスター。お前が全力で戦える舞台が整ったようだぞ?」

「―――――合っていれば、ですが」

「余の奏者を舐めるなよ、キャスター」

 

 では、答え合わせと行こう。

 

 最初のキャスターとの戦闘を思い返す。

 

 あの戦闘は彼女の真名にたどり着くに当たって大きなヒントになった。

 

 まずは、キャスターが活躍しただろう時期について考えてみた。

 

 それは、彼女の使っていた魔術が神代のものと言うのも関係してくるが―――やはり彼女の手記がラテン語、それも後期ラテン語を中心としてさらにセイバーの時代の言葉がちらほら見受けられたらしい。

 

 ラテン語は使われた期間が長いため、何段階かで区切られている。

 

 セイバーの時代――つまり一世紀ころの単語が出て来るということはかなり近い時代で書かれた、とも思えるが基本をなしているのは後期ラテン語。すなわち、セイバーの死以降の時代で存在していたことがわかる。

 

 神代の時期と照らし合わせたら、一世紀から五世紀頃。後期ラテン語が出てき始めるのは――200年以降。なまりの関係を考えたら――後期ラテン語中期に当たると思われる。つまりは五世紀だ。しかし、セイバーの時代の言葉がまだ使われていたとなると――地域が限られてくる。

 後期ラテン語がなりたってくるのは200年ぐらいからだが、その前の――セイバーの時代の言葉が広まっていたことが前提になる。

 しかし、これだけではまだ。

 

 重要になってくるのは―――――カロリング朝。

 

 ラテン語について語る以上ついてくる人がいる。―――カール大帝、又の名をシャルルマーニュである。

 彼は、後にカロリング・ルネサンスと呼ばれる一時代を気づいた傑物である。古典古代の学芸を復興させた人物でもある。

 その際、彼は――正式なラテン語を普及させるためにロンドンから修道士を呼び、形態化して残している。

 彼らの800年代は、殆ど後期ラテン語そのものでその上、地域の訛り差が広がっていた。

 彼らは言語の統一を図らなくてはならなかったのだ。

 何故、ロンドンの修道士かと言えば、訛りが少なく古典ラテン語すら残っていたとされていたからだ。彼らの助力なくしてラテン文学の継承はなされなかった。

 

 そういった記録から、ロンドン――ブリテン諸島では言語の訛りが少なかったということがわかるのだ。

 

 

 以上のことから考えると。

 キャスターは神代の終りに活躍し、かつ、ブリテン諸島出身ということになる。

 

 

 ならば、思い当たるのは一つしか無い。

 

 五世紀頃を主題とした有名な伝説と言えば―――“アーサー王物語”である。

 

 アーサー王物語についてはもはや語るまでもない。ヨーロッパ全域、現代でも多くの人が知っている物語だ。

 

 呪い。カラス。三位一体。女神。ドルイド。カラス。そして―――魔女。

 

 ここまでくれば、該当する英雄など一人しかいない。

 

 

 ―――――彼女の、真名は。

 

 

 

 『ウアタハ』

 『マーリン』

》『モルガン』

 

 

 

 ―――――魔女モルガン。モルガン・ル・フェ。物語では、アーサー王の宿敵として描かれている。

 

 アーサー王の父、ウーサーの娘でも彼女はアーサー王を陥れる策謀を張り巡らし、しまいにはアーサー王と不貞までして、モードレッドをもうけ、ブリテンを崩壊させた。

 自らの師、マーリンを陥れ、選定の剣(カリバーン)を失わせたのも、魔法の鞘(アヴァロン)を奪ったのもモルガンである。

 

 彼女は数々の逸話(エピソード)を持っており、もっとも有名なのは『邪悪な黒魔術を使う魔女』である。もっとも、医学や薬学に精通した美しい賢者として登場したり、描かれた時代の違いによってか印象はまちまちだ。

 

 しかし、そのどれでも彼女はアーサー王の最後看取る貴婦人(アヴァロンへの導き手)として登場する。

 

 

「………どうりで、下僕(マスター)が貴方を気に掛けるわけですね」

 

 

 ふいに、彼女がそう呟いた。

 

 

「その聡明さに讃辞を。―――ここまで完璧に明かされては、とぼけようがありません」

 

 彼女の群青の瞳が揺らぐ。

 

 キャスターは改めて名乗った。

 

「――我が名は、モルガン。妖精の王にして、アーサーを死に追いやった神代最後の魔女である」

 

 杖を軽く振って、細い琥珀色の長槍へと変えた。

 

 声の調子が大きく変わり、壮麗さと威厳に圧倒される。

 

 声だけではない。

 

 彼女から感じる、尋常ではない魔力に圧倒されているのだ。

 

 きっと。傍らに、セイバーがいなかったなら。

 

「――――ほう? やっと本気を出す、ということか妖婦!」

 

 セイバーはキャスターに赤い剣で彼女の喉元に向けて構える。

 

「本気……? まさか。貴様ら程度に本気になるまでもない。だが……見事、私の名を当てた。報酬として我が槍の味を知るがいい」

「………口調、変わってない? というか、ランサーじゃね? つか、もはやランサーだよね?」

 

 格好を付けているキャスターに容赦のないヒビノ。

 その物言いにキャスターは苛つきを抑えるためか眉間をもむ。

 

「貴方が……最強を示せ、と言ったのですから。それに……魔術はかなりの魔力を消費します。………最強程度でいいのなら、槍一つで十分です」

「オレのことはいいんだぞ?」

「………二度もいわせるな。私は槍で十分です」

 

 次いで彼女は言う。

 

「―――――私の事は、信じられませんか?」

「―――」

 

 そう告げる、彼女の声は震えていた。

 そんな彼女をヒビノは、驚いたように見ていたが……。

 

「信じるさ。お前は、オレのサーヴァントなんだから。だが……お前がそういう以上、必ず()()()――――今の、お前を倒されるのは、少し……癪だ。だから――オレも援護する」

「――――余計な、お世話です……!」

 

 ヒビノの返答にキャスターは、少しあっけにとられていたが――嬉しそうに口端を上向きにしてそういい返した。

 

 ヒビノは、大量の折紙をばらまく。すると一枚一枚が宙に浮かび、渦を形成しながら空へ上がって行く。

 

 みたことのない――コードキャストだ。

 

「キャスターのヤツめ、幸せそうな顔をするものよ……。ま、余らの方がもっとアツアツだがな!」

 

 何で、そこで対抗しようとしているのか。

 

 

 ―――キャスターは、槍で戦おうとしている。

 

 理由は、ヒビノに強力な負担を掛けないためだろう。

 

 確か、モルガンはドルイド信仰における女神としての一面も持っているのだったか。槍で戦えるのは、それが理由だろう。アイルランドでは、破壊、殺戳、戦いの勝利をもたらす戦争の女神として讃えられ、予知と魔術で戦いの勝敗を支配するとされてきた。

 

 その壮麗さは戦女神のごとく。

 

 ―――負ける気はないが、厳しい戦いになりそうだ……!

 

 

「キャスター! 多くは言わん。―――勝て」

「了解しました。マスター――!」

 

 

 ―――セイバー。勝ってくれ!

 

 自分が投げかけられる言葉はこれくらいだ。

 いつだって、セイバーを信じてきた。

 

 真名は暴いても、戦闘スタイルが分からないから慎重にいくしかない。

 

「――任せよ、マスター。余と奏者のしらべ在るならば、どんな壁も打ち破ってくれよう!」

 

 両者、同時に魔力を放出し接近する―――。

 

 

 ―――――Sword,or Dearh

 

 

 琥珀と赤い線が交差する。

 

 

 雨のような剣戟に鞭のように交される槍裁き。

 

 

 轟音が鳴り響き、舞台がえぐれ飛ぶ――!

 

 

 

 

 




ラ「.........」
火「(ライダーがじっと見てくる件)」
ラ「じぃぃ...........」
火(しまいには口に出したぞ...。どうしろってんだよ...)
ラ「ぷりん」
火「ハイ、今すぐ持ってきます!」
ラ「ふふ......」
火(なんで満足げな顔してるんだ...? やだ怖い)
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