Fate/EXTRA-Lilith-   作:キクイチ

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マテリアルいつか出しますね。(日付を言わないあたり察して)

最近リアルも忙しい。
まとまった休暇がホスィ...。






今回前文(出ポエムのこと)が長い。


第二回戦 『虚在尊厳』
第二回戦 一日目


 黒い茨

 

 触れるだけで皮膚を裂く

 

 掴めば、まあ、悲惨なことになる

 

 踏めば、たぶん、痛いだろう

 

 そんなものに、囲まれている

 

 燃やしてしまえばいいと囁いた

 

 だがお前は頷こうとしない

 

 それが人間であると言うだけで

 

 お前を傷つけるものなのに

 

 不合理だ、理解不能だ

 

 不愉快だ

 

 私には、お前の熱が理解出来ない

 

 

***

 

 

第二回戦 一日目

 

 

 ――目が覚めた。

 起きてゆっくりと息をつく。

 ピピッ、と無機質な音が耳をたたく。

 どうやら第二回戦の対戦者の発表、第一暗号鍵が生成されたようだ。

 ライダーと今日行うことの話し合いをし、マイルームを後にした。

 

 

 

 

――――二階廊下  掲示板前

 

 

 掲示板を確認する。

 対戦者の名前―――

 

レスタード・ブラットソン

 

「アンタが俺の対戦相手か。」

 

 そう背後から話かけられた。振り返れば、長身の黒人の男。何処にでもあるようなT-シャツに青ジーンズ。

 

「……一回戦を勝ち抜いた猛者ってヤツか。…何にせよ、よろしく頼む。」

 

 手を差し出してきた。それを俺は握り返す。

 

「それはアンタもだろ。こちらこそ、よろしく頼む。レスタード・ブラッドソン。」

「レスターでいいよ。長いだろ?俺もコーヘイって呼ぶからさ。」

 

 そして何処かへ歩いて行った。おそらくアリーナか。

 俺は握手をした右手をみる。魔術が施された後はない。

 普通に挨拶しただけか。心配は、杞憂だったようだ。

 

 

 

 

――――――図書室

 

 

 ――わからん。

 小一時間ほど調べ倒したが、調べれば調べるほどに分からなくなっていく。

 ライダーの真名がわからない。

 『全て灼き滅ぼす勝利の剣』≪レーヴァテイン≫とライダーは言っていた。

 マテリアルの宝具の表記もそれである。

 

 レーヴァテインはエッダの詩『ヒョルスヴィーズルの言葉』の第26スタンザに登場する。

 巨人ヒョルスヴィーズルと物語の主人公が問答をするが、その中でしか言及されていない。

 曰く、北欧神話において、世界樹の頂に座しているヴィゾーヴニルを殺すことができる剣で、ロキによって鍛えられ、女巨人シンモラが保管しているらしい。

 

 シンモラの夫がスルトルなので、スルトルが振るった剣――炎と同一視される。

しかし、諸説が数多くあり、形状は、槍、矢、細枝とも解釈されている。

 何にせよ、それを使ったのは神霊だけであり、英雄でもない。

 まして皇帝がどうとかわかるハズもない。

 

 

 手にした逸話がないならもしくは―――

 

(マスター。そろそろ休憩したほうがいいんじゃない?)

 

 根を詰める様を心配したのか、ライダーが話かけてきた。

 もうこんな時間か、時計は昼過ぎをさしていた。

 

 

 

 

――――――中庭

 

 

 一息入れるために中庭に来た。

 すると黒髪を揺らす少女――エリカがいた。顔色が悪い。焦燥している、とでもいうべきか。

 何故か?考えれば思い当たる。

 

「こんなところで何をしている。」

 

 少女は答えない。

 ――苛立ちがつのる。

 まさか、今の今まで何もせずここにいたわけではあるまい。

 

 突然、彼女の隣に人影が現れた――彼女のサーヴァントだ。

 白銀の甲冑を着込み、兜までつけたフルスタイル。

 かなり高位の英霊だろう。

 

「オマエも言ってやってくれよ。こいつ小一時間、ここでぼーっとしたまんまなんだぜ?」

 

 そう言うと彼女のサーヴァントは姿を消した。霊体化したらしい。

サーヴァントもまた苛立っていたようだ。

 エリカは、こちらを見ようともしない。

 

「お前が勝ち残ったということは、あの男は死んだらしいな。太陽王をつれながら敗北するとはな。アイツはよほどの無能らしい。――ああ、いや、おまえの優秀だったのかな。」

 

 少しだけ反応があった。

 

「多少、ゲームには腕に覚えがあっただろうが。ま、命のやりとりなんて話は、あんな情報をベラベラ喋るような馬鹿には未体験だったろう。」

 

「遊び気分でこの聖杯戦争に参加した魔術師の末路ってヤツだな。で?どうだった?その様子じゃあ、ずいぶんとみっともない死に様でもさらしたか?豚のように鳴いて喚いて、親にでも助け求めていたか?まさか――お前もゲーム感覚だったわけないよな?」

 

 もしゲーム感覚であったなら言動にも納得がいく。不快感を煽るように言ってみたが効いたようだ。鼻で笑ったのも効いているようだ。

 彼女は立ち上がり、掴みかかってきた。払うことも出来たが、受け入れる。

 

「私は――――」

「私は―――、なんだ?」

 

 彼女は何も言えないようだった。静かに彼女の手を払う。

 

「今俺たちは何をやっている?――聖杯戦争だ。戦争なんだ。なら、ここは戦場なんだ。敗者は死ぬ。ただそれだけのことだ。敗者に――死者に、引きずられるぞ。」

 

「それに、迷っている時間がお前にあるのか?」

 

 その言葉を最後に校舎へ帰った。

 

 

 

――――――アリーナ 二の月想海

 

 

 アリーナに入るや否や、霊体化を解除しライダーが口を開いた。

 

「意外ね、マスター。貴方は他人にあまり興味ないかと思ったわ。」

「……俺も不思議だ。いつもなら無視を決め込んでいたハズなのにな。」

 

 かつての俺は話しかけることすらしなかっただろう。

だが、あの顔を見たとき、どうしても無視することが出来なかった。

 何故かは、わからないが。

 

「ま、とりあえず探索するか。」

「そうね先客もいることだし。」

 

 先客?……サーヴァントがいるのか。

 アリーナの探索を進めるため歩き始めた。

 

 

 

 

 半分ほど探索を進めたところで前から人影が近づいてきた。

 

「よう!コーヘイ!さっきぶりだな。」

「レスターか。」

 

 レスターが陽気に手を振りながら、こちらに近づき、そして少し間をおいて立ち止まる。

 

「どうだ?ここいらで一度戦っておくってのは?」

「かまわない。」

 

 むしろ真名を突き止めてほしい。突き止められるものならだが。

 

「んじゃあ……俺のサーヴァントを紹介しよう。―――バーサーカーだ。」

 

 っクラス名!ブラフかもしれないが―――

 

「■■■■■■―――!」

 

 その野太い怨嗟の声を聞けばクラス名など頭に浮かぶ。隠す意味などなかったということか。

 即座に――

 

「ライダー!」

 

 念話で指示を出す。

 ライダーが前に出てバーサーカーの攻撃を受け止める。鈍く重い音が響き渡る。

 同時にセラフからの警告メッセージがあたりを赤く染めた。

 バーサーカーへの第一印象はその装束の赤黒さ。第二はその水晶のように透き通り中にかすかに色が見えるバーサーカーには似つかわしくない剣。グラディオスにも似ている。

 

 

「ぐぅ……!」

 

 

 あまりにもバーサーカーの攻撃が重すぎ、筋力Aの彼女が押されている。

 それどころか吹っ飛ばされた。

 吹っ飛ばされたライダーは半回転し見事な着地を決める。

 そして、足に力をいれ地面を蹴って地を滑るように飛ぶ。そのままバーサーカーを切りつけるが。

 ガン。

 

 

「――嘘でしょっ!」

 

 ライダーが驚くのも無理はない。バーサーカーが切りつけられる直前で白槍を捕まえたからだ。

 そのままライダーに蹴りを入れこちらに吹っ飛ばす。

 

「っ……。何それ!バーサーカー詐欺じゃないの!?」

「■■■■■――――!」

 バンッ、と地面をバーサーカーは蹴って跳躍し、空中から切りつけにかかる。

 ギ…ギギ……、なんとか鍔ぜり合っているが、ライダーは厳しそうな顔をしている。

 

 その時、セラフからの強制介入が行われ、戦闘が強制終了した。

 

「ふむ……。ランサーと思っていたが、ただそうと言うわけじゃあねな。その子の体に見合ったサイズじゃないだろそれ。」

 

 確かに、ライダーの体には不釣り合いなほど長い槍ではあるが。

 だいたいあの槍、剣に変わったりするし。他にも宝具もってるらしいし。

 

「……それ、私の背が低いって言ってんの?」

「むしろ何故言われなかった。コーヘイから小さいなとか言われなかったのか?小さいのによくやるなとか。」

 

 いやだって、絶対気にしてるし。時々身長合わせようと背伸びしてるの、気づかないようにしてんだぞ!絶対へそ曲げるから!

 

「………。」

 

 やべー、ぼそって殺すって言ってるぞ。

 殺意高いんだけど!完全に虎の尾踏んだよあいつ!

 後でなだめるのは誰だと思っているんだ!

 

「ま、俺は退散するとしとくよ。じゃあな。いくぞ!バーサーカー!」

 

 そう言ってレスターは消えた。リターンクリスタルを使ったようだ。

 

「ライダー、まだ戦えそうか?」

「ええ、行けるわ。」

「馬、使うか?探索ついでにストレス発散といこう。」

「……いいの?」

「まあ、程度を考えてくれればいい。」

 

 どうかそれでチビといわれた事実を忘れてくれ。

 ライダーが馬を出し、俺も騎乗する。

 

「――行くわよ。」

 

 ダッ、と一気に駆けだした。いつかのよりは酷くはないが、それでもかなり揺れる。

 ライダーの腰をつかんで、振り落とされない様にする。

 エネミーを次々狩っていき、アイテムがあるところは降りて取りにいく。

 

 マップのすべてを埋め終わり、帰宅することにした。

 

 

 

 

――――――マイルーム

 

 

 マイルームに帰還するとおもむろにライダーが口を開いた。

 

「ねえ、マスター。お礼じゃないけど――」

 

 そういって取り出したのは、日本酒?だろうか。

 

「お酒。今日ドロップしたものよ。一緒に開けない?」

「別に構わないぞ。開けるか。」

 

 蓋を開け、ライダーがコップに酒を注いでくれる。

 

「お先にどうぞ。」

 

と、コップを差し出してくる。――まさか、毒とか入れてないよな。

 ライダーも自分のコップに注いでいる。

 

「まずは、一回戦突破おめでとう、コーヘイ。――乾杯。」

「乾杯。」

 

 とりあえず、ぐいっと呑む。――杞憂だったようだ。

 

 

 何度か酒を飲み交わし、酔いがまわり始めた頃、ライダーが口を開いた。

 

「――こほん。……ねえ、マスター?」

「ん…?なんだライダー。」

 

 ほんの少しいい気分になっている。

 

「正直に答えてちょうだい。」

「……何を?」

 

 少し間を置いて。俺はその間にぐいっと呑む。

 

「――背は、高いほうが好き?低い方が好き?女性のタイプという意味で、よ。」

「低い方だな。小柄のほうが好きかもしれん。」

「…そ、そう。」

 

 ふむ、眠気が。ライダーは何を思ったか、少し嬉しそうにはにかんでいる。

 

「じゃ、じゃあ、胸は?大きい方?小さい方?」

 

 …………

 

「ちょ、ちょっと!答えなさいよ!せめてそこだけは!これ答えたら寝ていいから!怒らないから!!」

 

 ゆさゆさと肩をつかまれ揺らされる。眠い。

 

「でかい方に決まってるだろjk。ちいさい方も愛せるが、お前には、形もないまな板だろうが。そこまで守備してないわ。」

 

 どさり、体が横たわる。どうやら放してくれたらしい。

 

 

 

 

 ――眠りは深く

 

 ――よったせいか深く眠りにつく

 

 ――重なる不安から

 

 ――逃げるように

 

 ――たとえ

 

 ――相手がどんな願いを持っていたとしても

 

 ――倒さなくては

 

 ――殺さなくてはならないと言うのに

 

 

 




主人公死んだな(白目)

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