fate/Alter blossom がっこうぐらし!編 作:九十九夜
書いておきながらいまだ悩んでいます。
元から中身がないのに入るのって憑依なんですかね?
一応憑依寄りの転生・・・?
取り敢えず、今回もどうぞご覧ください。
パタンと見ていたアルバムを閉じる。
どうやらこの恐ろしく幼少期の間桐桜(たぶん)そっくりの少女はブロッサムと言って、先日3歳の誕生日を迎えたばかりだったようだ。最新の写真が三歳おめでとう!だったからという安直な理由なのだが身体の大きさやら部屋の趣向だのを見るにまず違わないだろう。
次に、母親がつけていたらしき少女に関する手記に気になる点が幾つか。
まず、この少女。自我というものがほとんどない・・・というか極めて薄かったといえばいいのか。言われたことはこなすがあくまで基本受動的に、生きる人形という表現が合致するような子どもだったらしい。
この少女の家も魔術師の系譜(廃れかけ)だった。母親は複雑ながらも夫の指示に従って子を養育していたようで、母としては人形そのもののように自我が芽生えない娘を気に掛ける一方で過酷だと一般的(夫談)に言われる魔術の修行においてつらい思いをしないという利点もあり安心していた節が散見された。
・・・ちなみに裏づけと言えるのかどうかは迷うが少女の部屋を再度探索した際に出てきた『お約束ノート』と可愛らしい字で書かれたノートを発見したので目を通した。・・・読んでみて後悔した。
1、朝起きたら寝巻は畳んで籠に置き、お母さんの用意してくれた洋服を着て、部屋に来たお母さんにおはようと言いましょう。なるべく大きな声で、口角を上げて笑顔をつけれるようにしましょう。
2、食事は家族が揃ったら、テーブルについていただきますと言いましょう。この時胸元あたりで両手を合わせましょう。
3、食事中は私語を慎みましょう。また、カトラリーの音、咀嚼音を立てるのはやめましょう。食べる順番は・・・
・・・etc.etc.
本当に一から十まで・・・いや項目は十個じゃ全然すまなかったが、ともかく起床から就寝までの行動が約束として綿密に書かれていた。どうやら本当に本当のルーチンワークを行っていたらしい。
自我が薄いというより最早それ以前の問題の様な気がする。
要はこの少女。元から空の、肉の器だけだったのだ。それが本当に先天的だったのか、はたまた父親からの魔術の指導によって後天的になったのかはわからないが、そこに私の精神が入ってようやく人として機能するようになった・・・少し違うが完成した・・・とでも言ったらいいのだろうか。そんな状態になっている。
魔術師になるなら私になる前の方が大物になれたんではなかろうか、この子。
父親の書斎も探索したのだが、いかに苦心し、腐心してこの器を作り上げたのか、起源、回路、その他もろもろの、説明書の様な手記がこれまたいくつか発見できた。典型的な魔術師だったらしい。なんだか資料がコアなものばかりでイマイチ前提がわからないがこの世界はウィザードではなくネイガス?とやらが魔術師として活躍する世界らしい。それどころか魔術師は電脳以前に現代機器そのものを嫌悪しているのがほとんどだとか・・・これは早くも詰みになりそうな予感が・・・。
「・・・起源は虚数・・・ね。」
これまた厄介な、いや間桐桜ならそうなるのだろうが(実際虚数空間が~とか頻繁に出ていたし)、ナマエやら写真の両親やらを見て違うものだと思いたかった。協会やら教会が存在しているのか確認しなくては、この資料が正しければこの属性ゆえにお尋ね者になって、場合によっては明日を生きれるかすら危うい状態が続くことになる。
現在進行形で家屋内を探索中。広い、無駄に広すぎるよこの屋敷。
片手にはさっきの資料。取ったことについては大丈夫。・・・ばれるばれない以前の問題で。
なんせ、なんせ。
この器の両親は
原因不明の病に倒れ、既に亡くなっていたのだから。
葬儀は既に済み、最後は遺された莫大な遺産と、この少女の処遇となった訳だが、ここからが奇想天外というか滅茶苦茶だった。
なんと父親、こうなることを見越していたかのように将来的には資産が全て娘に来るよう手配済み。
変な親戚に引っかかったりしたら大変だと(主に交配によって血を絶やす、折角の才能を潰すこと)考えたらしく資産運用のほかに家もこの子もこのままの状態で継続させてほしい旨がしたためられていた。
どんだけ血筋に執着してたんだ父親。いや、魔術師なら当たり前なのか・・・?
ともかく私ことブロッサム・ブリューヴェン(3歳)の一人暮らしはこうして、誕生と共に幕を開けた。
◆ ◆ ◆
コンコンコンというドアのノック用に取り付けられた取っ手が当たる音が聞こえた。
ドアに呼び出し用の取っ手とか古くね?インターホン使えよとか思うだろう?・・・由緒正しい(笑)魔術師の家系だからね・・・家電・・・最低限しかないんだよ。洗濯機と電話くらい。
はいと短く返事をして門を開けるとこれから幼馴染とやらになるかもしれない少年、
「これ、母さんから。」
ぶっきらぼうにズイッと夜舟が手に持っていたものを渡してくる。
渡された容器の中にはまだ温かい煮物が入っていた。
「ありがとう・・・ございます。」
じゃ、と言って夜舟が向こうへ走っていく。
幼稚園の制服を着ていたので、おそらく通園のバスが来る前に渡すように夜舟のお母さんが言ったのだろう。
今日も夜舟のことよろしくねー。とブンブン腕を振りながら件のお母さんがさり気なく遊ぶ約束を本人に代わって(勝手に)取り付ける。もう恒例となっているので慣れてしまったが、子供が一人だからと言って過保護すぎないか?所詮他人の子だぞ?と聞きたくなる。というより、肝心の夜舟の時間配分はどうなっているのだろうか。
しばらくしてバスも保護者もいなくなると、代わりに赤い何かが此方に向かってくるのが見えた。
ようやくその赤が確かな形を持って視認できるようになると、それは子の身体と同い年くらいの少女だということがわかる。
「やっほー。元気にしてた?桜。」
昨日の課題はできたかしら?と少し首を傾げる少女にポツリと返す。
「おはようございます。璃々華さん。あと、私は桜ではなくブロッサムです。」
断じてチェリーはつきません。と、しばしの沈黙の後考え込んでいた璃々華が顔を上げる。
「・・・そうね。たしかに違うのだろうけれどなんだか私としてはあんたの事桜って呼びたいの。だめかしら?」
「・・・別にいいですけど。それなら私が凛さんて呼ぶのも許可してください。もしくはあかいあくま。」
「・・・凛さん。凛
・・・にっこりと完璧な笑顔で却下したこのお方。まあ、この会話でもうお分かりだろうがあのあかいあくまにそっくりな少女。遠坂凛・・・ではなく、遠逆璃々華である。
この人は何かにつけ私を年下・・・というより妹認定してからはかいがいしく世話を焼く・・・否、ちょっかいをかけてくる可愛い女の子である。夢は私に姉さんと呼ばせることだとか。
この人も私の様な立場の誰かなのか、はたまたはまた違った何かなのか。どっちにしろ桜はAIで凛とはそう関わりもなかったはずだが・・・いったいどこから姉妹関係が出てきたのやら。
「うんうん。これならまあ、メイガスとしてもやっていけるんじゃないかしら。
「はい。・・・そういえば残りの魔術刻印って・・・。」
その言葉に璃々華はわざとらしくため息を吐いた。
「あのねえ・・・そんなすぐに全部なんて移植できるわけないでしょ。ただでさえガンドの移し替えしたばかりで体調崩してるっていうのに・・・全く。」
説教されてしまった。いや・・・葬儀が終わった後に協会が存在しているっていう事実を知ってのこの頼みなのだが、いかんせんまだガンドの分しか刻印を移し終わっていない。いつ向こうに没収されるかわからないのに。
「ほら、まだ体調悪いんでしょう。薬湯、作ってきてあげたから飲みなさい。」
渡されたポットからはハーブティーに更に何かを足したハーブティーっぽい何かだった。滅茶苦茶草の匂いと何かの異臭がする。
「い、いただきます。」
こくりと一口飲む。まずい、滅茶苦茶まずい。が、飲めないこともない。
お茶はすごくまずいのだが・・・。
「今日はここまでよ。これからしばらくは様子を見つつ、ね。取り敢えずは知識面を鍛えるべく座学中心ってことで。いいわね。」
こくっと頷く。
・・・なんだかこういう人の事を姉さんって言うのだろうか。絆された感も否めないが。
姉さん・・・ううむ、いい得て妙とでも言うか・・・。
悔しいから、今のところは凛さんで固定しよう。
・・・なんだかんだで世話を焼いてくれるこの姉さんから、私はウィザードではなく現実に魔術を再現するネイガスとして、魔術の手ほどきを受けている。
一応前に設定の方で言っていたと思いますが大事なのでここでも・・・
本作の主人公はCCCしかプレイしていないので他の型月作品の知識は皆無です。
さらに言えばマジでCCCだけなのでextraも知りません。
知識不足が深刻です。
たぶん、ちょろっと出したもう一人の男の子の方もFate/hollow ataraxiaあたりやってたらわかるはずでした。たぶん。
それでは、閲覧ありがとうございました。