fate/Alter blossom がっこうぐらし!編 作:九十九夜
「ええ、と・・・。これは・・・うんまだ大丈夫そう。こっちは・・・」
こんにちは。皆さん、ブロッサム・ブリューヴェン改めBBちゃんです。
ごほんっ。え?今何をしているのか、ですか?
絶賛、ブレストバレーの整理中です。
これ、いろんなものの持ち運びとか、物的証拠の隠ぺいとかにはかなりお役立ちスキルなんですがデメリットがありまして・・・食料品みたいな消耗品を保存しておくと忘れたものから
おかげで最近体重計に乗るのが怖くて怖くて・・・。
少しだけ本物の間桐桜の気持ちがわかった気がします・・・。
それからもう一つ。こっちは元々あったものじゃなくこの身体になってから変わったことなのですが・・・なんと私サイボーグ(もどき)になったみたいなんです。・・・正確にはニアサーヴァントとかっていうらしいですけど。
普段の視界は別段変わらないんですが意識して何かを・・・例えば周囲に危険がないかとか地図の確認がしたいとかといった目的があった場合なぜか視界・・・というか画面が切り替わってよくわからないメーターとか数値とかが表示されるようになったんですよ。何故か脳内に音声まで流れだしましたし。でも、服装とかが変わらないところを見ると魔法少女物の何かじゃなく攻殻機動隊とかの電脳化に近いんじゃないかと思いまして・・・サイボーグ・・・なんですかね?
そんなことを延々と考えながら自身の胸元、正確にはその谷間に存在している虚数空間に突っ込んだ腕が何かに掠った。そのままその掠ったものを掴み、引っ張り出す。
その手に持っているものを見てみると、それは先程夢(のような空間)の中で出会ったファーストと呼ばれる女性から手渡された金色に光り輝く杯だった。
「・・・あった。」
本当にあった。決して夢などではなかった。
女性から渡された品。---
CCCにてBBが使っていたスキルにしてあるビーストが持つとされる持ち主の身勝手な願望を叶える負の聖杯。
「身勝手な願い・・・。」
例えばお金持ちになりたい。
永遠の美貌が欲しい。
異性にモテたい。
ーーー幸せになりたい。
ブロッサム自身の中で願いごとというものは今のところ特にありはしないが、魔が差したとでもいうのだろうか、彼女は自分が本当はどんな願い事を抱えているのか知りたいという純粋な好奇心からそれを使おうと杯を傾けようとした。
「うっ・・・。」
突如聞こえてきた呻き声に持っていた杯を素早く谷間にしまう。
生存者だろうかという期待に似た何かがブロッサムの胸中に渦巻くが同時にアレになりかけなのではという剣呑な考えも同時に沸き起こり、腰かけていた瓦礫から慎重に立ち上がる。
そろりそろりとなるべく音をたてないように音のした方へ歩いていくと、そこには小学生ぐらいの少女が倒れていた。
「あ、あの・・・。」
ゆっくりと伸ばした手で慎重に少女を転がし、前面に噛み跡がないかを確認する。
と、丁度少女が目を覚ましたらしい。覚醒しきってはいない様子ではあるがそのままあたりを確認するために顔を動かしている。
「こ、こは・・・?」
「・・・何処か。というと一応元リバーシティ・トロンの中っていう答えしか出せないんですが。」
じっと観察しているとげほっと咳き込んでから少女が答える。
「リバーシティ・トロン・・・っ」
いうが早いかいきなりガバリと起き上がろうとして、何処かにぶつけたのだろうか腹部を抱え、呻く。
見たところ怪我は無い様だが表情を見るとやはり腹部を怪我しているのだろう。
気休め程度だろうが無いよりはマシかと思い、背中を支える。
「お父さんとお姉ちゃんは?」
どうやら家族で買い物に来ていた時にこの騒動に巻き込まれたらしい。
しかし、ここにいるのは少女だけだ、あまり考えたくはないが瓦礫の下敷きか、奴らの仲間になって何処かを徘徊していると考えたほうがいいだろう。
けれど、それをどのように目の前の少女に伝えたものか、そもそもどのような形であれ伝えていいものなのか、ブロッサムはしばし無言で思案し、口を開いた。
「ごめんなさい。私もさっき目が覚めたばかりで・・・。三人で来たの?」
言葉尻を疑問形にして徐々に話を逸らせないものか、ブロッサムは知らぬ存ぜぬからの逃げの姿勢を取ることにした。どこぞの尊い先輩(ゲームの方)のようなお人よしにはブロッサムはなれないのだ、なんせ主人公どころか登場人物のガワだけ借りている偽物のようなものなのだから。
「ううん。お父さんとお姉ちゃんと・・・いーくんとしーちゃんと・・・ええと、ええとねえ。」
先程の悲痛な表情とは打って変わって、瞳を輝かせながら少女は話し出す。
幼いゆえか、はたまたまだ混乱しているのか要領を得ないながらも一所懸命に話す姿に、いっそ微笑ましさすら感じる。
「私たち、迷子になっちゃたの。お姉ちゃんもお父さんも先に行っちゃって・・・。」
少し気まずそうに頬を掻きはにかむ少女の姿に罪悪感が湧いてくる。
「・・・そう、じゃあ。私、一緒に探しましょうか?」
ほんとはもうほぼ意味のないことだとわかっている。むしろ、それで仮に見つかったとして、変わり果てた肉親の姿は彼女の心に確実に傷を残すことになるであろうことも。それでも、ブロッサムは続ける。
「ああ、自己紹介がまだね。私はブロッサム・ブリューヴェン。桜でもBBでも
一応、彼女の了承を得なければいけないので彼女の方に視線を向ける。
まあ、ここでたとえ断られたとしても、最低限衣食住と安全が確保できる場所まで彼女を連れていくことはブロッサムの中では決定済みではあったのだが、合意を得るに越したことはない。
「うん、私たちの名前は■■■■梓。よろしくね。お母さん。」
「お、お母さん?」
いまいち会話が噛み合っていないのだがまあいいかとブロッサムは少女ーーー梓に手を差し出した。
その手に小さな手が重ねられる。
「まあ、いいわ。よろしくね。梓。」
二人手を繋いでその場を後にする。
果たしてこの出会いがのちにどんな影響を与えるのか、双方ともに知らないところであったのは当然のことであった。
ちなみにブロッサムのブレストバレーは胸の谷間だけでなくへそあたりまで開きます。
さて、この謎の少女の正体やいかに・・・!?とか言ってみますが・・・まあ、バレバレかもしれませんがそこは敢えてのお口チャックで。
では、閲覧ありがとうございました。