ポケットモンスター &Z   作:雨在新人

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第二章 神雷(しんらい)"Z"ekrom(ゼクロム) ヤベルタル覚醒
vsフクジ


「ゴーゴート、戦闘不能!モノズの勝ち!

 よって勝者、チャレンジャー、アズマ!」

 審判員のその声が、緑に覆われたフィールドに響き渡った

 

 此処はヒヨクシティ、その中に聳えるリーグ公認ポケモンジム、ヒヨクシティジム

 あのボーマンダとバンギラスの襲撃後、漸く駆け付けたジュンサー達に重要参考人だと施設まで連れていかれ、事情を話したアズマは、ヒヨクシティでの取り調べを終え、その足でヒヨクシティジムに挑んでみたのである。ショウブはオレサマはこのピンクダイヤの力を使いこなしてみせる、それが出来たら何時か勝負しようぜにぃちゃんとか言いながら、リザードンに乗ってミアレへ向けて飛んでいったので既に居ない

 

 そして、あっさりと勝ってしまった

 「……あれ?」

 その結果に、アズマは首を捻った

 『(これが、あの時と同じじむせんですの?)』

 「いやいや可笑しい、そんな筈はない」

 想定と違う状況に、アズマはどうしてこうなったと戦ったモノズの反応を見る

 「サザ、どう思う?」

 『モノ、ノッ!』

 『(怖くない、後1体は行ける、だそうですの)』

 「いやでも、3対3だろ?

 メェークル、ゴーゴート、ハスブレロ。これで3体。もう終わりじゃないか」

 可笑しい。手応えが無さすぎる

 あまりにも、弱い。これが本当にジムリーダーとの対決なのか?ジムトレーナーじゃなくて?と、アズマはひたすらに混乱する

 相対的な強さに差があるのは当たり前だろう。相手の使ってくるポケモンのレベルは此方のバッジの数による。それが、リーグ公式ルールだ。そして、此方の使うポケモンに制限はない。一つ目のジム以降苦労に苦労を重ねれば、二つ目のジムでは想定される強さを此方が大きく越えてしまって手応えがないこともあるだろう。逆に、一つ目のジムが相性もあり楽勝だったとバトルを怠り、二つ目のジムでボロボロに負ける事も有り得る。だが、これはおかしい。こんな結果は有り得ない

 相手がやってきた事は簡単。ハスブレロが水タイプである事を生かし水を空に撒いて極短時間の間俄か雨のような状態を起こし、メェークルが草タイプエネルギーでもって草を生い茂らせ、炎タイプエネルギーを雨で軽減し、ゴーゴートの得意とする草原を産み出された状態で、エースであるゴーゴートに全力を出させる。サポートとエースという形式のバトル方法。なのだが、ハスブレロは、あの時持たせておいたジュエルの力を使った『あくのはどう』で一撃、メェークルは『だいちのちから』で打ち上げて『りゅうのいぶき』で動きを止めようとしたら倒せてしまい、ゴーゴートは『りゅうのいぶき』を当てて足止めしながら、『とっしん』で迫ってきた所を『ほのおのきば』で……そのまま倒せてしまったのだ

 

 「ポケモンはきみを信じる

 きみはポケモンを信じる

 胸のすく勝負だったよ

 

 さあさ、勝利の証……」

 緑の帽子を被った老人……ジムリーダーであるフクジの手に、一つのバッジが握られる

 だが

 「……受け取れません」

 アズマは、そう応えた

 「どうしたんだい?」

 「何故、手を抜いたんですか、フクジさん」

 何を言っているのか分からないとばかり、老人は首を傾げる

 「こんな形でのおれの勝ちは、有り得ない

 ……だってフクジさん。貴方の使ったポケモンは、全員ビオラさんのアメモースより弱いじゃないですか」

 そう、それが、アズマの感じた違和感だった

 フクジの使ったポケモン三匹合わせても、相性の問題もあるけれどもあのアメモース一体に勝てないんじゃないだろうか。アズマにはそう思えてならなかった。多分、ビオラに挑戦したその時のアズマとヒトツキ、そしてモノズだとしてもあの三匹には勝てる。そうとしか感じられない。一応ちょっと強かったかなとはビオラも言ってはいたが、差がありすぎる

 『モノ、モノッ!』

 「一つ目のジムよりも明らかに弱いなんて、何処かおれの申請に不備でもありましたか?

 それは分かりませんが、こんな騙し討ちのような勝利で、ジムバッジは戴けません。正々堂々と、正面から勝利しなければ」

 「ああ、それね。間違いさ」

 優しく、老人は微笑む

 「やっぱり」

 「違う違う。あの子から電話があってね。暗いオーラのせいで、出すポケモン間違えちゃってた、と」

 『(……?)』

 話を横で聞いていたディアンシーが不思議そうに首を捻る

 『(つまり?)』

 「ハクダンシティジムで戦ったアメモースは、本来バッジの無い子供相手に使うポケモンとしては、"あまりにも強すぎた"

 さっきの三体が、バッジ一個のトレーナー相手に使うポケモンの基準だよ」

 「……えっ?」

 予想外の答えに、アズマの思考は少しの間停止した。せいぜいビオラのアレが、ちょっと強すぎたという言葉からバッジ一個の基準だと思っていたから




ジムリーダーのフクジ(バッジ一個パターン)
メェークルLv22 グラスフィールド/はっぱカッター/たいあたり
ハスブレロLv22 あまごい/バブルこうせん/ギガドレイン/やどりぎのタネ
ゴーゴートLv25 くさむすび/じならし/とっしん
ガンバロメーター 全員HP/攻撃/防御/特攻/特防/素早さ其々に20

ジムリーダーのビオラ(バッジ0個、アズマ遭遇パターン)
アメモースLv30 エアスラッシュ/ハイドロポンプ/むしのさざめき/ちょうのまい きあいのハチマキ所持
ガンバロメーター HP4/特攻252/素早さ252
ビビヨンLv32 ぼうふう/ソーラービーム/ねむりごな/ちょうのまい こうかくレンズ所持(特性はりんぷん)
ガンバロメーター 防御4/特攻252/素早さ252

実際問題、ビオラの方が明らかにフクジより強い為、勝てなきゃおかしい一般ジムリーダー戦はスキップだ
とりあえず、作者は若しも初ジムで御三家すら未進化でひのこだひっかくだ何だ言ってる所にレベル30代努力値極振りで壊れ積み技(ちょうのまい)から命中安定の主力技やら威力110のぼうふうやらドロポンすらも容赦無くぶっぱなしてくるこんなポケモン出されたらそのゲームはくそげと投げます。ビオラ戦は普通に考えたらそんな可笑しい難易度ですが、アズマくんにとってはそれが基準になってしまったもので

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