「ご先祖様。何故おれに?」
3mもある巨躯を見上げながら、そうアズマは問い掛けた
AZ。3000年前のカロス王。最終兵器の製作者。ルネシティに友好の証として木を贈ったという、超古代ポケモンにも関わりがあるのではと言われる古代王。そして、アズマの遠い先祖の兄
「AZ」
「AZさん、どうして、おれに声を?」
名前を呟かれ、ご先祖様というのはアレなのかと言い直す。考えてみれば、アズマは直系ではなくその妹の血族だ。私はDTだーっ!とか、そんな違和感とかあるのかもしれないとアズマも考え直す
「きけ 破壊の光に 魅入られし 子孫」
「そこ、子孫で良いんですか……」
案外茶目っ気のある人なのかもしれない。まあ、怖いだけの人ならば、そもそもフラエッテなんて連れてないか
アズマの父親のように、可愛がっているポケモン詐欺も居たりするのだが。トリミアンを何時も連れててエースっぽく扱ってる博士とかラクショーラクショーと挑みに来たトレーナーがヴォーダ(ボーマンダ)、ゴドー(ボスゴドラ)、、ヴァン(バンギラス)、ラル(ガルーラ)といった怪獣なポケモンを目にしてトリミアン詐欺だ、残りの手持ちがゴツ過ぎると言っていたのをアズマは覚えている
「きみの ことを 知りたい」
「姫。あの人からも、オーラを感じるんだな?」
『(……そうですわ
昏く喰らうオーラと、輝き燃えるオーラ……)』
「何かカッコいいなおれのオーラ
とりあえず、おれとは別のオーラ持ちなんだな?
AZさん、お願いします!」
気が付くと、ちょっと雲が掛かっていた空は、雲ひとつ無い快晴にまでなっていた
「陽射しが、強いな
ならサザ、お前の出番だ!」
多分多少炎タイプの技エネルギーに加わるだろう、この陽射しは。快晴ならば日本晴れや日照りが無くとも炎タイプ有利。逆に雨が降っていたり降りそうな曇りでは水タイプ有利だ。そしてアズマの手持ちで炎タイプの技を使えるのはモノズの方。それゆえの選択
「ゴルーグ 出番だ」
そうして、AZは懐から取り出したモンスターボールから、白い巨人を呼び出した
「ゴルーグ……
城の衛兵っぽくて、カッコいいですね。その色だと特に」
『モーノッ!』
抗議の鳴き声
「いや、お前もカッコいいよ、サザ
頑張ってもっとカッコいいサザンドラになろうな」
反省。自分のポケモンの眼前で相手ポケモンのカッコよさを誉めてはいけない
でも、色素異常か、白い色の巨人は凄く絵になった。
「フラエッテじゃないんですね」
「きみも そこの ポケモンでは ないだろう?」
背が高すぎて目線は良く分からない。アズマも、モノズも、ディアンシーも、何処へ視線を向けていても見下ろす形になってしまう。けれども、言葉の内容から多分ディアンシーを出していないという話だろうと推測はついた
「いやまあ、姫はおれのポケモンじゃないんで
同じ目的なので、一時同行です。嫌なら逃げて良いし、ボールは嫌らしいので使いません。ちょっと危険はありますけど」
伝説のポケモンでも、戦闘不能まで追い込めば認められずとも普通のボールに強引に収めることは可能らしい。ディアンシーだってそうだろう
伝説のポケモンは、寧ろ戦闘不能まで追い込む事が異様に難しいというか、認められたり伝説でも捕まえられる(謳い文句)マスターボールを手に入れたりする方が簡単なんじゃなかろうかってレベルではあるが。去年のWPT特別エキシビジョンマッチ、伝説ポケモンvs伝説ポケモンと題したトウヤvsセレナは、何とというか凄まじかった。レシラムvsゼルネアス、レベルが違いすぎて何が何だかってレベルだった。あの人がミクリの弟子の本気に挑む!コーナーも挑戦者が可哀想になってくるレベルだったが。ミクリの弟子だから水タイプ使いだろうと、電気タイプと草タイプで固めてきました!という挑戦者(確か2年前のシンオウリーグ準優勝者)がゲンシカイオーガによる大雨を、天候変えて対応しようとした草タイプ側が仕込んだ日本晴れでも何とも出来ずに大雨の中散々にやられていたっけ。電気タイプ側は大雨の影響か強くなった雷で善戦していたが、最終的にラグラージの前にあっ雷効かないわと成す術無く敗れていた。結局、ダブルバトルなのにずっと一匹分として後ろに控えるゲンシカイオーガをバトルの場に引きずり出す事無く負けていたっけ。全部電気タイプならワンチャンあったかもとネットでは議論されていた
閑話休題
「そうか」
『エッテ!』
そう呟くAZの声は、何処か優しくて
「ゴルーグ」
「サザ、『あくのはどう』!」
アズマが選択したのは、当然というか悪の波動。人形のような、鎧のような巨人。そこからは一切読み取れないが、アズマは知っている。何度も本で読んだ
ゴルーグはあんなナリをしているが、ゴーストタイプだと。何かヒトツキみたいだなと思ったから良く覚えている。ならば、『あくのはどう』連発が一番効きやすいはずなのだ
「知っていたか」
「逆に有名ですから、ね!」
ヒトツキレベルになると、逆にこれポルターガイストみたいだしゴーストタイプなんじゃない?となるから案外意外性は無くてそこまで有名ではないが、ゴルーグはゴーストタイプ感があまりにも薄すぎて逆にゴーストタイプだと有名である
「ゴルーグ 『メガトンパンチ』」
それに対し、AZの取った手段はシンプルだった
真っ直ぐ行ってぶっ飛ばせ。それだけの話の指示
『モーッ、ノォォッ!』
あくのはどう、発射
普通に放つ赤黒いエネルギーの波動を、白い巨体が切り裂く。右手を掲げ、足からのジェット噴射で空を舞う
そのまま、突き出した手に力を込め、あくのはどうを切り裂きながら特攻し……
「サザ、地面に!」
『ノッ!』
当たる寸前、モノズが撃つ方向を変え、自分が反動で吹き飛ばされる事で後方に退避する。そんなモノズの真下を、白い巨体が抜けていった
「流石は白き英雄ゴルーグ……」
白き英雄ゴルーグ。ポケウッドの映画の一つだ。遥か未来世界。宇宙ポケモンの襲来により危機に陥った人類は、月を落としてくる赤い宇宙ポケモンに対抗する為に、太古のポケモン、白き巨神ゴルーグを目覚めさせる……というお話。あの話のゴルーグは合成で30mくらいはある巨体に描かれていたっけ。公開後、一部都会では岩タイプ技相手に突っ込ませてこんな宇宙の石ころひとつ、おれのポケモンで押し返してやる!と叫ぶのが流行ったとか流行ってないとか
いや、あの演技したゴルーグとは別個体だろうけど
「だけど、勝とうぜ、サザ
もう一度だ、『あくのはどう』!」
叫ぶと共に、アズマは目を閉じる。制御なんて出来ない。それでも、発動してみせる。やれるはずだ、と
「ゴルーグ 『メガトンパンチ』」
『ノォォォォォォッ!』
全身全霊の波動が、空気を震わせる
だが、無口な白き巨人は、またもそれを切り裂き、モノズへと迫る
「負けるかぁぁっ!」
そうして
その波動は膨れ上がり、モノズの眼前で遂に飛翔するゴルーグを呑み込んだ
「っしゃぁっ!」
だが、白き巨人はただでは終わらない。遂に全身に『あくのはどう』を浴びながらも一歩だけ前進。それだけで、届く
白き拳が、小さなポケモンを強かに打ち据えた
AZのゴルーグ
ゴルーグ☆
Lv60 特性:ノーガード 性別:性別不明(精神的には♂と思われる)
ヘビーボンバー/ゴーストダイブ/おんがえし/メガトンパンチ
真っ正面から突っ込んできたのは特性:ノーガードだから、というのもありますが、手加減でもあります。言うてアズマくんのモノズってLv35くらいですし、わざと正面から食らいにいく位でないとアズマくんとそのポケモンの絆の形とか見えません