ポケットモンスター &Z   作:雨在新人

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気持ちを新たに

「……どうでした?」

 ふらりと戻ってきた少女に、アズマはそう問い掛ける

 

 ある程度きのみジュース等も飲み、気分は大分落ち着いていた

 「あれ、ゾロアは?」

 「ここ」

 と、アズマは軽くボールを振ってみせる。ムーンボールという名前の珍しいモンスターボールだ。一度はその尾でアズマの出したダークボールを叩いたゾロアだったが、一瞬で暗い暗い暗いと捕まる事無く飛び出してきて。だからこうして一通り広げた手持ちボールの中からゾロア好みらしい別ボールに移し変えたのだった。ダークボール自体暗がりを好むポケモンの為のボール。格好いいので黒いポケモンには似合うだろうし人気も高いとアズマは出したのだが、暗がりが好きかどうかまでは考慮を忘れていたというオチである

 

 「事態だけど、おじいちゃんが継承者としての修業に出したって感じで報告してくれてたみたい

 そこの人もそれを見に行ったって感じで」

 「つまり、ジムリーダー誘拐犯としておれやNさんが国際使命手配……なんて事は無いんですね?」

 「その方が良かった?」

 「ライに乗って全力で逃げ……ても逃げ切れる気がしませんからね、頼み込んでNさんのゼクロムで逃げます」

 「逃げきれないんだ」

 「いや国際警察を敵に回したら、下手すればソルさんとか出てくるんでしょう?おれには無理ですよあんなの」

 ソル。ジョウト地方で再起を図っていたロケット団事件を解決した中に居たという少年である。最後の最後、伝説のポケモンたるルギアと共に電波塔に降り立ち心を折ったとか何とか。つまりは伝説のポケモンルギアを従える恐ろしいトレーナーという事だ

 アズマがこう言ったように、伝説のポケモンを従える存在が国際警察を目指したというのは、それそのものが一つの抑止力ともなり、幾つかの犯罪組織が動きを鈍くしたとか色々と記事にはなっていたりする

 

 「兎に角、それならば安心……ですね」

 「まあ、身元はしっかりしてるしね、君」

 「そこそこ有名人ですからね、父さん」

 「カルムくんがアサメの方で裏付けも取っててくれたし」

 「屋敷アサメ近くですしね

 何時かお礼言いに帰らないと。それに……」

 と、少しだけアズマは脳内で計算する

 「今からじゃ今期受け付けには間に合いませんからね

 いっそ、初めての客でも目指すのも良いかも」

 「そっか、今から6つだっけ?バッジ揃えて今年のリーグって言うのは流石に無理あるし」

 「……Nさんとゼクロムくらいの力があれば、また別ですけどね」

 と、ディアンシーを抱えたまま何やら小声で話している緑髪の青年の方をちらりと見る

 その後ろに控えた黒き竜だけは、此方の視線に気が付いたのか得意気に軽く唸った

 

 「あぁ、それは確かに」

 「Z技の練習の際に軽く戦って貰いましたけど、勝負にならなかったですしね」

 あの時ヒトツキと放った全力無双激烈剣……会心の出来だと思ったのだが、あまりにもあっさりと受け止められた。流石に尻尾の発電機が帯電していたので一切意味がなかったほどの差では無いだろうが、ロクに効かなかったのは間違いない。そもそも風の噂ではあるが彼等はあのイッシュチャンピオンにすら勝ったとか言われているのだし当たり前か

 「そんな力はおれとギル達にはありませんからね」

 「それで、これからは?」

 「何にも変わりません

 Nさんは暫くはおれを見ててくれる……みたいですし」

 ちょっと言葉分かりにくいですけどね、とアズマは苦笑し

 「旅を続けます

 ハニカムなポケモンを探すおれ、ゼルネアスを探す姫、それに追加で黒いポケモンの探す何かを探してみようかと

 

 まずは、シャラシティジム。ですかね、やっぱり」

 「やっぱり?」

 「まぁ」

 と、アズマはムーンボールを翳す

 その中から黒い小狐が飛び出し、アズマの肩に前足を掛けて掴まった

 「こいつとの信頼関係を築いて、勝てるように特訓してから、ですが」

 「うん、待ってるよ」

 「はい、お願いしますコルニさん

 ルカリオにも」

 「いや出さないよ?」

 きょとん、とした表情で少女は返した

 

 「いや、リベンジせずには終われないでしょう流石に」

 「バッジ二個相手に出したら勝てる人居ないって

 ねっ、ルカリオ?」

 『くわん!』

 ボールから飛び出し、ルカリオも吠えた

 「……そうかも、しれませんけど」

 『「そんなこと無いの!やっつけてやるの!」』

 「って、こいつは言ってますし

 おれだって、出来ることならばリベンジしたいです。きっと、ギルだって」

 モノズの名前は挙げない。多分あのモノズ的には勝負なんてしなくて良いと思っていることだろう

 「うん、考えておくよ

 

 それじゃ、挑戦待ってるからね」

 それだけ言って、金髪の少女は再び去っていった

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