超展開注意!
仕事が年末攻勢に入るので次の更新が不安です、活動報告を使って進捗など報告できたらと思っております。
クモミ砦を中心に暗雲が島を覆い、雷鳴が港にまで谺響する。
エギュラス達は自身の主が狂王と化したことで命の危機を察したのか砦を離れ、一斉に飛び去っていった。
一方その頃、エギュラスに投げ飛ばされたカイドウはというと。
クモミ砦の頂上はかなり高い位置にある、そこから放り出されたのならば大概の人間は地面に激突した衝撃で死亡する。
ただ今回放り投げられたのは普通ではない、他ならぬ四皇カイドウだった。
「おおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ……」
ハートブレイクの四皇カイドウ、只今絶賛自由落下中
クモミ島、港町付近
エギュラス達の襲撃を受け壊滅状態となった港町は元の喧騒は見る影もなく、人っ子1人居ない有様だった。
空飛ぶ肉食竜が突然空から群れをなして襲撃してくればパニックにならない方がおかしいというもの、住民達は我先にと逃げ惑いその結果逃げ遅れた者がチラホラと路地裏や建物の中に残っている。
「お兄ちゃん、怖いよう…」
「何言ってんだよ!早くここから逃げるんだ!港まで走れば避難船が出てるって逃げてる奴ら言ってただろ?」
「でも…まだ外には怖いのがいるよぅ…うぇぇ…神様ぁ、たすけてぇ…」
涙ぐむ少女の足は竦み、とても歩ける状況ではない。
この2人の兄妹もまた、逃げ遅れた避難民の一角だ。蛇竜に見つからぬようコソコソと隠れながら移動してはいるものの、未だ港までは距離がある。
「泣くなよ、あと何でもかんでもカミサマに祈る癖やめろ!怖い奴くらいオレが倒してやる、だから歩いて『キシャアアアアアッ!!!』やべっ!見つかった!」
大半のエギュラスは激しい戦闘を繰り広げる港の避難船に群がっていた、しかしごく少数の賢い個体は避難船を狙うよりこちらを狙った方が楽をして餌が手に入るという事を知り、反転して港町へと舞い戻っていた。
少年は傍にあった鉄パイプをつかみ取り、妹を後ろに下がらせ距離を置く。
舞い降りたエギュラスは獲物を前に舌なめずりする様に下品に涎を垂らしながら目の前の
エギュラスは小型の飛竜ではあるが、それでも大の大人を一人掴んで投げ飛ばす位の筋力は持ち合わせている。子供など一人二人引きちぎる事くらい造作もないだろう。
少年は家族を守る為勇気を振り絞り、蛇竜に立ち向う。それを嘲笑うかのようにエギュラスは一歩、また一歩とジリジリ距離を詰めていった。
シャアアアアアッッ!!
蛇のような鋭い咆哮と共にエギュラスが2人に襲いかかろうとした瞬間
「
女性の叫び声が響き、頭上から降り注いだ4本の大きな銀の杭がエギュラスの身体を地面に縫い付ける。
そのうちの1本は頭を貫通し、エギュラスの生命活動は完全に停止した。
唖然とする二人の前に現れたのは巨大な狼とそれに跨るメイド姿の女性。メイドは笑顔で手を差し伸べ、こう言った。
「救いの女神、参上ですわ♪」
………………
「Dブロックに子供2人発見ですわ、至急回収班を寄越して下さいまし。
はい?他の五箇所に人員を割いてるから無理…?
なら貴方1人でも来なさいガスパーデ!それでも誇り高きお姉様の下僕ですか!」
『高きも低きもあるかボケ!
お前が指定した場所は俺達の居る場所の反対側なんだ!どう考えてもお前達が避難船に送った方が早いだろ!
こっちも人手不足で一杯一杯なんだ、周囲に他の避難民がいないか確認したらとっとと連れてこい!』
乱暴に通話は切れ、自称救いの女神は軽く舌打ちをした。
「ちっ、使えない下僕ですわね…
仕方ありませんわ。イルミたんこの子達を乗せて一旦避難船へ向かいますわよ。」
『うん』
狼が喋ったのに驚いたのか2人はびくっと肩を揺らす
「安心して下さいまし、貴方達を助けに来たんですの。御両親はどちらに?」
「お母さんは病気でお家から出られないの……おとうさんは…怖いのに食べられちゃった、私達を逃がそうとして…」
今にも泣き出しそうな妹と俯く兄をテリジアは優しく抱き寄せる。
彼等はこの絶望的な状況の中を生き延びたのだ、そして偶然自分達に出会い命を救われた。
『命』を『運ぶ』、まさに運命とはよく言ったもの、この兄妹もまた奇跡のような運命に生かされていた。
「御父様はご立派な方ですわ、誇りに思いなさい。
お母様の所へ案内して下さい、病人に鞭を打つようで申し訳ありませんが三人纏めて避難船までお送りします。」
笑ってテリジアは伸ばした流体金属で兄妹を包み、イルミーナの背中へと乗せる。
「わあ、もふもふ…」
「しっかり掴まってなさいな、案内頼みますわよ。全速力で参りますわイルミたん!」
『りょーかいッ…!!』
狼はその巨体に似合わぬ瞬足で街道を駆け抜け兄妹の母親が待つ家まで疾駆した。
◆
クモミ島港付近
「互いの死角を補い合う様に立ち回れ、背後を突かれれば命はないぞ!
避難民の収容はどれ位進んでいる?」
「ハッ!三隻目が避難民で満員になっております。この調子で収容すれば予定人数を超過する可能性も…」
「なら軍艦に何人か乗せられるはずだ。予め中将殿には許可を得てあるから200人程度ならこちらに移せ!」
海兵たちが忙しなく走り回り、所々で銃声と怒声が響く。
空から襲い来るエギュラス達は何故か島の中央付近が雲に覆われた途端こちらに数が増えだした、まるで何かを恐れるかのように島の中心部から遠ざかっているのを見てガープは首を傾げる。
「おおいゾルダン!敵の増援じゃ、まだまだ増えるぞ!
総員、此処が踏ん張りどころじゃあ!根性見せいッ!」
「「「「ウオオオオオオオッ!!」」」」
持久戦に持ち込まれても未だ士気は高く、ガープの言葉に吠える海兵達。
これも〝英雄〟の成せる技だろう。
伝説の海兵が共に戦っているという事実は海兵達に大きな勇気を与えていた。
「んん〜…空が曇り出してから一気に数が増えたねェ〜。
こいつぁ嫌な予感がするよォ…」
「そうじゃの、コイツ等もまるで恐ろしいものから逃げるみたいにやってきよる。
……………ん?んんん!?なんじゃアリャ?」
「どうしたんですかいガープ中将、空になにか………なんだァありゃあ?」
雲行きを見たガープとボルサリーノの見つめる先、曇天の向こうから小さな点のようなものが近付いてくる。
それはみるみるうちに大きくなって港町の倉庫の一つヘ大きな音を響かせながら着弾した。
幸い人的被害は無かったが突然の出来事に皆驚きを隠せない。
「おい、なんか降ってきたぞ!
面白そうじゃからちょっと確認しに行ってくる。対空任せた!」
「ちょっ?マジですかいガープ中将ォ…
こりゃミラちゃんにプリン上乗せだねェ〜。」
謎の落下物に興味を惹かれたガープはボルサリーノに仕事を押し付け倉庫の方へと走って行ってしまった。
………
衝撃で歪んだ扉をこじ開けてガープは倉庫内部へ足を踏み入れた。
もうもうと立ち込める土埃のなかにうっすらと巨大なシルエットが浮かぶ。
「?はて、どっかで見た事あるシルエットじゃのう…おーい、大丈夫かー?」
「その声…聞き覚えあるなァ。」
「ッッッ!?貴様は…!」
ガープは落ちてきたそれの正体を理解すると咄嗟に距離をとった。
嘗て海賊王だったあの男と同じ時代に生きた豪傑の声なら何度も聞いた、忘れたくても忘れられるものか。
「カイドウ…ッ!!何故キサマがこの島に…」
「んんん…懐かしい声がすると思ったらガープのジジイじゃねえか。
いや、今はテメェとの因縁なんぞ後回しだ。俺ァ砦に戻らなきゃあ…」
頭をボリボリ掻きながらカイドウはボヤく。砦の上からここまで落下してきたというのに随分元気な事だ、ミラの予想通りカイドウはピンピンしている。
「砦にじゃとう…?彼処にはミラがおるはずじゃが…まさかキサマ、ミラにちょっかいをかける気か!」
「ミラ?アイツの名前はミラって言うのか。
ちょっかいじゃねえ、俺ァミラと結婚すんだよ!」
「んじゃとコラアアアアアッ!!!」
叫んだガープがカイドウに殴り掛かる、流石にカイドウもガープの攻撃は無視出来ないらしく腕をクロスさせてガードした。
「ミラと結婚…じゃと…?
巫山戯るなカイドウッ!ミラはワシの娘の様なもの…よりにもよってキサマなんぞにくれてやるものかァ!!死ねェッ!!」
「マジか!ジジイがミラの親だったんか!?
お義父さん、娘さんを俺に下さい!」
「お義父さんなどと気安く呼ぶなァ殺すぞ!ていうか殺すッ!!」
今日一番のガープ怒りの鉄拳がカイドウに降り掛かる、衝撃で古倉庫はバラバラに吹き飛んだ。
海賊時代を生き抜いた二人の戦闘は凄まじく、港の倉庫群を破壊しながら蛇竜そっちのけで街を吹き飛ばしていく。
そんな様子を上空から眺める狼とそれに乗る男女が4人。
「…なーにやってるんですの。」
『はやくこの子達つれていこ』
蛇竜も恐れて近寄らない程派手な戦闘を繰り広げる2人を避けてイルミーナ達は無事母親と子供2人を避難船へと送り届けることができましたとさ。
◆
「ボルサリーノ中将、ご報告致します!
先ほど倉庫街に様子を見に行ったガープ中将が戦闘を繰り広げており街に甚大な被害が…」
「ガープ中将が戦闘ォ〜?一体誰と戦ってるんだい?」
「そ、それが…確認した者の言が正しければ四皇カイドウとのことでして…。
何やら言い争いをした後ガープ中将が凄まじい剣幕で殴り掛かり戦闘に発展したと。」
「オォ〜カイドウとはまたけったいな…ミラちゃんに報復でもしに来たのかね。
まァ中将が出張ってるのならあっしらは護衛に専念しようかねェ、化物の相手は英雄の仕事だよォ。」
「はっ!!」
タダでさえ混戦を極めるこの戦場に四皇が現れたら一体どうなるかは火を見るより明らか、そう判断したボルサリーノはひとまず二人の戦いは静観する事に決めた。
ボルサリーノは暗雲渦巻くクモミ砦を見上げながら呟く。
「ミラちゃん派手にやってるねェ〜、後で隠蔽する爺様がたも大変だァ。」
◆
雷鳴轟き、黒炎が踊る、時折響く龍の咆哮が砦を揺らし震える空。
クモミ砦の頂上は最早人間の踏み入ることの出来ぬ地獄と化していた。
これが龍同士の戦い、決して人の踏み入れられない超常の風景が巻き起こっている。正直コレに割り込めるのはハンター位のものだろう、何度も言うが連中人間辞めてるし。
おっとまたブレス。口に炎を溜め、うち下ろす様に叩きつけた黒い炎の塊が着弾と同時に炸裂し地面を真っ黒に染め上げる。ちょっと熱いな。
思い切り翼をはためかせ炎ごと吹き飛ばしたら着地したグァンゾルムは突進の構えだ。そうはさせるかと俺も雷球ブレスを数発撃ち込む、直撃はしたもののあまり効果は無いみたい。
やっぱ雷槌クラスの大出力じゃないと甲殻を抜けないな、レムに頼んで…
『レム、少し本気を出す。「幕」を張れ。』
「任せて」
静かに頷いたレムが手を広げるとクモミ砦の周辺に白い煙が漂い始めた、やがてそれは砦全体を包み込むように伸びて薄く広い幕になる。
レムの凍結能力は最強の番人ドゥレムディラの力そのものだ。空気中の水分を瞬時に凍らせられ、全力を出せば自分でも制御不能になると言われる冷却機関を持つレムにかかれば爆発や衝撃で生じる空気の圧力すら凍る。あの白いモヤモヤの中を通ったら最後炎だろうが溶岩だろうが全部凍って砕け散る、だから幕の向う側には被害が出ない……筈だ。
これなら俺が雷槌を落としても大丈夫
『ご苦労レム…帝征龍、これで終いだ。
己が身の程を知り、世界を知るがいい…ッ!!』
背筋を伸ばし、角を光らせたその瞬間。天が瞬き特大の紅い落雷がグァンゾルムに降り注ぎ島全体が大きく揺れた。
悲鳴すらかき消す紅雷の嵐が容赦無くグァンゾルムの全身を焼いていく。
アレ?雷槌ってこんなにどぎつい技だっけ?せいぜいハンター消し飛ばす程度では?今までかっこつけて技名付けながら落としてたけど純粋な雷槌だとこんなに威力上がんの?つか名前変えた程度で威力変わんの?ああ、気分の問題か。
砦が壊れないのが不思議なくらいの衝撃がグァンゾルムを襲い、最早姿は完全に紅雷に呑み込まれた。
…こりゃレムのサポート無かったら島吹き飛んでたな、くわばらくわばら…
雷が止んで、舞い上がった粉塵も晴れてきた。
ハンターすら耐え切れず跡形もなく消滅させるフルパワー雷槌をモロに食らったグァンゾルムはまだ原型はとどめているもののかなりよろめいていて虫の息になっている、神々しかった翼の模様も煤けたり焼け焦げて穴が空く始末だ。
『ほう、雷槌を耐えたか…ん?』
グァンゾルムの全身が黒ずみボロボロと崩れ落ちていく。流石に帝征龍でも祖龍の力の前には為す術もなしか……このまま「サヨナラッ」とか言いながら爆発四散するのかと思っていたら様子が変だ。
崩れて灰の様に風に消えていくグァンゾルムの中から…人が…
しかも全裸!?
慌てて人の姿に戻り駆け寄る。
輝くような金髪の長い髪、シミ一つ無い綺麗な肌、紅黒に沈んだ深色の瞳に整った顔立ち、そんでもってぼいんぼいん…黄金律(肉体)EXのグラマラスぼでー。これに冠被せてドレスを着せればどっかの国のお姫様と言われても納得する。
ちっくしょう!俺の心が龍寄りじゃなかったら確実に見蕩れてる、むしろこんな美女の全裸を見てもなんとも思わない自分が憎い!
ハンコックの時もそうだったが俺はもう男として死んでるんやな…悲しみ…
いやそんなことよりこの娘何なの!?
食われてた?にしちゃ原型留めすぎだし崩れたグァンゾルムの中から出てきたって事は…
「ウガアアアアアアッ!!」
「えーーーーっ!?!?」
ぜ…全裸の女が突然噛み付いてきたアアアアアッ!?
「ちょっ…やめっ…ヤメロォおおおッ!?痛い痛い痛い痛いッ!」
見た目とは裏腹にバイオレンスな美女は俺の左腕にこれでもかと噛み付いてくる、祖龍の装甲貫通してる!痛い痛い!
数分格闘した後その女を振り払い、レムが溶けない氷で手枷足枷を嵌め拘束した。全裸で手足拘束とかどんな変態プレイだと思われるかもしれないがこっちは大真面目だよ。
「……で、この女は何?」
「分からん、グァンゾルムが死んだと思ったらこの女が出てきた。」
取り敢えず全裸は不味いからコートを着せた、それでも裸コートである。
世が世なら犯罪だ、具体的に言うと猥褻物陳列罪。
「何者なんだこの女は…」
「さっきまで
「……は?」
…
…
…
キァァァァシャベッタアアアアアアアッ!!!
◆
「お義父さん!俺ァ諦めねえからなぁ、ミラは俺のモンだァッ!!」
「義父さんと呼ぶな貴様ァッッッ!!!」
意味不明な会話を繰り広げながら四皇カイドウは海を泳いで逃げていきます。
先ほどまで街を壊しながら殴り合いを繰り広げていたお2人はひとしきり暴れ回った後、翼竜を全滅させた海軍側が増援部隊を送り旗色が悪いと踏んだのかカイドウは逃げ去って行きました。
……クロールでよくもまああんな速度出せますのね、泳げない身としてはちょっぴり尊敬しますわ。
あの男、破滅願望があるとかお姉様が仰っていましたが…随分生への執着がありますのね。
というかぁ、『ミラは俺のモン』って…何考えてますのあの愚物は。
お姉様は誰のものにもなりませんわ!ぷんぷん!
かくなるうえは実家に連絡して新世界にあるカイドウ支配下の島を攻め落とし……いえ、止めておきましょう。
昔ならともかく今の私は身も心もお姉様の所有物、身勝手な行動は喜ばれませんね。
さてさて、無事翼竜の群れは全滅。
お姉様の目論見通りボルサリーノ中将が対空砲台としてご存分に活躍してくださったので避難民やお姉様の部下達にも目立った被害なく護送の準備が整いました。
あとはお姉様とレムの帰りを待つだけ…なのですが。先程の稲光と背筋にゾクゾク来る刺激、これは紛れもなくお姉様が真のお力を発揮なされた証。
この地に巣食う〝龍〟とやらはそれ程のお相手という事なのでしょうか?
龍について私が知る事はあまり多くはありません、聡明なお祖母様なら幾らかご存知でしょうけど彼女の話す殆どは行き着いた先での冒険話でしたし…。
不死の呪いが付与される魔法の金貨、死者の宝箱、あの世とこの世の境に存在する浜、人を憎み喰らう海底の化物、海を割く海神の杖…お祖母様のお話はどれもとても興味深いものばかりでした。
などと懐かしさに浸っている間にお姉様とレムが帰っていらっしゃいましたね。そしてお姉様の腕の中には何故か枷を嵌められた金髪の女の姿が、何やらガミガミとお姉様に向かって怒鳴り散らしています。
「おいっ!離せ!自分で歩くから!」
「そ〜言って逃げる気だろう。お前は保護観察処分だ、私がしばらくこちらでの作法を教え込んでやる。」
「やなこった!
エギュラス!エギュラス共ォ!はやく助けろコノヤロー!」
「残念、蛇竜は全てワタシが凍らせた。生き残りはいない。」
「巫山戯んなあ!ホゴカンサツショブンって何なのか良く分からんけどすっげえ嫌な予感がする!はーなーせー!」
「お前のような勘のいい龍は嫌いだよ…。
大人しく付いてこい帝征龍…グァンゾルムも長いな、アンでいいか。」
「なにそれちょっと可愛い…じゃなくて!
どうやらあの女性はアンというお名前の様ですね、経緯は分かりませんがお姉様の取り巻きがまた一人増えるご様子です。
……お布団で寝るお姉様の隣に潜り込む者の倍率がまた上がりますわね。世はまさに大お姉様時代、仁義無き正妻戦争ですわ。
お姉様の左隣は誰にも譲りませんわよ(迫真)
◆
政府特殊工作部隊CP9 ラスキー著
政府特例『翼竜事件』経過報告書
場所 新世界「クモミ島」
・事件の顛末
本日未明、
海兵達の損害は0、途中乱入した四皇カイドウもガープ中将により撃退され避難民も生き残った700人あまりが無事に島を脱出した。
各種メディアにも「英雄ガープの新伝説」として大々的に宣伝を行い、◾◾の思惑通りこの一件は英雄の功績として記録に残される。
島民避難後のクモミ島は以後政府の管轄下に置かれ、特に島中央部に位置する「クモミ砦」は厳戒態勢にて進入禁止措置が行われる。
なお、避難した島民達には家族ごとに政府による保障が適応され、それぞれバラバラの島へ移住させ監視対象とする。この決定は◾◾の意図を汲んだ政府最高機関の決定でありこの結果は今後如何なる機関においても覆されることは無い。
・保護した◾◾◾についての処分
◾◾には劣るものの◾◾と同じく人知を超えた力を持つ存在であると海軍関係者より確認、◾◾の監視のもと『常識』を勉強中とのこと。政府に友好的でいるかは今後の経過によるものとなる、ひとまずは◾◾の庇護下にある限り危険度は低い。
追記:新しく与えられた愛称を大層気に入っている様子であった
以上、書面での報告を終了する。
……
……
……
「どう見る」
「どうもこうもあるまい、世界は一度救われた。他ならぬ祖龍の手によってな。」
「彼女にまた貸しを作ってしまったな、これも彼女の策略の内かね。」
「これで確認された龍は三名、全て発見できたのは彼女のお陰だ。我々はもう頭が上がらんな。」
「回収した生体サンプルはベガパンクに渡してある、早速パンクハザードにて実験を行うそうだ。
勿論人道的な範囲でだが…」
「あの男は優し過ぎるが…それならば彼女の逆鱗に触れる事は無いだろう。」
「万一にも悪用されぬよう、我々で厳重に管理せねば。
彼女との友好関係は保ちたい、純粋に1人の友人としてな?」
「違いない。」
世界を保つ5人の老人達はこの日、久方ぶりに心からの笑顔を見せた。
〜おまけ〜 ジンラミーの恋愛相談室
百獣海賊団 カイドウの船舶
「ジンラミーッ!!ジンラミーは何処だァッ!!」
「は、はいっ!ジンラミーは此処に、カイドウ様!」
「言われた通り白蛇に…ミラに想いを伝えてみたんだが…玉砕したぜ……うおおおおおおおんッッ何故だああああッ!」
「そ、そんな…カイドウ様の求婚を断るなんて…因みにカイドウ様。白蛇になんと言ってお近づきになろうとされたのですか?」
「ストレートに結婚してくれと言った!!」
「早いっ!?果てしなく気が早いですカイドウ様!
恋愛には〝えぃびぃしぃ〟というものがございます、まずはお友達から始めるのが寛容なのでは…?」
「
「で、では………そうだ!
古来より女性は強い男性に惹かれるもの、カイドウ様がもっと強くなり白蛇を超えるほどの実力を手に入れれば或いは…」
「ッ!!!それだァ〜〜ジンラミー!
そうすりゃミラも俺の事を見てくれる!
そうと決まりゃ早速手近な
「「「「ウオオオオオオオオオオッッ!!!」」」」
「(もしかして私は今、とんでもないことをカイドウ様に口走ってしまったのでは……)」
…………はい、超展開でした。
感想でもコメントで返しましたがこれ以降モンハンのモンスが出てくる事はありません。
元々主の大好きなモンスを擬人化してワンピースの世界で暴れさせるというコンセプトのもと始まった作品ですので…あまり多くのモンスを登場させるとミラの特別感が薄れますし、ワンピースの世界観がこわれてしまうので…(祖龍と帝征龍と天廊の番人がいる時点で手遅れな気もしますが)モンス登場を期待されていた皆様申し訳御座いません。
前書きにも書きましたが今後の更新や進捗は活動報告を使ってみようと思います、機能使うの下手なんでうまく出来るかな謎ですが。
次回、未定。多分七武海集めかな?