大海原の祖なる龍   作:残骸の獣

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今回、オリキャラが増えます。オリジナル悪魔の実が出ます。実史と時代背景が錯誤します。原作で死ぬキャラが救われます。

要はご都合主義展開が増えます、それでも良い方は祖龍のお話第5話をお楽しみ下さい。



5 祖龍(モドキ)、家族を増やす(意味深ではない)

''偉大なる航路(グランドライン)''とある島

 

 

「ハァッ…ハァッ……ッ!!」

 

 

息を切らしてジャングルの中を駆け抜ける、もう自分がどこを走っているかも分からない

 

 

「畜生ォ…痛ぇ…痛ぇよお…」

 

 

もう黒ずんで血すら出ない左手をタオルで抑えながら必死に痛みに耐える。

一体俺が何やったっていうんだ…

 

 

「何でこんなことに…」

 

 

「それはお前が招いた結末だろう、海賊よ」

 

 

不意に声がして立ち止まる、嘘だ。

俺はコイツから離れる為に反対側へ逃げた筈なのになんでコイツは俺の進行方向に居る!?

 

 

「ひぃッ!?許してくれ!許してくれ!

もう悪い事はしねえ、約束するから…」

 

 

「お前達は好きにしたんだろう?

なら私も好きにする、自由には責任が付き纏うものだ。それが償えないのなら………ここで死ね、海賊」

 

 

必死に懇願する俺をあの女は無感情な目で見ている、絶対零度の冷たい視線だ。もう俺に対する情なんて何処にも持ち合わせてないんだろう

 

 

「クソォ…クソォォォォッ!!」

 

 

破れかぶれになった俺は片手に持った剣で斬りかかった、筈だった

 

ボトリ

 

あれ?

 

おれの…うでが…おちて……

 

 

「うぎゃあああああああああああっ!!」

 

 

痛みと驚きで脳が震え視界が明滅を繰り返す、さっきまで俺が持っていた剣は握っていた腕ごと斬り落とされ断面からは真っ赤な血が吹き出してた

 

 

「痛ぇ!痛ぇ!ああああああああっ!!!」

 

 

「…ハァ、喧しいな」

 

 

ドスン、と続けて俺の胸に何かが刺さった。直ぐにそれが何か理解できた

目の前の女が持っていた軍刀が俺の胸を貫通したのだ

 

 

「がっ…ごっ…がごぼ…」

 

突き刺さった軍刀を軸に身体を持ち上げられ、足が地面につかなくなった。

宙ぶらりんの身体を激痛が襲う

肺を突き破られたことによって口から血が逆流し吐血した

 

痛い…痛い…痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!

たすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけて

 

 

「し、し''に…た''く''……な……」

 

 

自分が海賊だったことも忘れ、死にたくない一心で懇願し続けた。

声になっていない筈なのに俺を刺した女は静かにこう告げる

 

 

「もういい、死ね」

 

 

突き立てられた軍刀からゴリッという嫌な音がして、俺は意識を手放した

 

 

 

 

「手間がかかる奴等め」

 

 

ミラは男に刺した軍刀を勢いよく引き抜き血を払う、辺りに返り血が飛び散って彼女の頬にもかかってしまった

 

 

「見聞色…は反応なし、こいつで最後か」

 

目を閉じ、見聞色の覇気で島全体を確認して残党がいないことを確信したミラはハァ…と大きな溜息を吐く。

ガープ中将の命令で近隣の島に滞在することになり、中将の居ない間島の警備を任されていたミラ。

平和な島だと聞いていた矢先に海賊の襲撃に会い、海兵達が混乱する中見事これを鎮圧した。

しかし鎮圧=殺害と考えているミラは船長を含む海賊50名を全て殺害し森へ逃げた残党達を追っていたのだ

 

 

「ままならんなあ…」

 

 

「ミラ少佐!ご無事ですか!?」

 

後から遅れてミラの元に現れたのは、彼女と共に島の防衛を任されたガープの部下達だ。

常人には真似出来ない速度で移動するミラに追いつくのは至難の業だ。皆息切れが酷い

 

「私が木っ端海賊風情にやられると思ったかポルポ軍曹、中将が帰ってくるまでに死体を片しておいてくれ」

 

 

「はッ!!ミラ少佐、お顔に返り血が…」

 

 

「ん?ああ、これ位後で拭くよ。頼んだぞ」

 

そう言い残してミラは手元にあった手配書に大きくバツを付けた、手配書には凶悪そうな顔をした男の写真と名前。それから懸賞金額が打ち出されている

 

 

「二億三千万ベリー、『殴殺のディアブロ』…。

億超えの海賊故、もう少し骨が有ると思ったが…さして手間は掛からなかったな、新世界帰りとは言え所詮こんなものか」

 

 

正直ミラはこの1ヶ月ほど、襲ってくる海賊があまりにも志低く毛ほどの誇りしか持ち合わせていないことに落胆していた。

やはり己の理想を掲げ、まだ見ぬ夢を追いかける為に海賊となった者はごく一部しか居ない、こんな連中は海賊の名を借りた只の野盗だ。

日本のように法律に縛られず誰もが自由に自分の人生を選択できるONE PIECEの世界、その中で様々な理由があって海賊になる者がいる。それもいいだろう。

だが自由にかまけて他者を侵すのはお門違いである、その癖追い詰められたら必死で赦しを乞うとは…

 

 

「…阿呆共が」

 

 

キャプテンであるディアブロの首を一瞬で斬り落してしまったことによって戦意を失い散り散りに逃げて行った残党達を追って島中を駆け回り、ミラは海賊達を駆逐していった。

くだらない。自分が殺した海賊達を眺めながら心底そう思う。

 

「(楽しくない…最近楽しくないなあ……まあいい、街の警備隊の元まで戻るとするか)」

 

軍刀に着いた血を振り払ってミラは住人達を安心させるため街へ向かおうとした

 

 

 

ハイ終わり、これでこの島は安全だろう。

それにしても大したことなかったなーディアブロ。

2億超えとか言われてたからちょっと期待してたんだが…ぶっちゃけロンズ准将やドーベルマン少将の方がパワーがあったし斬撃も通らんし、何より一太刀で首が飛ぶとか脆い脆い。首は人体の急所だぞ?しっかり武装色で守らんでどうするよ。

 

ちゃんと投降勧告もして気持ちを切り替えるチャンスもあげたし俺にはなんの非もないからな。見た目が女と侮ったアイツらが悪い!

 

そういえば俺が持ってる島から唯一持ち出したこの軍刀、海軍の詳しい人に調べてもらったら結構な価値のある軍刀だったらしい。どーでもいいけど

 

名を『陽炎』、まんま名前がテオの太刀と同じだった。

程よい長さで使い易いしこれからも使っていこうと思う

 

最近海賊討伐ばかりで殺伐としてるし心の癒しが欲しいなあ…犬とか飼うか…海軍本部にペットショップとかあったっけ?

考えているとお腹が鳴ってきたし取り敢えず街へ戻って飯にするかな。

浜辺のレストランで作ってるパエリアが結構美味しそうだったんだ

 

 

 

 

 

その後ろ姿を眺めていたポルポ軍曹。

彼はミラがガープ中将の船に配属された時から彼女に仕えており、彼女の戦いぶりを間近で何度も見てきた。

 

ミラは美しい将官だった、そして相当な実力者でもある。真っ白な髪に赤色の瞳、そして緋色の軍刀を用いて戦う様子は海賊達を震えさせ、海兵達に勇気を与えてきた。

本人は気づいていないだろうが海賊共の中でミラは「絶対に出会いたくない海軍将校」の中でも五本の指に入っていることだろう。

そんなミラをポルポは尊敬していたが同時に僅かながらの恐怖も感じている。ミラは海賊に容赦が無い、単騎で何人もの海賊の中へ飛び込みその度に皆殺しにして帰ってくる彼女の姿は尊敬されると同時に味方からも僅かながら畏怖の対象になっていた。

 

ミラとしては長い龍生活の間、襲ってくる海賊達に一度は人の姿で警告し、無視された場合は殲滅するという手段を取ってきた。

それは海兵になっても変わらず、海賊相手でも毎回1度は必ず投降勧告を下し聞き分けられなければ全滅させる。

警告の無視=殺害という常識がミラの中では成り立っており、それに従って行動しているだけであったが、海賊を捕らえ法の裁きを受けさせることを目的とした海軍の考え方とは微妙にズレている。

 

それにポルポ軍曹は恐怖を感じていた

 

考え方としてはサカズキ寄りの思想の海兵だと思われている。

『徹底的な正義』を掲げる彼は海賊ならば殺しも容赦しない、そんな彼とミラが重なって見えていた

 

 

その時、軍曹の電伝虫が鳴り響く

 

 

「私だ。……何?巨大な狼が現れた?

分かった、詳しい情報を聞かせろ。ミラ少佐もいらっしゃる、スグにそっちへ行く!

ミラ少佐!ミラ少佐!海賊共の残党を狩るために山へ入った別働隊から報告が!」

 

 

「ん?詳しく聞かせろ」

 

 

「はい、実は…」

 

 

 

…………………

 

 

◆銀狼襲来◆

 

 

 

俺は別働隊に合流する為に森を駆けていた、なんでもでかい狼が出たらしい。

とんでもなく強くて相手取るのに苦労しているとか、幸い被害は報告ではされていないけど部下が死ぬのは不味いしガープ中将に報告する事が増える。めんどい。

 

森の中を月歩と剃(雷速アレンジVer)を併用しながら縫うようにジャングルを走り抜ける、そして広い場所に出たと思ったらそこには大きな獣に悪戦苦闘する部下達の姿が。

 

……大きいな

黄色い瞳に銀色の綺麗な体毛、鋭い牙、脚には鎖が絡まっているようにも見える。

あれ?祖龍の霊眼(能力者センサー)が反応してる…こいつまさか…

 

その時、狼が一層大きく吠えた。

口の周りに周囲の風が集まっていくのがわかる

 

 

「これは…ッ!!」

 

 

慌てて部下と狼の間に飛び込み、軍刀をいつでも抜けるように手をかける。

その刹那、狼の口から空気の塊がブレスとなって撃ち出された!

 

 

「…ちッ!!」

 

 

こちらに向かって真っ直ぐ飛んでくる空気の塊、俺は腰の軍刀を居合切りの要領で抜き払い縦に一刀両断した。

別れたブレスはそのまま左右の木々を薙ぎ倒し、細切れに切り刻んでいく。

 

 

「鎌鼬ブレスって所か…

おい、被害は?」

 

 

「はいっ!軽傷者が3人ほど、先程街へ逃がしました!」

 

 

「分かった、お前達も早く下山しろ。

コイツは私がやる」

 

 

「で…ですがミラ少佐…!」

 

 

「さっさと行け阿呆、巻き添えを食うぞ…?」

 

バチバチっと俺の周囲に赤い電気が走る、ちょっと楽しくなってきて漏れちゃった。てへっ

 

 

「了解しました、ご武運を…!」

 

 

そう言い残して部下達は足早に下山していった。

そして俺と狼だけがこの場に残される

 

 

「…さて、ナワバリに入ったからか?それとも単に腹が減ったからか?

私の部下を食うなど、()()()()()()()()()()()()…」

 

 

ヴヴヴゥ…

 

 

こちらを睨みつける狼。

あ、これ後者だ。空腹で前見えてないや。

丁度ペットが欲しいと思ってたし…こいつを飼い慣らしてやろう

 

 

「決めた、お前を私のモノにする!

覚悟しろ能力者!」

 

ヴオオオオオオオッ!!

 

 

遠吠えとともに襲い来る狼、剣は不味いな。拳で語り合おうか!

 

 

 

 

 

 

声がする 声がする 小さな声

 

わたしが産まれたことを呪う声、悪魔の子だと揶揄する話し声

 

そしてわたしの手を引いて森の奥へと連れていく大人達

 

いやだ、いやだ、わたしをすてないで

 

伸ばした手は空を切り、気づいた時にはあたり一面が真っ赤に染まってて

 

わたしは一人月を見上げていた

 

口の中が鉄臭い、後でお水で洗わなきゃ

 

()()()()で歩き出したわたしはふと考える

 

わたしは…だれだっけ……?

 

 

……………………

 

 

 

「…………………ぅ」

 

 

目を開けるとそこは知らない景色だった、おそらが見えない。ここはどこ?

しかくい…箱の中?

私はふかふかのお布団で横になっていた

 

左を向くとおそとが見える、お水がいっぱい動いてた。

 

「……おそと…」

 

 

手を伸ばす、コツンと何かにぶつかった。

ふしぎ、おそとが見えるのにこれ以上手を伸ばせない。透明な何かがあって向こうへ行けない

 

 

「それはガラスだよ、やっと起きたな」

 

 

不思議に思いながらぺたぺた触っていると後ろから突然声がした、慌てて振り返る。

 

 

髪の長い女の人だった、目は綺麗な赤色で私に向かって笑ってる

 

 

「飯を持ってきた、食うか?」

 

 

差し出されたお肉に鼻を近づけ…あいたっ!?

 

鼻先をぶつけてしまった…

 

 

「おいおい、慌てるな。臭いを嗅がなくても毒なんか入ってないよ」

 

 

そういって赤い目のひとは笑ってる。

 

あれ?なんだか身体のぐあいがいつもと違う…距離感が…掴めない…

 

違和感を感じて自分の前足を見た、つもりだった。いつも見てる前足じゃない…毛がなくなってて…はだいろで…

 

 

「……あぅ…うあ…!?」

 

 

鳴き声もなんか変だ、わたしはこんなに高い声をしていたっけ…?

 

 

「随分長い間変身していたらしいな。

この様子だと話せるようになるのはもう少し先か…」

 

 

突然その人がわたしの頭を撫でだした

 

 

「ッ!?」

 

 

驚いて思わず噛み付いてしまった、でもその人は痛がる様子もなく優しい目をしながらわたしを撫で続ける

 

 

「よしよし、ここはもう安全だぞ。

お前はもう私のモノだ」

 

 

……あったかくてきもちいい…

 

 

噛むのをやめ、だんだん眠くなってその人の膝に頭を乗せてわたしは再び眠りについた

 

 

 

 

 

 

「ミラ、おるかの?あの娘はどうなった」

 

 

「ガープ中将、お静かに。今眠ったところです」

 

 

再三の注意の成果なのか、ゆっくり扉を開け入ってきたガープ中将に諭しながら膝の上で寝てしまった女の子の頭を撫で続ける。

 

可愛い…ドチャクソ可愛い…

 

歳は5歳くらいかな、銀色のふわっとした髪に狼の耳、そして銀色の大きな尻尾。触ると温かいしピコピコ動く、飾りではなくモノホンのケモミミだ

 

…そう、この子さっきの狼です。

 

あの後殴りあって気絶させたらこの女の子の姿になりました。

おそらくこっちが本来の姿なんだろう、動物系の能力者なら納得がいく。

 

耳と尻尾は実を食べた副作用かな、悪魔の実グッジョブ!

 

こんなにモフモフでフワフワの可愛い幼女がいたら保護するしか無いでしょう!しないなんておかしいと思いませんか、あなた!?

 

 

そんな訳でこのケモミミ幼女を保護しようと決心したわけだ

 

 

「はあ〜可愛いなぁ…」

 

 

「お前今の自分の顔を鏡で見てみい、とんでもなく緩んだ表情しとるぞ」

 

 

え?しーらなーい!

 

 

「コホン…ガープ中将、この子は動物系(ゾオン)の能力者です。おそらくイヌイヌの実系列でしょう、それもかなり珍しいタイプの。」

 

 

「じゃな、こんなに幼い内に実を食うたのか。どんな目にあったのかは想像がつく」

 

 

苦い顔をするガープ中将、小さな時から悪魔の実を気付かずに食べてしまったら周囲からどんな扱いを受けるか想像に難くない。動物系や超人系(パラミシア)のエグいやつは特にバケモノ扱いされるだろうな

 

 

「その娘、どうするミラ。身元を調べて島まで送ろうか」

 

 

「いえ、この子は捨てられたのでしょう。なら故郷へ返してもどうなるか結果が見える。

私が引き取ります、ステラも居ますし養うのも難しくない。」

 

 

「まあオヌシの稼ぎなら2人養うのも問題無いと思うが…よかろう。

それもオヌシの『正義』なんじゃな」

 

 

「そう言ってくれると有難い」

 

 

この子はウチに連れて帰りますからね!と断固とした決意を示した。

ステラちゃんもいるからな、2人で面倒見よう

 

 

ステラちゃんはうちに住む元奴隷の女の子だ。

天竜人に捨てられボロボロになってさまよっていた所をたまたまシャボンディ諸島で仕事をしていた俺が助けた。それ以来本部の自宅でハウスキーパーをやって貰っている。

お隣のゼファー先生の奥さんとも仲がいいようだ

 

奴隷になる前は恋人が居て彼と再会するのが目標らしく、最近はマリンフォード内のレストランで働いてお金を貯めている

 

いい目標だ、やはり人が努力する姿は美しい

 

因みに背中の奴隷の跡は上から昇り龍の焼印を入れさせることによって上書きした、奴隷の証なんて嫌だもんな

 

 

「じゃあこの娘はミラに任せる。

その子も懐いておるようじゃしの」

 

 

「くはは、そう言ってくれると嬉しい。

コング元帥に書類を申請しないとな」

 

 

ペットは諦めるか…でも俺が引き取るから家族が増えるな

 

 

やったねミラ、家族が増えるよ!

 

 

ぐぎゅうううううう…

 

 

凄い大きな音がした、俺とガープ中将はそれがこの子のお腹の音だと気づいてお互いに顔を見合わせて笑い合った

 

 

 

 

 

 

「んぐ…あむ……モグモグ…おかわり」

 

 

目の間で大量の食べ物が次々と無くなっていく

 

此処はガープ中将の船の食堂、今しがた起きた狼幼女がお腹がすいたと言ったので持ってきた食事を与えたんだがそれでも足りないらしく、ガープ中将の許可も得て船内食堂で直接食事を取っている。

 

この幼女、バクバク食う。ガンガン食う。容赦なく食う!

そのちっさい体の何処に入ってんだ!?

 

 

「腹は膨れたか?」

 

 

「むぐむぐ…ごくん………けぷっ…ん、まんたん」

 

 

周囲がドン引きするスピードで幼女は大皿に盛られた肉を流し込むように飲み込んだ後、狼幼女はコクリと頷いた

 

 

「よし、じゃあ改めて自己紹介といこう。

私はミラ、海兵だ。そして隣にいるのが私の上司、ガープ中将」

 

 

「宜しくなァお嬢ちゃん」

 

 

幼女は俺とガープ中将を交互に眺めた後、テーブルの下へ潜り込み俺の膝までやってきてちょこんと座る。

成程、此処が自分の定位置という訳か…

 

頭を撫でてやると幼女は気持ちよさそうに尻尾を振った

 

「ん……//」

 

 

「よしよし、じゃあお前の名前を教えてくれないか」

 

 

「なまえ……?…………いるみぃな、たぶん」

 

 

「イルミーナか、いい名だ。

なあイルミーナ、私のモノにならないか?」

 

 

「みらのもの?」

 

首を傾げ俺を見上げるイルミーナたん。

辞めてくれ、その角度は俺に効く(マダ〇並感)

 

 

「ああ、お前と私はペットとご主人…いや違うな、家族になるんだ」

 

 

「かぞく…」

 

 

「そう家族、私はお前の面倒を見てやる。お前は私とずっと一緒に居てくれ」

 

 

「…みらはかぞく、ずっといっしょ…

わかった、みら。」

 

 

少し考え込んだ後、一層強く俺の身体を抱き締めてくる。

 

 

「ずっといっしょにいてね、わたしをすてないでね…」

 

 

「勿論だとも」

 

 

必死に抱き着き胸に顔を埋めにくる所をみると、やはりイルミーナにも思い出したくないような辛い過去があったんだろう。多くは語るまい

イルミーナが食べた悪魔の実の事とか聞きたいことは山ほどあるが、今はそっとしておこう

 

ガープ中将はウンウンと頷きながら笑ってる。手続きとかが面倒だけど何とかなるだろ!

 

 

狼幼女イルミーナが仲間になったよ

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

ガープ

「イルミーナ、ワシがじぃじじゃよ!

ホレ!ワシの胸にも飛び込んでおいで!」

 

 

イルミーナ

「………や、じぃじおヒゲがジョリジョリする」

 

 

ガープ

「ドグッハァッッッ!!!?」吐血

 

 

取巻きの部下達

「「「「「「ミラ少佐と戦った時よりダメージ受けてるーーーーッッッ!?!?」」」」」」

 

 




ミラはサカズキまではいかずとも志を持たない海賊に容赦がありません、身内にはとことん甘いです。


時代錯誤について
◆イルミーナを仲間にした時間軸で原作では既にゼファーの家族は殺されていて、ステラはテゾーロと共に奴隷にされマリージョアに居ます。
ステラは今後テゾーロとミラを絡ませるために助けました、彼が出てくるのはまだ先の方ですが…。ゼファーの家族の件についてはミラが新世界の無人島で海賊達を無意識に狩っていた中に偶然ゼファーに復讐しようとする奴も混じっていてミラに殺されたため、家族はまだ無事だと解釈してください(圧倒的ご都合主義)

なおまだまだ原作過去を引っ掻き回す予定

次回、幼女の社会科見学

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