連載版 僕のヒーローアカデミア~希望の娘と絶望の転生者~ 作:アゲイン
父、先方と話す
そんな二十七話でございます
祝、20000ua突破
今後ともよろしくお願いします
「ふむ。やはりドラマな展開にはポップコーンだね」
やあ、画面の前の皆様。早い再開を祝うべきかな。
どうも、希望ヶ峰 絶です。
私は今椅子に座りながら画面を見ながらブログの更新をしながらポップコーンを食べているよ。ちなみに味は当校オリジナルのピザソースだよ。これがなかなかイけるんだ。
雄英に送り込んだ三人の戦う様子がディスプレイの上で踊っている。いい感じでやってくれているようでなによりだ。
この映像を撮しているのは超小型なあいつを目指し、ついに完成した六番目の存在。
そう、『モノチッチ』である。
原作プレイ時からこいつズルいわー、と思っていたんだが実際手に入れてみると無茶苦茶便利なんだわ。
一応通信を辿られる可能性はあるけれど、まず視認できないこいつの存在に気づくかどうかといったところがある。この超人社会ではどんな個性があるか把握しきれないところがあるからね。
まあ今回は試運転みたいなところがあるし、気楽に行こうじゃないか。
そんなことより娘だよ、娘!
「よいね。実によい」
相手をしている宮造君もよく分かっているじゃないか。一手一手を確認するように、打ち出させてはいなし攻めては防がせ、どのように対処するかをこちらに見せてくれる。私の意図を十分に汲んでくれていて、いやほんと、後で何かしてあげないとね。
「ところでどうだい。そっちの生徒は?」
『まずまずといったところかな』
私の呼び掛けに応えたのは別のディスプレイに映る像。動きはなく、瞳すらないその男はその風貌に関わらず軽い調子であった。
オール・フォー・ワン
AFOとか略されていたりする、私とキャラ被りしている奴だ。
こいつとは敵になる以前にちょっとした出会いがあって、そこから細々とした関係が続いていたりする。
『しかし驚いたよ。君の方からこんなことを提案してくるとはね』
「こういう襲撃は何回も続けてはインパクトがなくなってしまうだろ? 実践研修にも丁度よかったし、まあ乗っからせてもらったわけさ」
そういえばこいつ一人称も『私』なんだよな。そういうところも被ってるもんだから私がキャラパクしてるって某所で言われてるんだぞ? ちょっとは気を使ってほしいもんだ。
「あんなのが後継者かい? ちょっともの足りないとは思わないのかい?」
『彼だからこそ、私の意思を継ぐに相応しい人材なのさ』
「わからないなー。そんなに重要かい。オールマイトが」
『因縁とはそういうものさ』
「そのための教育というわけか」
死柄木 弔のプロフィールが脳裏によぎる。たしかに因縁と言えば因縁だが、ヒーローのせいにするよりもっと健全に恨む対象があるだろうに。
「ヒーローとて、敵とて人間なのになあ。なにをそんなに理想を追うかね。私はそういうのは卒業したんだが」
『君の考えは独特だからね』
「あれだね。社会が悪いよ。こんな社会にした一般人どもがどれだけ害悪か。そのせいでこんなおじさんに要らん戦力を持たせることになる」
悪の受け皿が敵というグループであるのなら、弱者の受け皿こそが才改学園と言えるだろう。
力を持たないマイノリティがあまりにも割を食う世界だ。なのに世界は、社会は、民衆は、なんの問題もないみたいにこの地上で生きている。
世間の注目はいつだってヒーローに関わることだ。派手で、気持ちのいい勧善懲悪を望み、そうでなければ手のひらを翻して罵倒する。
見向きもされない、社会的な弱者のことなど、どうでもいいのだろう。
「なあ、キャラパクリ」
『それは君のことだろう』
「お前の意思じゃ、無理だぜ」
ディスプレイの向こうにいるこいつの目指す、打倒ヒーローの考え方では、けして勝てはしないだろう。ヒーローに勝てても、民衆には勝てない。あいつらがいる限り、ヒーローって奴は立ち上がる。
それを見た者たちの中から、その背中に続いていく人間が現れる。
「私は倒さない。私は消す。その存在の意味と理由を」
ヒーローの存在が社会を守るのなら、その社会を作るものたちが持つ罪を、公にしてやろう。
守る価値が、本当に存在しているのか。
守られる権利が、本当にあるのか。
それを私が、世界に問いかけようじゃないか。
これはそのために必要な、第一歩だ。
無造作に、無遠慮に、慈悲なく情けなしで、存分にやってやろう。
さあ、娘よ。
ああ、愛しい娘よ。
私が与えるこの試練こそが愛情なのだと、言葉なくとも伝わるだろう。
まずは身近な者たちを守ってみせてくれ。その結果が彼らの未来を決めることになるのだから。
そういった存在になることを望んだお前には、その責任があるんだからね。
読了ありがとうございました
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