連載版 僕のヒーローアカデミア~希望の娘と絶望の転生者~   作:アゲイン

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どうもアゲインと申します

娘の元に集まる者たち
そんな三十四話でございます

活動報告のほうで記念企画の報告のようなものをあげています
どなたでも書き込んでいただいて構いませんので気が向いたらどうかよろしくお願いします


立ち向かう不揃いな者たち

「まず状況教えてくれないかな?」

 

 初めに冷静になったのはもじゃ髪君こと緑谷君だった。目の前の状況を知ろうと真剣な眼差しで見つめてくる。

 

「電飾、牽制お願い」

「指図すんじゃねぇ!!」

 

 話すにしても脳無を無視することはできない。さっき蒸発した右腕がもう再生を終えようとしている。

 伊留御もそれはわかっているので悪態をつきながらも攻撃の手を止めない。次々と光線を放ってはいるが脳無の表皮を溶かすことしかできていない。

 

「ちっ!!」

 

 それでも何度も打ち込んでは少しでも足止めになるようにしている。こちらも早く情報を伝えなくては。

 

「あの異形はどうやら複数の個性を持っているみたい」

「複数!? 複合型じゃなくて!?」

「疑問は後、とにかく聞いて。あいつは敵の主犯の指示で動いてる。今見てる通りの回復力とわたしをなんか目じゃない怪力を持っている。それにたぶん、打撃に対してもかなりの耐性を持ってると見ていいかも」

「打撃に耐性・・・だから僕の攻撃が効かなかったのか・・・・・・!」

「相手ボスが言っていたこともあながち嘘じゃないみたい。対オールマイトは伊達じゃないってこと」

 

 わたしが知りえる情報を短く的確に伝えていく。それを頭で整理しているのか小さくブツブツとその内容を漏らしている緑谷君を視界の端に納めながら、脳無の様子を伺う。

 

「まだいけそう?」

「話しかけんな! 気が散るんだよ!!」

 

 強気な言葉で返してくるが余裕があるわけではない。もうすでに腕の修復は完了し、今はじりじりとこちらに近寄ってきている。呆れた耐久力だ。

 

「無事か!」

 

 そんなわたしたちに相澤先生も合流した。

 四人。

 正直少ないとしか言えない。

 

 緑谷君では打撃が効かず。

 伊留御では削りきれない。

 先生は言わずもがな。疲労もある。

 わたしに至っては機動力を大幅に削がれて足手まといだ。

 

 

「・・・・・・これならいけるかもしれない」

 

 

 それでも、どうにかするのがヒーローだ。

 

 

「先生も、僕の案を聞いてください」

 

 覚悟を決めた表情で、目の前の脅威に真っ直ぐに立ち向かおうとするその姿。やはり、他の人とは違った資質をこの少年から感じる。それを相澤先生も感じたのだろう、本来は諌める立場にありながらも彼は聞く姿勢を見せている。

 

「伊留御君も!!」

「勝手にやってろ! 手一杯だ!!」

 

 伊留御は牽制に集中していてそれどころではないみたいだ。わたしも、できることをしよう。

 

 

◆ 

 

 

「----って、感じなんだけど」 

 

 短い説明によって、わたしたちの行動は決まった。後は実行あるのみだ。

 

「わかった」

「駄目なら時間稼ぎに速攻で移るからな」

「何でもいいから早くしろ!!」

 

 各々の了承の声に、緑谷君は作戦の決行を合図する。

 

「じゃあ、お願いします!!」

 

 そして、相澤先生と緑谷君は脳無へと駆けていく。伊留御のサポートを受けながら、脳無の腕の振りに当たらないようにして的を絞らせないようにしている。

 

「電飾」

「伊留御だ無愛想女!!」

 

 それを見ながら準備を進めるわたしは、横にいるこの男に話しかけていた。

 

「あなたはこんなことするタイプじゃないと思っていた」

「なんだとこらぁ!!」

 

 残っているユニットを選別しながら徐々に展開していく。形成するのは入学試験の時に使用した兵器だ。

 でも展開速度が遅すぎる、破損した箇所が悪かったみたい。

 

「でも」

 

 相変わらずこいつのことはわからない。

 いきなり喧嘩を仕掛けてきたかと思えば、訳のわからないことを話すし。

 折れたと思っていた精神も、そこまでではなく仕返しを考えるくらいだ。

 正直嫌いなやつだけど、それでも言わなきゃいけないことはある。

 

 

「助けてくれて、ありがとう」

 

 

 そう、救われたのは事実なのだ。ならば、その礼をしなくてはいけない。命の借りを返せないような女ではないのだ。

 

「・・・・・・」

 

 む、返答はなしかこの野郎。折角わたしが過去のあれこれを無視して礼を言ったのにそんな対応をとるとは。なんという奴だろうか!

 

「・・・・・・くそ、見惚れたってか?」

 

 生憎プリプリと怒るわたしには、その言葉は耳に入らなかった。

 それよりも今は作戦を進行することで頭がいっぱいだったので、聞こえなかったというべきか。

 攻撃の頻度があがった伊留御をいぶかしみつつ、わたしは砲身の形成に集中するのだった。 




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