連載版 僕のヒーローアカデミア~希望の娘と絶望の転生者~ 作:アゲイン
思いもよらないところから
そんな四十二話でございます
前話で書かなくてはいけない内容があったのですが、つい忘れていました
一応話の流れが変わることはないのですが書き加え部分がありますのでご注意ください
申し訳ありませんでした
塚内警部との情報交換を終えたオールマイトたちは警察署から退散し、昼食をとるために近くの軽食店に来ていた。
「相澤君はこういったところには来るほうかい?」
「いや、自分はあまり」
「そ、そうかい」
襲撃が終わってから、相澤は終止暗い顔でいる。原因は生徒を守りきれなかった責任感によるものだろう。
オールマイトはそれをどうにかしようといろいろ声を掛けてはいるが、思うような効果は出ていない。
そんな空気でいればおのずと店員の対応も固いものとなってしまうので、店内の雰囲気は一気に悪いものに変わっていってしまう。
その時だ。
「すまないが、こちらにどうだろうか?」
二人の様子を見かねたのだろう、そう声を掛けてくる人物がいた。奥のボックス席にいるその人物は相席を申し出てきており、これ幸いとばかりに彼らのところへと向かうのだった。
「いや、申し訳あr」
配慮に感謝して礼を述べようとしたオールマイトだったが、相澤とともにその顔を確認した瞬間、戦闘態勢に思考を移すこととなった。
しかし、店内という環境が手を出すことをさせない。一般人がこうも多くては被害が広がるのは目に見えている。
目の前に、あの男がいるというのに!!
「いやいや、食事時に周りに配慮するのは当たり前さ」
あまりに、大胆不敵。
まったくと言っていいほど姿を隠す気がない!
自分達というヒーローを前にして欠片も揺るがない精神力!
この男は、この男は・・・!!
「モノクローム・・・!!」
「Exactly(その通りでございます) 」
渦中の男、モノクローム。
正義の対極にいる男が、なんの脈絡もなく、姿を現していた。
◆
しぶしぶ席に着いた二人は悠々と食事をするその男を視界に納めている。どう見たって無防備でありながら手を出させない環境でもって自らの身を守っている。
「なにか食べるかね? なんだったら奢るぞ」
「・・・ふざけたことを・・・・・・!」
生徒に被害をもたらした敵の首領の物言いは完全にこちらを煽っていた。それはもう全力である。
「おいおい。おいおいおい。ふざけているだってそりゃそうだろうこんな機会はそうそうないんだ! あの雄英教師が二人もいるのに手も足も出ないんだぞ? これほど面白いことはない!」
「ぐっ・・・!」
歯を噛み締めて悔しがる相澤とは対照的にオールマイトは静かなものだった。その理由はモノクローム、希望ヶ峰 絶の隣にいる人物にあった。
隣の喧騒を意に介することなく静かに食事を続けている男性。年の方はよくわからない。短い黒髪を撫で付けていて眼鏡を掛けている。服装は喪服で上下を固めている。
縁起の悪い装いの男だが、どうにもこう、見覚えがあるようなないような。
「オールマイト。彼はシャイだから余り見つめないでくれよ? なんたって最近まで引きこもりだったんだからね」
「・・・・・・好きでやっていた訳じゃないさ」
「それにしてはベットの上で随分な暮らしをしていたじゃないか」
どうにも友好的、という訳ではないようだ。そのやり取りからは少なからず両者の間に壁のようなものを感じる。
「・・・彼も、お前の組織の人間か?」
「どうやらその目は節穴のようだ」
オールマイトは絶にそう聞いたつもりだったが、応えたのは喪服の男だった。
不機嫌な表情を隠すことなくこちらを睨み付ける。その眼光は嫌がおうにも威圧されてしまう、そんな迫力があった。
「テンションが高まったこの男に連れ出されたのさ。迷惑しているんだ、こちらは」
「外食なんて何年ぶりだと思っているんだ。外の光を浴びなきゃ苔が生えちまうぜ。それにテンションだって上がるに決まってんだろ?だって娘の成長はこの世の何よりも喜ばしいことじゃあないか!!」
あ^~こころがぴょんぴょんするんじゃ^~。
店の迷惑を考えてか絶の声は小さいものだったが、それに引き換え気持ち悪い動きをしていた。
というより、聞きたいのはそんなことではない。
「答えろ、絶。何を企んでいる」
「モノクロームだ。二度と、お前がその名で私を呼ぶな」
瞬時に表情を強ばらせ、強い拒絶の言葉を放つかつての友。
「希望ヶ峰でも神倉でもない。今、この私はモノクロームだ。その私に、敵に対する態度がそれか? 腑抜けたなオールマイト」
目の前の男は、殊更に覚悟を問う。
燃え盛るかのように錯覚するほど、その瞳には憎悪が膨らんでいた。
そうだった、これなのだ。
この男の一番注意しなければならないのは、この状態になってからだった。
「いいだろう。気分のいい私はお前のそのなまっちょろい正義感に乗ってやろうじゃないか」
そして彼が懐から取り出したのは、なんの変哲もないトランプの束だ。
「賭けをしようじゃないか。ポーカー、一発勝負。私が賭けるのは我々に関わる情報を一つだ」
「・・・わかった。私は何を賭ければいい?」
「グッド。それならはこうしよう。
お前の後継者の情報だ」
!!
内心、ぐさりと来た。
どこまでも、どこまでも見透かす男だ。こいつは。
何よりもそこを突いてくるか、この私の。
だが。
「待て。それなら俺がやる」
「っ!?」
決意した私の横から、相澤君が名乗りをあげた。
どういうことだ。これは私とこいつとの。
「オールマイト。あなたとこいつじゃ相性が悪いはずだ。過去にいろいろあったあなたでは、余計な感情が邪魔をするかもしれない」
「しかし」
「構わないぜ」
相澤君の提案をこいつはあっさりと許可した。
「だが、さすがにそれじゃあ情報はやれないな」
「敵が出す情報が正しいとでも?」
「私はそうだが?」
いや、正直君の方が相性悪そうなんだけど。
という感情があったが、もうすでに入り込めそうになくなっていた。
そしてぐだぐだのまま、勝負が始まるのだった。
読了ありがとうございました
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