連載版 僕のヒーローアカデミア~希望の娘と絶望の転生者~ 作:アゲイン
何故に爆豪?
そんな五十一話でございます
今回はパッと浮かんだ設定でSS書いたのもあげてます
あとで前章のところに移動させます
ひと足先に訓練場にきた三人は、体をほぐしつつ今日の訓練メニューの確認をしていた。
さて、画面の前の皆様も気になっていることだろう。
何故、爆豪 勝己が集団行動をしているかということを。
無論これには訳がある。作者が適当こいているわけではないのだ。
この唯我独尊男がこうして彼女たちと行動を共にしているのは、深いようで別にそうでもないような、そんな理由があるのだ。
そもそもプライドの高い男である。本来であれば一人で鍛練をするはずだと皆さんは認識しているはずである。
その彼がなぜ、こんなことをしているか。それは彼らの会話で分かるだろう。
「・・・さてと」
まず口火を開いたのは希。その口調は短いながらもあまり楽しいものでなのが感じられる。
「本当にやるの?」
その疑問は当然爆豪へのものだ。彼女は当初、さらに素早い動きと咄嗟の機転を効くようになるための練習相手として伊留御を伴うことにしていたのだが、そこに爆豪から待ったが入った。
曰く、『俺を鍛えてくれ』とのことだったが、特にこっちに利点がないので最初は拒否していたのだ。
「・・・頼む」
先程までの覇気など微塵もない姿がそこにあった。
まるで牙を抜かれた獣である。
「マジで来るとはな」
「・・・チッ・・・!」
伊留御もあまり予想していなかった展開に疑問の声をあげる。てっきり希は断ると思っていたのだ。あまり男子とは行動しない希であったので自分に声を掛けられたことにも驚いていたのだから。
「・・・とりあえず、やるべきことは多いけれど何よりしなくてはならないのは基本的な能力向上」
「個性は鍛えなくていいのかよ?」
まあ、それでも一度請け負ったのだ。並々ならぬ決意があってのことだろうことは予想できる。今さら、ということだろう。
希の命じることはいたって普通のことであったが、爆豪は個性も鍛えるべきではないかと問う。
「天才肌なあなたは感覚でものを捉える能力が高い。しかもそれを冷静に分析して、根拠立てて説明できるくらいには頭がいい。でも、それで全ての状況に対応できるわけじゃない。動きにムラがある、癖も多い。我流で身に付けた戦闘スタイルはあなたの個性に合っているだろうけど、個性の使用を前提としていればそうでない状況には対応できないことになる」
今回の催しに、そんな状況がないとも言い切れない。
その可能性は少ないが、それでも手札が多いに越したことはない。
その二つのことから、爆豪の訓練は体の使い方をまず学ぶべきということにしたのだ。
「いいよね?」
「・・・・・・分かった」
よし、それではいってみよう。
「まずは目隠しをしてもらう。あなたにはわたしのエアブローをその状態で回避してもらう。音で判断して避けて」
「馬鹿にしてんのか」
いきなりの無茶振りを軽く言われた爆豪はすかさずつっこんだ。だがまだマシな方であることを彼は知らない。
世の中にはいきなり殺し合いを強要されることもあるのだ。この程度で臆さないでほしい。
「なんでいきなり難易度MAXなんだよ。おかしいだろ曲芸やりにきてんじゃねぇんだぞ!」
「そう・・・じゃあ」
そうか、彼はそこまで出来ないのか。
ならば。
「マシンガン掃射付きのデスマーチと殺意満点組手のどっちがいい?」
「選択肢がどっちにしろ地獄じゃねぇか!!」
「どっちもでいいんじゃね」
「ふざけんじゃねぇええ!!!」
「いいかもしれない」
「悪魔かてめぇ!!!」
おお、なんという顔だろう。まるで画風が変わってしまった。
「なにが不満?」
「全部だ全部!! なんだそのレパートリーは殺す気か! 大体お前はその間なにするんだよ!」
「電飾に背後から光線の雨に晒されつつ、行動を共にする」
「それ俺にも被害が出るじゃねぇか!?」
「電飾じゃねぇ伊留御な」
なかなか進まない訓練内容のすり合わせはそれからも続いた。
その結果マイルドにはなったが、そこには爆豪の涙ぐましい努力があったことをここに記しておく。
この日は軽い手合わせで終わったが、彼の表情はそれはもう疲弊していたのであった。
こんなことでいいのかと、疲労した精神と肉体を休めつつ、あまりにも早い眠気の訪れに抗えなかった爆豪は、ろくな成果を得られないままに初日の訓練を終えたのであった。
全ては明日から。
彼の苦難は、始まったばかりである。
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