連載版 僕のヒーローアカデミア~希望の娘と絶望の転生者~ 作:アゲイン
父の話をいたしましょう
そんな八話でございます
また、投稿頻度について活動報告のほうに載せています
よろしければご覧ください
「やあ、前回の続きから始まるとでも思っていたのかな? 残念私だ! 希望ヶ峰 絶だとも!! 我慢できずに出てきてしまった!!!」
画面の前の皆様、いかがお過ごしだろうか。娘と別れてからというもの私は生気を無くしたゾンビのように過ごしていたさ。あまりにも生活に潤いがないものだから心は荒れに荒れているよ。
「イェヤぁぁああーーーー!!! 私の歌を聴けぇーーーーー!!」
ほら見てくれ、このおっさんの醜態を。娘の前では格好つけたいだけだったが、その娘がいなければこんなもんである。寂しさを紛らわし、気持ちを上げようと必死になっているのだ。娘にいてほしい思いとこんな姿見せられない思いで板挟みだよ。
「娘に会いたいぃーーー!!」
ジャカジャカとギターを適当に掻き鳴らしてはとにかく大声をあげている。ああ、騒音は気にしなくていい。ここは高層ビルの屋上で人が来ることも声が聞こえることもない。こうやって目立つ行為も場所さえいいなら許されるのだ。みんなだってバレないように自分の部屋でシコシコと
「おっとまずい。下ネタは自粛しているんだったか」
娘に汚い言葉を覚えさせてはならないと思って言わないようにしていたのについ、口を滑らせてしまうところだった。
「というか、早くツッコミを入れてくれないか? ボケ殺しにそれは酷すぎだぜ?」
やれやれ、こんなときはそういったやり取りで場を盛り上げるのが定石というものだろうに。
「ユーモアはどうした、顔が固いぞオールマイト?」
なあそうだろう、旧友?
一言も口を開くことなく、その巨漢は静かに、燃えるような瞳でこちらを見ている。
ナチュラルボーンヒーロー、ナンバーワンの正義の象徴。
オールマイト。
そんな男が、ヒーロー達を引き連れて対峙していた。
◆
少し過去の話をしよう。
それは私がオールマイトとして活動して少し経った頃に起こった。
私と同時期にヒーローとして活動していた友人、希望ヶ峰 絶。旧名『神蔵 絶』の唐突な裏切りである。
油断したつもりはなかった。たとえ怪我をさせても彼を止めるつもりで挑みかかった。
だがしかし、まるで歯が立たなかった。
渾身の一撃は軽く流され、拳圧は理解できない手段で散らされた。私の攻撃を苦にすることなく、あいつは一度も反撃することが無かったにも関わらず、私は彼に勝つことができなかった。
疲弊し倒れ伏す私に彼が言った言葉を、私は忘れたことはない。
◆
「おーい、回想は終わったかい? 暇すぎてジョジョ立ちの練習をしてしまったじゃないか」
この野郎、こっちはきちんと挨拶してやったってのに無視してやがる。あれか? お前なんかと会話もしたくないってか。上等だコラぁ!! とことんやってやろうじゃねいか!!
「・・・・・・あの日のことを、忘れたことはない」
「あん?」
エシディシのポーズで威嚇していた私に向けて、あいつから語り掛けてきた。ようやく話をする気になったようだ。
「あの日。お前が私たちを裏切り、明確な敵になった日のことだ。その時のお前の言葉、それに私は一度、一度だけ折れそうになった」
「あー、あれか。なに、通過儀礼だよ、あんなのは」
画面の前の皆様は予想がついているだろうか。彼らヒーローを裏切り、倒れ伏すこいつに言った言葉を。
回答は三秒までとしよう。
「あの日誓った。もう屈することはない!」
「それはどうかなオールマイト。人間早々変わらないぜ?」
三秒、
「あの時、たった一人のお前を止められなかった。あの頃の私とは違う!!」
「経験か? 人数か? だけどお前はそれを活かせるのかな? 体の力みが見てとれるぞ」
二秒、
「この一戦、ここにいるヒーロー全員の矜持を掛け、必ずお前を倒す!!!」
「悪いな先約がいるんだ。それは叶えられないし、叶うはずもない」
一秒、
「いくぞっ!!!!」
「なら、俺はこの言葉で迎えよう」
『お前達の、絶望に染まった顔が---見たい』
脳内カウントはゼロ。正解の言葉を告げると共に、戦いは始まる。 正解者には悪いがまた今度結果を聞くことにしよう。
なにせ復帰祝いにこんな豪勢な面子を集めてくれたんだ。内心笑いが止まらない。
うぷ。
うぷぷぷ!
うぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷ!!!!
「さあ、わっくわくの、どっきどきってやつだ!!!」
この身に迫るヒーロー達、彼らはどんな絶望を抱くのか。
実に楽しみだ。
読了ありがとうございました
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