「...今年も良くできてるな」
白は今、家から少し離れた畑に来ていた。実がなり始めた夏野菜の収穫のためだ。
白のざるの中にはみずみずしい野菜がざる一杯に入っていた。
「幽香から貰った種は毎回いい野菜になるな。明日でもまたお裾分けにでも行くかな」
そう言いながら、ざるの中から一本のキュウリを取り、そのままかじった。
「うん、うまい」
白は上機嫌で家に向かって歩き始めた。
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家に近づいて来ると、何やら男たちの声が聞こえてきた。
「(...またか...)」
白は上機嫌から一転、かなり不機嫌になりながら家の玄関に向かって歩き始めた。家の前に着くと、そこには3人の中年男性が立っていた。その1人が白の存在に気が付くと、男たちは白に近寄った。
「...なんか用か?」
白は心の中で溜め息を吐きながら、取り敢えず対応することにした。
「人里でな、子供が1人行方不明になった」
「...それで?」
「惚けるな!お前が犯人だろ!」
「...はぁ...」
そう、白は人里の人間から嫌われている。前にも話したと思うが、別に白自身が何かしたわけではない。いたって普通の青年だ。ただ少し...
「なんだその溜め息は!こっちは子供が1人居なくなってるんだぞ!」
「そんなの俺に言われても知らねぇよ」
「貴様!」
男の1人が白の胸元を掴んだ。その拍子に白が持っていた野菜が地面にばら蒔かれた。
「...だからさ、あんたたちも知ってると思うけど、俺は本当に用がある時以外は人里には行かないし、行く気もない。てか行きたくもない。ここ2週間、1回も人里に行ってない。それなのに俺が犯人?ふざけるのもいい加減にしろよ!こんなところに来る前にもっと行くところがあるだろ」
「「「.........」」」
「離せ、邪魔だ」
白は男の手を胸元から外すと、男たちを放置して、落ちた野菜を拾い始めた。
男たちは「...チッ、帰るぞ」「死神め...」などと捨て台詞を吐きながら帰って行った。
「...はぁ、最悪」
白はこの日、テンションだだ下がりの状態で1日を過ごした。
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「...黒川白は居るか!」
それは、男たちが来た翌日、幽香に野菜を届けて帰って来た直後だった。玄関の方から女性の声が聞こえていた。白はその声を聞くと、自然と溜め息がでた。
「...はいはい、居ますよー」
気だるい感じで返事しながら、嫌々玄関の戸を開けた。そこには長い銀髪、上下一体の青い服女性、上白沢慧音が立っていた。
「少しはな」「帰ってくれ」
白は慧音の話を遮りそのまま戸を閉めた。
「ま、待ってくれ。少しぐらい話を…」
「話すことなんてない」
「昨日の行方不明の子供のことについてだなんだが...」
「....チッ...入れ、お茶用意する」
「お邪魔する」
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「...で、俺に話ってなんだ?」
「...行方不明の子、雪子と言う子なんだが...今朝方遺体で見つかった」
「.......」
「成人男性程の大きさの手で首を絞められ気絶させ、身体にある刃物で刺したような傷が死因となっている。死亡時刻は昨日の午後4時から...」
「くどい!結論だけ言え!」
「...人里では白、君が犯人だと言っている」
「...それで?俺を捕まえようってことか?ふざけんなよ、俺はやってない」
「...本当なんだな?」
「当たり前だろ」
「...分かった、済まなかったな。失礼する」
「出されたお茶ぐらい全部飲めよ」
慧音はゆっくりとお茶を飲み、飲み終わった後軽くお辞儀をして、居間から姿を消した。
それと入れ替わるように藍が居間に入ってきた。
「...さっき家の前で上白沢とすれ違ったのだが、何か話していたのか?」
「別に...ただ、昨日の行方不明になった子供のことについてちょっとな...」
「そうか...」
「なぁ藍...俺って人殺しに見えるか?死神って言われるのは百歩譲っていいとしてもさ...毎回毎回人が死ぬたびに俺が容疑者に挙げられるってどう思う?」
「私は...白とはもう10年も付き合いがあるからな...別にそんな感じには見えないぞ」
「そっか...そうだよな...よし!少し早いけど晩飯にするか。藍も食べていくか?」
「あぁ、そうさせてもらおう」
今日もまた、1日が過ぎていく...
3話目にして作者の悪い癖が出てきた様な気がする。
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