「こんにちは、白」
「帰れ」ガラガラバン!
朝から面倒な奴が来た。
紫のドレスを着たこの熟...少女は、幻想郷の賢者、八雲紫だ。藍の主人であり、胡散臭く、でもかなりの実力と「境界を操る程度の能力」と言うとんでも能力をもつ......一応美人と言っておこう。
「白、さっきから失礼なこと考えてないかしら?」
「それよりもスキマを開けて不法侵入しないでくれ」
こんな事するから「存在がウザイ」とか「面倒くさい」なんて言われるの、こいつは知ってるのだろうか…
「あら、白がいきなり玄関閉めるからでしょ。それに橙と一緒に...」
「橙!!」
俺は勢いよく玄関をあけた。すると目の前に困った顔をした、猫また猫耳の超絶美少女橙が立っていた。
「あ、白様」
「橙ごめんな、いきなり扉閉めちゃって。びっくりさせちゃたか?」
「いえ...大丈夫ですよ」
「良かった~、橙に嫌われたら1週間は何も出来なくなるからな俺」
「私は白様のこと嫌いになんてなりませんよ?」
「!!!!.....ちぇぇん」
俺は我慢出来なくなり、橙にハグをして、頭を撫でた。
「お前はやっぱりいい子だな...よし、昨日取れた西瓜があるから一緒に食べよう」
「ありがとうございます!」
「...私と橙の扱いの差が酷い」
後ろから何か聞こえた気がするが無視だ無視。
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「甘くて美味しいです!」
「そうか、なら沢山食べ。まだまだあるからな」
橙と(おまけの)紫を家に入れて、昨日取れて冷蔵庫で冷やしてあった西瓜を3人で食べていた。
「...どうして私の西瓜こんなに小さいのかしら?」
「大人は我慢しろ。そう言えば藍は?」
「藍なら人里に用事よ」
「そうか...で、橙と2人で何しに来たんだ?」
「実はね...面白い物を手に入れたの」
そう言うと紫はスキマを開き、そこから何かの魚を取り出した。
「...これ見たことないな」
「鮭、と外の世界では呼ばれているわ。海の魚よ」
「海だって!?」
幻想郷には海がなく、海の魚はごくたまに幻想入りして、森の中の湖にいる超高級食材だ。
「これを調理して欲しいのよ」
「...俺を料理人か何かと勘違いしてないか?」
「あら、違うかったかしら?幻想郷で1、2を争う料理上手だと思うけど?」
「うーん...俺が食べれるなら喜んで受けるけどな...調理法がな...」
「勿論料理してくれたら白も食べていいわよ」
「...よし、晩まで待ってくれ。家にある幻想入りした料理本調べるから」
「交渉成立ね。…ついでにお昼も作ってくれるかしら?」
「……お前、そっちが本命だろ」
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夕方、藍も人里での用事を終えて俺の家に来た。
「すまないな、紫様の我儘に付き合わせてしまって…」
「いいよ別に、俺も食わせて貰うわけだしな」
そう言って俺は台所に入った。続けて藍もエプロンを着けて入ってきた。
「藍も橙と一緒に待ってていいぞ。無理に手伝わなくたって…」
「いいんだ。私も好きでやるからな」
「…そうか」
「で?一体何を作るのだ?」
「ムニエル…って言う料理だ。外では定番の調理方法らしい」
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まずは鮭の切り身(紫が捌いた)の水気を取る。
塩コショウで味付けした後、小麦粉を切り身にまぶしていく。
「白様、私もやってみたいです!」
「橙が?そうだな、自分の分やってみるか?」
「はい!」
「偉いな橙は……何も手伝わない何処かの賢者と違って…」
「…私、魚捌いたでしょー…」
知らん。スキマに入れて、出て来たら捌けてたとか色々恐ろしいわ。
「…出来ました!」
「よし、それじゃあ焼いていくか」
コンロで温めていたフライパンにバター(紫が持ってきた)を挽いて、両面を焼いていく。
「……そろそろいいんじゃないか?」
「そうだな。よし、橙、皿を持ってきてくれ」
「はい!」
焦げ目がついてきたら皿にのせ、最後にレモンで味付けをしたら……
「完成!」
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「では……いただきますか?」
「「「いただきます」」」
早速一口食べてみた。
……ふむ……外はカリッとしてるが、中はフワッと柔らかく、口の中で魚の味がと匂いが広がる……
「「「「……美味しい」」」」
4人同時に感想が口から零れた。
その後は4人とも半分くらいになるまで無言で食べ続けた。『美味しい物を食べると無言になる』と言う噂はどうやら本当らしい。
そこから食べ終わるまではたわいのない話で盛り上がりながら、ゆっくりと食べた。
……俺にも家族がいたら、こうなってたのかな……
久しぶりにそんな事を思いながら、夜は深まっていった。
Q.どうして冷蔵庫やコンロがあるの?
冷蔵庫は後日説明します。コンロは霊力で動いています。
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