死神と呼ばれた少年   作:深海龍

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ある日、死神はある少女を見つけました


肘撃と鉄山靠

 

 

「……ハァハァ……」

 

「驚きましたよ。まさか此処まで耐えるとは」

 

開戦から多分5分ほど経っただろうか。俺は決定打さえ受けてないものの、確実に身体にダメージを受けていた。

対して美鈴は少しだけ切り傷を受けただけ。息も上がってないし、多分だがまだ本気を出してない。

はっきり言って状況は絶望的だった。

 

「(ったく、少し粘ってたら援軍来ると思ったけど、誰も来ねぇな。てか異変なら、博麗の巫女早く来いよ!)」

 

「さて、そろそろ終わらせましょうか」

 

そう言って美鈴はかなりの速さで俺に突っ込んできた。俺は四肢に霊力を流し身体能力を上げて、避ける事だけに集中した。

なんとか避けれているが、それでもギリギリだ。一発でも当たれば骨は確実に折れるだろう。

 

「どうしました?避けてばかりでは私を倒す事は出来ませんよ?」

 

「この状況で反撃しろとか鬼かお前は!」

 

「…まだ喋る余裕があるのですか…それでは少しスピードを上げますか」

 

「!!」

 

美鈴はまたスピードを一段階上げた。俺は更に集中して避けた。……が

 

「…そこです」

 

「(ヤベェ!)」

 

顔への蹴りが避けられないスピードで来た。仕方なく俺は右腕でそれをガードした。すると腕からメキメキと聞こえてならない音が聞こえ、俺は5mほど吹き飛ばされた。

 

「…骨は折れたと思いましたが……」

 

「……舐めるなよ」

 

俺の右腕の骨はなんとか繋がっていた。防御する時に無意識のうちに霊力を右腕に集中させていたらしい。が、多分使い物にはならないだろう。

 

「もうそろそろ諦めたらどうですか?」

 

「此処まできて諦める方が無理な話だ」

 

が、実際美鈴に勝てる感覚は全く無かった。一応俺からも攻撃してるのだが、美鈴は汗一つかかずに避けていた。実力差は歴然だった。

 

「(このままじゃ絶対負ける……捨て身だけどやるしかねぇか)」

 

俺は慣れない手つきで、左手に持った短刀を遊ばせた。

 

___________

 

あれから5分、あの男と戦っているのですが、あの時感じた雰囲気はどうやら私の思い違いでした。

 

「(短刀を使う事には慣れているようですが、獣を狩るのに特化した癖を持っているようですね。大振りで確実に相手の急所を付く。どう考えても対人では不利な癖です)」

 

急所を的確に狙ってくるのは見事ですが、あんな大振りでは私は絶対に倒せません。1度だけ大振りを修正して当ててきましたが、やはり癖は早々抜けるものではないですね。

 

「…美鈴だったか?」

 

「そうですが、何ですか?」

 

「……次の攻撃でお前を倒す」

 

「…出来るなら」

 

……やばいです、彼の雰囲気が一気に変わりました。これは集中して対処しなければ…

 

「……いくぞ」

 

彼はそう呟くと全力でこちらに突っ込んで来ました。

……この速さだったら軽く対処…

 

「…これでもくらえ!」

 

「(短刀を!)」

 

左手に持った短刀を私の顔目掛けて投擲してきました。

……だが、これ位の不意打ちは不意打ちではないですね。

 

「…甘いですね」

 

私は右手で軽々と短刀を掴みました。

 

「(!…いない!)」

 

彼が私の視界から消えました。

……一体何処に……

 

「…こっちこっち」

 

「!!」

 

しまった!完全に右下が死角に!

 

……ダンッ!

 

「(この特徴的な踏み込みは…震脚!)」

 

まずいです、このままでは!……しかし、攻撃するところを事前に予測して、妖力を流して衝撃を抑えれば……

 

……え?何ですかこの霊力の量……

 

「……肘撃」

 

 

 

 

…ベキベキベキ…グチャ…

 

 

私の身体から、聞こえてはいけない音が鳴って、意識を失いながら追撃の鉄山靠を喰らい、門に叩きつれられました。

 

___________

 

 

本で読んだ事があった

 

八極拳

 

一撃必殺を目的として、対人戦では危険とされている拳法

 

なんとなく気になり、型だけは覚えていた。

 

そして今、その型が綺麗に決まり、美鈴に勝ったのだが……

 

 

 

「……や、やり過ぎた‼」

 

今明らかに鳴っちゃいけない音が美鈴から聞こえてきたぞ‼なんだよグチャって!内臓いっちゃったか⁈大丈夫か?…やったの俺だけど…

 

「お、おい!大丈夫か?」

 

美鈴に近づいて脈を測る。……気絶はしてるが、死んではいないようだ。

 

「よ、良かった…じゃなくて。ルーミア!もう大丈夫だからちょっと来てくれ!」

 

「……はーい…」

 

後ろの茂みからルーミアがヒョコっと出て来た。

 

「この人、今の状態だったらやばいから屋敷に連れて行く。悪いけど、ゆっくりと俺の背中に乗せてくれるか?」

 

「…背負ったら傷に直接響かない?」

 

「………確かに…」

 

結局、俗に言うお姫様抱っこで美鈴を持ち、屋敷内に入って行った。

 

 

 




Q.肘撃で内臓潰れる?

A.俺が聞きたい

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