6人の戦車道   作:U.G.N

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 ガルパンはアニメだけ全部見ました。
 今回はダージリンさんです。

 どうぞ



小さな戦車娘

 

 辺り一面田畑が並ぶ道を、一台の戦車が駆け抜ける。

 

 ドイツ戦車、Ⅱ号戦車F型である。

 

 その戦車に乗っているのは十歳前後の二人の姉妹。

 

 姉のまほが運転をし、妹のみほは頭を戦車から出している。

 

 気持ちの良い風に吹かれながらしばらく走っていると、田畑の先に一つの大きな家が見えてくる。この辺りでは少し珍しい、洋風の家である。

 

 一ヶ月ほど前からここに誰かが引っ越してきていたことは知っていた。しかし、初めて見た洋風の家に、二人はあまり近付けないでいたのだ。

 

 しかし、

 

「もっと近くでみてみたい!」

 

 と、みほが言うので、まほが戦車を運転してここまで来たのだ。

 

「おっきいー!」

 

 みほが戦車から顔を出しながらはしゃいでいる。

 

 まほも戦車を一度停車させ、戦車から顔を出す。

 

「ホント、大きい……」

 

 姉妹揃ってその家を見上げていると、中から突然声が掛かる。

 

「……誰ですの?」

 

 みほとまほが声の主を探していると、再び声が掛かった。

 

「ここですわ」

 

 声のする方を見てみると、庭に設置してあるパラソル付きの豪華なテーブルで紅茶を片手にしている一人の美少女がいた。

 

 金色の髪が風に靡き、優雅に紅茶を飲む十歳前後の女の子。

 

「君はだれ?」

 

 みほが純粋な目と質問をその少女に向ける。

 

「それはこちらのセリフですわ。ここはわたくしのお家ですわよ」

 

 この家といい、喋り方といい、彼女は上品なお嬢様なのだろう。

 

「へぇー、ここ君のお家なんだ。すごいね!」

 

「え、ええ。それほどでも……」

 

「あ、わたしは西住みほ! こっちはわたしのお姉ちゃん!」

 

「西住まほだ」

 

「そう。よろしく。わたくしは……」

 

「それなに飲んでるの?」

 

 少女の言葉を遮り、みほが質問する。まさに好奇心旺盛である。

 

「え、こ、これ? これはダージリンですわよ」

 

「へぇー、じゃあきみは、ダージリンちゃんだね!」

 

「へ? いや、わたくしは」

「よろしくね! ダージリンちゃん!」

 

「………………ええ。よろしく」

 

「……何か、すまんな」

 

「……いえ」

 

 

 ーーー

 

 ーー

 

 ー

 

 

「……ダージリン様、ダージリン様」

 

「何かしら、ペコ」

 

 ダージリンは昔のことを思い出しながら、優雅に紅茶を飲んでいた。

 

「練習試合の申し込みが来ています」

 

「練習試合? どこからかしら?」

 

「えっと、大洗女子学園というところからですね」

 

 オレンジペコの言葉にピクリと反応するダージリン。

 

「……大洗女子? あそこは戦車道がない学校のはずでしょ?」

 

「よくご存知ですね。何やら、今年から復活したそうですよ」

 

「何ですって?」

 

 ダージリンの声にほんの少しだけ怒気が含む。

 しかし、すぐに冷静さを取り戻すと、再び紅茶を口に含んだ。

 

「だ、ダージリン様?」

 

「……何でもないわ。その申し出、承けましょう。我ら聖グロリアーナは、来る敵を拒みませんわ」

 

 

 ーーー

 

 ーー

 

 ー

 

 

「ダージリンちゃん! 乗って乗って!」

 

 みほがダージリンの手を引っ張り、戦車へと連れ込む。ダージリンは今まで、戦車を乗ったことはおろか、見たこともなかった。故に、子供心に何か響くものがあったのだろう。ダージリンは目をキラキラさせながら戦車へと乗り込んだ。

 

「これが戦車、ですのね。初めて見ましたわ」

 

「お姉ちゃん! 早く早く! パンツァー・フォー!」

 

「はいはい」

 

「ぱ、パンツァー・フォー? それはなんですの?」

 

 ダージリンが戸惑いながら尋ねる。

 

「パンツァー・フォーっていうのはね! っていうのは…………。お、お姉ちゃん……」

 

「パンツァー・フォーとは、戦車前進という意味だ。どうやらドイツ語らしい」

 

「お、お二人はドイツ語がわかるのですか?」

 

「ううん。これだけー」

 

「私もわからん」

 

 エンジンをかけ、Ⅱ号戦車F型が動き出す。

 

「わ、わわっ。動きましたわ!」

 

「ダージリンちゃん。ダージリンちゃん。ここから顔を出してみてよ!」

 

 みほが自分の頭上を指差す。

 

「ええ!? そ、そんな。危ないですわ」

 

「大丈夫大丈夫。ほらっ」

 

 みほが手を差し出す。

 ダージリンはその手を掴むと、恐る恐る戦車の外へと顔を出す。

 

「目、あけてみて」

 

 一緒に顔を出しているみほに言われ、瞑っていた目をゆっくりと開けるダージリン。

 

 そして、目の前に広がったのはどこまでも続いているような田畑。心地よい風が頬を撫で、初めて経験する感覚に胸のドキドキが止まらない。

 

「すごい。まるで鳥になったようですわ」

 

 実際はそこまでスピードが出ているわけでもない。しかし、こんな目線の高さで動いているのは初めてであり、本当に鳥になったような気分である。

 

「あ、ダージリンちゃん。見て見て! 鳥さんだよ!」

 

 みほが指差す方を見てみると、数羽の鳥がダージリンたちと同じ高さ・スピードで飛んでいた。

 

「すごい! アハハッ! わたくしも鳥になりましたわ! 今、わたくしは空を飛んでいますわ!」

 

 ダージリンは大きく腕を広げて、楽しそうに笑っていた。

 

 

「またねー! ダージリンちゃん!」

 

「また、一緒に遊ぼう」

 

「ええ。今日はとても楽しかったですわ。ありがとうございました」

 

 ダージリンは綺麗なお辞儀をすると、家の中へ入っていった。

 

「私たちも帰るか」

 

「うん!」

 

 

 一方、ダージリンは

 

「お母様、お母様!!」

 

「あらあら、どうしたの?」

 

「わたくし、わたくしも戦車に乗りたいですわ!!」

 

 これが、ダージリンという少女と戦車道の出会いだった。

 

 

 ーーー

 

 ーー

 

 ー

 

 

 プルルルル、プルルルル、ーーガチャ

 

『……もしもし』

 

「もしもし、お久し振りですわね。まほ」

 

『……もう、お前から電話が来ることなどないと思ってたんだがな。ダージリン』

 

「一年ぶりくらいですものね」

 

『……何の用だ?』

 

「わたくし、今度練習試合が決まりましたの」

 

『……? 聖グロリアーナなら、練習試合をするのは当たり前だろう?』

 

「相手は、大洗女子学園ですわ」

 

『………………何だと?』

 

「それで隊長が……」

 

『待て、大洗は戦車道がないはずだろう』

 

「……わたくしも、確認しましたわ。何の因果か、今年から復活したそうよ」

 

『…………』

 

 

 

「そして、大洗の隊長は…………」

 

 

 

 

 

 




 どうでしたか?
 これからも6人を絡めて、昔と今を混ぜながらやっていきたいと思っています。

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