機動戦士ガンダム00 The human race's reformation   作:K-15

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第16話 解き放たれた封印

刹那がオーライザーを受け取りに行くまでバナージは単機で新型3機を相手にしている隙にプトレマイオスは資源衛星から脱出した。

これで後は敵の攻撃を振り切り逃げるだけだ。

「刹那さんが居なくても、俺1人で!」

 

ユニコーンは右手のGNビームライフルを構えトリガーを引いた。

発射されたビームをガッデスはスラスターを噴かす。

ローリングしながらユニコーンに向かって行く。

「たった1人で私達を倒すつもり?」

 

ヒリングはユニコーン目掛けGNヒートソードを振りかぶった

右腕のサーベルラックを稼動させビームサーベルを発生させるとバナージは攻撃を受け止めた。

「その角をへし折ってあげる!」

「くっ!」

 

互いにサーベルが交わり激しく火花が上がり装甲を照らす。

動きの止まっているユニコーン、そこにリヴァイブのガデッサのGNメガランチャーの照準が合わされた。

「まずは1機、ここで仕留めさせてもらう」

 

トリガーに指を掛け発射しようとしたその瞬間にバナージはリヴァイヴの殺気を感じ取った。

ユニコーンの頭部のバルカンを連射してガッデスから急いで距離を取った。

その時、GNメガランチャーのビームがユニコーンを襲った。

「間に合え!」

 

機体を振り向かせるとシールドをスライドさせIフィールドを発生させた。

間一髪、放たれたビームはIフィールドに防がれて高濃度のGN粒子が拡散する。

その反応速度にリヴァイヴは舌を巻く。

「防いだ!?くっ」

「私も行くよ!行けファング!!!」

 

一度離れたガッデスが再び迫ると両肩の4基のファングが放出された。

ファングは先端にビームサーベルを発生させ縦横無尽に飛び回りユニコーンを取り囲む。

「ファンネルか?」

 

宇宙に出た事でバナージの反応速度は飛躍的に上昇している。

完全に取り囲まれた状況でも襲い掛かるファングを冷静に対処した。

このファングにもまた付け入る隙があった。

近づくまでは俊敏に動き回り捉えるのは難しいがビームサーベルを発生させて突き刺す攻撃方法しかない為、攻撃はどうしても直線的になってしまう。

ユニコーンの各部のスラスターを細かく噴かしアンバックで機体の制御をするバナージ。

向かって来るファングの動きを分っているかのように。

「ちょこまかと!」

 

ガッデスのファングをユニコーンは手足をわずかに逸らす程度ですべて攻撃を見切った。

間髪入れずにGNヒートソードでガッデスはバーニアを全開にして接近戦を仕掛けて来る。

振りかぶるGNヒートソードをシールドで受け止めた。

またしても動きの止まった瞬間をデヴァインは見逃さなかった。

「沈め!」

 

エンプラスの機首部に内蔵されている大出力粒子ビーム砲をユニコーンに目掛け発射した。

ヒリングには脳量子波を通して攻撃のタイミングは伝えておりビームをギリギリで回避する準備も出来ている。

「さようなら」

「!?」

 

迫るエンプラスの大出力ビーム、だがデヴァインがトリガーを引く瞬間にバナージは殺気を感じ取っていた。

ヒリングがGNヒートソードのパワーを緩め離脱した時、ユニコーンもランドセルのバーニアを全開にして回避行動を取る。

シールドのIフィールドを展開してわずかに当たる筈だったビームも防いだ。

「あの攻撃を避けた!?」

 

たった1機、すぐに倒せると思っていたヒリングは未だに無傷のユニコーンに苛立ちを感じていた。

一方のバナージも攻撃を避けるだけで反撃できない事に焦りを始めていた。

このままでは3機がかりで袋叩きになるだけだ。

「今は何とかなっているけれど」

 

休む暇もなくガッデスのファングが再び襲い掛かる。

ファングの動きの先を読みGNビームライフルを構える。

だが後方にはエネルギーのチャージを終えたガデッサがユニコーンを狙っている。

「殺気!」

 

「ヒリング!!!」

 

もう1度シールドをスライドさせIフィールドを発生させる。

大出力のビームは機体に直撃する直前でまたしてもIフィールドに防がれてしまう。

だがGNメガランチャーのパワーを受け止めるのに機体を動かす事が出来ない。

そこに背後から忍び寄ったエンプラスのエグナウィップが脚部に絡みついた。

「しまった!?」

 

絡みついたアンカーから電流が流れパイロットに直接ダメージを与えた。

「あああぁぁぁぁっっっ!!!」

 

電流を防ぐ手立ては無くバナージに高電圧の電流が流されてしまう。

悲鳴を上げ苦しむ、だが今助けてくれる仲間はいない。

そしてバナージの意識は暗闇に消えた。

 

///

電流が流され動きの止まったユニコーン。

おそらくパイロットは気絶したのだろう、動く気配は無かった。

「なかなか頑張りましたがこれでお仕舞いです」

リヴァイヴはGNメガランチャーをコクピットに照準を合わせた。

エネルギーのチャージは不十分だがコクピットの装甲を貫くだけのエネルギーはある。

トリガーを引くとビームは真っ直ぐにユニコーンへ飛んでいく。

「!!!」

「そんな……あれは!?」

「いよいよ本性を現しましたね、あの時ビームを弾いたのもその力か。ガンダム!!!」

 

発射されたビームは何も無い空間で捻じ曲がった。

今はシールドのIフィールドもGNフィールドを展開もしていないというのに。

そしてユニコーンは各部の装甲がスライドしていきその全貌が変化していく。

スライドした装甲からは赤く発光し特徴的な角が展開する。

格納されたファイスカバーの裏側から見えたのはガンダム、彼らの敵。

///

資源衛星から出向したプトレマイオスはGNフィールドを展開して敵モビルスーツの攻撃を凌いでいた。

「ガンダムはトレミーの防衛に専念して!フェルト、オーライザーとダブルオーは?」

「ポイントB-47で合流予定です」

「頼んだわよ、刹那!」

 

プトレマイオスに接近するモビルスーツは3機のガンダムですべて防ぎきっていた。

長距離の敵機をケルディムのGNスナイパーライフルが狙撃する。

「これだけの包囲網、抜けられるのか?」

「だが今はやるしかない!接近する機体は僕に任せろ!」

 

GNフィールドを展開したセラヴィーがケルディムに飛んで来るビーム攻撃を防ぎその間にアリオスがGNサブマシンガンで敵機をかく乱させる。

「高濃度圧縮粒子開放!」

 

GNバズーカを両肩のGNキャノンに接続すると大出力のビームを発射する。

だがビームに飲み込まれた機体はわずか2、3機しかおらず攻撃を逃れたジンクスが接近してくる。

その中には大型ブースターを増設したアヘッドも居た。

かつてピーリスの乗っていた機体で今はルイスが搭乗していた。

「パパとママの仇!!!」

「准尉、先行しすぎだ!」

 

アンドレイの乗るジンクスもルイスと同じ戦場に居た。

仇を討つ事しか頭になく前に出すぎているルイスを援護していた。

だがこの物量、普通に考えればソレスタルビーイングは逃げる事など出来ない。

「ガンダム、沈めーーーー!!!」

ティエリアは両手にGNバズーカを握らせ敵への攻撃の手数を増やす事で何とか接近させまいとビームを撃ちまくっていた。

その火線をルイスのアヘッドは大型ブースターを駆使して潜り抜けてくる。

ビームサーベルを右手に引き抜き接近戦の出来ないセラヴィーへ斬りかかろうとした。

「やられる!?」

 

GNフィールドを展開しようとするがもう間に合わない。

刹那、上方からのビームが飛んできた。

振り上げたアヘッドの右腕が破壊されてしまう。

「増援!?」

「刹那か!」

 

そこにはオーライザーとドッキングしたダブルオーライザーが居た。

ダブルオーライザーとなる事でツインドライヴは想像を遥かに超えた粒子量を放出出来る。

「ダブルオー、目標を駆逐する!」

GNソードを両手に構えたダブルオーライザーが戦場を駆け抜けた。

「准尉、ここは一旦引くぞ」

「ですが!!」

「その機体では無理だ!」

GNランスのバルカンで威嚇射撃をし近づけまいとするアンドレイ、ダブルオーライザーの加速性能はそんな威嚇射撃など物ともせずに避けきりジンクスへ接近した。

「破壊する!」

GNソードを一閃するとアンドレイのジンクスのGNランスを握っている右腕を切断した。

「くっ!とにかく離脱するぞ!」

「ガンダム、敵が目の前に居るのに!」

 

ルイスとアンドレイは帰艦するべくダブルオーライザーに背を向けた。

「刹那、助かった」

「接近する部隊を叩く、援護を!」

「任せろ!」

 

ダブルオーライザーは敵モビルスーツ部隊へ1人で突っ込んで行く。

接近するダブルオーライザーに敵パイロットは一斉に攻撃を始める。

GNランスのバルカンで近づけまいとするが、先ほどと同じで無駄な行為だった。

刹那はツインドライヴの粒子量を増大させるとさらにスピードを上げた。

1度射程圏外まで距離と取るとそのまま敵機の背後へ回り込んだ。

「早い!?」

「もらった!」

 

GNソードがコックピットに突き刺さる。

パイロットは絶命し機体は動かなくなる。

GNソードを引き抜きライフルモードに切り替える。

機体に加速をかけながらライフルを連射して前へと進む。

弾速も以前と比べ格段に早くなっており出力も増大している。

飛んで来るビームの雨に何も出来ないまま直撃してしまう。

「怯むな!接近して囲い込め!」

 

4機のジンクスがビームサーベルを抜いて接近戦を挑んでくる。

ダブルオーライザーを同時に攻撃すれば勝機はあると敵パイロットは思っていた。

四方から接近する敵に刹那はオーライザーのGNミサイルを発射した。

「何!?ミサイルだと!」

ダブルオーライザーの性能を十分に把握もしていないのに挑もうとした敵のミスだった。

咄嗟に左腕のシールドを構えて直撃は免れるが爆風にダブルオーライザーを見失ってしまう。

「敵は!?」

「沈め!!!」

 

下方からGNソードを振り上げるとジンクスは縦に両断され爆発した。

「あと3機!」

 

すぐに機体を動かし次の目標を察知する。

止まっていた機体が一瞬で目にも留まらぬスピードに加速する。

瞬く間に味方が倒された事で敵は動揺を隠せないで居た。

「あんな一瞬で!?」

「来る!?」

 

パイロットはシールドで機体を守ろうとするがGNソードは簡単にそれを切り裂いた。

左腕が切断されると胴体を蹴り付けた。

衝撃でパイロットはすぐに制御が出来ずに機体は無防備な状態になる。

そこにダブルオーライザーのビームが発射され機体に直撃した。

「全機、離脱しろ!これ以上の損害は…」

 

離脱しようと通信に意識を傾けた瞬間に長距離から砲撃が飛んできた。

ビームが機体の装甲に突き刺さり動けなくなってしまう。

プトレマイオスとガンダムである。

戦況を見たスメラギが刹那に指示を出す。

「刹那、敵部隊が撤退を始めたわ。こちらは大丈夫だからバナージ君を!!!」

「了解!」

 

刹那は自分を送り出してくれたバナージを助けるべくダブルオーライザーを向かわせた。

 

///

 

NT-Dを発動しデストロイモードに変身したユニコーン。

サイコフレームの赤い光を纏いイノベイターの乗るモビルスーツを睨む。

その機体にパイロットの意思はなくシステムの赴くままに動いている。

「ヒリング、デヴァインは連携して接近戦を。隙を突いてGNメガランチャーで仕留める!」

「ふん、角が割れたくらいで!私だけで落としてやる!」

 

ガッデスは装備されているすべてのファングを放出する。

バーニアを噴かしユニコーンへ詰め寄った。

「行けファング!!!」

 

先端にビームサーベルを発生させてファングが縦横無尽に動き回る。

ファングがユニコーンの周囲を取り囲み逃げられないようにして機体は逃げられない。

「消えた!?」

ふと瞬きをした瞬間に目の前に居たはずの白亜の機体が姿を消した。

取り囲んでいたファングをどうやってすり抜けたのかパイロットはわからない。

「左だ!!!」

「!!!」

 

デヴァインが叫ぶと同時に肩のビームサーベルを左手で引き抜くと機体を方向転換させ横へ振り払った。

そこにはビームサーベルをガッデスに振りかぶるユニコーンが居た。

ギリギリの所でサーベル同士が交わり機体の装甲を照らす。

「いつの間に!?くっ、デヴァインが居なければやられていた」

 

ヒリングはユニコーンのビームサーベルを押し返そうと機体のパワーを上げる。

だが新型である筈のガッデスのパワーではビクともせず、それどころかユニコーンのパワーが少しずつ押してきた。

「サーベルのパワーが負けてる!?」

「離れろ、俺がやる」

 

エンプラスが下方からヒリングの援護に入る。

2本あるアームに内蔵されているビーム砲からビームを連射した。

しかしユニコーンは反応の遅れる下方からの攻撃にも関わらず素早くこれを察知する。

ビームが発射されるとガッデスの左脇腹を蹴りつけ、その反動を利用しこれを回避した。

目標をガッデスからエンプラスに切り替えるユニコーン。

ランドセルの4基のバーニアを全開にしエンプラスに詰め寄る。

デストロイモードになったユニコーンの機動性は飛躍的に上昇しており以前とは比べ物にならない。

一瞬にしてエンプラスの下方に移動していた。

「さっきまでと動きが違う!?」

 

モビルアーマーであるエンプラスは小回りが利かず接近してくるユニコーンに対応出来ない。

ユニコーンはランドセルからビームサーベルを引き抜き横一閃するとエンプラスの巨大な右アームが切断された。

「このっ!!!」

 

残っているアームのビーム砲を連射するデヴァイン、だがビームの発射先にユニコーンは居らず射程圏外へと動いていた。

「デヴァインをやったな!」

 

ヒリングは機体を立て直しすぐに援護に駆けつけたがすでにエンプラスは損傷していた。

怒りをあらわにし7基のファングを全てユニコーンへ飛ばす。

ユニコーンを仕留めようと俊敏に動き回るファングだがまたしても超人的な加速で逃げられてしまう。

気付いたときには目の前にユニコーンは居らず何も無い空間をファングが飛び回っていた。

「また消えた!?くっ!」

 

デストロイモードの機動力は瞬間移動しているかのごとく如何にイノベイターと言えど捉える事は出来ない。

 

『メガランチャーのチャージが完了した』

「リヴァイヴ!?」

 

赤い光を出しながらガッデスの背後へと迫るユニコーン、右腕のサーベルラックを前方へ突き出し一直線に突進した。

「沈め!!!」

ガデッサのGNメガランチャーが背後に迫るユニコーンを捕らえていた。

大出力のビームが発射されユニコーンの姿が見えなくなる。

『コロセ……』

「何だ!?」

「リヴァイヴ、角付きが!」

 

メガランチャーのビームはユニコーンにかすりもしておらずガデッサに気付いたユニコーンが迫る。

目の前に迫るユニコーンにもう1度照準を合わせようとするがもう遅かった。

メガランチャーを撃つにはあまりにも近づきすぎており、その大型の砲身が小回りを効かなくさせている。

右腕のビームトンファーを下からすくい上げるように振り上げた。

咄嗟に持っていたメガランチャーでコレを防ぐが簡単に両断されてしまう。

充填したエネルギーが爆発するよりも早くに武器を手放しユニコーンから距離を取ろうとする。

「今の声は一体?」

「リヴァイヴ、この機体!?」

「各個、連携して仕留めます。こちらにはまだエンプラスのGNキャノンがあります」

 

損傷したエンプラスは後方で待機している。

3人の脳量子波で連携を取りながら戦えばまだ勝機は有ると、リヴァイヴは考えていた。

その2人の前でユニコーンが動きを止めた。

「ヒリング、手筈通りに」

「了解!」

2機共すでに長距離から狙える武器は持っておらず、ファングでかく乱して接近戦で仕留めようとする。

動きの止まったユニコーンは攻撃範囲内に居り今しかチャンスは無い。

「行けファング!!!」

 

作戦通りファングでかく乱しようとするヒリングだが自分か考えているようにファングは動いてくれない。

 

「!?」

「どうしました、今しか」

すると停滞していたファングがヒリングの意思とは反して勝手に動き出した。

ビームサーベルを発生させたファングが隣に居たリヴァイヴのガデッサを襲う。

異変に気付いたリヴァイヴがビームサーベルを引き抜き迫り来るファングを何とか防いだ。

「味方を攻撃する馬鹿が居るか!!!」

「私じゃない!ファングが勝手に!」

 

ヒリングは脳量子波でファングを操ろうとするが、何度試してもファングは自分の思い通りに動かない。

「何で!?どうしてよ!」

 

『コロセ……』

 

声が聞こえたような気がした。

そこに感情はなく、ただ彼らを殺そうと働く負の情念。

 

『コロセ……ニュータイプニシヲ……』

 

「ニュータイプ……?」

 

ガッデスのコクピットに警告音が鳴り響く。

戦闘画面には動きの止まっていたはずのユニコーンは居なくなっており完全に見失ってしまった。

こうなってはユニコーンをもう1度捉える事など出来ない。

「何処に!?」

 

『ニュータイプニシヲ……ニュータイプヲマッサツセヨ……』

 

声を感じ取り後ろへ振り向く、そこにはガッデスにビームサーベルを振りかぶるユニコーンが居た。

何も出来ないままGNヒートソードを握っている右腕は肩から切断されてしまう。

バーニアを噴かし後ろへ逃げようとするが、それも叶わなかった。

左腕のビームトンファーは胴体に突き刺さろうとしていた。

「ヒリング!?」

 

リヴァイヴは急いで援護に駆けつけようとするがファングがそれを許さない。

何とかファングを4基落とした所で意識をわずかにそらしてしまった。

ヒリングが操作していた頃よりもさらに俊敏にファングが動いているように見える。

右舷からファングが迫るがビームサーベルを握り小さいはずのファングを何とか叩き落した。

「こんなのに構っている暇は!」

 

立て続けに下方からも残りの2基が襲い掛かる。

GNバルカンを連射し接近するファングに目掛け撃ちまくった。

連続して発射されるビームに的の小さいファングでも避けきる事は出来ず破壊されてしまう。

目標を破壊したリヴァイヴはヒリングの元へ行こうとした。

だが小さな爆発の中からまたファングが飛び出して来る。

それに気付く事が出来ずガデッサは後方から迫るファングのビームサーベルに右腕を斬られてしまう。

「まだ残っていたのか!」

 

斬られた右腕が宙に漂う。

残った腕を前に突き出しGNバルカンを撃ちまくった。

接近するファングは加速を掛けその左腕に突っ込んだ。

「ぐあぁっ」

 

腕が爆発してやっとファングは動きを止めた。

だがガデッサにはもう戦闘能力は無くなってしまう。

///

バナージの救援に駆けつけた刹那のダブルオーライザー。

しかし刹那と沙滋の見たものは新型を相手に一方的に戦うユニコーンの姿だった。

「これをバナージ君がやってるの?」

 

その戦いは素人の沙滋が見ても明らかだ。

敵の3機にはもう戦闘力と呼べる物はなくなっている。

「ともかく救援に行く。気を緩めるな」

 

刹那はそう言うとダブルオーライザーをユニコーンの元へ移動させる。

オーライザーのコクピットに搭載されているハロからプトレマイオスに戦闘映像が送られる。

プトレマイオスはガンダム2機による防衛でも凌げる程にアロウズのモビルスーツ部隊を押していた。

このままダブルオーライザーとユニコーンを回収して戦線を離脱する予定だ。

「フェルト、アリオスと輸送艦の状況は?」

「ポイントG-55エリア付近まで離脱出来ています。アリオスの救護もあるので大丈夫かと思われます」

「そう、安全が確認出来たらミレイナに伝えてあげて。お母さんの事で心配してるでしょうから」

「分かりました」

「ガンダムはこのままトレミーを防衛しつつ2人の回収に向かいます。アニュー、舵は任せるわ」

「了解しました」

 

GNフィールドを展開し艦の速度を上げるアニュー。

するとオーライザーから戦闘映像が送られてきた。

「スメラギさん、オーライザーから映像が送られてきています」

 

フェルトの報告にスメラギは疑問を抱かずには居られなかった。

 

(ダブルオーライザーの性能なら新型が相手でも十分に戦えるはずなのに)

 

稼動テストのデーターが本当ならダブルオーライザーは単機でも十分にモビルスーツ部隊と渡り合える性能を持っている。

それすらも凌駕する相手がいるのか、スメラギは思考を廻しながら戦況を把握しようとする。

「映像すぐに廻して」

「了解しました」

不安視するスメラギだったが送られてきた映像を見て目の色が変わる。

その映像にはガッデスとガデッサを相手にしながらも一方的に戦っているユニコーンの姿が映っていた。

「これをバナージがやってるって言うのか?」

「すごい……」

 

ラッセとアニューも普段の戦いとは違うユニコーンに驚いていた。

だがそれは見慣れている白亜の機体ではなく、サイコフレームを展開したガンダムだ。

ガンダムに変身したユニコーンの戦闘能力にスメラギは舌を巻く。

「フェルト、この映像を保存してちょうだい」

 

これだけの戦闘力をあのユニコーンは持っているというの?

完成したばかりのダブルオーライザーに勝るとも劣らない力に警戒をする。

ブリッジに拡大映像で映るユニコーン、アニューはそれを見ていた。

 

『コロセ……』

 

「声……?」

 

『ニュータイプニシヲ……ニュータイプヲマッサツセヨ……』

 

頭の中に響くような声が聞こえた。

周囲を見渡すが声の主は何処にも居ない。

すると映像にユニコーンがアニューを睨んでいる。

無機質に光るツインアイ、機械に睨むなどの表情は存在しないはずなのに確かにユニコーンはアニューを睨みつけていた。

その眼差しにアニューは恐怖する。

体が無条件に震え始める、両腕で抱きかかえ何とか押さえようとするが振るえは止まらなかった。

「アニュー!?どうしたの!」

 

異変に気付いたフェルトが急いで駆けつけた。

震えている体に手を差し伸べる。

「フェルトさん、自分でもどうしてなのか分からないんです。でも、すごく……怖い……」

「アニュー」

 

震える彼女にフェルトは何もしてあげられなかった。

///

ガッデスのコクピットにユニコーンのビームトンファーが突き刺さろうとしていた。

「ヒリング、逃げろ!!!」

エンプラスがギリギリの所でガッデスを庇いユニコーンに体当たりを掛けた。

バーニアを全開にしてガッデスからユニコーンを突き放した。

「デヴァイン!?でもその機体じゃ!」

「ヒリング、ここは引きます!」

「リヴァイヴ、でも!」

「もう戦闘は無理です!撤退を!」

「くっ!ガンダム!」

エンプラスが距離を離している間に2人は戦線から離脱する。

今を逃してはデヴァインの行為が無駄になってしまう。

戦線から撤退する2機をデヴァインはコクピットで見ていた。

「逃げたか」

 

眼前に居るユニコーンを睨む、操縦桿を動かし残された片腕でユニコーンを捕らえようとする。

大きくアームを広げ胴体を挟みこむ。

機首部にあるGNキャノンを発射しようとエネルギーをチャージし狙いを定めた。

このまま撃てばアームごと破壊する事になってしまうが今はそんな事を気にしている場合ではない。

「落ちろ!」

だが発射しようとした時にユニコーンは自らの腕のみで挟み込んでいたアームを逆方向に無理やり広げてへし折った。

通常、モビルスーツのパワーが大型のモビルアーマーを上回るなど考えられない。

アームからすり抜けるとIフィールドを発生させたシールドを構えた。

大出力のビームはすべてIフィールドに防がれてしまいもう打つ手がなくなってしまう。

「化け物め!!!」

 

ユニコーンは両腕のビームトンファーを機首に突き刺した。

幸いにも先ほどのビームでエネルギーを使い切っており内部爆発は起こらなかったがこれで完全に武器はなくなってしまい戦闘続行は不可能となる。

ユニコーンはそのままバーニアを全開にしてエンプラスを押し返した。

コクピットに居るデヴァインに凄まじいGが掛かる。

見る見る内にスピードを上げるユニコーンに操縦桿を握り締めバーニアを全開にするが多少遅くなった程度で止める気配はない。

2機はそのままアロウズの艦隊へと進んで行く。

艦隊の指揮を取るマネキンはまたしても落とせなかったソレスタルビーイングの輸送艦に苛立ちを感じていた。

 

(これだけの部隊を用意しておりながら仕留められないとは!クジョウ、お前はこれからの世界をどうする気だ)

 

届かない声を胸に秘め部隊を集結させ最後の攻撃を仕掛けようとプランを思考する。

だが通信兵から報告が届く。

「マネキン准将、バイカル級航宙巡洋艦が!」

「どうした、現状を知らせろ」

「それが……」

 

ユニコーンはエンプラスをアロウズの艦の左側面にぶつけた。

エンプラスは巡洋艦の装甲を突き破り、重量バランスが崩れた巡洋艦が斜めに横転する。

「ぐああぁぁぁぁっ!!!」

デヴァインには今までに経験した事のない衝撃とGが掛かり、いかにイノベイターと言えども耐え切れるものではない。

ユニコーンはビームトンファーを引き抜くと右腕のサーベルの出力を上げた。

ビームサーベルは強さを増し通常時よりも太くなり長さも変わる。

デヴァインが最後に見たのは己に巨大なビームサーベルを振りかぶるユニコーンの姿だった。

縦一閃にビームサーベルで斬りつけるとエンプラスと巡洋艦が両断され大きな爆発が起こる。

その光りに戦場に居る兵士全ての目が引かれる。

巨大な爆発の光りの中でユニコーンのツインアイは不気味に光っていた。

「何だあの機体は!?」

 

マネキンは一撃で巡洋艦を落としたユニコーンを見る。

ソレスタルビーイングとの戦いで疲労している部隊で戦ってコイツに勝てるのだろうか?

「全機に撤退命令を出せ!被害が広がる前にこの戦線から離脱する!」

 

マネキンがそう叫ぶと他の部隊と艦隊もそれに続きこの空域がら撤退を始めた。

逃げるアロウズの部隊をユニコーンは追おうとはせずただ立ち尽くす。

そこに刹那と沙滋の乗ったダブルオーライザーが近寄ってくる。

「バナージ、無事か?」

 

刹那の通信にバナージは応答しない。

「戦闘は終わった。トレミーへ帰艦するぞ」

 

尚も呼びかけるが一向に返事は無かった。

「刹那、バナージくんは?」

「分からない、とにかく1度帰艦を」

 

するとユニコーンがダブルオーライザーへ振り向いた。

「動いた!無事だよ刹那!」

「あぁ、トレミーへ戻ろう」

再び動いたユニコーンにパイロットは無事だと安心する2人。

だがユニコーンはランドセルからビームサーベルを引き抜くとダブルオーライザーを襲う。




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