機動戦士ガンダム00 The human race's reformation   作:K-15

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第19話 メメントモリ強襲

メントモリの防衛指揮を取るアーバ・リントはカタロンに加勢したソレスタルビーイングの報告を受ける。

「ソレスタルビーイングのガンダムが単機でこちらに向かってきます」

「第2防衛部隊を回しなさい」

「ライセンサーの2人はどうします?」

「構いません。すきにやらせなさい」

「了解しました」

(ソレスタルビーイング。思い知らせてあげますよ、私の大好きな殲滅作戦で!)

「メメントモリのエネルギーチャージを急げ」

「はっ!」

 

アーバの指示を受け通信兵が防衛部隊を前衛に出るように伝える。

そのお陰で分厚い防衛網にわずかではあるが隙間が出来た。

通常の作戦指揮ならなんら問題はないが今回に限りは別だった。

その行動をアーバは後になって後悔する。

ダブルオーライザーは先陣を切り抜けるとそのまま敵陣に突き進んでいく。

損傷もなくまだまだ戦闘行動は続行できる。

すると敵防衛網に動きが見えた。

「作戦通りに動き出したな。沙慈、トレミーに連絡を」

「わかったよ」

オーライザーのコクピットで通信を送ろうとパネルを操作する沙慈。

「!!!」

「上か!?」

 

するとレーダーに登録されていない機影がまっすぐにこちらに向かって来た。

「沈めガンダム!!!」

「また新型か!?」

「デヴァインの仇は取らせてもらうよ!」

「くっ!?」

 

新型のガラッゾに搭乗してヒリングが刹那のダブルオーライザーに迫る。

両手の爪先から発生するGNビームクーで引っかくようにして相手を攻め落とそうとする。

刹那は瞬時に右手のGNソードでこれを受け止めると激しい閃光が煌く。

「新型は押さえて見せる!これで!!!」

進路は開きわずかな防衛網の隙間を潜り抜けメメントモリ破壊を実行する。

///

刹那の陽動でオービタルリング上の敵防衛部隊に穴が出来た。

それを望遠カメラで確認したフェルトはスメラギに伝えた。

「ダブルオーライザー、敵部隊の陽動に成功しました。今です!」

「ロックオン、お願い!」

「オーライ!!!」

通信でロックオンに伝えるといつもの返事が返ってくる。

プトレマイオスのハッチを開放させるとそこからケルディムがGNスナイパーライフルを構えた。

全速力で進んではいるがメメントモリのエネルギーをチャージする電磁場光共振部までは遥か先。

「行くぜハロ!」

「ネライウツゼ、ネライウツゼ」

「トランザム!」

 

頭部ガンカメラがスライドし機体の装甲がピンク色に眩しく発光した。

トランザムを発動させたケルディムの精密射撃は他の機体を遥かに凌駕しており、GNスナイパーライフルの威力も上昇する。

「ロックオン・ストラトス、狙い打つぜぇ!!!」

 

ケルディムが電磁場光共振部に狙いを定めるとトリガーを引いた。

高威力のビームが一直線に飛んでいく。

刹那の陽動のお陰で進路を邪魔する物はない。

そのままビームは電磁場光共進部に直撃をした。

だが分厚く作られた装甲はビーム1発では貫けなかった。

しかしそのくらいはスメラギの想定範囲、続けざまにロックオンは2発目を発射する。

研ぎ澄まされた感覚で放たれたビームはまったくズレル事なく同じ場所に命中した。

「まだまだ、残り時間は?」

「90センコンド、90セコンド」

「あと2発と言ったところか」

 

一方メメントモリ防衛の指揮をしているアーバは驚きを隠せないで居た。

「索敵班、何をしていた!」

「敵ビーム兵器による超長距離射撃です。こちらからでは攻撃できません!」

「敵はオービタルリングにそって真っ直ぐこちらに向かってきます」

(こんなことが……くっ!)

モビルスーツのジンクスの部隊が直撃した箇所の防衛に回る。

「どこから攻撃が……敵の姿は捉えられんのか?」

「索敵班によるとソレスタルビーイングの輸送艦がこちらに……」

 

すると高速で飛んで来たビームがジンクスを貫いた。

何をされたのかも分からぬままジンクスのパイロットは絶命した。

貫いたビームは止まる事無く、アーバが次の手を考えている間にも3発目のビームがまたメメントモリの装甲に直撃した。

「装甲の強度半減!敵の攻撃はコンマ002までくるいがありません。もう1度同じ場所を攻撃されたら電磁場共振部は破壊されます!」

「ガンダムめ!」

 

プトレマイオスのスメラギはロックオンとケルディムの狙撃能力を高く評価していた。

普通に考えればありえない距離だがこの2つがあればそれも可能だと確信している。

(それにこれが出来なくてもまだ手段は残ってるわ)

「ロックオン、後1回当てられれば恐らく破壊出来る筈よ。頼んだわ」

「了解!ハロ、ラスト1発行くぞ!」

「ノコリ15セコンド」

 

狙撃用のスコープが電磁共振部の装甲を鮮明に映し出す。

ビームが直撃した箇所は赤く焼け爛れており分厚い装甲もえぐられていた。

ビーム1発分の小さな穴、ここにもう1度叩き込めばミッションは終了する。

トランザムの活動限界時間も迫っておりそれまでに何としても仕留めなければならない。

「9、8、7……」

 

ハロがカウントを始めた。

0になればケルディムのトランザムは切れてしまいGN粒子の残量も限りなく減ってしまう。

だがそれに同じるロックオンではない。

時間に迫られようとも狙いは完璧、決して外したりなどしない。

「終わりだ!」

トリガーを引き最後の1発を放つ、その射撃もまた正確で一寸のクルイも無い。

それを撃ち終えるとトランザムは活動を停止してしまう。

「どうだ!?」

 

真っ直ぐに飛んでいくビーム、このまま直撃しメメントモリを破壊出来るかに思えた。

「ビームが曲がった!?マジかよ!」

 

それはプトレマイオスからも確認できていた。

「フェルト、何があったの?」

「これは……敵の新型がもう1機居ます!」

 

そこにはブリング・スタビィティの乗る新型のガラッゾがもう1機居た。

紫を基調としたそのモビルスーツはGNフィールドを展開し、それによりビームの弾道を変えたのだ。

ビームは向きを変え狙っていた場所から離れた所に当たってしまう。

「リヴァイブ」

「さすがですね。敵の攻撃はトランザムによる超長距離射撃と推測できます。活動時間から考えてもあれが最後のはず」

 

リヴァイヴはカデッサのGNメガランチャーのエネルギーをチャージする。

「砲撃は私がやります。その間にブリングは輸送艦に」

 

「……」

 

ブリングは無言でリヴァイブの指示通りにプトレマイオスに接近して行く。

ダブルオーライザーは後方の防衛部隊の相手をしており、ケルディムはもうまともに戦えない。

攻め落とすなら今が好機と考えたリヴァイヴ、だがスメラギはすでに次の作戦に移っていた。

「今日で終わりにしてあげます」

 

スコープを覗き接近してくるプトレマイオスに狙いを定める、プトレマイオスは進路変更せず真っ直ぐにメメントモリは進んできている。

『リヴァイヴ!』

だが脳量子波を通してヒリングの声が届いた。

『どうしました?ここは……』

『残りの2機が来た。私の機体じゃ追いつけない!』

後方のメメントモリへ振り向くとそこにはアリオスとユニコーンが奇襲攻撃を仕掛けていた。

「何!?いつの間にあんなところに」

 

メメントモリを破壊されてはこれからの地球制圧作戦に大幅な支障を来たす。

「くっ!止む終えません。ブリング本体へ戻ります!」

///

アリオスはモビルアーマー形態に変形しユニコーンを乗せメメントモリへ大幅に迂回しながら移動していた。

ロックオンの長距離射撃が成功しなかったらトランザムを発動し一気に奇襲を掛ける手筈だ。

「もう戦闘が始まっている。バナージ、新しい武器の使い方は分かるかい?」

 

ユニコーンは肩にGNランチャーを担いでいる。

「大丈夫です。弾数は少ないですけれど威力はありますので」

「周囲のモビルスーツは僕が相手をする。バナージは衛星兵器だけを狙ってくれ」

「了解です」

 

話しているとプトレマイオスのフェルトから通信が送られてきた。

「こちらアレルヤ、どうなったの?」

「2人はプランB-2を実行してください」

「了解、迎撃行動に移る。聞こえたねバナージ」

「はい、行ってください」

 

通信を切るとアリオスはバーニアを全開にしメメントモリの電磁場共振部へ目掛け飛ぶ。

ユニコーンもランドセルのバーニアを噴かしさらに加速をつける。

2人は衛星兵器を止める事が出来るのか。

 

///

 

「敵のモビルスーツ2機防衛網に突っ込んできます!」

 

「たかが2機がなんです。第3艦隊を向かわせなさい」

 

指揮官であるアーバに指示に従い第3艦隊が向かって来る2機を迎え撃つ。

今は長距離狙撃によるメメントモリの攻撃で部隊が乱れている。

これ以上の進攻はさせないし、メメントモリも破壊などさせはしない。

敵の機体は1機はモビルアーマー、もう1機はそのモビルアーマーに乗るようにしていた。

2機は互いのバーニアを駆使して凄まじいスピードで向かって来た。

並み居る防衛部隊に構わずに突き進む。

アリオスとユニコーンのバーニアを使い通常よりも早いスピードで2人はメメントモリの防衛部隊へ向かう。

だが目的は防衛部隊の壊滅ではなく、メメントモリの破壊。

しかしいくらスピードが出ていようと一直線に飛んで来るだけでは敵にもすぐにばれてしまう。

現に防衛部隊が2機を待ち構えている。

それでも2人にはスメラギの作戦があった。

「もうすぐ予定ポイントに着く。いくよ!」

「はい!」

「トランザム!!!」

 

アリオスはユニコーンを乗せたままトランザムを発動させた。

機体の性能が向上し2機のスピードはさらに速くなる。

それは現存するモビルスーツの中でも最速でどんな機体であろうとも追いつく事は出来なかった。

2機はそのまま防衛網の隙間を潜り抜けていく。

高速で動く2機に急いで迎撃をするモビルスーツ部隊だが一瞬にして遥か後方のメメントモリへ飛んでいった。

「敵モビルスーツ、防衛網を突破しました!このままメメントモリへ向かっています!」

「モビルスーツ隊は何をやっていた!2機は狙撃箇所へ行くはずだ、確実に押さえろ!」

 

通信兵の報告にアーバは怒鳴る。

(ソレスタルビーイングめ!こんな事でメメントモリを落とさせはせん!)

 

それでもアリオスとユニコーンの迎撃に部隊を動かしてしまった。

メメントモリの防衛は初めの頃と比べ手薄になってしまっている。

この状態でガンダムを抑える事が出来るのだろうか。

「こうなれば!メメントモリの照準をソレスタルビーイングの輸送艦に向けなさい」

「しかし、まだチャージが!?」

「エネルギーチャージは50パーセントでも構いません。使うぞ」

「了解」

 

遠隔操作でメメントモリの射軸が地球からオービタルリング上を飛行するプトレマイオスへ変更する。

敵は気付いていないのか、それとも何か策があるのか、進路を変更することなくプトレマイオスはメメントモリへ向かう。

 

///

メメントモリの射軸がこちらに変わった事はブリッジからでも確認できた。

「衛星兵器がこちらに向きました。スメラギさん!」

「そのままよ、フェルトはアレルヤとバナージ君の連絡を待って!アニューも速度は変えないで!」

「でもこのままじゃトレミーが落とされるです」

「大丈夫よ、それに敵がこちらに衛星兵器を使うと分かっただけ作戦が簡単になったわ」

 

スメラギは進路を変えない、これぐらい彼女なら簡単に予測できている。

そのための対策も考えてあるし、作戦通りに進めば衛星兵器が発射される前に2人が破壊してくれる。

「その為にも、私達で少しでも敵の注意を引き付けるのよ」

「アナタのミッションに異論はない。けれども僕の負担が増えるのはゴメンしたい」

 

通信でセラヴィーのコクピットからティエリアから呼びかけられた。

彼らしくもない意見だった。

普段なら何も言わずにミッションを遂行する。

「珍しいわね。アナタがこんな事を言うなんて」

「別に、ミッションの進攻はどうです?」

「えぇ、順調よ。悪いけどメインディッシュはアナタは貰えそうにないわ」

 

「ふっ、そう願う」

 

他愛もない会話をするとまた通信は切れた。

さっきティエリアに言った通り作戦は順調だ。

レーダーにはトランザムで加速したアリオスとユニコーンが映っている。

アリオスのトランザムとユニコーンの加速性を交えて敵の懐にもぐりこむ奇襲攻撃。

作戦は予定通り進み2機はロックオンの狙撃したメメントモリの電磁場共振部へと進んでいる。

このまま接近しユニコーンに装備させたGNメガランチャーで破壊する。

ユニコーンが破壊するまではアリオスがそれをカバーする手筈だ。

それに刹那にも随時連絡を取り状況を知らせている。

先陣を切ったダブルオーライザーは実体剣のGNソードを装備しておりエネルギーの消費も少ない。

いざとなればトランザムを起動させ2機の救援にも行ける様に行動させている。

「頼むわね、みんな!」

 

///

「トランザム解除、バナージ!」

「行きます!」

 

アリオスの発光していた装甲がトランザムを解除した事で元の色に戻っていく。

すると背中に乗っていたユニコーンが飛び出した。

メメントモリの狙撃箇所まであとわずか。

(GNメガランチャーの弾数は3発、これで決める!)

 

右肩にGNメガランチャーを構えると一箇所だけ穴の開いている装甲部へ狙いを定める。

「白いのが来るぞ!」

「やらせるかぁー!!!」

 

だが大型のビームキャノンに機動性は下がってしまうし隙も出来てしまう。

残りのジンクスがユニコーンの迎撃に向かう。

「バナージ、後ろは任せるんだ!」

「アレルヤさん!背中は頼みます!」

 

だがアリオスはユニオーンを守る為1機で向かって来るモビルスーツの相手をする。

大部隊を相手にそう長くはガンダムと言えども持ちはしない。

しかしこれは奇襲作戦、バナージがビームを放つまで耐えるだけなら相手にする敵の数もそう多くは無い。

「何があろうと守り抜いてみせる!」

 

両手のGNツインビームライフルを構えると向かって来るジンクス2機に向けビームを連射する。

連射性能に優れたGNサブマシンガンのビームに回避行動に移るジンクス。

ジンクスが避けたのを確認するとすぐに次の行動に移るアレルヤ。

「羽付きにあの装甲を破壊出来るだけの武装はない。白い角付きに向かう」

「了解!」

 

今までの戦闘でガンダムの性能はある程度分析されている。

敵の言うとおりでアリオスにメメントモリの装甲を破壊出来るだけの武装は装備されていない。

ジンクスはアリオスを無視するとユニコーンの迎撃に行こうとする。

けれども装甲を撃ち抜くのはユニコーンの役割、アリオスの機動力と超兵の卓越した反応速度でアレルヤは白兵戦を仕掛けに行く。

アリオスはモビルアーマーに変形するとノーズユニットを展開し急加速でジンクスに突っ込む。

「羽付きには構うな!このまま……っ!?」

 

だが意識を逸らした瞬間に右側面からアリオスがぶつかって来た。

いや、先端のノーズユニットによりジンクスの胴体はがっちりと挟み込まれていた。

「こいつ!いつのま―――」

 

ノーズユニットが力を込めると装甲は簡単に両断されアリオスは爆発の炎に消えた。

「ガンダムは何処だ!?」

 

その爆発が晴れた時にはアリオスは視界から消えている。

モニターを見渡すがそれらしき物体は確認出来ない。

「レーダーの反応は?」

 

見ると反応はあった。

アリオスの反応は自分の機体の反応と重なっていた。

「上か!?」

「遅い!」

 

パイロットが見上げた時にはGNツインビームライフルのビームが機体に直撃した。

急いで回避行動に移るがビームの直撃で機体はすでにボロボロ、ビーム兵器は威力が低くとも少ないエネルギーで機体に十分なダメージを与えられる。

アレルヤはボロボロになったジンクスの背面に回りこむとフロントアーマーの裏からビームサーベルを引き抜いた。

「これで!!」

 

機体を切り裂くとすぐにユニコーンを守る為にバーニアを全開に噴かした。

遠ざかるアリオスの後方でGNドライヴに起爆したジンクスが爆発の炎を上げていた。




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