機動戦士ガンダム00 The human race's reformation   作:K-15

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第30話

真の姿に変身したユニコーンは残されたスラスターを全開にして赤いモビルスーツに立ち向かう。

それでもファンネルにより損傷したランドセルのメインスラスターの損傷は甚大で、瞬間移動しているかのような機動性はもうない。

 

「まだ持ってくれよユニコーン、アイツをここで逃がす訳にはいかないんだ」

 

目の前に現れた赤い機体、それはバナージが居た世界のモビルスーツ開発企業アナハイム・エレクトロニクスが作った型式番号だ。

型式番号のMSNはアナハイムが製造したモビルスーツと言う事を表している。

今までこの世界に居て帰る手がかり1つ見つからなかったがそれが今目の前に居る。

だが損傷した機体で相手をするには赤い機体の性能は圧倒的であった。

各所に備わっているスラスターで図体に似合わない俊敏に動きを見せてくる。

 

『試作段階のこの機体を傷つける訳にはいかない。でもメインスラスターを損傷して本来の性能を出せないようではこの機体に勝てない。いや、勝たせてもらう』

 

接近してくるユニコーンに右手に握った大口径のビームライフルのトリガーを引いた。

次々と放たれる大出力のビームを持ち前の反応速度で先読みするがパイロットの言う事を機体は素直に聞いてはくれない。

残っているスラスターで急上昇を掛けて何とか1発目は回避するが続け様に放たれたビームは的確にユニコーンに飛んで来る。

 

「まだ負けるもんか!」

 

左腕のシールドのIフィールドでビームを弾いてダメージは防いだが動きが止まってしまった。

そこへ何発も赤い機体はビームを撃ってくるせいでその場から身動きが取れなくなってしまう。

 

『そんな機能もあるんだったね。でもそんな事をしていていいの?』

 

初めにユニコーンに攻撃を仕掛けてきたファンネルはまだ充電の為に本体へは戻ってはいない。

動けないユニコーンの周囲を10基のファンネルがゆっくりと取り囲んでくる。

 

『楽しかったけどこれで終わりだよ。行けファンネル!』

 

パイロットの感応波で操作されるファンネル、けれどもユニコーンを囲むそれは命令を下してもまったく反応がなかった。

予想しえない出来事に赤い機体のパイロットは動揺した。

 

『どうなっている、システムの異常か?』

 

言う事を聞かないファンネル、思わずビームライフルをトリガーを引く指も止めてしまった。

 

「今しかない!」

 

攻撃の止んだ数秒に両手でランドセルからビームサーベルを引き抜いた。

残っている推進剤を全て使い切るのも厭わずに各部スラスター出力を全開にして突っ込んで行く。

反応の遅れている赤い機体のパイロットが気が付いた時には眼前にまで白亜の機体は迫っている。

左手のビームサーベルで袈裟斬りをすると握っていた大型ビームライフルは真っ二つに切断されてしまう。

 

『コイツ!?まだこんな』

 

使えなくなったビームライフルを投げ捨てて傷付いていても健在なユニコーンの動きに舌を巻く。

背部バインダーのスラスターを噴かして距離を離すが逃げる間もなく攻撃が襲ってくる。

両腕のサーベルラックからビームサーベルを2本とも投げつけた。

ピンク色に光るビームは残像で円盤のようにも見え、左腕に装備していたシールドと背部バインダーに突き刺さった。

 

『ここまでやるのか、あの白い機体のパイロットは!?』

 

「この距離なら当てる!」

 

再接近をするとビームサーベルを胸部へと突き立てた。

火花を上げて溶解する赤い装甲、けれどもそれは寸前の所で止まってしまう。

スカートアーマー内に隠されていた腕はビームサーベルを握りユニコーンのマニピュレーターごとサーベルラックを一閃し切断してしまう。

 

「届かなかった……ぐぁああっ!?」

 

最後の攻撃も相手を仕留められず、負けを悟った瞬間に赤い機体は右マニピュレーターで強引にユニコーンを殴り飛ばした。

 

『大事な機体に傷を!僕では今のユニコーンも落とせないのか?引くしかないか』

 

プロペラントタンクを2本放出するとメインスラスターを噴かして赤い機体はその場から逃げて行った。

殴られた時に伝わる衝撃でバナージは気を失い、赤く発光するサイコフレームも輝きを無してしまう。

ゆっくりと流れていく機体はラプラスプログラムの示した座標ポイントに近づいて行った。

 

///

 

インダストリアル7のアナハイム工専、放課後の教室でミコットは同級生であるバナージに課題のレポートについて聞いていた。

手には授業で使う参考書を広げて、ページにはモビルスーツのフレームが縮小された写真で小さく貼られており分かりやすく説明文が書かれている。

 

「このムーバブルフレームってフレームと装甲を分けて機体を構成するって事でしょ?」

 

「授業ではそう言ってたけど?」

 

「わざわざ分ける必要があるのって思っちゃって。レポートに書くと言ってもフレームの事なんて何を書けばいいのよ?人間で言う骨の部分でしょ」

 

「極端に言えばそうだけど、さすがに機械と人間の体とは違うよ。昔のモビルスーツと比べて稼動範囲も広くなって人間の動きに近づいて来てるんだろ?」

 

「それ、先生が言ってた事覚えているだけでしょ?」

 

2人で話し合うも互いに授業で習った内容を深く理解していないのでレポートは進まない。

 

「こういうのはタクヤに聞けよ」

 

「イヤよ。それにバナージじゃないと―――」

 

「俺が何だって?」

 

ミコットの声を遮って同じく同級生であるタクヤが2人の元に聞きつけてやってきた。

大好きなモビルスーツの話をしているとあってタクヤは少し興奮気味であった。

 

「レポートの内容、ミコットがどんな事を書けばいいんだって?」

 

「ムーバブルフレームだろ?アレは凄いぞ、ムーバブルフレームがなかったらまだ可変機構を備えているモビルスーツは出来てなかったかもしれないからな」

 

「だったら可変機構にだけ使えばいいのよ。普通のモビルスーツに使う意味なんてある?」

 

ミコットの疑問にタクヤは自慢げにほくそ笑んだ。

それぐらい分かっていると、声を出さなくても伝わってくる。

タクヤが口を開けると自分が持っている知識を余す事なく披露し始める。

 

「いいか?ムーバブルフレームが初めて採用されたのはガンダムマーク2が最初なんだ。あの連邦の白い悪魔とジオンに恐れられたアムロ・レイの乗ったガンダムの後継機だ。これのお陰でフレームと装甲をバラバラに整備できるから戦闘で損傷しても余分なパーツを外さなくても修理出来る。マグネットコーティングを組み込んだりガンダリウム合金を使うようになったからパーツ数は増えたけどむしろ軽量、軽快な動きになった。その技術が応用されて出来たのがアナハイム社の傑作モビルスーツ、初の可変機構を備えたガンダム、ゼータガンダムだ。ゼータガンダムはウェイブライダーと呼ばれる巡航形態への変形能力を有し、宇宙空間から重力下までの連続運用を可能とする破格の汎用性を実現したんだ。ウェイブライダーは―――」

 

「もういいから、十分に分かったから!」

 

余りにも長すぎる話に痺れを切らしてミコットは話を途中で止めさせた。

それでもタクヤはまだ話し足りないような表情をしている。

コレばかりはバナージもタクヤを笑う事しか出来なかった。

 

「本当か?まだアポジモーターの話もしてないぞ」

 

「これだけ聞けばレポートは書けるから。ありがとうタクヤ」

 

微笑みながらお礼をするミコットの表情からは本当に感謝をしているような感情はあまり読み取れない。

けれども自分の大好きなモビルスーツの話をして有頂天になっているタクヤには気が付かなかった。

 

「そうか?これぐらい常識だよ。それよりバナージ、今から港に行こうぜ」

 

「港なんて行って何をするんだ?」

 

「何でも損傷したモビルスーツを回収したみたいだ。聞いた話によるとジェガンだとよ。見に行ってみようぜ?」

 

「俺は良いけど」

 

「私も行くからね」

 

タクヤの提案にミコットは食い入るように一緒に行くと言い出した。

課題のレポートの事は良いのだろうかと心配になるバナージだが、そんな事は気にせずタクヤはこころよく了解する。

 

「よし!じゃあ三人で港のジェガンを見に行くそ!」

 

タクヤを先頭に3人は教室から歩き出す。

歩きながら興奮を抑えられないタクヤはこれから見に行くジェガンに付いて語り始めた。

 

「いいか、ジェガンはジムシリーズのノウハウを基にして―――」

 

「タクヤ、もうモビルスーツの話はいいから」

 

「何言ってんだよ、ジェガンは連邦軍の主力機体だぞ?それを―――」

 

「あー、はいはい!わかりました!」

 

バナージは毎日こうして過ごす時間が楽しかった。

けれどもどこかに感じるじれったいような感覚、子供の頃の断片的な記憶が今の自分の存在を否定している気がする。

自分が居るべき場所はここなのか、だとすれば何処に行けばいいのか。

今の状況から1歩を踏み出す覚悟をバナージはまだ持っていない。

 

「何やってんだよバナージ!置いてくぞ!」

 

「あぁ、今行くよ」

 

でもこれでいいのかもしれないと彼は思う。

このまま大人になって、みんなともいつまでも楽しく遊んで、そんな毎日でも構わないと自分を納得させた。

バナージは眠った記憶の中で昔を思い出していた。

 

 

///

 

輸送船がデブリが漂う宇宙空間をゆっくりと進んで行く。

ブリッジに搭乗している男性は視界に広がる暗闇をじっと眺めていた。

 

「久しぶりの宇宙だな。何だか気持ちが落ち着くよ」

 

「輸送船のレンタル代、いくら掛かったと思うんです?」

 

男性が漏らした感想に隣のシートに座る青いショートの髪型をした女性は否定した。

 

「分かってるさ、俺だってこんな事に金を使いたくない。でも時期を見ても今しかなかった」

 

「そうですけど。わざわざ壊す必要は?」

 

「もしも見つかって悪用でもされると寝覚めが悪い。それにアレは僕とキミの2人のでもある」

 

「もう使う事もないですからね」

 

「そうだ」

 

使わないと言う2人、男性は既に覚悟を決めているが女性の方はまだ少し未練が残っている。

音のない宇宙空間だからではなくブリッジは静けさに包まれた。

男性は何も言わずに操縦桿を握り締め進路を取り真っ暗な宇宙でデブリとは違う真っ白な物体に向かった。

 

「あれは……モビルスーツか?」

 

「何ですか?」

 

「やっぱりそうだ。少し見てみよう」

 

「拾う気?荷物増やさないでくださいよ?」

 

「分かっているよ。船を近づける、ワイヤーも準備してメットも被らないとな」

 

「やっぱり拾う気なんでしょ!?」

 

輸送船は速度を上げて浮遊している白いモビルスーツに近づいて行く。

接近する事で鮮明に機体が見えるようになり損傷しているのが分かる。

 

「損傷しているな。この辺りで戦闘でもあったのか?」

 

「あの頭に付いているの角ですか?」

 

「見たままだろう。ちょっと見てくる」

 

女性の言い残すと男性はノーマルスーツにヘルメットを被りブリッジから出て行った。

残った彼女は呆れながらも操縦桿を握り船の微調整をする。

 

「まったく、変わらないですね」

 

『聞こえているぞ』

 

彼女の独り言は通信機を通して彼に届いていた。

宇宙服を装備して白い機体に取り付いているのがブリッジからも確認出来た。

 

「あら、そっちの状態はどうなんです?」

 

『損傷もそうだが消耗も激しいな。コクピットに乗り込んで動くか確かめる』

 

「気をつけてくださいね」

 

バックパックのエアーで体を移動させると機体のハッチに取り付いた。

慣れた手つきでハッチのパネルを触るがいつものように簡単に開放はしない。

 

「開かない、内側からロックが掛かっている。だとすると」

 

『どうかしました?』

 

「中にまだパイロットが居る。このままワイヤーで引っ張るぞ」

 

『でもそうすると重量が!?』

 

「モビルスーツ1機ぐらい大丈夫さ。それにパイロットも生きているかもしれない。助けてやらないとな」

 

『もう、勝手なんだから』

 

///

 

ブレイクピラーから1ヶ月、ソレスタルビーイングは再び行動を開始した。

連邦軍はあれだげ甚大な被害を出しながらもメメントモリをオービタルリングに建設した。

人々を偽りの情報統制で操り歯向かう者には武力で押さえつける。

そして地球連邦軍は指揮権をアロウズに集約し反連邦組織に対する力を強めていった。

でもそれは同時に連邦軍は内部からアロウズに、イノベイターに乗っ取られている事を示している。

 

「アロウズが表立って動き出したわ、整備も終わったし私達も行動に出るべきね」

 

プトレマイオスのミーティンングルームでスメラギはクルーを全員集めるとこれからのソレスタルビーイングの行動方針に付いて意見を聞いた。

 

「宇宙に上がってオービタルリングの衛星兵器を破壊する、それが一番目立つし相手の戦力を削る事が出来る」

 

「装備は整ったし戦いに行くのは文句ねぇよ、作戦はアンタに任せる」

 

「ロックオンはこう言っているけどみんなはどう?」

 

「俺も賛成だ。敵にこれ以上の進攻を許す訳にはいかない。それにバナージに俺達が宇宙に居る事を伝えられる」

 

刹那は行方不明で音信不通になったバナージが生きている事を信じている。

そしてまた共にガンダムで戦ってくれる事も。

トランザムバーストにより発生した意識共有空間、そこで出会ったマリーダ・クルスが彼を見守ってくれている。

 

「おいおい、居なくなって1ヶ月も経つんだぞ?本気かよ?それにどうやって地球から宇宙にまで上がって来れるんだ?」

 

ロックオンの言う通りで戦闘中に行方不明になり1ヶ月も経過した今、生存している可能性はかなり低い。

ブレイクピラー事件の後の被害地域では連邦軍が常に配備されていた、見つからずに逃げれたとしても周囲は荒野で人間がまともに生活していける環境ではない。

刹那の言う事は希望的観測にしか聞こえなかったが同じく意見に同調する人は他にも居た。

 

「バナージは生きている。言葉にするには難しいが勘でこんな事を言って居る訳ではない。僕の脳量子波がそう感じるんだ」

 

「ティエリア、お前まで刹那の言う事を信じるのか?」

 

「ティエリアだけじゃないよ。僕とマリーも信じてる」

 

「彼は生きてる。たくさんの人の想いを背負って可能性を掴もうとしてる」

 

ティエリアとアレルヤ、マリーも脳量子波がバナージの存在を感じさせてくれた。

たとえ見えなくて遠くても感じることが出来れは繋がっていられる。

思いを力にする事も出来る。

それはこれから長い時の中を生きていく人類に必要な事なのだ。

そうでなくてはイオリアの唱えた人類の革新は訪れないだろう。

 

「やれやれ、揃いも揃ってマジで言ってんのかよ?」

 

脳量子波の使えないロックオンにはトランザムバーストの発動していない状況で人の意識を感じる事は出来ない。

だからバナージが生きていると信じるのは難しかった。

彼もカタロンの構成員として戦ってきたから理解できる、生きている可能性なんて限りなく低いと。

 

「ロックオン……」

 

「アニューまでバナージは生きてるって言うのか?」

 

「上手く言葉に出来ないけれど。でも一緒に居た仲間なんだし見限るのにはまだ早いと思うの」

 

プトレマイオスのクルーはロックオンを除いて全員がバナージがまだ生きている事を信じている。

トランザムバーストによる意識共有がみんなをそうさせたのかは誰にもわからないがイオリアが求める人類が進化した時には全人類が互いが離れていても感じる事が出来るようになるのかもしれない。

 

「やれやれ、バカばっかだなこの艦は。でも、バカになるのもたまにはいいかもしれない」

 

「ロックオン、信じてくれるの?」

 

「そうするしかないだろ、俺だけはぶかれるなんてごめんだ。それにアイツとは前にいがみ合ったまんまなんだ。決着は付けるさ」

 

全員の意思が固まり、ブレイクピラー事件以来活動を停止していたソレスタルビーイングが動く時が来た。

連邦の傀儡となっている諸外国を救う為、アロウズの武力による物事の行使を止める為、イノベイターが世界を掌握するのを阻止する為に彼らは動き出す。

 

「みんなの意見は固まったみたいね。ならこれより衛星兵器破壊作戦を実行します。行き先は宇宙」

 

///

 

 

「ソレスタルビーイングが活動を再開したらしいな」

 

それはすぐに全世界に報道機関を通じて報じられた。

ユニコーンを回収した輸送船はその後小惑星の中に入り損傷している機体の修理とバナージの治療をしてくれていた。

機体は小惑星内の限られた施設と余っていた部品で何とか修理する事が出来た。

バナージの体も幸いに疲労しているだけでケガなどはなく数日で動けるようになった。

今では回収してくれた2人と小惑星内で生活をしている。

 

「ソレスタルビーイングが動き出したのですか?」

 

「あぁ、連邦が宇宙で待機していた部隊に襲撃を掛けたらしいがウソだな」

 

「ウソ、ですか?」

 

「あぁ、戦闘画像を撮っているのに拡大しようとしないし、こんな目立つような事をしておいてただ待機部隊を襲撃しただなんて思えない。今や世界中に注目されている組織だからな」

 

「宇宙に上がったって事は合流出来るかも。ユニコーンの修理ももう少しですしね」

 

「そうだな、キミみたいな子供を戦場に送るのは気が引けるが」

 

「俺は戻らないといけないんです」

 

バナージのその目に男は戦場で戦う以外に別の目的があるのだと気が付く事ができた。

彼が戻るべき場所、戻るべき世界には約束を交わした彼女が待っているから。

 

「それでいい、戦いに飲まれたらそれを思い出せ。キミの力になるはずだ」

 

「はい」

 

年月が経ち清掃のされていないモビルスーツデッキで2人は話している。

修理されたユニコーンもデッキに立っており切断された腕やランドセル、損傷した装甲もほとんど直った。

修理の為に使った部品は彼が何処かから調達してきてそれを使わせてもらった。

 

「話してる所悪いのだけれどちょっと良いかしら?」

 

「どうしたチェーン?」

 

2人に機体の修理をしてくれたチェーン・アギが間に割り込んできて話を遮った。

 

「最後に1箇所だけわからない所があって、ちょっと見てくれる?」

 

「あぁ、それぐらい。行こうバナージ」

 

「ちょっと待って、バナージ君はココに居て」

 

「どうしてです?」

 

「ちょっとね」

 

チェーンはそう言うとユニコーンの元に戻って行き自分の機体だと言うのにバナージは2人に置いて行かれてしまった。

無重力空間で浮遊する中で彼女はユニコーンに組み込まれているシステムについて彼に話した。

 

「機体の機械的な部分はもう終わったわ。それでコクピットからプログラムの微調整をしようと思ったのだけれど」

 

「何かあったか?」

 

「NT-Dってシステムがあの機体には組み込まれている。初めはサイコミュの感度を上げる物だと思ってたのだけれど何処かおかしいの」

 

「敵の脳波を受信出来れば対応も早くなるがそれとは違うのか」

 

「フレームに使われているサイコフレームとも関係がありそうなの」

 

「アレは俺も疑問だった。希少価値の高い素材を全身に使うなんて、そこまでの性能を何に使う?」

 

話している間に2人はユニコーンの開放されたハッチに接触した。

2人は中のコクピットの中に慣れた様子で滑り込んで行きシートに座った。

 

「エンジンは?」

 

「火は入ってます、調整出来る様にバナージ君に起動だけしてもらって」

 

「フルサイコフレームとそのNT-Dは関係があるのかもな」

 

コンソールを操作しシステムについて探ろうとボタンを押していく。

すると機体のサイコフレームから赤い光が漏れ出した。

 

「何だこの光?」

 

「機体から勝手に出てます。これは……」

 

初めて見る現象に驚く2人、そしてユニコーンは操作されていないにも関わらず勝手にハッチが閉じ装甲がスライドした。

赤く光るサイコフレームにフェイスカバーから現れたその顔はガンダム、バナージは自分以外にそれを出来る彼に驚いた。

 

「ユニコーンが変身した。でも何で!?」

 

コクピットの中ではシートが可変してパイロットを包み込む繭のようになり、全天周囲モニターには地球周辺の座標が表示された。

 

「地球からの座標、一体何が起こっている」

 

「でもコレ、月を表示しているわ。月に行けって事かしら」

 

「かもしれない。それにNT-Dが何なのかもわかった気がする」

 

表示される座標を見ながら彼はそう呟いた。

ガンダムに変身したユニコーンを外から見ていたバナージもずっと疑問だった答えにたどり着けた。

 

「ずっと頭に引っかかってた、何処かで見た事があるような」

 

バナージはネェル・アーガマに居た時の記憶やタクヤから聞かされた情報を忘れていた。

まさかこんな事があるだなんて思わなかったから。

 

「アレはネェル・アーガマの資料で読んだ事がある。タクヤが言っていた初めてガンダムに乗ったパイロット、確か名前は―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第30話 アムロ・レイ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




感想の返事にも書かせて頂きましたが赤い機体はナイチンゲールの事です。
パイロットが誰なのかはこれからの更新をお待ちください。
後これは二次創作ですので本当にアムロが生きているかどうかは自分にはわかりません。
アムロとバナージの出会いのシーンは省略しました。
本当はすごく重要な場面なのですが申し訳ありません。

ご意見、ご感想お待ちしております。
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