機動戦士ガンダム00 The human race's reformation   作:K-15

33 / 39
第33話 ラストミッション

グラハムのスサノオを退けた刹那とダブルオーライザー、コロニーに残った2人を救出する為に再度潜入する。

もう敵の襲撃がないと安心して刹那は急いで元来た道を走った。

ナイチンゲールも既にここから離脱し攻撃による揺れもない。

指令室の前に立つとエアロックを解除しようとパネルを数回触り電子音が響く。

圧縮された空気が漏れる音が鳴り扉が開くと赤い水滴が四方に飛び散っている。

 

「これは一体!?」

 

指令室の中は散乱としており銃弾でコンピューターを滅茶苦茶に破壊されていた。

ケーブルも切れて電力もちゃんと供給されておらずもう使えない。

そして助ける筈の2人の腹部には穴がありそこから血が並々と漏れ出している。

力なく横たわる姿にはもう生気は感じられない。

刹那は来るのが遅すぎたのだと現実を受け止めた。

 

「イノベイターの仕業か。くっ!俺のミスだ」

 

苦虫を噛み締める刹那、サポート要員であるとはいえ2人を助ける事が出来なかった。

仲間の死に感情を高ぶらせるが何時までもここに居る訳には行かない。

この場を立ち去る刹那には何故彼女が狙われていたのかが疑問だった。

ソレスタルビーイングの構成員だと言えばそれまでだがそれだけの為にわざわざ自分から出向くとは考えられない。

 

(彼女がヴェーダの場所を突き止めて俺達に伝えようとしていたのを既に知っていた?だがそうだとすると1人で来た事の説明が付かない。ヴェーダはイノベイターにとっても重要な筈。確実に消しに来る、そうなると他の理由があるのか?)

 

思考しようとももう答えはわからない。

帰らぬ存在となった2人とイノベイターのリジェネにしか真相は知らない。

今は命を懸けて伝えてくれたヴェーダの情報を仲間に伝えるしか2人に恩を返せない。

刹那は紗慈の待つダブルオーライザーへと行く。

また1人で道を引き返し直立しているガンダムへと戻ってきた。

助ける筈の2人は何処にもいない、それはオーライザーに搭乗している紗慈からも見えた。

ハッチを開いてコクピットのシートに座ると紗慈から通信が繋がった。

 

『刹那、何で1人なの?』

 

紗慈の問に無言で首を横に振る。

何も言わなくても伝えたいことを紗慈は理解した。

 

『そんな!?何で……』

 

助けられなかった事に悲しみを背負う紗慈、それを刹那も感じ取っている。

2人の為にもと刹那は感情を押し殺してガンダムの操縦桿を握る。

 

「トレミーに戻ろう。このデータをスメラギに解析してもらう」

 

『刹那は……』

 

悲しくはないのか、悔しくはないのかと言おうとして紗慈は口を閉ざした。

感情を表情に、気持ちを言葉に出来ない刹那もまた悲しみを背負っている。

そういうように育ってしまった、そうしないと生きていけたなった。

意識共有領域で互いに心の中を見たからこそ今の紗慈にはわかった。

 

(刹那だって僕と同じだ。何も感じてないわけない)

 

沈黙を保ったままダブルオーライザーはプトレマイオスとの合流ポイントへと飛ぶ。

 

///

 

反地球勢力のカタロンはアロウズの襲撃後は地球を離れて宇宙へと来た。

ある人物によりアロウズへの反攻作戦に参加するように呼びかけられたからだ。

傍若無人を振る舞うアロウズに地球連邦内でも反感が募りつつあった。

地球連邦政府はアロウズを完全に切り離すつもりでいる。

そしてアロウズを解体しもう1度平和的に世界を束ねようと、今までのおこないは間違いであったと気が付いた。

だがアロウズの軍事力は地球連邦政府を凌駕する程に膨れ上がっている。

このまま戦ったのでは勝ちは見えてこない。

だからクラウスはこの提案を受け入れた。

 

「この戦いで終わる。長かった俺達の戦いも」

 

「でも本当に信用できるの?連邦のクーデター派は?」

 

クラウスと共に来たシーリンはまだ完全には信用しきれていない。

敵として戦ってきた地球連邦を今更信じろと言うのも無理がある。

それでも彼はこの作戦に参加した。

 

「詳細な作戦プランと巡洋艦、モビルスーツまでこっちに流してくれた」

 

「だからって―――」

 

「それにソレスタルビーイングも同じ方向へ向かている。月の裏側、アロウズの本拠地」

 

///

 

「王留美が渡してくれたデータのお蔭でヴェーダの場所が掴めた」

 

プトレマイオスのブリッジで刹那の言葉に全員が息を飲む。

イノベイターの手中にあるヴェーダ、そこに黒幕も潜んでいる。

データの解析をフェルトが急いで進めてくれている。

 

「フェルトはそのままデータの解析を進めてちょうだい。マイスターのみんなは新しく来た補給物資を確認しておいて。ガンダムの新装備もイアンとミレイナが進めてくれているわ。たぶん次が最後の戦いになるわ」

 

スメラギの言葉にマイスターは無言で頷く。

刹那がコロニー・エクリプスに行っている間に消耗した戦力の補給の為に物資が届けられた。

その中には少ないモビルスーツの数をカバーするべく新装備も入れられている。

ガンダムの新装備の作業にイアンとミレイナは急ピッチで進めている。

 

「データ解析終了しました。指定された場所は月の裏側です」

 

「フェルト、望遠カメラでそのポイントを映してちょうだい」

 

「わかりました」

 

渡されたデータの解析結果からは月にヴェーダが隠されているで記してある。

けれども月には建設中のコロニーや近くに資源衛星も存在しない。

月のどこに隠されているのかを確かめるべくスメラギは指示を出す。

 

「座標を表示します」

 

フェルトが映し出した座標には真っ暗な宇宙空間が広がり星が輝くだけで何1つとして存在しない。

それを見てスメラギは思考するとまた次の指示を与えた。

 

「そのまま天体図と画像を重ね合わせてみて。たぶんそれで見えてくる」

 

言われたようにフェルトはコンピューターのパネルを叩き天体図と座標の画像を重ね合わせた。

そうして見えてきたのは星の光の位置が不自然にずれている画像。

でもそこにはまだそれしか映し出されていない。

 

「光学迷彩ね。それで星の位置がずれたんだわ。ずれている星の位置を見る限りおよそ15キロ、それだけの規模の物体がここにはある」

 

月の裏側にヴェーダがある、マイスター達の共通の意思は決まった。

ロックオンは行動方針が決まると真っ先に動き始める。

 

「これで決まりだな。それにアイツラもちょうど月に向かってる。あとは奪い返すだけだろ?」

 

「ヴェーダは何としても取り返す」

 

アイツラ、アロウズの艦隊も自分たちが目指す場所へと集結しつつある。

ヴェーダを奪還するにはアロウズとの戦闘は避けては通れない。

ティエリアはヴェーダ奪還を他の誰よりも望んでいる。

戦いになるのはみんな覚悟の上だ。

 

「刹那、僕も行くからね」

 

「紗慈、良いのか?」

 

「戦うのは怖い、死ぬのなんてもっと怖いさ。でもそうしないとルイスを助けられない」

 

「……わかった」

 

刹那は拒むことなく紗慈の提案を受け入れた。

モビルスーツによる戦闘は刹那が引き受けているが紗慈だって前に進むために戦っている。

彼の戦う姿勢を見てマリーも決断する。

 

「アレルヤ、私もモビルスーツで出るわ」

 

「マリー、キミは戦うことなんてないんだ。ピラー崩壊の時は手伝ってもらったけれどこれは戦争だ」

 

「多くの人たちの人命が掛かっているのは同じよ。もう1人の私もそう言ってる」

 

「ソーマ・ピーリスもなのか?」

 

「今の私に出来る事をしたいの。それにいつも守ってもらってばかりでアレルヤの負担になりたくないの」

 

「負担だなんてそんな……」

 

「お願いよアレルヤ、もう昔のままでいたくないの」

 

「こうなったらもう聞いてくれるまで彼女引いてくれないわよ」

 

「スメラギさん……わかった。キミには敵わないな」

 

「アレルヤ、ありがとう。私の我が儘を聞いてくれて」

 

全員の意思が固まった。

それぞれの思いを乗せてプトレマイオスは月へと向かう。

これがソレスタルビーイングの最後の戦いとなる。

 

「アニュー、トレミーの進路を月に向けてちょうだい。これがラストミッションよ」

 

///

 

巡洋艦20隻、モビルスーツも100機以上配備している。

これだけの大部隊を相手に半端な戦力では太刀打ち出来ない。

指揮を任されているアーサ・グッドマンはこの戦いでソレスタルビーイングとガンダムもろとも潰す気でいる。

 

『独立治安維持部隊アロウズは全戦力を持ってソレスタルビーイング殲滅作戦を行う。反政府勢力の最後の砦である奴らを打倒し統一世界を勝ち取るのだ。諸君らの奮起に期待する』

 

待機している全艦艇に地球連邦軍大統領から激励のメッセージが届く。

グッドマンは言われずともと満身に満ちた面持で決戦の瞬間を待つ。

それなのに水を差す情報が下士官より伝わってきた。

 

「准将、ライセンス持ちのモビルスーツが艦隊から離れていきます。いかがなさいますか?」

 

「たかが2機モビルスーツの数が減っただけだ。無視しろ」

 

「了解しました」

 

「ライセンスを持っているからと好き勝手されては勝てるものも勝てなくなる」

 

リヴァイブとヒリングは決戦を目の前にして自身のモビルスーツを持ち出して艦艇から離れていく。

目指す先はリボンズの待つヴェーダの隠し場所。

 

「ヒリング、遂にこの時が来ましたよ」

 

「リボンズは始める気よ。そしてイオリアの計画を完遂させる」

 

「帰投命令を出したと言うことは、遂に覚悟を決めたか」

 

「人間はイノベイターの統括によって生きながらえる。あとはリボンズが上手くやってくれる」

 

ほくそえむ2人を知る由もなく決戦の火蓋は切られようとしていた。

 

///

 

目の前には圧倒的な数の軍勢、それでもここから引くわけにはいかない。

プトレマイオスは逃げずにアロウズが待ち構える艦隊へと突き進む。

 

「トレミー全ハッチオープン、ガンダム各機は出撃をお願いします」

 

モビルスーツが格納されている3門のハッチが開かれ待機していたガンダムがスメラギの考えた作戦プランを遂行する為に次々に発進準備に入る。

ロックオンが搭乗するケルディムは追加武装としてGNライフルビットが右肩に2基、太陽炉に4基の計6基を装備。

GNシールドビットはライフルビットを装備させる為左肩に装備されている。

 

「新装備か、奮発してくれるぜ」

 

『ケルディム、発進どうぞ』

 

「オーライ!ロックオン・ストラトス、狙い撃つ」

 

カタパルトから発進するとプトレマイオスのリニアカタパルトに固定されている高高度狙撃用大型ビーム砲へと向かう。

銃に搭載された大型GNコンデンサーにGN粒子をチャージし、高濃度圧縮・加速させることで驚異的な射程距離と威力を発揮する高高度狙撃用大型ビーム砲は過去にデュナメスが1度使った限りだ。

 

「ずいぶんド派手な物用意してくれたな」

 

大型GNコンデンサにGNドライヴを接続させるとすぐにエネルギーチャージを始める。

アレルヤが搭乗するアリオスガンダム・アスカロンも大幅な追加装備が施されている。

背部に2基装備されたGNミサイルコンテナ、GNツインビームライフルの代わりに大型ビーム砲のGNキャノン、機首部上側に装備された大型の実体剣GNソードと改良が加えられた。

コクピットに乗り込んだアレルヤは整備をしたイアンから機体の追加武装の説明を受けていた。

 

『いいか、アスカロンは以前と比べたら攻撃力は上がっているがその分機動力が落ちている。前のままの感覚で操縦するなよ』

 

「武装はデータで見ました。スペックの変わった所も概ね把握してます」

 

『それならいい。頼んだぞ』

 

「了解。アレルヤ・ハプティズム、迎撃行動に移る」

 

アレルヤのアリオスガンダム・アスカロンもカタパルトから発進するとそれに続きGNアーチャーは飛び出していく。

 

「GNアーチャー、マリー・パーファシー。発進します」

 

2機は横並びになると手を繋ぐようにして接触回線を繋ぎ声を聞く。

 

「マリー、無茶をしてはダメだよ」

 

「アナタも新しい装備に慣れていないんでしょ?」

 

「そうだけれどもさ」

 

「アナタの分まで私がカバーするわ」

 

マリーは接触回線を終わらせるとGNビームライフルを両手に握らせこれから始まる戦場を見た。

ティエリアのセラヴィーガンダムもさらに無人機のセラフィムを2機使用した。

セムを背部に備えることで機体の真下以外の四角がなくなりヴェーダを奪還した時、トライアルシステムの効果範囲が飛躍的に向上する。

ただし総重量がさらに増える為機動力低下は免れないがそれを取っても有り余るだけの攻撃力がある。

セラヴィーガンダムGNHW/3Gは動く要塞とも呼べる機体になった。

 

「僕は必ずヴェーダを取り戻す。死んでいった仲間の為にも、ロックオンの為にもだ。リジェネ・レジェッタ、お前と僕は違う」

 

コクピットの操縦桿を固く握りしめると自身の決意を表した。

目の前に広がる宇宙に倒すべき敵が居ると確信して戦場へと出向く。

 

『セラヴィー、発進どうぞ』

 

「了解。セラヴィー、ティエリア・アーデ出る」

 

ダブルオーガンダムには刹那の以前の搭乗期待、ガンダムエクシアを彷彿とさせるGNソードⅢが握られている。

今まで装備していたGNソードⅡは両腰にマウントされている。

 

「紗慈、お前は俺達の仲間だ。頼んだぞ」

 

『刹那……わかったよ。僕も自分の手で未来を見たい』

 

普段言わないようなことを言われて驚く紗慈。

紗慈にももう見えている、自分がやるべきことが何なのかを。

そして捕らわれているルイス・ハレヴィーを取り戻す。

 

『ダブルオー、発進準備完了しました』

 

「了解、ダブルオーガンダム。刹那・F・セイエイ、出る」

 

「ザンライザー、紗慈・クロスロード。発進します」

 

ダブルオーガンダムは右舷、ザンライザーは中央カタパルトから発信するとガイドビーコンを発射してザンライザーと背部からドッキングをする。

オーライザーに新たに装備されたザンライザー、2本のGNバスターソードⅢは合体させることで巨大な両刃の剣としても使用できる。

ザンライザーの2本のアームは、武装を保持した状態でそのまま第3、第4の腕として機能する。

今や敵もGNフィールドを展開できる機体が増えてきているが実体剣ならGNフィールドを無視して直接攻撃を通せる。

モビルスーツ全機発進を確認するとブリッジからスメラギが各員に指示を出す。

 

「ロックオンは長距離狙撃による艦艇への直接攻撃、アレルヤとマリーさんは機動力による敵部隊のかく乱、アレルヤは防御の薄い宙域から確実に敵艦の撃破を。刹那とクロスロード君は切り込んでモビルスーツ部隊の撃破」

 

指示通りにまずはアリオス、GNアーチャー、ダブルオーが先陣に出た。

アリオスは両手持ちのGNキャノンで1隻の巡洋艦に目がけトリガーを引いた。

太いビームは艦の先端に突き刺さり煙を上げるが1発ではさすがに仕留められない。

アリオスのビームを合図にしてアロウズの艦隊も攻撃を始める。

格納されているモビルスーツが一斉に出撃し巡洋艦はガンダムにビームとミサイルの雨を降らせた。

 

「始まった、それなら!」

 

アレルヤはモビルスーツの大部隊にGNミサイルコンテナを開き陣形を崩そうと一斉発射した。

3機編成のジンクス部隊はミサイルを避けつつGNランスのバルカンで撃ち落とした。

 

「これだけの部隊を相手にガンダムは無力、攻め落とすぞ!」

 

ソレスタルビーイングのモビルスーツ5機、艦1隻に対してアロウズはモビルスーツ100機以上も配備しており兵も負けるはずがないと指揮が上がる。

コンテナから発射されたミサイルの爆発で一瞬視界が見えなくなると的確なビーム射撃がジンクスを貫いた。

 

「マニュアル道理の動きなら!」

 

ソーマ・ピーリスとして訓練を受けていた感覚がマリーにも伝わっており2度目の出撃ながらも巧みに機体を操っている。

ビームライフルでジンクスを撃ち抜くとアレルヤのアリオスも変形してもう1機のジンクスへと突っ込んだ。

機首部のGNソードが前を向き成す術なく機体を真っ二つに切断してしまう。

 

「こんな一瞬で!?」

 

残された兵は数秒にして味方2機を撃破したアリオスとGNアーチャーの連携に舌を巻く。

そして彼は高速で移動するアリオスへと反射的に振り向いてしまった。

無防備な背中に容赦なくビームは飛んで来る。

 

「迂闊よ」

 

トリガーを引くGNアーチャーは残りの1機を仕留めるとアリオスガンダムと合流をする。

 

「マリー、無事だね?」

 

「問題ないわ。それよりも時間よ」

 

「ケルディムの射線上には入らないで。後はロックオンがやってくれる」

 

アリオスがGNキャノンで初めに攻撃した巡洋艦は損傷を受けながらも未だに健在である。

損傷して爆発と共に上がる煙を目印にして超長距離狙撃がプトレマイオスから飛んで来る。

 

「すっげぇ威力。ハロ、チャージ再開だ。次はいつ撃てる?」

 

『ロクジュウビョウ、ロクジュウビョウ』

 

「次でもう一隻仕留める」

 

正確な狙撃は一撃で機首を貫き巡洋艦は大破した。

この狙撃に指揮官のグッドマンは驚きを隠せない。

 

「超長距離狙撃だと!?バカな、場所は特定出来んのか!」

 

「敵主力戦艦からです。ですがこの距離ではこちらからの砲撃は届きません」

 

「くっ!?アンチビームフィールドを展開しろ!」

 

グッドマンの指示により超長距離狙撃を阻止するべくアンチビームフィールドを展開して粒子ビームを無効果させる。

物量で劣るソレスタルビーイングが粒子ビームが使えなくなったら戦況は増々不利になる。

アンチビームフィールドを積んだ無人の巡洋艦が3隻プトレマイオスに向かっていく。

当然その事をしらないマイスターはプトレマイオスへ特攻を仕掛けると勘違いをしてしまう。

無人巡洋艦は破壊されて初めてその効果を発揮するからだ。

 

「刹那、モビルスーツを近づけさせないでくれ。あの3隻は僕が落とす」

 

「了解!」

 

セラヴィーとダブルオーは2機で無人巡洋艦を止めようとする。

刹那は先行して突入するが6機のジンクスが邪魔に入る。

 

「ダブルオーザンライザー、目標を駆逐する!」

 

GNソードⅢをライフルモードにして射撃戦をするが何発もビームを発射して落とせたのはたったの1機。

数を相手に、それも連携して攻めてこられては刹那と言えども苦戦を強いられる。

2機が正面から、残り3機が背後から迫りくるが決して屈しない。

GNソードⅢを切り替えると折りたたまれていた刃が展開し正面のジンクスに袈裟切りをする。

腕のGNシールドを構えるが意味をなさず簡単に機体ごと切断された。

 

「これで2機、来る!」

 

背後からビームサーベルを引き抜き迫る敵、だがオーライザーの補助アームがザンライザーを抜くと2本のビームサーベルを受け止めた。

 

「バカな!?」

 

「もう2本腕があるのか!」

 

動きの止まる2機、ダブルオーは振り返るとオーライザーの補助アームのGNバスターソードで両機の腕を破壊していく。

防衛手段のなくなった2機に至近距離からライフルを放つとコクピットに直撃した。

残された2機はGNランスのバルカンで射撃戦をしようとするが接近するダブルオーを止められない。

 

「は、はやい!?」

 

「確実に仕留める」

 

横一線するGNソードをランスで何とか受け止めるもまた補助アームのGNバスターソードで両腕を切り落とそうとする。

GNランスを両手に握ってしまっているせいでGNバスターソードの攻撃を防ぐ物はない。

振り上げられたバスターソードは意図も容易くジンクスの両腕を持っていく。

 

「ウソだ、こんな―――」

 

コクピットに突き刺さるGNソード、それを見て勝ち目がないと見たパイロットはこの場から逃げ出した。

刹那は逃げる敵を無理に追撃しようとはしなかった。

今は特攻を仕掛けようとしている巡洋艦を止めるのが先決だから。

ティエリアのセラヴィーは横一列に並ぶ巡洋艦に並ぶと早々にトランザムを発動させた。

 

「圧縮粒子全面開放。GNバズーカ、ハイパーバースト」

 

GNキャノンとGNバズーカを構えたセラヴィーはトランザムにより機体が発行すると貯蔵されていたGN粒子を一気に解放させる。

セラヴィーよりも大きいぐらいのビームの玉が巡洋艦に向かっていく。

護衛に当たっていた機体がビームに飲み込まれるも威力は一向に衰えず1隻目の巡洋艦に直撃した。

勢いはそれだけでは止まらず1隻目の巡洋艦をへし折るように破壊すると2隻目、3隻目の巡洋艦も同じように破壊していく。

 

「これなら……これは!?」

 

破壊して数秒後にティエリアは敵の作戦に嵌ってしまった事に気が付いた。

この宙域に大量に拡散された緑の粒子、アンチビームフィールドが撒かれてしまった。

ダブルオー以外のガンダムはビーム兵器が主力の機体、このままではまともに戦う事すら出来ない。

 

「敵の目的はこれだったのか。ここではセラヴィーは戦えない」

 

アンチビームフィールドが拡散したのはプトレマイオスのスメラギも確認できた。

フェルトが現状を伝えるが最悪と言ってもいい状況だった。

 

「スメラギさん、アンチビームフィールドです。このままでは!?」

 

「ここからだとロックオンが狙撃できない。アニュー、トレミーを前に出して。ガンダムと合流よ」

 

すぐに作戦を切り替えて行動を始めるスメラギ、動きの早いプトレマイオスにグッドマンは敵ながらに関心した。

 

「さすが幾度も戦場を潜り抜けてきただけはあるな。だが今回は我々の勝ちだ。全艦隊に通達、NGN兵器でソレスタルビーイングを仕留めに掛かれ」

 

粒子ビームが無力化されている内にガンダムを殲滅しようとグッドマンの指示でミサイル砲撃が始まった。

100、200とおびただしい数のミサイルが飛び交う中で下士官がある事に気が付いた。

 

「指令、白い角付きが居ません」

 

「何だ、白い角付き?」

 

「はい、デカルト・シャーマン中尉からです。彼は角付きを見ていないと言っています」

 

「角付きだと。何処へ行った?」

 

集結したアロウズ艦隊の真下、そこに彼は居た。

用意してもらったSFSはもう燃料が底を付き捨ててしまった。

腰にマウントしてあるライフルを構えると敵艦の1隻に狙いを定めた。

 

「高熱源体、来ます!」

 

「何だと!?」

 

トリガーを引いたその先に居る敵艦はビームに貫かれ一撃で大破した。

次に撃ったビームも、3発目も4発目もたった1発で艦を沈めていく。

最後の1発をトリガーを引くがマガジンが放出されるだけで弾は出なかった。

 

「弾が出ない!?アムロさんが期待するなって言ってたのってこういうことか」

 

最後のマガジンを使うと腰にある予備をライフルに装填させる。

そこに居た機体はユニコーンをモチーフにした真っ白な装甲と頭部に角のある機体。




ご意見、ご感想お待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。