機動戦士ガンダム00 The human race's reformation   作:K-15

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第4話 救出作戦

プトレマイオスはラグランジュ1資源衛星郡で整備を受けていた。

損傷したセラヴィーを直すと共に新しくメンバーになったライル・ディランディの訓練とアンノウン機を詳しく解析する必要があった。

特にアンノウン機は何も情報が掴めないで居た。

機体データを観覧するためにはさらに厳重なプロテクトを解除する必要があった。

イアンはプトレマイオスに装備されているすべての設備を駆使してプロテクトを解除しようと試みたが解除は出来なかった。

強引にデータを引き出そうともしたがプロテクトに察知されると全データを削除されるように構成されておりそれも無理だった。

パイロットの意識が戻るまでは時間は掛かるが少しずつプロテクトを解除していくしかなかった。

ラグランジュ1で機体のデータ採取と構造や装甲の材質等も詳しく調べるつもりでいる。

白亜の機体の謎は深まるばかりだった。

ライルは緑色のパイロットスーツに着替えてティエリアとMSデッキに向かった。

新型のケルディムガンダムがロールアウトされたばかりだ。

ティエリアはコクピットのパネルを操作するとハッチを開けてライルを乗り込ませた。

 

「これがキミのガンダムだ」

 

「へぇ、やっぱスゲエな」

 

「これはキミの専用機だ。これからの訓練で操縦法を覚えてもらう」

 

「お手柔らかに頼むよ」

 

「モビルスーツの戦闘経験は?」

 

「あるわけないだろ。作業用のワークローダーに乗ったぐらいだ」

 

「まったくの素人を連れてきたのか、刹那め!」

 

「だからさ、やることいっぱいあるだろ。よろしく頼むよ、かわいい教官殿」

 

「茶化さないでほしい」

 

ライルはコクピットから手を伸ばし握手を求めるが無視された。

見た目は同じでもニール・ディランディ、ロックオンとは違う。

その様子をフェルトは画面越しに見ていた。

ロックオンが死んでしまった事をもう一度直視することとなってしまう。

 

「ロックオン……」

静かに呟くとパネルを押してライルの映っている画面を消した。

 

///

 

沙慈・クロスロードはプトレマイオスの収容所に入れられている。

刹那に連邦軍の強制労働から逃がしてもらい状況に流されてここまで来てしまった。

もうここに居る以上は戦争に加担している事になるのだろうか。

4年前の事故から会えていないルイスはどうしているだろう。

思う事は沢山あったが今は自分の出来る事をしようと考えていた。

食事を運んできて貰った時に一緒に渡された赤いボールのようなロボット、ハロを使いこの艦のデータバンクを調べていた。

調べるのは4年前のあの事件だ。

ソレスタルビーイングは武力介入で戦争を無くすと宣言していたのに無関係なルイスの家族や一般人に襲撃した。

そのせいで両親は死にルイスは左手を無くした。

ハロの口らしき部分からケーブルを引っ張り出し収容所の設置されているコンピューターに繋げる。

データバンクから4年前の出来事をしらみつぶしに探した。

もう何時間と時間が経過した時に気になるデータがあった。

 

「スローネによる民間人の襲撃?」

 

パネルをタッチしデータを閲覧する沙慈。

すると突然部屋のロックが解除され扉が開いた。

 

「刹那!?」

 

「食事だ」

 

一言そう言うと奥からトレーを持ってきた。

沙慈はソレを受け取ると食事には手を付けずに床に置いた。

 

「どうした?」

 

「刹那、一つ聞きたい事があるんだ」

 

閲覧していたデータを刹那に見せ真実を聞き出そうとした。

刹那は差し出されたコンピューターの画面を見ると言葉を発した。

 

「確かに記録にあるように俺達とスローネは別の立場で武力介入を行っていた」

 

「仲間じゃないと」

 

「あぁ」

 

「それでもキミ達は同じようにガンダムで人を殺し、僕と同じ境遇の人を作ったんだ。キミ達は憎まれて当たり前の事をしたんだ」

 

「分かっている。」

 

「世界は平和だったのに、当たり前の日々が続くはずだったのに!そんな僕の平和を壊したのはキミ達だ!」

 

「自分だけ平和ならソレでいいのか?」

 

「そうじゃない、でも誰だって不幸になりたくないさ」

 

「不幸か……ならコイツはどう思っているんだろうな?」

 

沙慈は扉の奥を覗き込んだ。

そこにはタンカーに寝かされた少年が居た。

 

「その子は?」

 

「体には異常は無いのに意識が回復しない。原因は不明だ」

 

「そうじゃなくて、その子をどうするの?」

 

「コイツはモビルスーツに乗って俺達に戦闘を仕掛けてきた。一人にして置く訳にはいかない。沙慈、お前が見ていてくれ」

 

刹那はその少年の体を抱えると収容所のベットに寝かせた。

 

「ちょっと待って、刹那!」

 

「何かあれば連絡してくれ。すぐにクルーが駆けつける」

 

それだけ言い残すと刹那は沙慈の静止を聞かずに出て行った。

扉は閉まりロックを掛けられてしまい内側からは開かなくなってしまう。

 

「そんな事言ったって……」

落胆して床に座り込んでしまう。

ベットに寝かされた少年に振り向くと目が合った。

 

「え……」

 

虚ろな目で少年がこちらを見てくる。

まるで心が引き込まれるようにその瞳を見続けた。

 

 

///

 

 

「王留美からの暗号通信です。反政府勢力収監施設、アレルヤ・ハプティズムを発見!」

 

「知ってるです。その人、マイスターさんです」

 

「そうか、連邦に捕まっていたのか。道理で行方が分からない訳だぜ」

 

4年前の戦闘でキュリオスは敵に捕獲されてしまい、そのままパイロットであるアレルヤは捕まってしまった。

今までも捜索はしていたが戦力も整っておらず危険な行動は出来なかった。

それでもいつか奪還する事を信じて彼の新しいガンダムも製造してある。

アレルヤを奪還する為にブリーフィングルームでミーティングを開く。

プトレマイオスの全クルーを呼び出した。

みんなが制服を着て集まってくる中スメラギだけが胸元のはだけたシャツで来た。

 

「アレルヤが見つかったって本当なの?」

 

「あぁ、王留美からの確定情報だ。これから救出作戦を始める」

 

「救出って、どうやって?」

 

イアンの言葉を理解出来ないでいた。

 

「アンタに考えて欲しい、スメラギ・李・ノリエガ。俺達に戦術予報をくれ」

 

刹那は前に出てスメラギを説得するが彼女はまだソレスタルビーングに戻る気は無かった。

 

「アレルヤが戻ればガンダム4機による作戦行動が可能になる」

 

「それでも心許無いがな」

 

ライルが刹那の言葉に水を刺す。

隣に居てそれを聞いたティエリアが彼を睨み付けた。

 

「おぉっと!?」

 

さすがに場の空気を察してこれ以上は言わなかった。

目線を反らし黙って成り行きを見守った。

 

「スメラギさん」

 

「コレは……」

 

フェルトはスメラギに制服を手渡そうとする。でも彼女は受け取らなかった。

 

「やめてよ、そうやって期待を押し付けないで。私の予報なんて何も変える事が出来ない。みんなを危険に晒すだけよ」

 

スメラギは背を向けてブリーフィングルームから出て行こうとする。

 

(昔も、4年前も何も変える事が出来なかった。今回だって……)

 

「後悔なんてしない!たとえミッションに失敗しようとアンタのせいになんてしない。俺達はどんな事をしてでもアレルヤを、仲間を助けたいんだ。頼む、俺達に戦術をくれ」

 

「……フェルト、後で現状の戦力と状況のデータを教えてくれる」

 

「スメラギさん!」

 

スメラギは振り向く事なくそのままブリーフィングルームを出て行った。

プトレマイオスはアレルヤの救出の為資源衛星から発進する。

ガンダムマイスターはパイロットスーツに着替え各自のモビルスーツに向かう。

王留美からの情報は正確でアレルヤの収監されている場所が提示されていた。

 

「すごい!収容されている人達の名前や場所が正確に記されている」

 

フェルトはデータを見てアザディスタン王国の皇女マリナ・イスマイールの名前がある事に気づいた。

 

「この人……」

 

王留美の情報を元にスメラギはミッションプランを考えていた。

データを睨み付ける様にくまなくチェックする。

 

「この空母の粒子ビームを押さえられれば」

 

だがスメラギは収容施設の襲撃作戦以上に気になる事があった。

パネルに触るとライル・ディランディのプロフィールが画面に映し出される。

 

「彼のこの能力値の高さ、いったいどう言う事?」

 

ただの一般人にしては銃火器の扱いやモビルスーツの適正が高かった。

普通ではこの様には成らない。

気にはなるが今は一人でも戦力が必要な時だ。

彼の能力値を信じてプランを組み立てるしかない。

 

///

 

パイロットスーツに着替えたロックオンとティエリアがグリップを握り移動する。

 

「ついに実戦だな」

 

「キミに出番があるとは思えない」

 

ティエリアが先頭に立ちMSデッキへ向かう。

その表情はいつもと変わらず冷めていた。

後ろに居るせいで顔は見えないがロックオンは容易にその表情が想像できた。

それを想像し鼻で笑った。

 

「そいつは気が楽だ、頼りにしてるぜ」

 

「……」

 

無言でティエリアはデッキのセラヴィーに取り付く。

ハッチを開放しコクピットに乗り込み脚部をカタパルトに固定させる。

 

「セラヴィー、専用バズーカ装備です」

 

通信が入るとバズーカを掴んだアームが前方にやってきた。

機体の両腕を前に出しGNバズーカを装備する。

刹那のダブルオーは発進直前までイアンが調整していた。

 

「ツインドライブ、起動したはいいが安定には程遠い。トランザムを使うなよ」

 

青いパイロットスーツを着た刹那にそう告げる。

 

「了解、サポートを頼む」

 

ヘルメットを被りダブルオーのコクピットに乗り込む刹那。

シートに座るとスメラギからミッションプランが送られてきた。

 

「300秒で施設を襲撃、混乱に乗じてアレルヤを救出」

 

他のマイスター達にもミッションプランは送られている。

ソレを見たティエリアは鼻で笑った。たった3機では無謀もいい所である。

 

「それでこそスメラギ・李・ノリエガ」

 

ライルも一様ケルディムのコクピットで待機していた。

しかし作戦前だと言うのに緊張感は無くいつもの調子でミッションの内容を見た。

 

「アレ?俺にもやる事あんの!?まあ、そっちの方が都合がいいか」

 

「ナンノコト、ナンノコト」

 

「何でも無いよ。サポート頼むよ、ハロさんよ!」

 

コクピットに居るオレンジ色のハロを叩く。

各機カタパルトに固定されいつでも発進出来る体制に入る。

そんな中ティエリアは刹那に通信を入れる。

 

「刹那、アレルヤが収監されている場所にこんな名前が」

 

ティエリアは刹那の機体に王留美から送られたデータを送った。

データにはマリナ・イスマイールと書かれていた。

 

「マリナ・イスマイールがアレルヤと同じ施設に居る!?」

 

刹那は悩む素振りを見せたがすぐにデータを閉じた。

するとプトレマイオスは大気圏突入の体勢に入る。

 

「GNフィールド最大展開、大気圏突入を開始します」

 

フェルトがプトレマイオスの全クルーに通信で伝えるとパネルを操作しGNフィールドを展開する。

GNフィールドを展開したプトレマイオスが大気圏に突入して行く。

大気の摩擦が艦を包み赤くなる。

熱を防ぎながらプトレマイオスはアレルヤの囚われている連邦軍の収容施設に向かう。

揺れる艦内で沙慈はベッドにしがみ付き体を支えている。

 

「くぅぅぅっ!この振動は!?重力?」

 

体を支える事で精一杯の沙慈は隣のベッドのバナージにまでは目が行かなかった。

ベッドで眠っているバナージは地球に向かう最中人々の魂を感じ取っていた。

そうして彼も重力に魂を引かれて落ちていく。

 

「オード……リー……」

 

バナージの微かな声に沙慈は気づけなかった。

 

 

///

 

 

連邦軍の収容施設は宇宙から降下して来るプトレマイオスをすぐに察知した。

司令官であるカティ・マネキンはすぐさま指示を出す。

 

「砲撃用意、モビルスーツ隊の発進準備急げ!」

 

部下に指示を出すとソーマ・ピーリスに直接通信を繋げる。

 

「ピーリス中尉、敵襲だ。E-57の確保を」

 

「了解」

 

それだけ言うと通信を切ってしまう。

被検体E-57、アレルヤ・ハプティズムの収容所に向かい歩き出す。

だが突然歩くのを止め周囲を警戒しだした。

 

「何だ!?この変な感覚は……あの男ではない」

 

まとわり付くような不思議な感覚を感じた。

そうしている間にプトレマイオスの砲撃が施設の一部を破壊し炎が上がる。

 

「ガンダム!」

 

ソレスタルビーイングの目的は被検体E-57の救出、そのまえに確保しなければ。

ピーリスは収容所に走り出す。

嫌な感覚はいっそう強くなってくる。

プトレマイオスはGNフィールドを展開したまま連邦軍の収容施設に一気に降下する。

連邦軍の空母から主砲の一斉射が飛んで来るが減速せずにそのまま突っ切る。

 

「減速しないだと!?」

 

カティ・マネキンはプトレマイオスの行動に驚く。

通常ビームを回避しようと艦を旋廻させるはずである。

彼女はその行動の意味をすぐに察知した。

 

「まさか!?施設の防衛部隊を退避させろ!」

 

そう叫ぶがもう遅かった。

 

「GNフィールド最大展開、トレミー潜水モード」

 

フェルトがGN粒子の濃度を調整するとラッセはさらにスピードを上げる。

 

「海に突っ込む!」

 

プトレマイオスはそのまま急角度で海に飛び込んだ。

大きく水しぶきが舞い津波が発生する。

発生した津波は勢いを増し施設の防波堤を軽々超えてくる。

防衛の為に待機していたモビルスーツの脚部が海水に飲み込まれる。

そのままモビルスーツはバランスを崩して倒れてしまう。

津波はそれだけでは収まらず建造物の足場に勢い付いた海水が当たり施設全体に霧が霧に包まれる。

霧のせいでGN粒子が拡散してしまいビームの威力が下がる。

それに気付いたカティ・マネキンはミサイルで迎撃するよう指示を出す。

海中に居るプトレマイオスにミサイルが直撃するがGNフィールドにより装甲にダメージは無かった。

霧が施設を被っているそのわずかな間にプトレマイオスからガンダムが3機出撃する。

 

「刹那、ティエリア、粒子ビームの拡散時間は300秒しかないわ。その間にアレルヤを」

 

フェルトは施設のモビルスーツ部隊の動きを察知しながら刹那達にその情報を送る。

 

「了解、180秒で終わらせる」

 

「残りの120秒でもう一人助けたらどうだ?」

 

「……マリナ」

 

そう言うとダブルオーとセラヴィーは施設に乗り込む。

残ったモビルスーツとトーチカからの砲撃を高い機動性で掻い潜る。

一撃も被弾する事無く指定された座標に一直線に突っ込む。

刹那は建造物にダブルオーをめり込むように突っ込んだ。

その影響で大きな振動が周囲に伝わる。

アレルヤの奪還を阻止するべく向かっていたソーマ・ピーリスは振動で足場を崩し壁にぶつかってしまう。

 

「くぅぅっ!この振動は!?」

 

刹那はハッチを開放し施設内部に侵入する。

作戦終了まで時間は残されていない。施設の構造を覚えアレルヤの囚われている場所まで走る。

ティエリアはセラヴィーのGNフィールドを展開し無防備なダブルオーを守る。

ソレスタルビーイングの出現にともないアロウズのモビルスーツも出撃し迎撃行動に入った。

GN-X部隊が侵入したダブルオーにビームを撃つがセラヴィーのGNフィールドが寄せ付けない。

 

「ここは死守する!」

 

高濃度のGN粒子のフィールドを通常のビーム兵器では打ち破る事は出来ない。

 

「何て粒子量だ!?」

 

「接近して直接叩く!」

 

フィールドを打ち破れないと見たら迅速な判断で接近戦闘に切り替える。

各機がビームサーベルやランスに持ち替え再度攻撃をしかけた。

機動性でかく乱しながら時間差で攻撃するべく連携を取りながら縦横無尽に動く。

だが突如としてレーダーの範囲外からビームが飛んで来る。

正確な射撃でGN-Xの1機がコクピットを撃ち抜かれる。

 

「何だ!?別方向からの攻撃!?」

 

想定外の襲撃にアロウズの部隊はすぐに対応出来ないで居た。

ケルディムのコクピットのスコープを覗き見ながらライルは次の機体に照準を合わせる。

 

「タオシタ、タオシタ」

 

「まぐれ、まぐれ。ロックオン・ストラトス、狙い打つぜ!」

GNスナイパーライフルの長距離射撃で敵機をかく乱させる。

アロウズの部隊はケルディムの攻撃に成す術が無い。

セラヴィーのGNフィールドも打ち破る事が出来ずじわじわと押され始めていた。

 

///

 

内部に潜入した刹那はアレルヤの収容されている場所を突き止めた。

奇襲により敵兵はおらずスムーズに作戦は進む事が出来た。

ロックされている扉に爆弾をセットし爆発させる。

扉は吹っ飛び真っ暗な部屋の中に光りが差し込む。

そこには情報どうり拘束されているアレルヤが居た。

刹那は銃を構え手足を固定させている拘束具を破壊する。

 

「刹那、どうして……」

 

何も言わずに通信機を投げ渡した。

 

「そのポイントへ行け。アリオスが来る」

 

「アリオス?」

 

「お前のガンダムだ!」

 

それだけ言うと刹那は部屋を後にした。

 

「アレルヤを発見した。アリオスを頼む」

 

「了解、トレミー浮上。」

 

「アリオス射出です!」

刹那からの連絡を受けラッセはプトレマイオスを海上に浮上させる。

カタパルトに固定させたアリオスを射出させ再び海に潜る。

刹那はマリナ・イスマイールの収容されている場所に向かう。

その姿を見てアレルヤもすぐに動き出す。

動きにくい拘束衣で指定座標に走り出す。

通信機には内部の構造も載っており指定ポイントには迷う事無く行くことが出来た。

 

「ここが指定ポイントか……」

 

しばらくするとプトレマイオスから射出されたアリオスが建造物に突っ込んできた。

射出は正確で自分の目の前にはコクピットのハッチを開けた新型のガンダムが居た。

乗り込もうとガンダムに向かう。

 

「動くな!」

 

背後には銃を構えたソーマ・ピーリスが居た。

 

「マリー!」

 

「私はそんな名前では無い!」

 

「いいや、これがキミの本当の名前なんだ。マリー・パーファシー」

 

「マリー・パーファシー……」

 

その名前を聞くと脳に昔の記憶が蘇る。

だが今の彼女は超兵としての記憶しか残っておらずそれはとても不愉快だった。

体が、心がその記憶を拒絶する。

 

「マリー!」

 

苦しみだす彼女を助けようとするが足元に銃弾が飛んできた。

 

「まどわすなぁーーーー!!!」

 

ソーマ・ピーリスは握った銃をアレルヤに撃ちまくる。

だが照準はさだまっておらずあらぬ方向に飛んでいく。

 

「くっ!」

 

それでも銃を握っている今の彼女に近づくのは危険と感じたアレルヤはアリオスのコクピットに乗り込む。

GNドライブを起動させるとメインカメラからの映像がコクピットに映し出される。

苦しそうにもがく彼女が映像に映っていた。

すぐ傍に居るのに助ける事の出来ない事がアレルヤは悔しかった。

 

「マリー、必ず向かえに来るから。必ず!」

 

アリオスのバーニアを吹かし施設から脱出する。

刹那もマリナを救出してダブルオーに乗り込む。

 

「脱出する、掴まっていろ」

 

セラヴィーとキュリオス、ダブルオーもアリオスに続いて脱出を始める。

一方そのころカタロンによる収容者の救出も行われていた。

ソレスタルビーイングの襲撃により混乱している収容施設、囚われている人を多く逃がす事が出来た。

だがその中にマリナ・イスマイールは居なかった。




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