機動戦士ガンダム00 The human race's reformation   作:K-15

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第5話 目覚め

プトレマイオスに帰艦した4人は各自で休息を取っていた。

アレルヤは拘束衣を脱ぎティエリアと一緒に居た。

 

「アレルヤ、どうして連邦政府に掴まっていた?超人機関の情報を」

 

するとコクピットから出てきたロックオンもやってきた。

 

「いや~すごいなこの艦は。水中航行すら可能とは。」

 

ロックオンの姿を見て目を見開くアレルヤ。

 

「ロックオン!どうして……」

 

「そのリアクション飽きたよ」

 

「彼はロックオンではない。弟だ」

 

「す、すまない」

 

「変わらないな、キミは」

 

「そうかい……うっ!?」

 

突然頭を押さえて苦しそうな顔をする。

 

「この感覚はハレルヤ……いや、違う」

 

 

 

///

 

 

「静かになった。もう戦闘は終わったのかな?」

 

「セイコウ、セイコウ」

 

沙慈は艦の揺れがおさまった事に安心した。

ベッドに寝ている少年を見るが以前として状態は変わっていない様に見える。

 

「病気か……ルイスは大丈夫かな……」

 

地球に居る彼女の事を思い出していると突然少年が目を開けた。

 

「こ、ここは……」

 

「っ!?気が付いたのか!」

 

いきなりの事で驚く沙慈だが急いでクルーに通信で伝える。

バナージはゆっくりと息を吸った。

アレルヤの救出作戦から数分後、沙慈からの連絡で眠ったままだった少年の意識が戻った事を知る。

フェルトからの報告を受けクルー全員が一度ブリッジに集合した。

 

「アンノウン機のパイロットの意識が戻ったようです」

 

「本当か!?」

 

その報告に驚くクルー達だがティエリアは冷静だった。

意識が戻った今、謎の白い機体について聞き出さなければならない。

 

(あの戦闘能力は利用価値がある。それにあのパイロットの身元も特定しなければならない。もしも敵であった場合は……)

 

一人無言でブリッジから立ち去ろうとする。

 

「待って、ティエリア」 

 

「スメラギさん、どうしました?」

 

「私も行くわ」

 

「でもアナタはまだ戻ると決めた訳では」

 

「何となくだけど、あの子と話せば何か分かる気がするの」

 

「あの少年は、まだ名前すら分かっていないんですよ。何の根拠があってそんな事を」

 

「私もよく分からないわ。でも、決心が付きそうなの」

 

彼女は真っ直ぐな瞳でティエリアを見た。

その瞳は酒に溺れていた以前とは違う。4年前の時と同じ。いや、それ以上の意思を感じた。

 

「分かりました。ただし、尋問の手は子供だからと言って緩める気はありません」

 

「それは分かっているわ」

 

「では、行きましょう」

 

話が終わり二人は沙慈と一緒に居る少年に会いに行く。

二人が出て行きブリッジの自動ドアが閉じる。

 

「スメラギさん、戻ってきてくれるんですね!」

 

「らしいな、これで作戦行動もやり易くなる」

 

「感激です!」

 

二人は沙慈の居る収容所に向かい歩いた。

収容所に付くまでは二人は何一つ言葉を交わさなかった。

 

「ここです。ロックを解除します」

 

「えぇ、お願い」

 

ティエリアが扉に付いているパネルを操作しロックを解除するパスワードを入力する。

数秒でパスワードの入力は終わりロックが解除されると扉も開いた。

中に入ると目を覚ました少年がベッドに座り沙慈と何か話していた。

白いパイロットスーツはもう着ていない。

ティエリアとスメラギが来た事で沙慈は少し戸惑っているようだった。

 

「ちょっと、いきなり!」

 

「目は覚めたようだな」

 

「アナタは?」

「一緒に来てもらう。キミには聞きたい事が山ほどある」

 

「拒否権は……無いんですね」

 

「そうだ」

 

「分かりました」

 

バナージは今までの経験で抵抗した所で変わらないと分かっていた。

相手はコチラの情報を欲している。

元は唯の一般人が軍人からの尋問に耐えられる訳が無い。

なら今は素直に従うしかなかった。

バナージがベッドから立ち上がると二人は部屋から出た。

ティエリアとスメラギの後に続きバナージも部屋から出て二人に付いて行く。

沙慈は一人部屋に取り残されてしまうと扉のロックが掛かる。

バナージは別の部屋に連れて行かれるとイスに座らされた。

部屋の内装は白色で統一されており尋問するには不向きに思えた。

(それにしてもココは何処なんだ?ジオンじゃない、連邦軍にも思えない)

するともう一人の女の人が向かいのイスに座ってきた。

紫色の服を着た男は部屋の隅に立ってコチラを睨んでいる。

 

「意識が戻ったばかりで悪いのだけれど、私の質問に答えてもらうわ」

 

「抵抗しても無駄なんでしょ」

 

「そうね、だから正直に答えてちょうだい。そういえばまだ名前を聞いていなかったわね」

 

「バナージ・リンクスです。インダストリアル7の78番街に居ました」

 

「名前だけでよかったんだけど、まぁいいわ。私はスメラギ・李・ノリエガ」

「本名じゃ無いんですね」

 

「悪いけど教える事は出来ないわ」

 

今まで連邦とジオンを行き来している内に軍隊の本質を自然と覚えてしまった。

この後に聞かれる事を想像し無意識に聞かれていない事も答えてしまった。

 

「あの白いモビルスーツは何?軍のデータベースにはあの機体のデータは記載されていなかったわ」

やはりその事かと思った。

ユニコーンの事はごく一部の人間しかその存在を知らない。

希少価値の高いサイコフレームを使っているアノ機体を見逃してくれるはずがない。

そう考えていたら思いもよらない事を彼女は言った。

 

「今のモビルスーツにはGNドライブが標準装備されているのにあの機体には無かった。なのにガンダムと対等に戦っていたわね」

GNドライヴ、初めて聞く単語にすぐには理解出来ない。それにガンダムと戦闘とは何の事だろうか。

 

「ちょっと待ってください。俺は一体何をしていたんですか?ガンダムと戦っていたなんて……」

 

「意識が戻ってすぐだから状況が理解出来ないの?」

 

「多分そうだと思います」

 

スメラギは真っ直ぐにバナージの瞳を見つめた。

張り詰めた空気が部屋に漂う。

 

「……いいわ、順を追って説明するわね。私達ソレスタルビーイングは連邦軍のアロウズと戦闘になった。アロウズのモビルスーツ部隊をソレスタルビーイングが所有するガンダムで撃退した所にバナージ君の乗っていた白い機体がコチラに攻撃を仕掛けてきたの。それを鹵獲してアナタはトレミー、この艦に居るって訳。理解してもらえたかしら?」

 

スメラギの説明を聞いても頭の中はまだ混乱したままだ。

むしろ悪くなったと言ってもいい。

 

(また聞いた事のない単語が出てきた)

 

ソレスタルビーイング、アロウズ、どちらも今までに聞いたことも無ければ見た事も無い。

ただ連邦軍とガンダム、この二つはバナージもよく知っている。

「俺が戦っていたて言うガンダムってバンシィ、黒いガンダムですか?」

 

フル・フロンタルの搭乗するシナンジュを倒す為リディ少尉の乗る2号機であるガンダムバンシィと一緒に戦った。

バナージが知る限りガンダムはユニコーンとバンシィの2機しか無いはずだ。

しかし返ってきた答えは違っていた。

「いいえ、色は黒くは無いわ。アナタが戦闘したガンダムはどちらも白色よ。後、さっき言ったバンシィって一体何?」

バンシィの事を聞かれしまったと焦る、だがバナージもバンシィについてはあまり情報が無い。

うまくごまかす方法もすぐには思いつかず正直に答える他無かった。

 

「バンシィはユニコーンの2号機です。バンシィにもユニコーンと同じサイコフレームが搭載されています。それ以外は俺にも詳しくは分かりません」

 

「ユニコーンって言うのはアナタの乗っていた白いモビルスーツの事?」

 

「そうです」

 

「あとサイコフレームって言っていたわね。それは一体何なの?」

 

「サイコフレームはコンピューターチップを金属粒子レベルで鋳込んで作ったモビルスーツ用の構造部材と聞いています。でも作った人もサイコフレームに付いてはよく分かっていないって聞きました」

「それじゃあアナタは何も知らずにあのモビルスーツに乗っていたの?」

 

「そう言う事になります」

 

「……まぁいいわ。アナタの機体はコチラでも解析していますから。それじゃあ次ね。あの機体は誰が作ったの?ガンダムと対等に戦ったあの性能は普通では考えられないわ」

 

「ユニコーンは父から託されたんです」

 

「お父さんから?」

 

「はい、それで略奪されるのを防ぐために俺の生体データを登録して。だからユニコーンは俺以外は動かせないようになっています」

 

「それで、アナタのお父さんは何処でその機体を?」

 

「それも分かりません。ユニコーンがある事自体知らなかったんです。パイロットになったのだって……」

 

スメラギは話を聞いていてこの少年は敵ではない事はわかった。

だがこの少年もアノ白い機体、ユニコーンについては深くは知らないらしい。

これ以上尋問しても情報は出てこないと判断して席から立ち上がる。

 

「大体の事は分かったわ。でも、しばらくはこの艦に居てもらいます」

 

「それは分かっています」

 

「そう、それじゃあ質問はもう終わり。さっき居た部屋に戻ってもいいわ」

 

スメラギはバナージを安心させようと優しく言うと部屋の隅に立っているティエリアに近寄った。

「ティエリア、バナージ君を案内して上げて。もう扉のロックは掛けなくてもいいから」

 

「彼を信用するのですか?」

「そこまでじゃないけど、私達に危害を加えるような事は無いわ」

 

「アナタがそう言うのなら構いません。後は僕が案内します」

 

「それじゃ、お願いね」

ティエリアに後の事を任せるとスメラギは部屋から出て行った。

部屋に残ったバナージを見てティエリアも動く。

 

「いつまでそこに座っている。行くぞ」

 

「はっはい!」

 

バナージは急いで立ち上がり部屋から出て行くティエリアに付いて行く。

 

先に進むティエリアに誘導されながら沙慈の居る部屋に向かい歩く。

部屋に着くまでは終始無言だった。

「付いたぞ、この部屋だ。スメラギさんの指示で、もう部屋にロックは掛けない。中に居る沙慈・クロスロードにも伝えてくれ」

「分かりました」

「それと一つ聞きたい事がある」

「何ですか?」

「お前は何者だ」

「どう言う事ですか?」

 

バナージの言う事には答えず真っ直ぐに睨むティエリア。

臆せずにバナージもティエリアを見る。

すると鼻で笑いティエリアは背を向けて歩き出した。

 

「何でもない、気にするな」

 

「……」

 

立ち去るティエリアを見るとバナージは沙慈の居る部屋に入った。




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