罪を犯したエルフをファミリアに誘うのは間違ってるだろうか(凍結)(メインタイトル関係なし) 作:伊つき
長々と続く一本道を駆ける忍者が一人。
とある錬金術師と自身の主神を抱えた彼女は錬金術師のいう出口を目指してひたすらに通路を進んでいた。
「みかど」
「……」
先程から主神――ヒュプノスが声を掛けてくる。
だが、御門は無視を決め込んでいた。
「みかど。とまって」
「……」
「もどって」
「……」
「かえろう、いっしょに。れいらたちにはわたしからいってつみはとわないようにするから…。もどろう」
しつこく制止を促してくるヒュプノスに御門もやっと足を止めた。
しかし、彼女の表情は怒りそのもの。
「ふざけるな。拙者はもう帰らないでごじゃる。主神殿ももうじき殺すでごじゃる」
「ちがう。みかどはそんなことしない」
「貴女に拙者の何が分かる!!」
「……っ」
突如激昂した御門にヒュプノスが目を見開く。
少なくともヒュプノスはこれ程までに感情的になった彼女を見たのは初めてだった。
「拙者の、忍者の在り方さえ分からぬ主神殿に拙者を止める資格などあらぬ」
「ごめん…。わかってる。けどそれでもみかどをとめたい」
「……いい加減にするでござるよ」
どうも神という連中のことは御門には分からない。
何故これ程までに自身の愉悦を優先する存在なのか。
そして時に何故こうも下界の子供たちに干渉してくるのか。
ただ使命を与えられるだけの
相変わらずの
「忍者とは中々複雑な存在のようだね」
「……知らぬでごじゃる」
ヒュプノスとは逆に抱えている錬金術師のパラケルスス。
彼は興味深そうに御門を分析してくる。
「主神への怒り。それは君の在り方が原因なのか。ははは、どうも何事にも研究意欲を唆られるものだね。科学者というものは」
「だまれ」
「ん?」
愉快に笑うパラケルススに冷酷な呟きを漏らしたのはヒュプノスだった。
これには御門も少しだけ驚く。
「みかどはけんきゅうたいしょうじゃない。わたしのこだ」
「君たちのやり取りを見てるとそれも冗談に聞こえる」
「じょうだんじゃない。御門は私の子だ」
「おっと。怒らせてしまったかな」
ヒュプノスの口調が鋭くハッキリとしたものになり、対するパラケルススはおどけて挑発してみせる。
パラケルススにもヒュプノスへの恨みがあって、こうした挑発をよくしてくる。
「拙者は親とは思ってないでごじゃるよ」
「みかど…」
「これはこれは。失恋かな。想い届かず」
「……」
御門が念を押していうとそれにパラケルススが便乗して、ヒュプノスは悔しそうに唇を噛む。
やがて進行方向に白い光が見えてきた。
「出口でござるか」
「あぁ。これで君は目的を果たせる」
「……ごじゃるな」
外へと出た御門。
そのまま帝国の外壁へと登り、眼下に広がる世界を一瞥した。
ここからならばもし追い付かれても撒けるだろう。
「パラケルスス殿には見届人になってもらうでござる」
「いいだろう。本来ならばオメガの完成した時点で私の生など要らなかったが、君もよく協力してくれた。これは恩返しとして受け取りたまえ」
「感謝するでごじゃる」
パラケルススとヒュプノスを下ろし、御門は抜刀する。
高所故の突風に結んだ髪は揺れた。
「なにをするの?」
「察して欲しいんでござる~」
「わたしを、ころす」
「それと拙者も」
「……ッ!?」
御門の自殺発言に驚愕するヒュプノス。
何故、と問うた。
「拙者には生きる理由がもうないでごじゃる。一族は滅び、誰にも求められない。ならば死んでも良いでごじゃろう?」
「ちがう。しんじゃだめ」
「知らぬでごじゃる。ここで主神殿も拙者も死ぬでござる」
「ちがう…」
御門が刀を手に歩み寄る。
ヒュプノスは後退りしながら首を振り続けた。
「ちがう。みかどはもとめられてなくなんかない」
「戯言は要らないでござる。早く済ませるでごじゃるよ」
「だめ。みかど、やめて」
「命乞いでござるか?見苦しい」
「違う…!」
「……!」
いつもとは違う。
ハッキリとした強い声音に御門も目を見開く。
目の前には見たこともない女神が瞳に信念を込めて対峙していた。
「誰…でござるか」
「ヒュプノス。女神、ヒュプノス」
「……っ」
感じる。
肌を伝って、心の奥、脳にまで。
そこに女神がいると絶対的な認識を御門は感じた。
神の存在力、神威だ。
「御門。御門は死んじゃダメ。私は御門を必要としてる」
「嘘をつくなでござる!なら!なら、なんで拙者に役目を。使命をくださらないのでござるか!」
「それは…」
『ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』
『……ッ!?』
ヒュプノスと御門。
互いに対峙し合って信念と怒りをぶつけ合っていた中、轟いた
かつて1000年以上昔に
その姿にヒュプノス、御門、パラケルススが驚愕する。
「なっ…何故ここにドラゴンが!?」
『グルルル……』
大昔のモンスターだからか、御門や現代の冒険者が知るドラゴンとは違う。
赤い体躯に、広げられる翼。
御門は肌身でダンジョン下層域並のモンスターだと察した。
「マズイでごじゃる!」
「あ、あぁ…」
パラケルススも息を呑んでいる。
下層ともなればドラゴンの適正レベルはLv.3かLv.4までになってもおかしくはない。
今この場にいる
対応できるLv.3も然りだ。
「仕方ない。倒すでごじゃる!」
『ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!』
息吹さえも暴風を起こす。
御門は戦闘態勢に移った。
「御門。なんで戦うの?どうせ死ぬならここで殺されるのも同じ…」
「それじゃダメでござる。拙者は恨みも忘れぬでごじゃるが恩も忘れぬでごじゃる。主神殿に拾われた時は確かに救われた。その恩の為にせめて拙者の手で全てを終わらせたいのでごじゃる!」
「御門…」
歪んではいる。
だが、確かに『恩』を感じたと口にする御門にヒュプノスは一拍驚いた。
しかし、すぐにある覚悟を決めて立ち上がる。
『グルルル…』
「いざ…」
「……」
例え歪んでいても、共に死を目指していても自身を守る御門の背をヒュプノスは通り過ぎる。
「主神殿…!?」
『ルルルル…』
御門を差し置いてドラゴンの前に出るヒュプノスに御門だけでなくパラケルススも気が狂ったかと驚く。
それでもヒュプノスは依然としてドラゴンの前に立った。
「させない」
『グルルル……』
御門を庇うようにドラゴンを睨みつけるヒュプノス。
ヒュプノスが少しでも自身の思惑を失敗させようとしているのかと考えた御門だが、異変を感じた。
ヒュプノスは死のうとしているわけではなく、ドラゴンを
「眠れ」
『…………』
「なっ――」
直後、ドラゴンは突如目を閉じて意識を失う。
力の入らなくなった足腰は緩み、ドラゴンは
呆気に取られていた御門が気付いた時にはドラゴンの方から逃げ飛ぶ姿を目に焼き付けていた。
「ま、まさか
「御門」
ビクリと肩を上げる。
ヒュプノスの神威が、収まらない
「お、脅すつもりでござるか?下界で禁じられている
「違う」
御門の言葉に首を横に振るヒュプノス。
「確かに、私は忍者としての御門を必要としてないし求めてもいない」
「……っ!」
長い付き合いの末、今ここで初めて告白されたこと。
御門は目を見開き、やはりか、と憤りを感じた。
「私が求めているのは御門。忍者じゃない、ただの御門。それが私の答え」
「……ただの拙者?」
一人の女神に、初めて出会った神に真っ直ぐに見つめられる御門。
「私は御門にただ一緒にいて欲しい。一緒に寝たい」
「睡眠は……使命ではござらぬ」
「うん。使命なんて必要ない。私が欲しいのは忍者の御門じゃない」
「忍者ではない拙者などおらぬ!」
「いる」
御門の言葉を否定するヒュプノスに御門はキッと睨みつける。
だが、その瞳に込められた幼神の想いに口をつぐむ。
「私の知る御門は【ヒュプノス・ファミリア】の【旋風忍者】、御門。ただの忍の御門はもう居ない」
「忍の拙者が居ない…?」
「うん。今は私の眷属。私だけの御門。だから御門、うちに帰ろう。私は御門とどうでもいい毎日を過ごしたい」
「分か、らぬ…。拙者には分からぬ。忍び以外の生き方など…一切知らぬでごじゃるよ…」
膝から崩れ落ちる御門。
【ヒュプノス・ファミリア】の御門。
例えそんな自分が、忍者以外として存在できる自分がいたとしてもどう生きればいいのか分からない。
だって知らないのだから。
だってこれまでずっと忍びだったのだから。
居場所を貰っても、名目を貰っても分からないものは分からない。
「大丈夫」
そんな涙さえ浮かべる御門の顔をヒュプノスは覗き込んで、手を取った。
「私が守る。御門がどうでもいい毎日を笑って過ごせるようになるまで私が御門を守る」
「拙者を…守る…」
「そう。さっきのドラゴンみたいにどんな手を使っても御門は私が守る。今の御門にとって無価値な
新しい在り方にも彼女は理解できないと涙を流し、生きる苦しみの中で首を振った。
だが、いつもは頼りない
強い言葉で。
強い親心で。
強い想いで。
そんなヒュプノスの手を伸ばされた。
「御門は私の子、使命なんてなくても私には貴女が必要なの」
「主神殿…」
ヒュプノスの言葉に御門は親のような温もりを感じた。
一族が滅んだ御門は知らない温もり。
「はは…こうも自分を否定されたのは二回目でごじゃる…」
力なく項垂れる御門。
子の本能に従うように
「完敗でごじゃる」
「うん。かえろう、みんなで」
手を取った時いつものおっとり口調に戻るヒュプノス。
それは御門を優しく包んでくれた気がした。
あぁ、帰ってきたのだと。
御門は感じることが出来た。
国壁の上で【ヒュプノス・ファミリア】の御門となった彼女は新たな人生の第一歩を踏み出した。
その様子をパラケルススは葉を噛み締めて睨む。
「御門ォ!ここまで私を付き合わせておいて貴様、まさか裏切る気か!」
「パラケルスス殿…」
怒るパラケルススにここまで互いに協力関係にあったことから少し引け目を感じる御門。
しかし隣でそっと手を握るヒュプノスを見遣り、彼女の頷きに御門も覚悟を決める。
「ヒュプノス様。……どうするでござるか?」
「つかまえる」
「了解でごじゃる!」
元気よく
レン達が駆けつけた時には既にパラケルススは帝国政府へと受け渡され、パラケルススの刑は執行された。
ルシアが取ってくれた宿に今回の一件を片付けた一行は集まる。
レン。リュー。ルシア。時雨。ゼルフィ。ラーファ。ヒュプノス。レイラ。御門。バルドル。ライオネル。威吹鬼。
そして、ガンマ。
「ガンマ。体の調子はどうだ?」
「……空気を吸っても吸いきれない感覚がなくなった。多分器官が丈夫になったおかげ」
「そうですか。良かった…」
ホッと胸を撫でおろすリュー。
ガンマの安全も確認できたレンは満足するように頷いた。
「良かった。イカれたやつだがやっぱ優秀な錬金術師なんだな。パラケルススは」
「実力は確か。これで俺の寿命も伸びたと思う」
「そうか」
最後に命をガンマに託して自ら絶っていったオメガ。
パラケルススを受け渡す前に帝国の監視の元、ガンマにオメガの器官や内蔵を移植したいことによってガンマは不完全な肉体構造ではなく、人間のような完全に活動する肉体を手に入れた。
『バカな…。オメガが、自ら命を絶った?有り得ない!そんなことが有り得る筈が…!』
『オメガの体からガンマに移植だと?何故そんな無駄なことをしなければならない。あんな出来損ないにそこまでするなど馬鹿のやることだ!クソ…私の研究を無駄にしやがって。くそ!』
などと抵抗し続けたパラケルススだが強制的にやらされた。
ただそれを贖罪の一部とし、パラケルススは死刑を免れたらしい。
その後、人間以上の寿命を得たガンマはレンのファミリアに入りたいと言い始めた。
「俺はリューの元に居たい。リューは俺の知りたいことを教えてくれるから。こんな理由じゃダメか?」
「いや、充分だ。俺としてもお前は欲しい。『銃』の大半は帝国政府に巻き上げられたが、お前は冒険者としてもやっていけるだろ」
「尽力する。よろしく」
「あぁ」
互いに握手を交わし、ガンマが【レン・ファミリア】に加入することが確定した。
すると、ゼルフィと少し顔色の良くなったラーファもレンに歩み寄ってくる。
「俺も…俺達もあんたのファミリアに入れて欲しい」
「いいぞ。俺としてもお前らも欲しいからな」
「本当か!?ラーファもだぞ!」
「わかってる。そこを切り捨てる意味がよく分からん」
「ありがとう!」
突然ファミリアに入りたいといってきたゼルフィにルシアが尋ねる。
「でもどうして急に?レン様には自由に生きてもいいと言われたのではないのですか」
「そ、そうなんだけど…ラーファの体調も良くなってるし、この恩は返したい。もし俺が役に立てるならあんた達の力になりたいんだ」
「そうですか…」
脳裏を過ぎる『お前の力が必要』とゼルフィに告げたレンの言葉。
ラーファを救ったことでゼルフィの心にそれが響いているのだとルシアは確信した。
渋い返答を返してしまったルシアにラーファが歩み寄る。
「あの…やっぱり…ダメですか…?」
「いえいえ。歓迎しますよ。ラーファさん」
「……!は、はい!」
ルシアに受け入れてもらえてほくそ笑むラーファ。
可愛らしい幼子の頭を撫でつつルシアは別の思考を持っていた。
(ガンマ君が
「ルシア?」
ふとリューに声を掛けられて思考を断ち切るルシア。
心配そうに覗き込む彼女に会釈を返した。
「大丈夫ですか?何か難しい顔をしていましたが…」
「大丈夫ですよ。ありがとうございます。それよりリューさんは大事ありませんか?」
「えぇ…彼のおかげで今は…」
そう言ってリューの視線は自然とガンマの方へ向く。
ルシアはそれを見てフフッと悪戯っぽく微笑んだ。
「もしかして気になるんですか?好意があるとか…?」
「なっ!?ななななにを!?」
「ふふっ。冗談…でもあながちないですけどね」
「ルシア!?」
リューを弄って楽しむルシア、そんな彼女を見つめる鬼人が一匹。
今回助っ人としていた【バルドル・ファミリア】は輪の中から少し離れた所にいた。
「おい、鬼女。何見てんだ?」
「ふっ。大したものは見とらん。犬科」
「犬科って言うんじゃねえ!」
ライオネルに気付かれそうになって、威吹鬼は茶化した。
傍らで荷物を纏めているバルドルに声をかけられる。
「ライオネル。威吹鬼。私と【ヒュプノス・ファミリア】は今日中には帝国を発ちます。準備は済ませておきなさい」
「へいへい。ってあいつらは帰らねえのかよ」
「そうさな。主よ、ワシらだけというのはどういことじゃ?」
「まだ彼等には用がある。それだけですよ」
それだけ言って荷造りに戻ってしまうバルドル。
ライオネルは気に食わなさそうに、威吹鬼は目を細めてこの場は沈黙した。
一方、ヒュプノスから同じことを伝えられていたレイラと御門はライオネル達と同じ質問をヒュプノスに返していた。
「何故我々だけ?」
「あまり首を突っ込まない方がいいってことでごじゃるか?」
「そう。とにかくさきにかえるからじゅんびして」
「わ、分かりました」
「仕方ないでござるなぁ。……帰るでごじゃるよ」
「御門…」
確かにそう言った御門にレイラは少しばかり感動した。
対する御門は少し恥ずかしそうに取り繕う。
「あー帰ったら何するか全く思いつかないでごじゃるー。そういえばヒュプノス様が教えてくれる約束でござったなぁ」
「その前に貴女には色々な罰則があるわよ」
「なっ!?話が違うでござるヒュプノス様!拙者の罪を問わないように説得してくれるって確かに言ってたでござる!」
「れいらがそれはだめっていったから…ごめん」
「押し弱すぎるでござる!?」
「つべこべ言わないの」
「ごじゃるーーー!!」
こうして荷物を纏めるや否や【ヒュプノス・ファミリア】と【バルドル・ファミリア】の面々はようやく帝国を経ち、いつもの迷宮都市へと帰っていく。
だが、【レン・ファミリア】はパラケルススのように連行される筈だった男を取り囲んで帝国に残っている。
その男、歴史学者のグエン。
ルシアを筆頭に束縛の身として問い掛けられた。
「約束通り。教えてもらいますよ」
「ふっ、ナガト・練のことか」
「……」
レンの旧名。
本人は顔を顰めるが、彼の眷属達は興味津々だ。
特に時雨は昔からの付合いもあり、ある程度事情を把握していることから詳しく知れることに興奮を隠しきれないだろう。
リューやゼルフィは自身の主神の話というのもあって、ゼルフィは単純に人間から成り上がったレンの経緯に興味を示す。
だが、彼らの期待の半分をグエンは裏切ることになる。
「申し訳ないが私が知るのはあくまで暗黒期で極東にいた伝説の暗殺者、ナガト・練だけだ。神になった経緯は私が是非とも知りたいくらいだね」
「絶対に教えないがな」
グエンに睨みを効かせるレン。
グエンはやれやれと肩をすくめた。
「レン様。承諾して頂きありがとうございます」
「いいけど…あんま詮索するな。正直あまり思い出したくない過去しかない」
「すみません…」
「まあ俺も秘匿癖が過ぎたな。寧ろ素性の知らない神にここまでよく付いてきた。だが、これで最後だ」
「はい」
「まあ聞いたら分かると思うが……続きなんて聞きたくなくなる」
「レン様…」
レンからは既に許可が下りていた。
ファミリアを創設してからこの帝国に来るまでの期間、レンが何を司る神なのか、成り上がった者としか教えられていなかった。
時雨によって
グエンの話からしてこれから聞くレンの物語は『レンが何者なのか』を追求する点においては深く追求できないとルシアは考えている。
今回知れるのは昔存在した暗殺者である練の話。
レンの『今』を知るには恐らく
あくまでルシアの憶測ではあるが、だが。
「では何処から話そうか」
「全部代弁してくれると助かる。そうじゃないとこいつらは満足出来なさそうだしな」
「ほう。ナガト・練からの所望か。良かろう、承った」
「……ナガトで呼ぶのやめろ」
「では初めから話そう。ナガト・練という一人の暗殺者、そして
「おい、無視するな」
「まあ極東限定だがね」
「おい」
何処か寂しそうなそれでいて愉しそうな笑みを浮かべるグエン。
そんなグエンの話に一同は喉を鳴らして聞き入った。
これはとある少年の絶望の
だがこの物語はナガト・練の人生を狂わすほんの序章に過ぎない。
この結末は最悪の始まりだった。
きっとその結末はまだ前菜といえる程だろう。
こうしてグエンという一人の男によって紡がれていった。
投稿してから10分後になりましたが、御門の番外編書きました。