戦女神達の戦争 軍団、『彼の地にて』   作:電話圏外

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お久しぶりです、荒が多いけど許してください!

後ほど余裕があれば加筆修正します


9話 子供たち描くは黒い笑顔

新幹線のホームから降りて静まり返る人気のない深夜の駅

 

シノサキに思わず問いかける

 

「おい、どうするんだ、向こうで予約したタクシーとか、ホテルは?」

 

 

 

 

「大丈夫だ、居るんだろう。野村」

 

「野村?」

 

どうも、と胡散臭い笑顔を貼り付けて陰から現れたのは『転生者』の八神准将

 

「目的の場所も判って居るんだろう?」

 

「ボクをアシ代わりに使うなんて」

 

「お前は男だったろ」

 

「はて?」

 

 

「こいつは何者だ?」

 

 

 

「"シノザキのクラスメイトだった"『野村 マコト』と言ったほうが宜しい?」

 

「それは…」

 

 

「県内甲子園予備選で出ることのなかった…あの中学選抜で現れた無敗伝説の投手か」

 

「そう、彼との縁も。白球を追い続けたあの頃の元、親友だよ」

 

「それより、何方に行かれるんです?」

 

「想像は付くだろう?野村、お前の故郷さ」

 

 

 

 

 

 

 

 

『偶然』乗り場にやって来たタクシーに乗り行先も言わぬまま発進した

 

 

「お前の中学時代の?」

 

「ああ、コイツとは中学時代一緒だった。だが、チームの移動中、バスが事故を起こし遺体は何故か行方不明に」

 

「そして」

 

「 "生きていた" 」

 

「 推薦先の高校も決まって、もうそろそろ修学旅行な頃だったなあ 」

 

 

「 事故に巻き込まれてね、乗っていたバスの前面はスピードを出していてコンクリート壁に直撃、酔い易かったボクは一番前の席に座っていたおかげで身体はぐちゃぐちゃ、死んだかと思った」

 

「死体が残らない事故なんて摩訶不思議な出来事とは思っていたが」

 

「そう、[自称カミサマ]を名乗る男に『転生』させられた」

 

しかし、と野村は告げる

 

 

 

『ギンザ事件の前の月、国会審議の中ほど』

 

彼女は現れた

 

 国会の中でササガワと先の総理の質疑応答について話し合って居た時

 

目の前に彼女が現れ、八神と二人は誰にも認識されていなかった

 

魔法でも見ているかの様な出来事に困惑していたが

 

彼女は警告を込めた情報を語り始めた

 

『組織の詳細は教えることはできないよ』

 

「元より承知だ」

 

「君たち二人に接触した通り、我々の力で悲劇は避けられる…代償に」

 

『構わんとも』

 

二人は『八神』を見て肯いた

 

 

これから始まる悲劇を頭脳に直接見せられ

 

即座に二人は決めたのだ

 

犠牲に為る筈の人間をカミサマへ召し上げる

 

当時、どこか可笑しかったのか、そういう契約を結んだ

 

 

 

 

ハズだった

 

 

 

 

「構わん、とはなんだったのか……」

 

「ふふっ。何、悪魔との契約には規約の穴を通して望みを叶える。それが『人間(生者)』のやり方ではないか?」

 

「 ……誰かに教えられた、二枚舌、いや。随分と口が達者になったようだ 」

 

政治家の特権カナ? とササガワを睨む

 

明らかに美少女の見た目。

 

しかし、歴戦の本職の軍人に睨まれたササガワは思わず視線を逸らす

 

 

「余り、虐めてくれるなよ」

 

「アハー、可愛くってつい、ね?」

 

舌を出す八神にシノサキは八神を睨み返す

 

「君達程度のイレギュラーが我々の構成作家が造りだした新しく編成する歴史を変えられるとは思わないよ」

 

 

ハア、とシノサキは深くため息をつくと

 

「その気はない。だろ?お前が昔みたいに無茶やってないか心配になって来たよ」

 

「委員会に部活三つを掛け持ちしていた頃かい?」

 

「今じゃあ魔王様だ」

 

やはり、この親友ならではの感覚は懐かしいな。と八神は笑顔になった

 

「ボクなんて、中ボスが精々だよ」

 

久方ぶりに感じる信頼感に八神はクスクスと笑った

 

「バーカ」

 

 

「車が揺れるから前を向け、お前の魔法よりもデコピンの方が即物的に痛いぞ」

 

前を向かないならオレが前の座席になる

 

おー怖い怖い嫌だから前向こうっと

 

 

直ぐに車は舗装されていない山道に向かっていく

 

 

「……ふふ、忘れてない……よ」

 

 

『…うっぷ、気分悪いなら前行けよ~……』

 

『いや、食べ合わせ悪い物をバイキングで選んだ君の方が調子が悪いじゃないか』

 

『お前はエースとか抜きで寝不足なんだから太陽の光が当たる前側に配置してやろう』

 

『キミが吐いても自分で責任とれよ~』

 

 

 

その時の言葉が…

 

『構わん…」

と彼女が言葉を零し、彼として確固とあった心情を幾億経とうとも彼女は覚えていたようだ

 

知らないキミの友人とその台詞への

 

 

 

 

 

……嫉妬かな

 

 

 

 

 

 

車は一メートルも見えない深い霧の中で三十分ほど山を登っている。

 

携帯の電波も通じない

 

バカップルのようなやり取りに毒気を抜かれたのか

グワングワン振り回すような酔いを誘発するカーブの多い中でも図太い神経のシノサキの顔色も良くなってきた

 

「少し、聞いてもいいか?この先に民家は有るのか?」

 

 

「無いよ、人も住んでいない」

 

 

「そんな場所が故郷……?」

 

 

 

「今から行くのは廃墟さ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

車から降りると子供の遊びまわる声が聞こえる

 

 

だがソコは誰も居ない

 

粗雑に金板が積み上げられたバラックの敷地だ

 

 

八神は両手でようこそ、と手を広げ振り返る

 

「 この世界で異能的な能力を誇った子供たちの故郷 」

 

 

[こども保護施設跡地]

 

入口正面の柵の錆びだらけの看板にはそう書かれていた

 

「軍事、科学、宇宙学。歴史上のあらゆる点で国を都合のいいように人々を操る。

そんな超人的な[人形(・・)]の製造を目的とした秘密裏の実験、それが『成果の一つの』ボクさ」

 

 

「 国のプロジェクトで進められていた、通称 黒い時代を描く子供たち計画(プロジェクト・ブラックタイプライター)

 

 

「この世界は醜い、だから 、オレを殺し、生まれ変わる。予想外だったけど、彼女(・・) に頼った」

 

「神、という奴か」

 

 

 

 

 

 

正式に言うならば

 

『母なる女神』(シュブ=ニグラス) だよ」

 

 




次話は不明です

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