戦女神達の戦争 軍団、『彼の地にて』 作:電話圏外
私達の大隊が到着した二日目のその夜
物資補給の為ホテルの各階フロアのエレベーターホールは大賑わいだった
「まったく、世界移動して『本局』からの資材を魔術工房を設立するっていうのに毎度この混雑具合はどうにかならんかね……」
私は思わず苦笑いを返す
「あはは、なんか人によっては空間移動で運べない慎重に扱う計器とかがあるそうで」
「ちょっと階段上って科学組と兵士組に手伝いを要請してくるよ」
そう言ってターニャ・デグレチャフこと谷口さんは上の階へと駆け上っていった
「お~い、アリスちゃーん」
「ああ、ども、何人か振り返ってますけど」
「あ、ごめんごめん、こっちのアリスちゃんね」
そのまま全員作業に戻っていく
「で、どうしたんですか。マルタさん」
特殊戦略部に加え、魔術科に所属する『 Fateのマルタ 』こと本田さんが階段から駆けてきた
「今、科学班のホテルの外にちょっとコンクリ砕けそうなくらい重たいヤツあってね」
「工房に入れたいんですか?」
「慎重に時空間魔法使える人、数人がかりでね。一人でも加わってほしくて」
「他のアリスにも声かけますね」
「ホロさんちっす」
「おお、こんばんわ。ヌシとは北米以来じゃな」
狼と香辛料のホロの様な補給基地中継地から補給班の方に語り掛けた
立ち話をしていたら子供系のありすが抗議の声を上げた
「眠いよ~…」
「私一人でも大丈夫よ?」
アリスが眠気に耐えられなくなりそうなFateのありすを抱える
「すまんが、慎重に頼みたい。じゃが、これで終いじゃ、これは科学班のフロアの7階エレベーターホールまで飛ばしてほしい」
この場の上官であり『女神転生シリーズ』の『魔人アリス』であり『アリス大尉』として魔術班各員に指示を行
う
「この場の魔術班、アリス、ありすは軽量化魔法を。他の魔導士各員は『テレポ』を使
用、場所は指定されたエリア、最終確認は私が行う。はい、各員、属性により五芒星を
描くように配置ー」
それぞれが魔術宝石を置いたり魔力を合わせたり、キリ良く動いていく
「皆、手慣れておるの」
「まあ、前回の次元『まどマギ』で鍛えられたのでしょう」
「そちらの旅団も大変そうじゃな」
「噂ではそちらも珪素生物と一戦交えたとか…?」
「侵略の元から断っただけよ」
苦笑いを浮かべるホロさん
そこで準備OKですとの声
「じゃあ、行ってきます」
最終確認に至るまで3分
「スペル間違いも魔力の練り上げも問題無いし、よろしい」
「転移魔法起動ー、注意されたし」
魔導士の一人が声を上げると周囲は目標物から少し離れていった
すると、光の粒が指定の機械に浮き上がり、消えていった
「成功しました、フロア内の何名か向かってます」
「ああ、ありがとう、今日の所はもう無いよ」
「やっほー、進捗状況はどないや?」
「八神准将!」
慌てて二人と周囲の魔法使いは敬礼を行う
八神は返礼
「ハイ、それで。これで終わりか?」
「はい、参謀本部からは以上です。こちらがリストです」
「補給も十分、今回はかなり腰入れとる」
書類を捲り確認を行った
「それは…」
「心配あらへん、米軍や他国とは事構えん事は確定しとる」
「あ、これはオフレコやで」
「イエスマム!」
お疲れ、と温泉棟へと去って行った
「喰えない人だ」
「あの人は古参兵だからな。撤収!ベッドに入る前に着替えろよー」
全員宿へと帰って行った
八神は棟が連絡通路で繋がっている温泉に来ていた
脱衣室で服を脱いでいると
浴場からかぽーん、と桶の当たる音
「誰やろ」
赤を基調とした服がバスケットに入っていたが複数人居るので分からない
「おーい、邪魔するでー」
「ああ!?あ、八神隊長」
キレ気味に返されたが何かあったようだ
「そうやよー、アスカちゃんに凛ちゃん。二人とは珍しい組み合わせやねえ」
エヴァのアスカにFateの凛ちゃんにこの組み合わせ。ツンデレ連合?と茶化される
「だーれがツンデレですか!」
ざばあ、と湯船から立ち上がる
「落ち着けー『明石』」
「アスカちゃん落ち着けー」
噛み付いてくる獣を扱うように手で押さえる
ふーっ!と威嚇する猫のようなアスカ
そこに頭にチョップの一撃が後ろから加えられる
「風呂場では静かになさい」
湯気の中銀髪が特徴的な女性ニャル子っぽい娘が現れた
「ニャル子さん…威力、強すぎて…痛い」
加減位してるわよ、と立ち上がり、では。と去って行った
「ニャルさんクールやなあ」
「大人ね」
その後は三人でワイワイとのぼせるまで風呂で喋っていた
三日目、12:09[銀座]
「近いねえ」
「ええ、喉元です」
交通量の多い人の歩く街並み、本来、来週にもここは地獄となる
ここは国の中心点、千代田区、西に霞が関、手前には皇居
八神隊長とニャル子中佐副官補佐は車が行き交う道路を眺めていた
「"ゴジラ"でも使うか?」
「ふふ、ご冗談を」
通行人はスマホに集中し何も考えずに通り過ぎる
「それで、何体集まった?」
八神の目つきが鋭くなる
「『一億』、ですキリの良い数を揃えました」
「グッド…ええやん、まずはここから、やな」
「『イタミ・ヨウジ』ですか…」
同様に動きますかね?
「その為に名作作家を用意したんだよ」
ニャル子中佐は資料を覗く
「餌も十分、釣られますね」
「逃げ惑う人々、死に往く無残な骸…ああっ!」
ニャル子中佐は恍惚の表情で書類を持った手事赤らめた顔を押えている
「趣味はいいが、殺気を抑えろ」
スマホに撮られるところだった
「09、よくやった」
八神の後ろにはスマホを持った若い男の死体が頭に風穴をひとつ開けて倒れていた
一人自衛隊普通科戦闘服姿の女性が駆け寄り死体を死体袋に入れていった
「アレは回収して使い廻す。車両を」
右腕をクルリと回すと複数人が現れ、目の前に大型のトラックが留まり、遺体袋と彼女
たちを後部のコンテナに収容すると血の跡も何も跡形もなく消えていった
そこには影のように地面から人型が生え、また歩き出した
その人物は先程歩いていた同様の姿だった
20XX年 8月
「伊丹洋二、目標通り行動開始。」
部屋に明かりは大型スクリーンのみ。
そのオペレーションルームに声が響く
「電車の遅延無し、歩行者の誘導確認…」
「敵目標、帝国軍複数、確認」
「帝国軍、作戦エリアに侵入」
「死者既に100突破」
「帝国軍、誘導通り、北と南、分離成功」
「死者500」
「自衛隊出動しました」
「自衛隊、拡散する敵に対応しきれません」
「"入れ替え"、順調に進んでいます。現在70%」
「予定より早いですが自衛隊、米軍爆撃機出動」
「アルヌスの丘よりGATEへ向けて追加戦力投入、数約1000」
「自衛隊、補給が間に合いません、米軍、熱核攻撃を示唆」
「銀座、赤坂、九段坂。周囲に包囲網を築きつつあり」
「ゲリラ、立てこもり、複数発生、治安維持活動に米軍が戦力を投入」
「19時間29分、国連の賛成可決で東京都に国連軍参入」
「これで、トウキョウは屈指の危険地帯と化した…」
『現在、"帝国"と名乗るテロ集団が発生、5200名の被害が出ており…』
『在日米軍、沖縄、グアムからも追加の部隊が到着します。これにより…』
『総理はこれを防げなかったと!?何名もの不明者を…』
『うわー!コレウマーイ! ホントニー? ウフフ、大げさですヨー!』
つづく?