まず完結の見込みはそこそこ。
HUNTER×HUNTERはそこまで読み込んでないので矛盾がポコポコ出てくると思います。今、マンガは手元にないし←
静養中の暇つぶしに書いている作品なのです。
そういった理由と続編なのでチラシ裏に投稿。
豆腐メンタルモードなのでお手柔らかにww
無理だと思ったらすぐにUターンしてくださいね。
1
サイズ確認のため袖を通し、鏡の前で確認する。
「違和感たっぷりだ」
まぁそれも当然か。中学を卒業し、今年から高校生なのだから。制服が馴染んでいないのは当たり前である。
高校生活はどうなるだろうか。中学の時はいろいろあったからな。……思わず遠い目をしてしまった。
ツナとの出会いで私の世界が変わってしまったのだ。大袈裟ではなく事実である。ツナとぶつかった拍子に家庭教師ヒットマンREBORN!の情報が私の頭に流れ込んできたからな。あれは酷かった。
関わりたくなくて必死に避けていたのだが、いろいろあって最終的にツナ達に根負けし友達になった。未来の知識を知っているとバレたが誰も無理矢理私に口を割らそうとはしなかったしな。そう考えると私はかなり周りの優しさに恵まれていたと思う。いろいろあったが、彼らといるのは心地よかったし。
しかしそのツナ達とも高校で別れる。進路の違いなので仕方がないことなのだが、ちょっと寂しい。……ウソだ。かなり寂しい。
まぁ一人違う高校を受験したのは私なんだけどな。どうしても学びたい分野があったのだ。……土日に遊びに行く許可をツナに貰ったのが後押しになったのも否定しないが。
「はぁ……」
大きな溜息が出てしまった。ツナ達以外に友達ができるだろうが。高校生活が不安でしかない。再びぼっちになりそうな気がする。
「溜息を吐くと幸せが逃げちゃうよ、サクラ!」
突如私の部屋に現れた兄……神崎桂を見て、再び溜息が出た。私の性格にも原因があるのは間違いないが、私に友達が出来ないのは兄にも問題があるのだ。
普段の私なら「ノック」というツッコミをする。一応私は女なのだから、家族でも必要だと思うからな。しかし今日はそんな気分じゃなくて溜息を吐いた。すると、兄はいつもと反応が違うと嘆き始めた。現在進行形である。もちろんドン引きだ。
シスコンという一言で片付けれるならいいのだが、兄と私の関係はそんな簡単なものじゃない。といっても、血は繋がっているぞ。
非常に胡散臭い内容だが、兄は悪い神に魂をイジられたらしく、容姿端麗でいろいろとハイスペックだが、感情が欠けて産まれたようだ。異常なほどに晴の活性が兄の身体には流れているらしく、リングの力がなくても直ぐに傷が治るという変わった身体をしている。多分、世界を壊せる殺戮兵器として産み出されたと思う。
何とかしようとした神がのちに産まれてくる私をつかって兄に感情を植えつけ正常に戻したらしい。神曰く……私が会ったのは神の子だったが……それはいいか。とにかく、私と兄はほんの少し魂が繋がっているらしい。私が兄の魂を引き寄せられたのを、ほんの少しと表現していいのか疑問が残るが。
一時期、植えつけた感情で私を大切にしていると不安になったが、気持ちを確かめ合った私と兄は元通りの関係に。いや、違うな。シスコン度がアップした。そして私も呆れるが受け入れている。……私もかなりのブラコンなのだ。
とにかく兄は魂をイジられたせいか、注目を集めやすい。その結果、家族以外から私は兄の妹という付属品扱いである。幼い時から兄の妹がなぜ私なのかという視線を向けられるなどいろいろ問題が起きた。兄が私を溺愛しているのでイジメはなかったが、腫れ物扱いで基本ぼっちだった。神云々の事情を知ったのはほんの一年前のことなのだから、私の性格がひねくれたのも、自身を守るために口調が悪くなったのも、仕方がないことだと思う。だから溺愛してくれる兄に依存し、私がブラコンになるのも当然の流れなのだ。異論は認めん。
マンガの世界なのか、似た世界なのかは知らないが、ツナ達は私を兄の妹ではなく、私自身を見てくれた。が、マンガの知識を得てしまった私は身の危険やひねくれた性格もあって、最初は警戒心がヤバかった。今は大切な友達だけどな。ブラコンってバレてるし。
そんな貴重な友達と別れて始まる高校生活は不安でしかなかった。腫れ物扱いは嫌だし、友達という存在を知り、高校でも強請りたくなるのは当然の感情だと思う。だからといって、兄に八つ当たりしたくはない。……溜息をついたぐらいは許してほしい。
「……すまないね」
普段能天気な態度をとる兄だが、ハイスペックなのだ。私の気持ちを察しないわけがなかった。もしかするといつものノリで私を元気にしたかったのかもしれない。
「バカ、謝るな。……それより、似合うか?」
謝るぐらいなら、私を褒めてくれ。威張るように腰に手を当てる。
「可愛すぎて鼻血が出そうなぐらいだよ!」
「……汚すなよ」
鼻に手を当てた兄から距離をとる。兄なら本当にあり得そうで怖い。
「おーい、まだダメなのか?」
ドアの向こう側から聞こえてきた声に身体が強張る。そして、兄を睨んだ。何度も言うが、来ているなら教えろ。くそっ、いつもは懐に入っているのにない。新しい制服じゃなければ、愛用のハリセンで兄を叩いたのに。……まぁ私が見せたいと思ってるから呼んでくれたと思うが。
「ちょ、ちょっと待て」
ニヤニヤしている兄を睨みつけた後、部屋を見渡し散らかっていないかを確認する。大量のマンガが本棚にあるが、随分前から知られているので問題ない。なので、一番の問題は自身だ。髪の毛などが跳ねていないかチェックする。多分大丈夫。
「わ、悪い。待たせた」
準備が出来たので、ドアをソッと開ける。目があったので、思わず晒す。
「可愛いな、似合ってるぜ」
ポンポンと軽く頭を撫でられた。完全に子ども扱いなのは気のせいなのだろうか。……おかしい。数日前に兄から太鼓判を押してもらったので間違ってないはずだが、彼は本当に私のことが好きなんだよな?
「ん? どうした?」
「いや、なんでもない」
ちょっと怪しんでいたが、問い詰めるレベルでは無かったらしい。再び頭を撫でられたし。
「それにしても、いつまで日本にいるんだ? ディーノ」
個人的にはずっと日本に居て欲しいけどな。しかしそうもいかない。彼はマンガ通りイタリアで有名なマフィアのボスである。また弟弟子のツナのフォローで忙しく、師匠のリボーンから無茶振りされる残念な人物でもある。
ディーノはマンガでは部下がいないとヘナチョコになるという究極のボス体質だが、なぜか私の前でも体質が改善されたので、私とペアを組んで行動することが多く、私から無茶振りをされるという非常に残念な人物に彼はなってしまったのだ。今では兄とでも体質が改善するらしく、彼は兄にも振り回されている可哀想な人物だ。
そして一番マンガと違うのは、私とディーノは両片思い中なのだ。私は数日前にやっと彼の気持ちを察したが、彼は私の気持ちにはまっっったく気付いていない。なので、私の都合と兄のアドバイスにより現状維持されるという不憫な男でもある。
……酷い自己紹介だな。
「いやな、そろそろ帰った方がいいとオレも思うんだけど、天候が不安定でよ。帰れねぇんだ」
そういえば、私の誕生日ぐらいからずっと天気が悪いな。
「いくら僕でも天気は回復出来ないね」
「彼女じゃあるまいし無理だろ」
兄の言葉に思わずツッコミする。彼女というのは一度だけ会った神の子のことである。10年後の世界でいきなり現れたと思ったら、風を操って雲を呼んで雷を鳴らしたりして……まぁいろいろと凄かった。目が見えていないはずなのにな。ちなみに目が見えないのは彼女の目を私が持っているから。真実の目という名前らしい。私が幻覚に引っかからないのはそれが理由だった。兄の魂の関係で必要と判断してくれたようだ。
……らしい、ようだ、という言葉を使っているのはよくわからないから。嘘をついていると疑っているのではなく、産まれた時から持っていたのでイマイチ実感がないからだ。返せとも言われなかったし。言われたとしても返す気はないけどな。もう私のものだ。
この真実の目と原作知識、魂の繋がりで原作期間を乗り越えた。正確にいうともう一つかなり重要なものがあるが、それは私が元々持っている能力だったらしいので、神からの補助?はこの3つである。よく乗り切ったと自画自賛したくなる。本当に何度死にかけたか。一番ヤバかったのはやはり兄に心臓を刺された時だろうな。あれは精神的にもキツかった。まぁ私以上にディーノは何度も死にかけたが。
……これって吊り橋効果というものじゃないのか?
「やっぱり何かあったのか?」
ディーノに顔を覗き込まれて慌てて首を横に振る。原作期間も終えてから一年以上たったのだ。例え吊り橋効果がきっかけだとしても、ディーノは私に愛想を尽かさないのだから本気なのだろう。……それに本気じゃなかったら、兄が何かしていたらしいしな。
「ん? ちょっと待ってくれ」
「ああ」
そもそも私とディーノは付き合ってるわけじゃないし、私はディーノと付き合いとは思わないから、別に何も問題ない……よな?
ディーノが私のことを好きと気付いて、結構テンパっていたようだ。考えすぎていた。ディーノの気持ちはそこまで重要ではない。私は好かれたいが、彼の気持ちが欲しいわけじゃないから。
「ん、大丈夫。スッキリ出来た」
「そうか。なんかあったら言ってくれ。いつでも相談乗るからな」
「助かる」
気持ちがスッキリしたので、天気が悪いという話をしていたことを思い出す。私の気持ちは置いといて、彼はそろそろ帰らないと本当にマズイ。私の受験勉強も手伝ってくれたし、最近は日本に滞在し過ぎた。
「ちょっと見てみようか?」
ついに私の能力の活躍場面が来たようだ。なんと私は予知夢が見れるのだ。といっても、絶対に見れるという確証はない。でも最近見れるものと見れないものの違いがわかったので、今回の場合はわかるはずだ。……た、たぶん。
違いはわかったが、成功率がまだ低いのだ。あまり日が離れすぎる未来はみえないようだし。
後は予知夢の能力が関係しているのかわからないが、勘が良くて幸運持ちになった。最近は二分の一ぐらいの確率なら百発百中である。分母が増えれば外れる確率はもちろん増すが、それでもマークシートタイプのテストでは大活躍だった。凄いだろう!……志望校はマークシートじゃなかったけどな!ちくしょう!!本当に幸運持ちなのか!?
気を取り直して、頼りにしてくれていいぞとディーノにチラチラ視線を送る。
「大丈夫だ。そこまでする必要はないぜ」
また断られた。そんな大したことじゃないのに……。まぁ今日の夜に見てみるか。上手く行った時はその結果をロマーリオに教えていれば、準備が楽に出来てすぐに帰れるようになるだろ。彼はプライベートジェット機だし。
「必要ないからな?」
「もう遅いよ、ディーノ。君がいくら言ってもサクラは気になって無意識に見てしまうからね」
流石、兄である。よくわかってるじゃないか。私が肯定するように何度も頷いているとディーノはやっちまったと頭を抱えた。ドンマイである。
私が他人事のようにディーノを見ていると、バッと振り返った。そのことに疑問を感じる前に、私の目の前に兄がたっていた。
「……んだよ、リボーンかよ」
「ちゃおっス」
この声を聞いて、やっと状況を理解した。突如現れた気配に2人は警戒したのだろう。話していた内容が内容だし。
とりあえず兄の横から顔を出し、私も挨拶する。やはり話していた内容が問題だったらしく、私が本人と確認してから2人はやっと肩の力を抜いた。いつも守ってくれてありがとう。
「ちょうど良かったみてーだな。サクラ、悪いが見てくれねーか?」
「「サクラ」」
別にいいぞと軽く返事をしようとしたが、兄とディーノに声を揃えて止められた。安請け合いはダメらしい。リボーンの頼みなら別にいいじゃないかとスネながらも、彼らの話に耳を傾ける。
「おめーらもちょうどその話をしてたんじゃねぇのか?」
「僕達はそこまで深刻に考えてなかったよ」
「でもお前がわざわざサクラに頼みに来たんだ。何がわかったんだ?」
……ふむ、サッパリである。何の話をしているんだ。説明を求むという意味で、兄の袖を引っ張る。
「天候の悪化についての話だよ」
ああ、なるほど。リボーンはディーノが帰れないことを知っていたのと、兄とディーノの警戒っぷりで私の能力について話をしていたと気付いたのか。確かにリボーンの言う通り、タイミングはちょうど良かったな。
……3人とも頭良すぎである。凡人には厳しい会話レベルだ。
「ユニが見えねーっていうんだ」
「ししょーが?」
ユニが師匠呼びなのは、言葉通りである。10年後の世界へいった時の私は予知夢の力をコントロール出来ず、寝不足になりグロッキー状態で酷いものだった。10年後の世界から帰ったら帰ったで、予知夢を見れなくなるという不安定なものだった。もっとも勘を抜きにしても運が良すぎるので、覚えていないだけであって見えている可能性もあるが。
まぁとにかく虹の呪い編の時に軽い気持ちで相談した結果、ユニに窘められたのだ。それから真剣に考え、ツナ達と進路を変えると決めたことで、私は未来を見る覚悟をしてユニのもとへ行き、コントロール出来るきっかけを与えてもらった。後は私次第らしい。
ちなみに堅苦しく呼ばないのは、ユニはユニで私を恩人だと思っているからだ。原作を知ってる私からすれば、ユニ達の呪いがとけるのは当然だと思うのだが、彼らの気持ちは違うらしい。
確かに私は呪いをとくためにいろいろと画策した。が、みんなが入院するような怪我を負うのが嫌だという自分本位の考えで動いたのだ。原作から逸脱しすぎて下手すれば失敗する可能性もあったし。だから私は元アルコバレーノから恩人扱いを受けるのは不本意なのだ。……という割に、押し切られてしまったが。
なので、ユニは私の師匠で私はユニの恩人というややこしい関係性なのだ。ユニが困った顔をするので、崩して呼ぶ感じになった。
「ああ。ユニが嫌な感じがして見ようとしたが何も掴めないって言うんだ」
ユニが無理なら私も無理な可能性も高いけどな。まぁそんなことはリボーンもわかっているだろう。
「やってみる。ただ着替えたい」
新しい制服で眠りたくなかったので、少し時間がほしいと頼む。私の要望はあっさりと通ったので、みんな部屋から出て行き兄の部屋で待つことになった。
「ん……?」
なんか変な感じがする。私の呟きに反応して部屋から出ようとした3人が振り返った。
「ここ、怖い」
嫌な感じがして、私は兄達がいる方へと手を伸ばす。が、届かなかった。急に後ろへと引っ張られたから。
何が起きたのかよくわからないが、気付いた時には真っ暗な空間に私はいた。
バカな私でもピンチだということだけはわかった。
作者のせいで、サクラの人生はハードモード!