選択した結果(仮)   作:ちびっこ

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微妙な設定捏造と1話限りのオリキャラが出ます。


お金と名声がほしい


 がっぽりである。通帳を見て、ニヤける。

 

「いくら貯まったんだ?」

「1億」

「……また随分無茶したな」

 

 呆れたようにディーノは溜息を吐いた。ディーノだって200階まで行ったのだから、私の何倍も貯まってるだろ。それにこれでも目立たないようにちょっとずつ賭けているんだぞ。まぁスタッフには顔を覚えられていると思うが。

 

「お? あれは桂じゃねーのか?」

「ん、やっとか」

 

 顔をあげたものの、初戦なのだから負けるわけがない。案の定、すぐに終わった。

 

「待った時間の方が長かった」

「まっそれは仕方ねーぜ」

 

 もう1試合組まされるだろうから移動する。……キャーキャーうるさいな。

 

「遊んできてもいいぞ?」

「しねーからな!」

 

 200階以上の登録はしなかったのに、影響力ありすぎだろ。っけ、これだからイケメンは。

 

 

 

 私達は天空闘技場についてからまずディーノが200階まで目指した。ディーノが200階まで行くと今度は兄の番、つまり今日。同時に挑戦しなかったのは、私が1人になる可能性があったからだった。

 

 そしてディーノが200階以上に挑戦しなかった理由は2つ。手の内を出すのはアホらしいのと、私達がチケットを取れない日が来るかもしれないと思ったから。試合のたびに私が名を呼んで、ここに居るぞとディーノにわからせないといけないからな。全くもって、厄介な体質である。

 

 そもそも目を離す時間が増えるのでリスクが高すぎる。その証拠にヒソカがポンコツのディーノを送り届けてくれた日があった。すぐに私と兄は察した。拍子抜けしただろうな、と。そして割と親切だと思った。雲雀恭弥なら放置しているぞ。

 

「……才能溢れてて良かったな」

「ん?」

「いや、なんでもない」

 

 切り替えるように画面を見る。兄はどこの階層で試合するんだろうか。51〜59の間なのは間違いないが。

 

「うわぁ、流石兄だな」

「もしかしてキルアって、あのキルアなのか?」

「そうだと思う」

「ってことはあいつらがアレを覚える時期なのか」

 

 ゴンの腕が折れてないから多少は早まり、ズシと会えないかもと危惧していたが、こうなるとは……。

 

「早く行こうぜ」

 

 パッと繋がれた手を見つめる。必死に振りほどく嫌ではないが、これは良いのだろうか。いや、今更か。散々抱っことかしているし、向こうの世界でも手を繋いで出かけていたのだから。

 

 多少戸惑ったが、何も言わずにディーノについていくと僅かに握る力がこもった。手は痛くなかったが、なぜか胸が痛くなった。

 

 急いで会場に向かったが、まだ始まっていない。

 

「やっぱ出場者より観客の方が先に発表されるんだな」

「賭けのための時間もだけど、チケット代も釣り上げたいんだろ。君の試合は他の人と比べて高かったし」

 

 100階以降から個室があるのは留まらせようという意味もあるのだろう。100階までにファンを獲得させて、本人に確実に会うには試合観戦が一番手っ取り早い。売れる見込みがある試合のチケットは高くすればいい。

 

「桂も高くなりそうだな……」

 

 200階以下は道具の持ち込みが禁止なのもあって、『纒』のみで戦ったディーノは結構ギリギリだったからな。イケメンだし、兄は見せる試合をしそうだ。

 

 いやまぁ、身体能力の差を埋めるためにディーノはテクニックで乗り切ったのだから、見せる試合は出来ていた。が、軟弱なイメージもついたらしく、男性ファンは少なかったのだ。

 

 パフォーマンスなのか、アイドルのように兄は手を振りながら入って来た。キルアがイラっとしているな。

 

「サーークラーー!!」

 

 兄に見つかってしまったので、仕方なく手を振る。ついでにキルアがこっちを向いたので、彼にも手を振る。すると、恥ずかしそうに視線を逸らした。

 

「ツンデレ乙」

「ん?」

「なんでもない」

 

 思わず本音が出てしまっただけである。兄もディーノと一緒で『纒』しか使わないが、キルアは勝てないだろうな。

 

 試合が始まったと同時に、兄が挑発したためキルアが動いた。相手が相手なので、キルアも初っ端から『肢曲』を使った。

 

「性格わりぃぜ……」

 

 ディーノに激しく同意する。見よう見まねで『肢曲』を兄も使いこなし、驚いたキルアに一撃をいれたのだ。そのまま倒せたはずなのに、クリティカルポイントだけでおさえた。

 

 キルアもかなり動揺したのか、兄から距離をとった。

 

「君は強い。それは間違いないよ。でもね、僕に勝つには足らないものがいくつもある。最低でももう一段階あがらなければ、話にならないよ」

「もう一段階……?」

「サクラからヒントは貰っているはずだよ」

 

 兄がそう言った途端、気付いた時にはキルアは場外へ吹っ飛ばされていた。私と一緒で見えなかった人が多かったようで、スロー再生された。どうやら鳩尾を殴っていたようだ。

 

「5発もくらえば、キルアでも起き上がれねぇだろうな」

 

 ポツリと呟いたディーノの声に驚いた。スロー再生でもまだ見えてなかったらしい。

 

 ディーノの予想通り、キルアは気絶しなかったものの起き上がれなかったため、兄の勝利が確定したのだった。

 

「行くか」

「ん」

 

 ディーノの声に立ち上がり、兄との待ち合わせ場所へ向かう。ゴンとキルアは兄が誘っているだろうな。

 

 

 

 

 もぐもぐと必死に口を動かす。

 

「サクラの頬がハムスターみたいだよ!」

「食いすぎるなよ? あいつらと違ってお前はそんなに食べれねーんだぜ?」

 

 わかってると何度か頷く。ただ目の前でガッツリ食べられると、私もと思ってしまうのだ。

 

「あー、美味しかった! でも本当にいいの?」

「おい、ゴン。本人がいいって言ってるんだぜ」

「キルアは負けちゃってファイトマネーないもんね」

 

 掴み合いのケンカが始まったが、じゃれあってるレベルなのでスルーする。

 

「まっお金の心配はすんな。オレは200階まで行った後で余裕がある」

「そうなの!?」

「桂と交代してもう出てねーけどな」

「僕よりディーノの試合の方が君達には勉強になったかもしれないね」

 

 確かに。愛用の武器を使えないし、相手の戦術や体格を見て攻め方を全てかえたからな。……ちょっとカッコよかったと思ったのはヒミツだ。

 

「オレ達は修行が出来て、お金も貰えるからここに来たんだ。サクラ達は?」

「2人が天空闘技場に出場したのはお金と名声が目的だな。欲しいものがある」

「欲しいもの?」

「グリードアイランドっていうゲーム。定価は58億ジェニー」

「「58億!?」」

 

 ゴンとキルアが立ち上がったので、席に座るように促す。

 

「正攻法で得るつもりはないけど、お金はあった方がいろいろと便利だから」

「ふーん。盗むの?」

「まさか。持っている人に交渉するだけ」

「それで名声?」

 

 大正解という意味で頷く。

 

「まぁ私達のことはいいだろ。君達が兄の言葉に大人しくついてきたのは手がかりがほしいからだろ?」

「えへへ。実はそうなんだ」

 

 チラッと兄とディーノに確認する。任せるという視線を送るので口を開いた。

 

「明日は社会見学にするか」

 

 ?マークを浮かべる2人だが、詳しくは明日といって彼らの疑問を聞き流した。

 

 

 

 次の日、同じ宿をとっていたので食堂で待ち合わせしていた。私達がおりるとすぐに駆け寄ってきたので、待たせていたようだ。約束の時間前なので謝らないが。

 

「どこ行くんだよ。気になって昨日眠れなかったんだぜ」

「天空闘技場」

「はぁ?」

「ただし、200階クラス」

 

 いつもなら私を守るように兄とディーノは隣を歩くが、今日はゴンとキルアも居るので後ろに待機する形で歩いていた。

 

 今日の試合予定を見て、どれにしようかと考える。出来れば念を使ってるとわかりやすく、私が見ても大丈夫そうな試合がいいのだが。

 

「この試合がいいと思うよ」

 

 兄が指した試合を見て、問題ないと判断した私は頷いた。チケット代はディーノが出してくれたので、5人揃って席に座る。ゴンは熱気の凄さに目を輝かせていた。

 

「あまり気を抜くなよ。試合内容によるけど、観客にも被害が行くことがあるから」

「そうなの?」

「酷ければ、問題になるからね。故意じゃない限りあっても流れ弾ぐらいだよ」

 

 そういえば、クロロはヒソカの死を確認しなかった気がする。逃げたから仲間に頼んだのか。

 

 そんなことを考えていると試合が始まる。片方はここ最近人気のある選手だ。もう片方は強化系!という感じの男性選手。

 

「見るのは女の人の方」

 

 返事がないなと思っているともう2人は試合に魅入ってた。うーん、思った以上に凄い集中力だ。

 

 私が今何を言っても聞こえないと思うので、私も試合に視線を向ける。

 

 彼女の試合は綺麗の一言だ。ふわふわの彼女の周囲に水が漂う。時には龍になったり、水の上を滑って高速移動したり、雨のように細かく空から降らせたり。最後のは棘が刺さったみたいになるから、かなり痛そうだけど。

 

 今回は相手が強化系ということで、龍が身体に巻きついて動きを鈍らせて、抵抗が弱った瞬間に投げ飛ばしたりしていた。もう少し操れる水の量が多ければ、楽に終われると思うんだけどな。でもいつも同じペットボトルから水を出して使っているから厳しいのだろう。

 

「決まったな」

「ディーノならどうする?」

「オレとは相性悪いしなー。付かず離れずの距離で仕掛けるか、真っ向から破るか、維持出来ないほどのダメージを与えるしかねーな」

 

 脳筋という言葉が浮かんだが、強化系なのだから仕方がない。下手なことを覚えるより、確実だ。

 

「……オレ達に見せた理由は?」

「君の頭の良さなら気付いているだろ」

 

 わざわざ私が200階クラスの試合と言った意味をキルアが理解していないはずがない。

 

「200階クラスは、アニキと一緒の強さ……」

「え? それって、サクラ達が使えるのと一緒ってこと?」

「ああ。200階クラスは全員使える」

「それを知らない者があがってきて死ぬことは良くあるのだよ。ここでは200階の洗礼と呼ばれているけどね」

 

 原作でヒソカが彼らを止めたのは、ここで死んだり使いものにならなくなるのは惜しいと思ったからだろう。兄とディーノだってそう思っているはずだ。だから1日潰すことになっても2人は反対しなかった。

 

「で、君達は今から選択出来る。今すぐ去る、200階以上には挑戦しない、これを覚える」

 

無謀にも今のまま200階クラスに挑戦するというのもあったけど、選択肢に入れるのをやめた。

 

「決まってるよな、ゴン」

「うん。オレ達は覚えるよ!」

 

 素直でよろしい。

 

「では覚えるための方法。自力で指導者を探す、私達と今から一緒に指導者のところへ向かう」

「あんた達が教えるってのは?」

「前に言ったけど、それはやめとけ。私達は自己流だ。というか、アドバイスがほしいぐらい」

 

 どうする?とゴンとキルアが相談し始めたので、念のために口を開く。

 

「自力で探せと前に言った通り、私の気持ちとしてはどっちでもいいと思ってる。ただもし君達が自力で探してる間に200階クラスに挑戦することになったら、全力で私達が阻止するから」

 

 ハンター試験で私がでしゃばった意味がなくなるからな。そんなことをさせるために助けたわけじゃない。

 

「んー、オレ達が行かなくても向かうの?」

 

 コクリと頷く。いつかは行くつもりだったから。ゴンとキルアは顔を見合わせた後、揃って行くと返事をしたのだった。




天空闘技場のシステムが謎すぎる。
チケット代も釣り上げないと厳しい気がする。
ヒソカ対カストロの試合が高くてキルアが叫んでたから、ありえなくはないと思ってます。

オリキャラについて。
操作系の方がわかりやすいと思ったぐらいで、適当に考えました。
王道っぽいのに水を操る人って居ないよね?
どこにもあるからこそ、思入れもなく難しいのかも。
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