Muv-Luv Alternative ~もう一人のイレギュラー~ 作:レン・アッシュベル
あの後は皆でブリーフィング、それが終われば解散と言う流れになった。
しかし速瀬がいつまでも俺を睨んでくるので明日にでも相手をしてやると言ったら渋々だが諦めてくれた。
他の連中も何故か参加するらしいが・・・・・
「向上心があるのは良い事だ」
何だか仕方がない気がするので諦めることにする。
今俺は格納庫に向かっている。勿論俺のネクストが置いてある90番格納庫だ。
「おー、やってるな」
「あ、少佐ですかい。どうしたんですか?こんな所に」
「ああ、昨日頼んだ材料が手に入ったと聞いてな」
そう、俺がここに来たのは初日に頼んでおいた材料が届いたとの報告を博士に聞いたからである。
流石は博士、仕事が早い。
「しかし、少佐。この機体に使われている技術は一体どうなってるんですかい?スペック一つ見ても普通の人間なら機体に殺されちまいますよ」
「まぁ、そうだろうな、ネクストは俺専用の完全専用機だからな」
表向きの設定をつらつらと述べる俺、博士が考えたのだが聞かれてもごまかせる程度には創りこんだ話だ。
最悪俺の体のことを多少の脚色を混ぜて話せばいいだけだしな。
「この機体はネクストって言うのかぁ・・・・・」
あ、やべ。つい口が滑った。まぁいいか・・・・・
この際名前くらいは教えてやる。
「正確には機体構成のアセンブルがULTIMAって言ってな。俺がつけた名前は、アルカディアだ」
「へぇー、よく分かりませんが流石少佐ですね」
機体名とパーツの名前が違うことに違和感を覚えるだろうが前の世界はそんな感じだったので割とどうでもいい。
メインカラーは黒、サブは金のラインが入ってる。
付け加えるならこの機体、企業の連中に頼んで作ってもらった機体である。
よって某ランク9の人の機体のようにコストがバリバリかかる。
その代わりに手に入れたのが当時のネクストを凌駕するする圧倒的性能、PAの出力の上昇は言うに及ばず速さなど変態企業に頼んだメインブースターのおかげでVOB無しのOBで時速2500kmオーバーをたたき出した。
流石に凄まじいGに耐えきれないので俺まで強化を加えることになったが・・・・
故にULTIMA(究極)の名を冠するこの機体。使いこなせれば現行ネクストを簡単に屠ることができた。
「じゃあちょっと見てくる」
「はい、お時間とらせてすいません」
そう言って礼を言う曹長に手を振りながらコンテナに向かった。
―――――――――――――――――
「おー届いてる届いてる」
コンテナから荷を下して中身を確認すると、前の世界には無かった特殊合金の山が入ってた。
形状も注文通りにしてあるのを見てこの世界の技術者も優秀だと感心する。
でもこれなら・・・・・
コジマ武器のオンパレードができるかもしれない!!
そんなことを思いついたのだが。
『それは無理じゃよ』
「は?」
突然、頭に声が響いた。
『それは無理じゃよ』
「なぜ2度言う?」
つい突っ込んでしまったが、よく聞いてみればあの神様の声だった。
「で、何で無理なんだ?汚染ないのに」
『うむ、それはな』
「うん」
『お前に頼まれてコジマ粒子による環境汚染が起こらない様にしたじゃろ?』
「そうだな」
『その反動でな、お主の身体に負担がかかることになってしまったんじゃよ』
「え!?」
『世界観がぶち壊れてはいかんからの、環境汚染が無い代わりにお主に負荷が掛らないと釣り合いがとれんのじゃ』
「・・・・・・」
『だから、コジマ兵装はあまり使わんほうがいいぞ。他の武器は仕方ないが』
「マジかよ・・・・」
何てこった、まさかの俺にフィードバックが来るとは。
「なので気をつけるのだぞ」
「はぁ・・・・・分かった、仕方ないから我慢する」
こうなったらどうにもならないのは目に見えているので腹いせに大火力ハイレーザーでBETAをぶち殺すことにした。
――――――――――――――――
10月24日午前 国連軍横浜基地
~PX~
PXに来た俺は視界に飛び込んだものを見て少し驚いた。
何と、霞が白銀に伝説のハイあーんをやっていたからである。
いつものごとく早起きして軽く運動した後、此処に来たのだが・・・・
(史実より早いな?俺が加わったからか?)
予定より早い霞の行動に少し驚愕した。
「横座るぞ」
「うわっ!!ゆ、優希!?」
「おはようございます。神夜さん」
「ああ、おはよう、霞」
突然の登場に焦る白銀をスル―して挨拶を交わす俺と霞。
いつ見ても保護欲を刺激される。
「そういえば白銀」
「なんだ?」
「一体いつの間に霞にアーンを吹きこんだんだ?」
「それじゃ俺がロリコンみたいじゃねぇか!!」
「違うのか?」
「オイッ!!」
「ハハハ、冗談だ」
本当は白銀の記憶をリーディングしてまねているだけなのは知っていたがあえてからかい、予想通りの反応を返す白銀をさらに弄ぶ。
そうやってると横から袖を引っ張られた、向けた視線の先には霞が
「あーん・・・・」
サバ味噌を箸で差し出していた。
俺に向かって
「へ?」
「あーん」
「まて、霞」
「あーん」
「いやっだから」
突然の衝撃に俺は動揺を隠せない。
本当ならパクッといきたいところだが横で白銀がニヤニヤしてるのでそうもいかない。
コイツ・・・・後で殺す・・・・・
「あーん」
「落ち付け、霞、それは白銀用に―――――」
「嫌、ですか・・・・・?」
マジかよ、此処でまさかの必殺上目遣い炸裂。
これで食べなきゃ男じゃねぇ!!
パクッ!
「!!」
咀嚼中・・・・・
「どうですか・・・・?」
「うん美味いよ。ありがとな」
そう言って、頭をなでてやるとウサミミをピコピコ動かす霞。
うん、実に愛らしい。
さて、心温まる光景を演出した所で・・・・・
「おい、白銀」
「ひっ!」
俺がさっき笑ってた白銀に若干本気の殺気を飛ばす。
情けないことに白銀は、マジでビビってる。
さらに、耳に顔を近づけて一言。
「謝罪するなら生かしてやる・・・・」
「す、すいません!!!」
俺がイイ笑顔で告げると大声で謝る白銀。
ついでに、頭をなでなでされてヘブン状態だった霞は突然の大声にびっくりしていた。
「よろしい、次は無いからな」
「はい・・・・・」
俺が許すとようやく震えがおさまる白銀であった。
風邪引いた・・・・