Muv-Luv Alternative ~もう一人のイレギュラー~ 作:レン・アッシュベル
~90番格納庫(すみっこ)~
「では準備はいいか、諸君!」
「「「「「おう!!」」」」
「よろしい、では各自作業に取り掛かれぃ!!」
「「「「「おおおおおおお!!!!!」」」」
格納庫に響く熱き漢たちの雄たけび。
「・・・・・何なの、これは?」
「・・・・・分かりません」
それを遠くから見守るのは我らが女神たち(博士と霞)。
「ではA班はグレネードに!B班は俺と共にVOBの制作に取り掛かるぞ!!残った奴らは先程アップした多連装ミサイル及びレールガンの制作に取り掛かれぃ!!」
「「「「yessir!!」」」
俺の指令によってそれぞれの持ち場につく我が精鋭部隊(ただの整備兵と技術班)。
彼らが盛り上がっているのには理由がある。
俺がネクストと一緒に持ってきた兵器の数々、それを制作する目処が昨日立ったのでデータを全員に見せた。
瞬間、彼らの目つきが代わり格納庫に第一次男達の雄たけびが炸裂。
どうも彼らは凄乃皇と言う夢兵器の整備兵として呼ばれたにもかかわらず、やる事と言えば不知火や吹雪の整備ばかりという状況にフラストレーションが溜まっていた様である。
そこに俺が提示したレールガンにプラズマキャノン、パイルバンカー等の夢武装の数々を見てしまい理性が崩壊したのだ!!
「おらぁ!!お前たち、キビキビ働けよぉ!!!」
『『『『sir!yessir!!』』』』
A班の班長である柿本曹長(昨日俺に話しかけてきた人)の指令が響き、それに返事をする阿修羅達。
レールガンを任された班などすでに骨組みの作成に入っている。
こうしてはおれん、俺たちも早く完成させねば!!
「貴様らも負けてはいられんぞぉ!!」
『『『『ただちに作業に取り掛かります!!少佐!!』』』』
かく言う俺も彼らの熱気に当てられてしまい、なんかテンションがハイになってる。
そんな俺たちを眺めていた女神たちは早々に帰ってしまった。
その後、優希が速瀬との対戦の用事を思い出し帰った後も男たちの戦いは続いたという・・・・
――――――――――――――
十月二十四日午後 国連軍横浜基地
あれから二時間ほど彼らと作業を続けていた俺は、昨日の速瀬との約束を思い出し作業を泣く泣く断念、残りは精鋭部隊に任せてシミュレータールームへと向かった。
まぁ、レールガンとVOB以外はほぼ完成していたが。
あの短時間でここまでとは・・・・・横浜の男たちは化け者ぞろいだった。
「あ、やっと来たわね!」
「こら、水月!相手は一応上官だよ!!」
俺がシミュレータールームに着くとそんな声が聞こえてきた。
声の主はもちろん君○ぞコンビのお二人、ヴァルキリーズの突撃前衛長速瀬、CPの涼宮(姉)だ。
速瀬は置いといて、涼宮もなかなか酷いこと言ってる気がするのは俺の気のせいだろう。
「ああ、すまん、ちょっと野暮用でな」
「ジィーー・・・・」
「そんなに睨むな」
俺が遅れたのが気にくわないのか睨みつけてくる速瀬。
横でアワワワとか言ってる涼宮はやはり天然だ。
「まぁいいわ」
・・・・・良いのかよ!?
「さぁ、早くやるわよ!」
「分かった分かった」
そう言ってシミュレーターに乗り込む速瀬と俺。
向こうのオペレーターは涼宮がやるそうだ。
何で彼女がいたかが分かった所で戦闘開始。
ヘッドギアの網膜投影によって市街地の映像が映し出され、相手の不知火が見える。
「いくわよーー!」
「かかって来い」
速瀬の不知火が開始直後に全力噴射で突っ込んでくる。
どうやら前回叩きのめされたお返しに近接戦がお望みの様だ。
此方も長刀を抜き放ち噴射で突っ込む。
ガキィン!!
ぶつかり合う巨大な鋼、そのままつばぜり合いになりギャリギャリと火花が散る。
しかしどちらも一歩も引かない、序盤からガンガン攻める。
このままではらちが明かないのでいったん離れる俺、追撃をかけようとする速瀬には36㎜弾の弾膜を張り押し返す。
悪いが一々相手のやりたい様にしてやるほど俺は優しくない。
「くっ!!」
「・・・・・」
跳躍機構を噴射して弾膜を回避する速瀬は上から此方に向け突撃砲を構える。
しかし打たせてはやらない、
しかし撃たせてはやらない、相手が照準を定める前に離脱、正面は避け、相手を中心に円を描くように水平移動して弾を避ける。
「当たりなさいよッ!!」
「誰が当たるか」
二丁持ちに切り替え此方を撃ちまくるが躱した俺が、建物を蹴って跳躍し戦術機で三角飛びを決める、そのまま一気に懐に入ろうとするが今度は下に逃げる速瀬、前回良いようにされたのを忘れずに少しは慎重に対処して来た。
「流石に同じようにはいかんな、だが、これならどうだ?」
「えっ!!」
俺が着地と同時に撃ってくるのを更に避け再び跳躍、しかも今度は速瀬の不知火の頭上で倒立反回転を決め頭上から突撃砲を掃射。
「きゃあ!!」
『速瀬機、右腕部大破』
流石に体勢が悪すぎたので少しずれた、だが腕は破壊できたのでまぁ良しとする。
「次行くぞ!」
「このぉ!!」
叫びながら撃ってくるが今度もすべて避ける。
躱した後に短刀を投げつける。
速瀬がとっさに突撃砲を投げて盾にするが回転するように投げたのでスパッと切断され爆破。
さらに俺は爆炎にまぎれて奇襲をかける。
速瀬が気付く前に一気に距離を詰め・・・・
「止めだ!!」
今度はズバンッ!と良い音を立てながら長刀で胴体を真っ二つに切る。
『じょ、状況終了・・・・・』
涼宮も焦っている、やはり最後の怒涛の攻めは凄まじかったのだろう。
これで彼女には二度目の勝利、やはり一人では勝てないと諦めてくれれば楽なんだが・・・・
そう考えながらシミュレーターから降りる。
すると、
「まだよ!!」
「え?」
後ろから速瀬の大声が上がったので振り向けば、よっぽど負けたのが悔しいのか昨日みたいに若干涙目の速瀬の姿が。
「まだ終わりじゃないわ!もう一回よ!!」
「え、まだやるのか?」
「当たり前よ!私が勝つまでやるわ!」
そう言いながら俺の首根っこをガシッと掴みシミュレーターに向かう。
引きずられながらも何とか振りほどこうとするがこの女、なんて怪力だ!強化人間でも振りほどけないだと!?
そしてそのままシミュレータに放り込まれる。
「痛っ!」
「さぁ、始めるわよ!!」
頭を撃った俺は苦悶の声を上げるがコイツ聞いて無いな・・・・・
『だ、大丈夫ですか?少佐』
涼宮の心配する声が聞こえる、だが俺はそのときすでにキレていた・・・・
「殺す・・・・」
『ヒッ!』
俺の放つ殺気に涼宮が怯えるが放置、速瀬に至ってはまだなの!?とか催促してやがる。
よって俺は本気を出すことにした。
その日のシミュレータールームには徹底的にボコられる速瀬の悲鳴が響き渡っていたとさ・・・・
オワタ