更新遅くなって申し訳ありません。
全然思いつきませんでした。
そして書いたはいいんですがいつもより長くなってしまいました…。
次はなるべく早く更新できるように頑張りたいです。
それではどうぞ
時間は楽しみなほど待っているのが面倒だと私は考えている。
だってさ、待ってる間って他のことに手がつかないじゃない?
えっ?そんなことないって?
いやいや、意外とあるでしょ!思い出してみて。
まあ、言ってしまえば今まさにそういう状態。
いよいよ明日に迫る8月8日!
わくわくが止まらないぜ!
…いや、そろそろテンションを戻そう。
明日が8月8日なら今日は必然的に7日ということなのだが、私はららぽに来ている。
その理由はいくつかあるが、最もなのは明日の服を買いに来たってことだ。
隣に目を向けてみれば、同行者のお姉ちゃんがいる。
お姉ちゃんに一緒に来てくれと頼んだら、二つ返事でオーケーがもらえた。
お姉ちゃん曰く、
「私は比企谷君の誕生日プレゼントを買いに行くつ・い・で・に、ついていく」
だそうだ。
ツンデレだな!とか考えていると睨まれたので、思考を切り替える。
今日の買い方はお姉ちゃん方式らしい。
手順は次の通りだ。
1…午前中のうちにいくつかのお店を周って、候補を決めておく。
2…ご飯を食べながら買う服を決める。
3…そして買う。
ね、簡単でしょ?
効率を求めるお姉ちゃんらしい買い方だと、私は思う。
おっと、話が長くなったね。
現在の私は、2番にあたる「ご飯を食べながら決める」だ。
しかも買う服は決めたので、駄弁っている。
「ついに明日だね!」
「なんでお姉ちゃんがテンション高いのさ…」
「いや~だってさ、あの白が男の子の誕生日を祝うってことが珍しくてね」
そういわれればそんな気がする。
表面上なら何度かあったと思うが、しっかりと祝うのは初めてだったりする。
「そうだね」
「まあ、それだけ好きな男の子だってことだよね!」
「そうだ…、えっ?なんだって?」
なんかすごいこと言われたよ?
「えっ?」
「えっ?」
「??白は比企谷君のこと好きなんじゃないの?」
「ライクのほう?ラブのほう?」
「もちろんラブ!」
ふーむ。なるほど、わからん!
「いや、私は比企谷君と友達になりたいの」
「ええぇ…。自覚がないのか、だから鈍感なやつらは…」
ええぇのあとから全然聞こえなかったけど、悪いこと言われてるのはわかる。
「大体なんでそんなこと言えるのさ」
「それ聞いちゃいますか~」
少しイラッときたが理由を聞くためだ、がまんがまん。
「それで?どうしてなの」
「それは自分で気づくべきだよ」
もう怒った!これはやるしかない。
「このやろ!」
「甘いぜ」
「グハッ」
渾身のチョップは防がれて、代わりにチョップされた。
…やはり勝てない。
「まあ、ヒントぐらいはあげるよ。ヒントはいつも自分に注目することかな」
「?なにそれ」
「頭の片隅に入れといてくれればいいよ」
よくわからん。
「よし、服買いに行くか!」
「ちょっ、待ってよ~!」
結局分からずじまいだよ。
…私はどんな気持ちで比企谷君を思ってるんだろう。
もやもやしたまま迎えてしまった8月8日。
私は全然眠れなかった。
約束の時間が迫り、私の心は余計にもやもやしてきてしまう。
「よう、早いな」
「うひゃあ!」
突然前から声をかけられてビックリしてしまった。
顔をあげてみれば比企谷君が正面に立っていた。
「…悪い」
「いや、全然!考え事してたから気づかなかったの」
「お、おう。危うく変な人認定されるところだったからよかったわ」
「ご、ごめんね?」
「いや、むしろ気にしないでくれ」
「…うん。じゃ、いこっか!」
「おう。で、どこ行くんだ?」
「無難にららぽかな」
「わかった」
昨日も来てるけど。
まあ、昨日とは違った楽しみかたがあるよね。
それと、もやもやのことも解決しなきゃいけないしね。
ららぽに着いた私たちはお昼を食べようとフードコートに向かった。
私は時間まで比企谷君をつれまわさないといけないのだ。
タイムリミットは今日の午後4時半、その間にお姉ちゃんと小町ちゃんで準備をするらしい。
お姉ちゃんが家の場所知ってるのかって?
その質問の答えは…残念!知らないです。
だから、この前許可もらったときに連絡先交換したらしいので、連絡とりながら向かうって言ってた。
現在時刻は11時半、残り5時間どうしよう?
まあ、ゆっくり考えますか。
食べ終わった私たちは、まず雑貨屋からまわることにした。
雑貨といっても多くの種類がある。
とりあえず小物のコーナーへ行き、見てまわる。
ちなみにお互い無言。
だけどね、この沈黙は別に嫌いじゃない。
むしろこの雰囲気がいいのだ。
変に騒いでいるよりは『比企谷君みたいな』静かな男の子の方がいい。
?比企谷君みたいな?
私の心の中で少し霧が晴れた感覚がする。
雑貨を見ているとふと目についたのがあった。
羽の形をしているキーホルダーだ。
これはいいんじゃない?値段も手ごろで700円ぐらいで買える。
せっかくだし4つ買ってお姉ちゃんと小町ちゃんともおそろいにしちゃおう。
買うものも決まったので、比企谷君に伝えよう。
「比企谷君、ちょっと買いたいもの見つかったから待っててもらってもいい?」
「おう、外で待ってればいいか?」
「うん、お願い」
会計済ませて外に出る。
比企谷君は柱に寄りかかっていた。
「お待たせ!」
「ああ」
「次どこ行こっか?」
「テキトーにまわるか」
「それもいいかもね」
この後は2人で服とか見ながら時間を潰した。
4時半が近くなった頃、スマホが揺れた。
開いてみると、どうやら準備ができたらしい。
「よし、比企谷君」
「なんだ?」
「そろそろ比企谷君の家に行こう」
「えっ?なんで俺の家なんだ?」
「小町ちゃんに来てくれって言われたから」
「…なるほどな」
「頼めるかな?」
「へいへい」
というわけで比企谷君の家に向かう。
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とある店より
「あれは…日代さんと………ヒキタニ?…なんだそういうことか。それなら君をヒキタニから……………」
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しばらくして、比企谷君の家に着いた。
小町ちゃんとお姉ちゃんにはもうすぐつくと連絡してある。
比企谷君がどんな反応を見せてくれるか楽しみだ。
比企谷君はドアに手をかけて開ける。
「ただいまー」
「お邪魔します」
ここまではオーケー。
問題はリビングへ入るとき。
重要なのはタイミングだ。
頼んだよ2人とも!
「小町?日代連れてきたぞ…」
パン!パーン!とクラッカーの音が鳴る。
「誕生日おめでとう、お兄ちゃん」
「おめでとー比企谷君」
「」
比企谷君は驚いたまま動かない。
「比企谷くーん?」
私は比企谷君の肩をつかんで揺らす。
「…っ!…なんでこんなことになってんの?」
「もちろんお兄ちゃんの誕生日を祝うためだよ!」
「…忘れてたわ」
「「「自分の誕生日忘れるってどうなのさ…」」」
私たちは呆れてしまった。
「まあまあ、とにかく今日は比企谷君の誕生日パーティーだよ!」
「ささっ、座って座って」
比企谷君はお姉ちゃんに押されながら席に座る。
比企谷君が座ってから私も座ろうと椅子に向かうと、
「白はこっち!」
とか言われて比企谷君の隣に座らされた。
うそーん、比企谷君の隣かよ。
いや、嫌とかじゃなくてむしろ『嬉しい』。
?なんだこの感情って。
「さあて、始めますか」
「ここで小町&藍さんのケーキ登場~!」
「…おお、すごいなこれ」
出てきたのはチョコケーキだ。
なんかしかも2段になってる…。
小町ちゃんによって切り分けられたケーキがお皿にのせられる。
「よし、じゃあ比企谷君の誕生日を祝って!」
「「「かんぱい!」」」
「…かんぱい」
ケーキを一口に切って口に運ぶ。
っ!!うっうまい!
「おいしい!」
「…これすごいな」
「藍さんと小町でつくったからね」
「喜んでくれて嬉しいよ」
「いくらでもいけそうだよ!」
「これはコーヒーがほしくなるな」
「お兄ちゃんがそういうと思って用意したよ」
「小町ちゃん準備がいい」
あっという間に食べてしまった。
いや、みんなで1ホールは無理だったけどね。
食べ終わってからくつろいでいると、
「さあさあやってまいりましたこの時間!」
「第1回プレゼント選手権!」
「ルールは簡単、順番にプレゼントを渡していくだけ!」
「た・だ・しそれぞれ演技をして渡してもらいます。」
なんかお姉ちゃんと小町ちゃんのテンションが高い…。
「まず、私のターン!」
お姉ちゃんが部屋から出ていく。
2分ぐらいたってからドアがゆっくりと開いた。
開いたドアからひょこっと顔だけ出して比企谷君を見ている。
じっと見たあと、ゆっくりと歩いてきて比企谷君の前に立つ。
「比企谷君」
「なっ、なんですか?」
「目、つぶって欲しいな」
比企谷君は顔を赤くして言われた通りに目をつぶる。
そしてお姉ちゃんは後ろで持っていたものを比企谷君の顔にかける。
お姉ちゃんの誕生日プレゼントはメガネだった。
「もう開けていいよ」
「そうですか。」
比企谷君はそう言われて目を開ける。
「「「えっ?」」」
「…?やっぱり似合わないか…」
「いやいや、違う違う!」
「比企谷君がクール系のイケメンに変身した…」
「お兄ちゃん!やればできるじゃん!」
「お、おう」
なんと!メガネで人ががらりと変わったのだ。
こりゃあビックリ。
「日代さん、ありがとうございます。」
「いいってことよ。いいもの見られたしね。じゃ、次の人~」
「次は小町です」
比企谷君がメガネを外しているときに小町ちゃんは部屋から出るとすぐに戻ってきて、比企谷君を椅子の方へ呼び座らせる。
座った比企谷君の後ろに立ち、ハグをした。
「こ、こまち?」
「おにーいちゃん」
「…ん」
「いつも頼りないけど、いつも助かってるよ。誕生日おめでとう」
「ん」
机にプレゼントを置いて離れる。
比企谷君はプレゼントを開ける。
出てきたのは…写真立てだ。
「あとで撮った写真入れてね!」
「へいよ」
「最後は白さんです」
はっ!忘れてた。
どうしよう…とりあえず比企谷君の前に立つ。
今の比企谷君は椅子に座った状態なので私の方が目線が高い。
私は前屈みになって比企谷君に目線を合わせる。
「比企谷君」
「…なんだ?」
「受け取って欲しいな」
私は比企谷君にお昼に買ったプレゼントを渡す。
「開けてもいいか?」
「うん。ここで開けて欲しい」
比企谷君がキーホルダーをとりだす。
「そんなに高いものじゃないんだけどね、みんなでお揃いのものがいいなって思って買ったんだ」
「そうか」
「どう…かな?」
「っ!ああ、ありがとう」
このときの比企谷君の表情は笑顔だった。
この笑顔を見た私にはわかってしまった。
あのもやもやの正体。
これはお姉ちゃんの言った通り、恋心だ。
私はいつの間にか恋に落ちていたらしい。
「いやあ、これはどうですかね藍さん?」
「これは白の1人勝ちかな?」
横から声が聞こえて振りかえる。
2人はニヤニヤしながら私たちを見ていた。
私と比企谷君は顔を真っ赤にして下を向いた。
恥ずかしい!
まあ何はともあれ、今日はいい誕生パーティーだった!
さてさて、パーティーも終わったので私とお姉ちゃんは帰る準備をして玄関にいる。
「白さん、藍さん、今日はありがとうございました」
「呼んでくれて嬉しかったよ!」
「また呼んでね」
「ぜひぜひ。あっ!そういえば白さんと藍さんは13日にある花火大会行きますか?」
「ん~行きたいんだけど私は行けないかなぁ」
「私は別に大丈夫だけど…」
「じゃあお兄ちゃんと行ってもらえますか?」
「「えっ?」」
今まで黙っていた比企谷君も驚いた顔をしていた。
「お兄ちゃん別にいいよね?」
「いや、まあ、俺はいいんだが日代はいいのか?」
ここまできたならせっかくのチャンスだ、乗らない手はない。
「私はいいよ。むしろ嬉しいし」
「おっ、じゃあ決まりだね。白、楽しんでね」
「お兄ちゃんをお願いします」
「うん」
約束が決まって、別れ挨拶をする。
「今日は2人ともありがとうございました」
「いいっていいって、また遊ぼうね」
「比企谷君、次は花火大会でね」
「おう。時間については連絡してくれ」
「了解。それじゃあまたね」
「おじゃましました」
「「ありがとうございました」」
比企谷君の家を後に2人で家に帰る。
「お姉ちゃん」
「なんだい妹よ」
「やっぱりお姉ちゃんの言ってた通りだったよ」
「そう。好きなのね?」
「うん。好きだよ」
「後悔だけはしないようにね」
「わかったよ」
私は心に誓う。
なにがあろうとも比企谷君のそばにいる。
そして裏切らないと。
決意を決めた8月8日。
空を見上げれば星が輝いている。
そんな空はいつもよりも輝いて見えた。
いかがでしたでしょうか?
次回で夏休みの話は最後になります。
それではまた次回