比企谷八幡を追いかけて…   作:電柱人

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どうも電柱人です。
1ヶ月ほど空いてしまいました。
出来れば9月中に更新したかったです。
完結に向かって頑張りますので最後まで読んでいただければ嬉しいです。
それではどうぞ





第14話 私と彼の日常の一コマ

 

 

 

 

 

文化祭が終わり、私の高校生活もすでに半年を迎えた。

思い返せばこの半年は色々な事があった。

私としては結構気に入っている。

楽しい日々も過ぎてしまえば儚いものだったと思ってしまうのだろう。

人生の中で起きることはその瞬間しか味わえない。

だから私は少しのことでも大切にしていきたい。」

 

「語るねぇ。」

「…声にでてた?」

「そりゃあばっちり。」

 

どうやらしゃべっていたらしい。

 

「内容はよかったかと。」

「別に評価しなくていいから。」

「へいへーい。おっとここまでだね。今日も頑張るように。」

「はいよ。」

 

お姉ちゃんと別れて教室へ向かう。

教室に入ると、おはようと声をかけながら席に荷物を置く。

教室内を見回し目的の人を探す。

…おっ、いたいた。

私は駆け寄り、

 

「八幡おはよう。」

「おう。」

 

八幡に声をかけた。

文化祭が終わってから八幡はクラスの人から声をかけられることが大幅に増えた。

やはりステージに立ってしまったのが大きな原因であった。

でもおかげで男女問わず人気がでている。

なんでも、普段とのギャップがすごいとか、寡黙そうだったが話してみると面白いとかなんとか。

特にあの戸塚君!

男の子なんだけどすごい可愛い。

戸塚君可愛いを略してとつかわいい。

マジ天使レベルで純粋だし。

私でもちょっと嫉妬するほど可愛い。

でも、八幡は渡さないよ!

いかんいかん、話がそれてしまった…。

今は八幡に伝えなければいけないことがあるのだ。

 

「今日の放課後さ、お姉ちゃんの誕生日プレゼント買うのに付き合ってほしいんだけど…。」

「ああ、大丈夫だぞ。」

「ありがとう。」

 

そろそろお姉ちゃんの誕生日だしプレゼントを買わなければならない。

お姉ちゃんも八幡とか小町ちゃんとか来るのを楽しみにしている。

去年と違って賑やかになりそうだ。

 

「席につけーい。」

 

ガラッと扉が開かれ先生が入ってくる。

 

「じゃ、あとでね。」

「おう。」

 

私は八幡との会話を止めて自分の席につく。

みんなが席につくと先生はプリントを配る。

 

「もうすぐ生徒会選挙がある。みんな興味ないかもしれないが、1年間の学校生活のためにしっかりと配ったプリントを確認しておくように。」

 

先生からの話の通り、もうすぐ生徒会選挙がある。

生徒会選挙は結構地味で興味がないっていう人が多いだろう。

実際のところ私もあまり興味がない。

だが、今年の生徒会選挙には文化祭で一緒にバンドをやった城廻先輩が会長候補としてでている。

その話を聞いたときに私達もどうかと聞かれたが急な話だったので断らせていただいた。

断ったときの城廻先輩のシュン…とした表情にはとても申し訳ないと思っていた。

あの顔はずるいよ。

めっちゃ心痛かったし、罪悪感やばいし。

ほんとすみません!

思い返しては心の中で謝ってしまうほどに印象的だった。

 

数学、英語、現代文からの体育という時間割を終えて、お昼休み

今日はベストプレイスで私、八幡、お姉ちゃん、城廻先輩の四人だ。

 

「いやぁそろそろ寒くなってきたね~。」

「そうだねぇ。ここ落ち着くんだけどね~。」

「まあ、初めは3年間ボッチのつもりだったので…。今は今で楽しいからいいんですけど。」

「…八幡。」

 

なんということだ。

あまりデレない八幡がデレた。

 

「八幡君がデレるなんて…。」

「これは…捻デレだね!」

「いや、なんでその言葉知ってるんですか。…最近学校だと人に話しかけられることが増えたんで落ち着くのがここしかないって感じです。」

 

どうやらお姉ちゃんたちも同じことを考えていたらしい。

 

「悪い変化ではないと思うしポジティブにいこうぜ八幡君!」

「そうだよ!比企谷君はそれだけ人気なんだよ!」

「…う、うす。」

 

二人の励ましに何とも言えない表情をする八幡。

ここは私も何か言うべきかな?

 

「ほら、戸塚君という友達もできたじゃん!」

「そうだな!」

 

キリッとした表情で私に向かって答える八幡。

その反応のせいか、私は八幡をジトーと見てしまう。

 

「い、いや、ほほら!あれだぞ?いい友達ができたってことで言ったわけで…決して癒し系とか、天使とか思ってるわけじゃ!」

「まあ、戸塚君が天使なのはわかるけど。」

「だよな!」

「「「八幡(君)(比企谷君)…。」」」

「…。」

 

全員一致して八幡にジトーとした目を向ける。

 

「何か1つ言うこと聞くので許してください…。」

 

視線に耐えられなくなったらしい。

ほほーん、ならそうだなぁ…。

私たちは目線で合図を送り、

 

「じゃ、私は明日みんなの分の飲み物奢りで!」

「私は今度の日曜日みんなで出かけるで!」

 

お姉ちゃん、城廻先輩という順番でいい、そして私の番となった。

私は笑顔で、

 

「私は平塚先生の鉄拳制裁でよろしく!」

「」

 

昼休みの最後に平塚先生から鉄拳制裁を受けた八幡でした。

 

放課後、私は八幡と一緒にお姉ちゃんの誕生日プレゼントを買いに来ていた。

 

「いや~いい拳だった。」

「マジ痛かったわ。もう勘弁してほしいぜ。」

「自業自得だったからしょうがないでしょ。」

「…ソウデスネ。」

「それは置いといて、お姉ちゃんの誕生日プレゼントを選んでしまおう。」

「了解。」

 

行き当たりばったりで店に入っては出て店に入っては出てを繰り返す。

なかなかコレ!ってのが見つからない。

 

「次ここ入ろう。」

「あいよ。」

 

一つ一つ手に取るが…うーん。

いまいちピンとこないな。

 

「これなんかどうだ?」

 

後ろから八幡に声をかけられ振り向くと

 

「こ、これは…人をダメにするクッション!」

 

そう、人をダメにするクッションを持った八幡がいた。

 

「これをどこで!?」

「いや、偶然店の隅の方に行ったらあった。」

 

ぐ、偶然でこんないいものを!?

流石すぎる。

 

「八幡はいいの?私としてはそれをプレゼントにしたいけど八幡はプレゼントどうするのさ?」

「俺はもう別なのを用意しているからな。別に気にせんでいい。」

「…なん……だと…。」

「いや、そこまで驚かなくても…。」

「そうだね。オーバーリアクションだったよ。じゃあ、私がそれ買っていいかな?」

「おう。」

 

クッションを受け取り会計へ向かう。

レジの店員さんにリア充めぇ…みたいな目を向けられたのはスルーしておこう。

 

 

 

 

帰宅した私はバフッと音をたててベットに沈む。

ああ、今日もいい日だった。

明日は何が起こる?

悪いこと?それともいいこと?

悪いことは起きないで欲しいなぁ。

八幡の周りは日々変わっていく。

でも、八幡と過ごせればそれだけで心が落ち着く。

これはこの先も変わらないだろう。

だからこそ、私は八幡を愛し続ける。

ああ、明日もいい日であれ!

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~

 

 

後日談1

 

 

「会長就任おめでとう!」

「「おめでとうございます。」」

「ありがとう。これから私頑張るよ!」

 

お姉ちゃんが祝いの言葉を言い、私と八幡が続く。

 

「でも…。」

「「「??」」」

 

城廻先輩の表情が笑顔から悲しみに変わる。

 

「二人と生徒会したかったなあ…。」

「「ホントすみません!」」

 

 

 

 

後日談2

 

 

「誕生日おめでとう!お姉ちゃん。」

「ありがとう妹よ。」

「今日はみんな来るからね!楽しみにしててよ。」

「今年は賑やかになりそうだ。」

「そりゃあみんな来るからね。」

「妹からのプレゼントも期待してる。」

「ふっふっふ。任せておいてよ。」

 

この後、プレゼントした人をダメにするクッションでお姉ちゃんはだるーんとなるほどダメになっていた。

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか?
ご指摘ありましたらお願いします。
10月に何話か更新できたらいいなと思っています。
それではまた次回

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