比企谷八幡を追いかけて…   作:電柱人

9 / 19
どうも電柱人です。

お気に入りが増えていくのを見るたびに、幸せだなと思っています。

まだまだ結末まで先はありますが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

それではどうぞ




第9話 私と彼の夏休み 前編

 

 

 

 

終業式が終わってしまえば、学校の大多数が待ち望んでいる夏休みだ。

課題が出されるが、それを入れてもプラスになることだろう。

そして、私もその中の1人である。

しかし、この夏休みというイベントは、学生に与えられる1つの試練だと私は考えている。

なぜなら、1ヶ月ちょっとの休息の間に出された課題を終わらせ、今まで築き上げた人間関係を保つために過ごす。

これからの学校生活を送るために。

そうすることで「学校での私」という一個人を成り立たせる。

そのためにこの夏休みは存在しているんじゃないかと。

結論を言おう。

 

私たちの夏休みは「自分のため」ではなく、「自分の存在のため」だと。

 

 

 

 

「って誰がそんなこと書けって言った?」

「…さーせん」

 

現在の私は、姉の目の前で正座させられている。

なぜかって?

作文だよ、作文。

「夏休み」って言うのを題材に書くんだけどね、私は国語嫌いなの。

で、ヒントをもらおうとお姉ちゃんのところに行ったらさ、

 

「自分の経験からとか思ってたこと書けばいいんじゃない?」

 

と言われたから書いて見せたら

 

「正座」

「…えっ?」

「正座」

「イエス!」

 

正座をさせられた。

いや~怖かったね、だってハイライトがなかったんだもん。

これはダメだと思ったね。

 

「あのさぁ…、なんでこうなったの?」

「中学で学んだことをそのまま書いただけだけど…」

「いや、さすがにそれで出したら呼び出し確実でしょ」

「そうかなぁ。私的には最高傑作なんだけど…」

「とりあえず書き直し」

「ええー、めんど「ん?」いわけないです!!書き直します!」

 

姉に勝てることはこの先もなさそうだ。

 

さあて、夏休みが始まって数日過ぎた今日この頃。

お姉ちゃんに怒られていた後の私は、小町ちゃんから連絡を受けてサイゼに来ていた。

いいよねサイゼ、コスパがいい。

少し待っていると、小町ちゃんが来た。

 

「すみません。遅れてしまって…」

「いや大丈夫だよ」

 

小町ちゃんはドリンクバーだけ頼むと、すぐ取りに行き、座った。

 

「休みの日にすみません」

「いや、ちょうど気分転換したかったしよかったよ」

「それで早速なんですが頼み事がありまして…」

「頼み事?」

 

小町ちゃんが私に頼み事なんてなんなのだろう?

 

「ええ、実は兄の誕生日が8月8日でしてですね」

「ふむふむ」

「もしよければなんですが祝ってもらえると嬉しいかなぁ…なんて」

「なんだそんなことか。元からお祝いしようと思ってたんだけど、聞きそびれちゃってね、分からずじまいだったんだよ」

「そうなんですか。じゃあ、お願いしてもいいですかね?夜は家でパーティーを計画しているんですけど」

「任せて、比企谷君を連れ出してみせる!」

「ありがとうございます。で、夜のパーティーには白さんもいて欲しかったり…」

「えっ?いいの?私としては行きたいんだけど…」

「ぜひ!いつも小町と2人なので寂しいんです」

 

せっかくのお誘いだ、ここは乗らないと損になってしまう。

 

「じゃあ、いこうかな」

「はい!よろしくです!」

 

わずか1時間にも満たなかったけど、夏休みが一歩進んだ気分だよ。

 

スキップ♪スキップ♪家にかーえる♪そして家のドアをオープン!

 

「ただいま!」

「おかえり」

「その顔…、比企谷君がらみだね?」

 

ばっ、ばれたー!

そりゃそうか、あんだけはしゃいで帰ってくれば…。

 

「まあ、そうだけど」

「よし、お姉ちゃんに話してみなさい」

「仕方ないなあ」

 

この後、笑顔で語ってやった。

お姉ちゃんも参加したかったらしく、小町ちゃんに連絡して、許可をとったことを伝えておこう。

 

時刻は夜9時

さてと、比企谷君を誘うとしますか。

私はメールでいいかな?と思ったが、せっかくだし電話を選択。

番号を確認してから発信!

コール音がスマホから流れる。

時間たっぷり7コール目で

 

『もしもし?』

「もしもし、比企谷君?」

 

やっとでてくれた。

 

『なんのようだ?もしかして間違い電話か?』

「いや、違うから!比企谷君に用があるんだって!」

『…おっ、おう。間違い電話だったら泣いちゃってたぜ』

「全く…。比企谷君さ、8月8日は…暇かな?」

 

間を使うことがポイントですね。

さあ、どう答えるかな?

 

『おい、あざといぞそれ』

 

ちきしょー!ばれてたよ…。

やはり比企谷君には通用しないらしい。

もうやめようと心に誓った。

 

「ま、まあそんなことより暇なの?」

『…、本当は暇じゃないんだけどな、小町が出掛けてこいと言ってるから暇でなくもないような気がする』

「で?結局のところ?」

『…暇です』

「よし、じゃあよろしくね?」

『へいへい』

「時間は11時、この前と同じで駅のあの場所ね!」

『わかった』

「それじゃあ、またね」

『おう』

 

電話を切って、スマホをベットに放る。

ぽすっと音をたててベットに乗ったのを確認して、椅子に座る。

どーしよっかな~、プレゼント何にしよう?

あらかじめ目安をつけておくのがいいよね。

そうだなぁ、学校に着けてきても問題ないものが一番いいかも。

ネクタイピン?キーホルダー?メガネ?考えてみるとたくさんあるなぁ。

まあこれは出掛けたときに探せばいっか。

(この結論にたどり着くまで1時間かかった)

 

大体の目星はついたので暇を潰そうと投げたスマホとって、電源をつける。

するといくつか通知が来ていた。

その中に私のいつもいるグループからのがあった。

どうやらプールの日程についてだった。

 

『プールどうする?』

『8月上旬あたり?』

『その辺が妥当じゃない?』

『と、いうと8月の4~10日ぐらいか』

『この中でダメな日ある?』

『5日無理…』

『私9日~』

『確か俺ら部活が4、5日ってあったよな?』

『そういえば…』

『あっ、4日も無理だった。』

『そうなると6、7、8、10のどれかか』

『あと、日代さん次第か』

『日代さーん、連絡よろしく』

『よろしく』

 

ここでとぎれていた。

ふむ、プールに行く日か…。

うーん、8日は絶対外せないとして…。

みんなには悪いが7日も断っておこう。

プールで疲れて次の日寝坊!なんていやだからね。

そうと決まれば、

 

『遅くなってごめんね!私は7日と8日はダメなんだ…』

 

よし、完了!

これで問題ないだろう。

時計を見てみると10時半だったので、素早く寝る準備を済ませてベットに潜る。

比企谷君と出掛ける服とかも決めとかなきゃなぁ。

なんて考えながら私は眠りにつく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「気になる、気になるなぁ…。どんな予定かな?…日代さん」

 

このときは気づかなかった。

私の物語が大きく動いていることに…。

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか?

内容的に大丈夫ですかね?

今後の展開といい、ラストのやつといい、色々と…。

とりあえず、次回に続きます!


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。