覇王とイチャイチャしたい   作:初音 茜

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今回で闇の書事件は終わりです。
A's終了まであと数話になる予定です。

それではどうぞ


21:解き放たれる闇

完全復活した守護騎士達ははやてと向き直ると頭を下げた。

 

「主。申し訳ありません。私達は・・」

 

「ええよ。リインフォースから全て聞いた。これが終わったら皆で魔力を蒐集してもうた人達に謝りに行こう。とにかく皆・・おかえり」

 

微笑むはやて。

 

「はやて〜〜!」

 

はやてに泣きながらヴィータが抱きつく。そんなヴィータをあやしながらはやてはザフィーラに向き直る。

 

「ザフィーラ」

 

「・・はい。わかっています主」

 

そう返事をすると一礼してフェイト達の元に向かうザフィーラ。その様子を見て慌ててシグナムとヴィータも後を追った。

3人がフェイト達の元にたどり着くと未來が皆を守るように立ち塞がり殺気を出していた。

一歩判断を間違えばまた同じことが繰り返されると思ったザフィーラだが意を決して口を開く。

 

「未來。そして魔力を蒐集してしまった魔導師達よ。今更謝った所でどうしようもない事は重々承知している。だがどうか謝罪をさせてもらえないだろうか?」

 

そう言って頭を下げるザフィーラとそれに続くシグナム達。それを聞いた未來は殺気は収めたものの警戒しながらフェイトに聞く。

 

「こう言ってるがフェイトはどうする?」

 

「私は許すよお姉ちゃん。確かに色々思うことはあるけど家族を助ける為に動いていた人達を恨む気にはなれないから」

 

「そうか。では高町さんは?」

 

なのはの名前が出た瞬間ヴィータの体が強張った。まぁそれも無理はないだろう。一方的に襲いかかりリンカーコアが損傷するほど魔力を蒐集した上に再び会った時には完膚なきまでに叩き潰したのだ。

今は完治しているとはいえ一生恨まれても仕方がないことなのだから。

ビクビクしながらなのはの返答を待つヴィータ。

 

「私もフェイトちゃんと同じく許す・・・って言いたいけどそれは無理かな」

 

「っつ!!」

 

なのはの拒否の返答にヴィータは顔を歪ませる。だがそれも一瞬。

 

「あっ、でもヴィータちゃんがちゃんと私の名前を呼んでくれたら許してあげようかな〜♪」

 

「はぁっ!?」

 

「だって会うたびに高町なんとかって呼んでてしっかりと呼んでくれた事がないんだもん。謝るならその相手の名前は覚えなきゃね〜♪」

 

正論だがその時の笑顔を見た面々は揃ってこう思った。

 

(悪魔)と。

 

周りがそう思っているとは露にも思わないなのははここぞどばかりにヴィータを煽るとぷるぷると震えながらヴィータは口を開いた。

 

「・・高町・・なのは・・」

 

「うん♪」

 

それははっきり聞こえるように言ったわけではない。でもしっかりとなのはの耳に届きなのはは満面の笑顔で頷いた。

一方、未來にザフィーラが改めて話しかける。

 

「・・未來」

 

「・・言っておくがザフィーラ。俺はお前を消した事に対して謝るという事はせんぞ。お前らは覚悟を持ってやっていたんだからな」

 

「あぁ、わかっている。だがどうしても謝らせてほしい。未來の家族を傷つけて本当にすまなかった」

 

頭を下げるザフィーラ。それを見て未來はため息を吐いた後口を開いた

 

「・・・被害にあったフェイト達が許したんだ。これ以上俺から何か言うこともない。よってこの話は終わりだ」

 

「・・・わかった」

 

ザフィーラとの話を終えた直後クロノから声が上がった。

 

「皆聞いてくれ。はやて達も近くに来てくれ。

先程から触れないでいたが時間が無くなってきたので簡潔に現状を説明する。

海の方にある黒い塊が見えるか?あれが闇の書の防衛プログラム。夜天の書を闇の書へと変貌させたプログラムだ。

今はまだ動いてないが後数分で暴走する。僕らはそれをどうにかして阻止し消滅させなければならない。ちなみにその方法だが・・・」

 

クロノは一枚のカードを取り出す。それはグレアムから託された杖型のデバイスのデュランダル。

 

「このデュランダルで強力な凍結魔法で凍結させて封印するか破壊するのでいこうと思うんだが意見はあるだろうか?」

 

「えっとそのデバイスはコアまで凍らせる事ができるんですか?もし無理なら再生を止められないので意味が無いかと」

 

クロノの言葉にシャマルが口を開く。

 

「ふむ。ではコアまで凍らせる魔法って持ってたりしないか?」

 

「そ、それは・・・ないです・・けど・・」

 

クロノの言葉にシャマルは淀んでしまう。だが、、

 

「・・・クロノさん。方法はあります」

 

「本当ですか!?恵さん!」

 

「ええ。凍らせるだけではコアを破壊する事はできない。だがそれはデュランダルのみの場合。今ここには大勢の魔導師がいるんです。全員の攻撃でコアを露出させたら長距離転送で宇宙空間へと送りアルカンシェルで消滅させればいい」

 

「な、なぜ恵さんがアルカンシェルの事を!?」

 

「貴方のお父さんから聞いたからですよ。そしてアルカンシェルは艦隊にはついているのでしょう?」

 

「た、確かにありますがアルカンシェルは11年前に父さんを・・・」

 

「昔の話だ。それに私はアルカンシェルの攻撃を受けてはいない。その前に闇の書に吸収されたのだからね。それでどうする?クロノ執務官」

 

「・・わかりました。その方法で行きましょう。エイミィ聞こえるか!?」

 

わざと階級をつけるクライドの真意を察し執務官としての顔に戻りながら通信をかけるクロノ。

 

「(ジャッジャジャーン♪もちろん聞こえるよクロノ。こっちでいつでも撃てるようにアルカンシェルを準備しとくね)」

 

「あぁ頼む。それと母さん」

 

「わかってるわよクロノ。私はクライドと一緒にアースラに戻ってアルカンシェルの準備に入るわ」

 

「そうするしかないだろうな。デバイスが無くては俺も戦えん。お前達に託すしかないのが辛いが」

 

「大丈夫ですよ父さん。また後で会いましょう」

 

「・・わかった。気をつけるんだぞ」

 

「はい!」

 

クライドの言葉にクロノが返事をすると2人は転移魔法でアースラに戻っていった。

それを見届けた後作戦の最終確認を進める。

 

「今現状確定しているのは恵さんが言ったコアを露出させて長距離転送で宇宙に送りアルカンシェルで蒸発という流れだが問題はその長距離転送を誰がするかだが...」

 

その言葉に答えたのはシグナム。

 

「それならばシャマルが適任だ。そういった事のスペシャリストだからな」

 

「そうか。なら頼めるか?シャマル」

 

「まかせて!」

 

適任者を決めたと思った同時に通信が入る。

 

「(僕達もやるよクロノ!!)」

 

「なんだフェレットもどきじゃないか。やるって長距離転送をか?ならもう適任者は見つかったんだ。お前はそこで待機していろ」

 

「(フェレットもど、、!!それで呼ぶなと何回も言ってるだろ!あとやるって言ったのは長距離転送の事もあるけど何よりそっちに行って皆が戦いやすいようにサポートに入るって意味だよ!僕だけじゃなくアルフさんもいる)」

 

「アルフが?でもアルフは怪我で療養中のはずじゃ?」

 

家族の名前が出てきた事で反応するフェイト。そしてその言葉にユーノは答える。

 

「(うん。僕もそう思ってたんだけど無限書庫で調べている時にアルフさんが無限書庫に駆け込んできて手伝うって言ってくれたんだ。怪我はどうしたのか?って聞いたらベットの枕元にある豆を食べたら治ったんだって。豆で治るなんて聞いたことないけど)」

 

「「あっ!!あの豆!!」」

 

心当たりがあるなのはとフェイトが叫ぶ。

 

「(知ってるのかい?)」

 

「うん。お姉ちゃんがくれた豆で食べたら蒐集された魔力が完全回復したんだ。お陰でこうやって戦うことができてるんだよ」

 

「私も怪我が無くなったよ」

 

「(・・・本当にそんな豆があるんだね。ってかアルフさんが話したそうにしてるから変わるよ)」

 

「うん」

 

「(フェイト!聞こえるかい!?)」

 

「うんアルフ。聞こえるよ」

 

「あらアルフおはよう。ちゃんとエサは食べたようね」

 

「(連絡遅くなってごめんねフェイト。そしてあの豆を置いたのはあんたかい!プレシア!何の書き置きもなくただポツンと枕元に置いてある豆を見た時は恐怖しかなかったしリンディにあの豆について聞かなかったら食べてなかったよ!)」

 

「貴方なら食べ物であればなんでも食べると思ったから書き置きは残さなかったのよ♪」

 

「(笑うな!いくらあたしでもよくわからない物を食べたりなんてしない!)」

 

「え?」

 

「(え?っじゃない!あんたはあたしを何だと思ってんだい!)」

 

「それはもちろん食い意地しかない狼娘よ」

 

「(OKわかった。プレシアあんた喧嘩売ってるね?買うよ?)」

 

アルフはプレシアに小馬鹿にされているのに気づき喧嘩をしようとするもそれはクロノに阻まれた。

 

「2人ともそこまでにしてくれ。時間が無いんだ。それじゃあフェレットもどきとアルフはこちらに加わるということでいいんだな?」

 

「(ちっ!仕方ない。でも後で覚えときなよプレシア!あとそれでいいよクロノ)」

 

「(認識はそれで合ってるけどフェレットもどきはやめろ!)」

 

「返り討ちにしてあげるわアルフ」

 

「よし。ならすぐに転移してきてくれ」

 

「(おい!)」

 

プレシアはアルフを煽りクロノはユーノのツッコミを無視し通信を切る。そして3分程でユーノとアルフが転移してきた。

 

「転移完了。ってそれよりもクロノ!いい加減フェレットもどきって言うなと・・・」

 

転移後すぐにクロノに突っかかるユーノの言葉を未來が遮る。

 

「そこまでだユーノとやら」

 

「へっ?」

 

「・・来るぞ」

 

ゴクッ!

 

誰か鳴らしたかつばを飲み込む音が響いた直後海の真ん中に存在していた黒い塊にヒビが入ると爆風を伴いながら割れた。

風が止み目線を再び戻すと醜悪な姿をした防衛プログラムが姿を現した。

 

「さぁ行くぞみんな。作戦はさっき言った通りコアを露出させ長距離転送で宇宙に転送した後アルカンシェルで消す。ただそれだけだ!何もないように見えるがやつには複合魔法式のシールドが四層展開されている。まずそれらを破壊してから本体を倒しコアを露出させるぞ!」

 

「おう!!」×全員

 

まず先陣を切ったのはユーノとアルフ。

 

「チェーンバインド!」

 

「ストラグルバインド!」

 

ユーノとアルフがバインドを繰り出して防衛プログラムを拘束する。

 

「縛れ!鋼の軛!」

 

ザフィーラも続いてプログラムの触手を鞭状の拘束魔法で動きを封じていく。だがザフィーラの拘束魔法はともかくユーノとアルフのバインドは簡単に砕けてしまった。

だがそれはさほど重要ではない。彼らの仕事はあくまでサポートなのだ。ほんの少しでもナハトヴァールの動きを止めればそれで充分。

その少しの時間でナハトに接近するなのはとヴィータ。

 

「ちゃんと合わせろよ。高町・・なのは・・」

 

「!!。うん!」

 

ヴィータが顔を赤らめながらなのはの名を呼ぶとなのはは2回呼んで貰えるとは思ってなかったのか驚きつつも嬉しいのか満面の笑顔で返した。

 

「行くぞ!アイゼン!」

 

『ギガントフォーム』ガシュン!ガシュン!

 

ヴィータの声と共にアイゼンはカートリッジを2発ロードするとナハトヴァールに匹敵する程の巨大なハンマーとなった。

 

「轟天!爆砕!ギガント・シュラーーーーク!!」

 

ヴィータの攻撃が物理結界の一層と接触し激しい拮抗音をあげ競り合った後に破壊した。

そしてそれを見届けたなのはは魔力をチャージしながら接近する。

 

「行くよ。レイジングハート!」

 

『all right。my master』

 

魔力をチャージしレイジングハートがターゲットに狙いを定める。

 

「アクセルシューター・バニシングシフト!」

 

「シューーーーーート!」

 

撃ち出された魔力弾はヴィータに当たるかというギリギリの所で拡散し触手を薙ぎ払う。

 

「次!フェイト!シグナム!」

 

クロノの指示が飛ぶ。

 

「・・テスタロッサ」

 

「あの件に関してはもう終わったはずですよシグナム。今は味方です」

 

「・・そうだな。よし、行くぞテスタロッサ」

 

「はい。シグナム。バルディッシュ。ザンバーフォーム!」

 

『yes.sir』

 

フェイトはバルディッシュをザンバーフォームに変形させ持ち前のスピードで現在地と丁度反対方向に回り込んで魔法陣を展開する。

 

「貫け!雷神!」

 

『ジェットザンバー』

 

最大級の魔法を放つフェイト。そして、

 

『ボーゲンフォーム!』ガシュン!

 

そんなフェイトの動きを見たシグナムはカートリッジを1発ロードしレヴァンティンを弓に変化させ矢を放つ。

 

「翔けよ 隼!」

 

《シュツルムファルケン》

 

放った矢はバリアを貫通し内部で爆発を起こす。そしてフェイトの攻撃で2枚目のバリアを粉々に破壊した。

 

「次!恵さん!」

 

クロノに呼ばれた未來はバオウを展開し魔力を込める。すると本が赤く輝き始めた。

 

「皆!退避してくれ!」

 

未來の言葉を受けナハトヴァールの近くにいた人達が退避をする。それを見届けた後バオウに残りに必要な魔力を送り込むと本の輝きが激しくなった。

 

「行くぞバオウ!」

 

『おうよ相棒!』

 

「これで砕け散れ〜〜!!ガルバドス・アボロディオ!!」

 

呪文を唱えると未來の体を覆うように赤いオーラが出現しそこから幾つもの爪に包まれた魔獣のようなエネルギー体を放たれた。

その攻撃を危険と判断したのかナハトは砲撃を放つがそれをものともせずエネルギー体が当たると残りのバリアを破壊した。

全てのバリアが破壊されたナハトはすぐさまバリアを貼り直そうとするがそれはプレシアによって阻まれた。

 

「もうバリアなんて展開させないわ。フルグラム・バインド!」

 

プレシアが魔法を封じるバインドを仕掛ける。そして、、

 

「今だ!はやて!」

 

「彼方より来たれ、やどりぎの枝」

 

『銀月の槍となりて、撃ち貫け』

 

「『石化の槍、ミストルティン!』」

 

リインフォースとユニゾンしたはやてから放たれた石化魔法によってナハトヴァールはどんどんと石化していくがナハトヴァールは新たなパーツが生やす事でなんとか抗おうとしていた。

そしてその様子を見ていたクロノはデュランダルを構え魔力をチャージする。

 

「行くぞ!デュランダル!」

 

『OK!Boss♪』

 

「ハァァァァァ・・・凍てつけ!」

 

『エターナルコフィン!』

 

絶対零度を誇る凍結魔法が放たれナハトヴァールに直撃しナハトヴァールは石化に抗うのも忘れ奇声をあげながら凍りついていった。

 

「ふぅ〜〜〜、、さぁとどめは任せたぞ!恵さん、なのは、フェイト、はやて!」

 

絶対零度の凍結魔法ということもあって余波でクロノ自身の服や髪の一部が凍りついていたがそんなの後回しとばかりに4人の名前を呼ぶ。

そして上空に浮かぶ4人はそれぞれ最大級の魔法を放つ為の魔力をチャージしていた。

 

「バオウ。行くぞ!」

 

『OK。相棒』

 

バオウに呼びかけ魔本から杖へと持ち替えり詠唱を開始する。

 

「ハル・インク・アルハルド。契約により我に従え 奈落の王! 地割り来れ 千丈舐め尽くす 灼熱の奔流! 滾れ! 迸れ! 赫灼たる亡びの地神!!」

 

未來が詠唱をし始めてからナハトがいる辺りの海底の水温が上がり海水がボコボコとお湯のように沸騰し始めた。

 

「全力全開!スターライト〜〜」

 

なのはの前に全てを破壊しつくす魔力の球体が作成されどんどんと巨大化していく。

 

「雷光一閃!プラズマザンバ〜〜」

 

自然のエネルギーである雷がバルディッシュに宿る。

そしてはやては凍り付いたナハトヴァールに悲しみの目を向けた。

 

「ごめんな。お休みな」

 

「響け終焉の笛 ラグナロク・・」

 

準備が終わりそれらが一気に放たれた。

 

「引き裂く大地!!」

 

「「「ブレイカー!!!」」」

 

トリプルブレイカーによってナハトヴァールの体が砕け未來の魔法により海底の地面が砕け溶岩となりナハトヴァールを焼き尽くしていく。

海といえどいきなりの高温を持つ溶岩をとめることは出来なかった。

 

4人の攻撃によってナハトヴァールの体が無くなっていく中、シャマルは旅の鏡でナハトヴァールのコアを探していた。

 

「掴まえた!!ユーノ君!アルフさん!」

 

「長距離転送!」

 

「目標 軌道上!」

 

シャマルの呼び掛けと共にユーノとアルフの魔法陣によってコアは転送された。

 

「コアの転送 来ます!」

 

「転送されながら生体部品を修復中!この速さではアルカンシェルを放つまでに修復されてしまう可能性が!」

 

「例えそうでも我々がする事に変わりはありません!アルカンシェル起動!バレル展開!」

 

「ファイアリングロックシステム、オープン」

 

リンディの前に透明な立方体が現れそれが少し開くと中に緑色の水晶の様なものが存在していた。

 

「発射後すぐに安全圏まで退避します!その準備も進めて!」

 

「了解!」

 

そして・・

 

「コア到着まで10秒前・・9.8.7...」

 

カウントダウンが始まりリンディがファイアリングロックシステムに手をかざしたままコアが到着するのを待つ。

そうしてからリンディはクライドを見ると彼はまっすぐ妻を見ながら頷いた。

 

「4.3.2.1...来ます!」

 

カウントダウンが尽きたと同時に目の前にナハトヴァールが姿を表した。

地上にいた時の姿ではないがほとんどが修復されている。8割程であろうか。

だがそれでもやる事に変わりはない。ファイアリングロックシステムが緑から赤に変わりリンディは力強く宣言した。

 

「アルカンシェル 発射!」

 

アルカンシェルが発射されナハトヴァールに命中しすぐさまエイミィが反応を調べる。

 

「魔力・再生反応ありません!完全消滅確認!現場の皆さんお疲れ様でした。事件解決です」

 

エイミィのその一言で歓声がアースラ内に響き渡る。

艦長席でふぅ〜と息を吐くリンディをクライドは後ろから優しく抱きしめリンディはそれを感じて笑顔になっていた。

 

 

そしてエイミィからの通信を受けた地上メンバーは歓喜の声を上げていた。

 

「やったよお姉ちゃん!」

 

「あぁ。お疲れ様フェイト。さて・・」

 

歓喜の声で話しかけてきたフェイトに返事を返しはやて達の元に移動する未來。

初めての魔法行使で疲れているであろうはやてはリインフォースに抱き抱えられながら守護騎士達と話していたが未來の姿を見た瞬間笑顔が消え複雑な表情になっていた。

 

「よぉはやて。お疲れ様」

 

「・・何の用ですか?未來さん。今家族で話してたとこやったんですけど」

 

わだかまりが消えていないせいかどう接していいか分からなそうに言ってくるはやてにバオウから取り出した一冊の本を渡す。

 

「はやて。お前にこの新生夜天の書を渡す。使うかどうかはお前に任せるよ」

 

「・・新しい本など要りません。夜天の書はこうして復活したんですから」

 

その言葉を受けて未來はやはりと思いリインフォースへ話しかけた。

 

「夜天よ。やはりお前ははやてに1番重要な事を伝えていなかったようだな」

 

「な、何を言っている!?私は全てを主に話しているのだぞ!」

 

「本当にそうか?」

 

慌てながら弁明をするリインフォースに冷たい目を向ける未來。

2人のやり取りを見てようやくはやても何かあると思うことができた。

 

「え?どういう事なん?ナハトヴァールを倒したからもうリインフォースは苦しまんでええんとちゃうん?」

 

「むしろまだ苦しみがあった方が良かったかもしれないな。はやて。夜天は言えないようだから俺から言ってやる。夜天の中にはまだ防衛プログラムのバグが残っている。闇の書へと変貌させたプログラムがな。今はいいが時間が経てば再び再構築し闇の書へと逆戻りするだろう」

 

「そ、そんな!?どうしてそんな大事な事を教えてくれへんかったん?リインフォース!」

 

「あ、主。それは・・・」

 

「まだ続きはあるぞはやて。夜天はそれに気づいていたがそれを言えばまた今日のような事が起きるのは明白となりその対策の為にまたはやてや他のみんなに負担を強いることになる。だからそれを回避する為に夜天は一つの結論を出した」

 

「結論?」

 

「やめろ未來!それを主に伝えるな!」

 

リインフォースが止めようとするがそれを無視し言葉は放つ。

 

「夜天は防衛プログラムのバグを抱えたまま夜天の書を破壊し自らの命を絶とうとしている。そうすればバグによって夜天の書が闇の書に変わる事も無くなるからな」

 

「・・ほ、本気なん?本気なんかリインフォース!今未來さんが言ったことを本当にするつもりなんか!?」

 

「そ、それは・・・」

 

目線を逸らすリインフォース。だがその行動がはやての問いに対する答えとなってしまう。

 

「い、嫌や!死ぬ必要なんかあらへん!また闇の書のバグが暴走したならウチが抑えたる!もうリインフォース一人で苦しむ事も無いねん!一緒に生きて行こうや!!」

 

「主。申し訳ありませんがそれはできません。仮に主が抑えたとしてこのバグは日に日に強大していきます。そして抑えられなくなった時は再び主を巻き込み今日のような事が起きるでしょう。それを阻止することが魔導書として何より大切な家族を守る事が私の使命なのです」

 

「なんで自分が死ぬことを前提にしとるんや!リインフォースもウチの大切な家族や!!主としてやない!家族として一緒にいて欲しいんよリインフォース!!」

 

泣きながらひたすら懇願するはやてだがそれでもリインフォースの表情は変わらない。

 

「そんなに想っていただけて私は幸せな魔導書です。私の想いは後に生まれる子に託されるでしょう。その子と一緒に生きてください主」

 

「リインフォース!!」

 

2人が壮絶な会話をしている中置いてけぼり気味になっている未來が割って入る。

 

「なんか別れの空気を出してる所悪いが夜天は死なんぞはやて」

 

「何!?」

 

「ホンマに!?ホンマにリインフォースは死なへんねやね?未來さん!!」

 

「あぁ。夜天が懸念している事はこの新生夜天の書に夜天を移し元の本を破壊することで免れることができる。無論ユニゾン機能も失われない」

 

「お、お前はどこまで知っているんだ?もうほとんど夜天の書に関する記述は無くなっているというのに」

 

「俺の情報網を甘く見てもらっては困るな夜天よ。それでどうする?この話を聞いてもお前は新生夜天の書がいらないと言うのか?はやて」

 

「・・要ります。どうか譲ってください未來さん」

 

気まずそうに頭を下げて懇願するはやて。そしてそれをさせてしまった原因であるリインフォースも複雑な顔になっていた。

 

「・・頭を下げる必要など無い。言わば俺のお節介のようなものなのだからな。ほれ。これが新生夜天の書だ。使い方ははやてがその本を持ったまま夜天と手を繋ぎマスター認証と夜天をインストールするだけだ」

 

「ありがとうございます。それじゃあリインフォースいくで」

 

「・・はい。我が主」

 

手を繋ぐはやてとリインフォース。

 

「マスター認証そしてリインフォース、インストール開始!」

 

はやてがそう宣言すると白い魔力光の古代ベルカ式の魔法陣が展開され作業が開始される。

そして数分で魔法陣は消えた。

 

「夜天よどうだ?体の状態とかは?」

 

「・・バグが消えている!?いや、まだそちらの夜天の書には残っている。引き離されたのか?」

 

「よし成功だ。さぁはやて。その夜天の書を破壊すれば全て終わる。最後はお前の手で終わらせるといい」

 

「・・・はい」

 

未來の言葉に返事を返しバグが残っている夜天の書を見るはやて。

 

「ごめんな。今度こそおやすみな」

 

そう告げて魔法をぶつけ破壊した。破壊したあとに残っていたのは表紙についていた十字型のペンダントだけ。

未來はそれを拾いはやてに渡すととても大事そうに胸元に抱え込みその場を静寂が包み込んでいた。




リインフォースを生き残らせました。
ユニゾン機能を失わずに新しい夜天の書へ映す流れを作るのがわりかし難しかったです。

てかクライドをサポートに回すつもりが案が出ず結局何もさせられませんでした。
あとはやての未來に接する態度は今回の様なままでいくつもりです。

感想やリクエストあるとやる気に繋がるのでよろしければお願いします。(誹謗中傷は要りません)
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